今まで80億円以上の注文住宅のお手伝いをしてきたユーム 永野です。
今回は、実際に失敗・後悔したと思われている方は、どういう理由からなのかも紹介致します。
後半には、それではどうすれば良いのか、住宅メーカー選びの3つのコツもわかります。
注文住宅の営業マンとして住宅展示場で接客していた時、他社で契約してクレームを抱えた方々が毎年のようにモデルハウスに来店されていました。
これは何故だと思いますか?
なぜ、住宅展示場のモデルハウスに、他の会社で契約した人が来るのでしょうか? |
それは、住宅メーカー選びで失敗・後悔した方が、住宅展示場で、その建築会社と対応の改善について打合せをした後に、他社のモデルハウスに寄るからです。
結局納得できる対応をしてもらえない。そのストレスのやり場がなく、そのまま同じ展示場内の他社に、「こんな状況なのですが、どう思いますか?」と聞きたくなるからです。
契約直後なら、まだなんとかしてあげることができるけど、工事が進んでいたり、住んだ後だとどうしようもないのですが・・
私は当時、モデルハウスに居ないことが多かったのですが、それでも毎年のようにそういうお客様が来店され、お話を伺いました。
現在は色々なハウスメーカーとやり取りすることが多いですが、今でもこういう方が必ず毎年何人か各モデルハウスに来ています。
ただ、ハウスメーカー選びや工務店選びを失敗した方々のうち、他社のモデルハウスに来られるのは、ほんの一部の方だと思いませんか?
他社のモデルハウスに自分のクレーム話を言いに行かない方も多いでしょうから。
ハウスメーカー・工務店と揉めているという方が意外と多い |
私がハウスメーカー時代、チーム員からそういう方が今日モデルに来ましたと報告を受けたり、工事前だったので、その会社との契約を解約して、私や同僚が契約となった例も一つや二つではありません。
勿論、すんなりと解約できるケースはほとんどなく、かなり揉めたり、契約金が返ってこないという方もいらっしゃいました。
皆さんのご参考となるように、具体的に契約後、どんなことで悩まれてモデルハウスに来られたのか、実例をご紹介します。
・契約後に聞いていないことで金額がかなり上がってしまった。 その理由にどうしても納得できない。 |
・住んで2年しないうちに壁に長いひびが入った。 地盤のせいということで手直しにかなりの金額がかかると言われた。 家全体が心配なのに、その箇所以外を詳しく調査してくれない。 |
・住んで2年で家が傾いた。 電話をくれると言ってから2週間経っても連絡がない。 心配なのに、きちんとした対応をしてくれない。 |
・うちに載せた太陽光発電と同じ銅板無し型の太陽光発電の火災が相次いでいるので、交換か対策をして欲しいと頼んだが、誠意ある対応をしてくれない。 自動車やスマホで発火の恐れがある場合は無料で部品交換や手直しをしてくれるのに・・ |
・住んで10年過ぎた時に雨漏りしたが、直すのに300万円かかると言われた。 他社だと保証期間で無料で手直しできると聞いたのに・・ |
・建てた工務店自体が倒産してしまった。 メンテナンスしてもらえるハウスメーカーを探しに来た |
これらは、実際のお施主さんの声です。
住宅展示場にいる営業担当の方でしたら間違いなく、こういったことはよく聞くよね、と頷かれると思います。
そのお施主さんたちも、他社に言ってもどうしようもないのは分かっている方も少なくないと思います。
他社から「そんな事は普通無いですよ」という言葉や、「それは酷いですね」という言葉を聞きたかったのか、何処にもぶつけられないストレスを、ただ言うしかなかったのかもしれません。
それらの施工会社は安く家を建てている会社が多いのは事実です。
そして、そのクレームの内容は残念な結果とは軽く言えないような深刻な場合も多いです。
勿論、比較的安く施工できる地元の工務店さんの方が、工場で大半の部材を製作するハウスメーカーよりも、現場施工での技術がある職人さんが多いのだと個人的には感じています。
ハウスメーカー・工務店選びで後悔している、失敗したと感じている人達は、たまたま残念な結果になってしまったのかもしれません。
もうちょっと、色々な角度からハウスメーカーや工務店を調べてから契約すればよかったのになあ、と感じてしまいます。
その方々の話を聞いていると、気に入った土地にはその会社しか建てることが出来なかった。いわゆる建築条件付きだったからしょうがないという方も多いです。
土地は余程変な立地で無ければ自分達に負担は与えませんが、建物は違います。
上記の方々は契約後や、住んで数年でクレーム症状が発生したという方が多いのですが、10年、20年、30年と住んでいくと、もっと色々な問題が出てきたり、老朽化が激しく建替えせざるを得ないという事になりかねません。
実際に私の実家がそうでした。
昔はあまり情報が無い中で、有名な会社の名前が入ったハウスメーカーだからと信頼して建てたのでしょうがない、と本人達は割り切っていますが、これからの経済状況では、なかなか建替えることが難しいのではないでしょうか?
今はさまざまな情報が入手できる時代ですので、なるべく広い視野で、信頼できる情報源を得ながら、ハウスメーカーや工務店を選ぶ事ができます。
また、上記の多くの方がおっしゃるのは、金額的にそういう安い会社でしか建てられなかったということです。 これも良く聞きます。
今の間取りや契約時の金額を聞いてみると、確かにその金額だと、その当時働いていたハウスメーカーでは建てられないというケースも多かったです。
ただし、もっと廊下の面積をなくしたり、各部屋の広さを少しづつ割愛してもらえれば、近い金額になったのにということも多いです。
そして、金額的にはとても無理かもしれないと思いながらも、諦めずに相談して頂いた方達が、地震に本当に強く、長持ちするマイホームを建てることができたという実例も多いです。
住宅メーカー選びで大事なポイントを三つだけお伝えします。
一つめは、担当を気に入ったからだけでなく、
その会社が責任ある対応をできるかどうかを見極めること |
もちろん、社会的責任が大きい会社ほど、変な対応はできないということもあります。
そういった大手と言われるハウスメーカーだけではなく、昔から地元に密着して、評判が良い工務店さんなら親身な対応はしてくれる可能性が高いですし、実際そういう声も聞きます。
1人や2人から聞いた評判だけでは判断が難しいので、なるべく多くの方からその工務店さんの評判を聞くと良いです。
もう一つは、
耐震等級最高等級3の家だから大丈夫だと思わない方がよい |
ということです。
等級3だから大きな地震がきても絶対に大丈夫と保証できる会社はありません。
そしてそれは、新築状態での机上の計算や実験結果であり、一つの評価に過ぎません。 建物が劣化すれば、当然耐震性も劣化します。
また、30年保証、60年保証と謳うのも難しくありません。 保証規定には、ハウスメーカーや工務店側が保証をしなくても済む免責事項も多く書かれています。
本当にその耐震性が長持ちするのかどうかを見極めることです。
そのためには、やはり自分達の予算に合いそうな会社だけを検討するのではなく、まずは色々な会社の耐震性や耐久性の具体的な対策を良く聞いて、比較することです。
そうすると、耐震性や耐久性のためにはどういう対策をしないといけないのかが分かるようになりますので、住宅メーカー選びで失敗・後悔する可能性が減ります。
これをしている方が少ないです。
すぐに間取りやインテリア、お金の話ばかりする方が多いからです。
まず最優先すべきは、構造、そして耐久性です。
そして、 最後の一つは、
その会社自体の経営体力を確認すること |
です。
決算内容をオープンにしていない会社も少なくないので、その場合は直接聞きましょう。
先ほどお伝えしたとおり、失敗・後悔した方の中では、その会社が倒産してしまって、不具合の相談などに困ったという方もいらっしゃいます。
実際に私の実家もそうでした。
そもそも、その施工会社が倒産してしまったら長期保証の意味を無くします。
間取りやデザインやお金面で住宅メーカーを比較するだけでなく、その会社が生き残れるかどうか、その点もしっかり確認して選びましょう。
建物が自分達を守る財産になるのか。負の財産になるのか。
それは、どの会社でマイホームを建てるのかにかかっていると言っても過言ではありません。
それではまとめです。
残念ながら失敗してしまった方々から学ぶ一つのこと |
それは
自分達の願望の広さを最優先にして、予算内で建てられる住宅メーカーを選ぶのではなく、 建てるべきハウスメーカー・工務店選びを最優先して、予算内で家づくりをすることです。 |
これが出来ない人がとても多いです。
どうしても、広さや間取りを重視して、自分達の予算内で建てられるメーカーを探す。つまり、構造やその会社の存続より、金額重視とも言えます。
建てるべき、建てたいハウスメーカーや工務店選びを諦めずに、土地や建物の広さ、設備の仕様よりも、どの会社で建てるのかを最優先することをおすすめします。
それが、後悔・失敗しないための近道です。
建物を負の財産にしないための一番のコツです。
もちろん、安くてもしっかりした構造と対応をしてくれるハウスメーカーや工務店もあると思いますので、高ければ良いと言うことではないと思います。
まずは金額だけで検討するのではなく、色々な住宅メーカーを比較検討されると良いと思います。
そして、この会社なら信頼できる、この会社で建てたいと確信できたら、自分達の予算内でどうしてもその会社で建てたい、と相談しましょう。
そういう相談をされれば、住宅メーカー側もなんとかしたいと思うものです。そして、案外なんとかなるものです。
その様にして、当初の希望よりも広くはないけれど、とても安心でき、満足できるマイホームで日々幸せに暮らしている方達は実際いらっしゃいます。
私もそういう方達からずっとお便りをいただいています。
広くなくても、とてもおしゃれに暮らしていたり、自分達らしく工夫されています。
また、頑強で耐久性があるマイホームを建てるために、予算的に収納や棚、照明やカーテン、外構などを手づくりした方も何人もいらっしゃいます。
やろうと思えば、数百万円の費用を削減できます。
10年後も30年後も後悔無く、笑顔でいられるようになっていただきたいと、心から願っております。
それではまた。
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