こんにちは。ユーム 永野です。
さっそくですが、本当に地震に強いハウスメーカーはどの会社でしょうか?
こちらでは、重要な4項目ごとに、ハウスメーカーの耐震性ランキングがわかります。
最初に結論です。
2021年度の耐震性ランキング1位はコチラです。
耐震性の重要4項目 | 耐震性ランキング1位 |
過去の地震波実験 | 三井ホーム・ヘーベルハウス |
余力実験 | 三井ホーム・ヘーベルハウス |
揺れの抑制実験 | スウェーデンハウス・大和ハウス・積水ハウス・ミサワホーム・三井ホーム・パナソニックホームズ |
震災時対応組織力 | 積水ハウス・大和ハウス・住友林業・パナソニックホームズ |
意外と思われた方もいらっしゃるのでは?
今回は、他の表面的な耐震性ランキングでは言われていない本当に地震に強いハウスメーカーの基準がわかります。
専門家の研究結果を参照として、ユーム独自のランキングとなっています。
※参照文献は コチラ
目次の下の注意点も読んでいただきたいです。
ですが、スグに耐震性ランキングを見たい方は下の目次からどうぞ。
※この記事は、U-hm(ユーム)永野がお届けします。
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■ユーム 永野 簡易プロフィール
・1分1秒を争う業務厨房の動線設計及びHACCP(危害要因分析必須管理点)に基づく環境改善提案を5年 ・大手ハウスメーカー(HM)時代を含めて、土地探し・家づくり支援を20年以上 ・現在、家づくりのご相談に対応の日々。特に、ご希望のHMのプランと見積診断は1,000回以上提供 ※注文住宅のセカンドオピニオン提供(全国ネット対応) u-hm株式会社 CEO
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1.主要ハウスメーカー12社の耐震性ランキング 【4項目一覧 】 2021年版 |
主要ハウスメーカー12社の耐震性ランキングが一覧表でわかります。
地震の強さに重要な4項目ごとに順位をまとめています。
先に結論です。
現時点で耐震性ランキング BEST5 はこちらです。
・3項目で1位:三井ホーム
・2項目で1位:ヘーベルハウス・積水ハウス・ダイワハウス・パナソニックホームズ
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こちらが、12社の耐震性ランキング一覧表です。
おすすめの見方は、まずは 「ざっと」 見ることです。
次の章で、その根拠がわかります。
主要ハウスメーカー12社の耐震性比較表 4項目一覧表 u-hm調べ2021.05 ※順不同 ※詳細は下のメーカー名をクリック | ||||
実際の地震波実験 | 余力実験
| 揺れの抑制実験 | 震災時対応組織力 | |
1位 A+ | 1位 A | ー | 8位 B | |
三井ホーム | 1位 A+ | 1位 A | 1位 B+ | 5位 A |
ダイワハウス | 5位 B | 5位 B | 1位 B+ | 1位 A+ |
積水ハウス | 5位 B | 5位 B | 1位 B+ | 1位 A+ |
パナソニック ホームズ | 3位 A | 3位 B+ | 1位 B+ | 1位 A+ |
住友林業 | 5位 B | 7位 C+ | ー | 1位 A+ |
一条工務店 | 3位 A | 3位 B+ | ー | 6位 B+ |
セキスイハイム | 5位 B | 7位 C+ | ー | 6位 B+ |
ミサワホーム | 5位 B | 7位 C+ | 1位 B+ | 8位 B |
トヨタホーム | 5位 B | 11位 C | 7位 B | 8位 B |
ヤマダホームズ | 5位 B | 11位 C | ー | 8位 B |
スウェーデンハウス | 5位 B | 7位 C+ | 1位 B+ | 12位 C |
みなさんが思っていた地震に強いハウスメーカーのイメージと違うかもしれません。
こちらで各項目ごとのランキングとその理由がわかります。
こちらの記事もみなさんよく読まれています。
・ユームがおすすめのハウスメーカー5社とは? コチラ
(各ハウスメーカーのみなさまへ)
異論・反論等も歓迎しております。その際は技術・設計・営業の責任者の方又は広報担当者の方から、当WEBメディアTOPページのお問合せよりご連絡くださいますようにお願い致します。
耐震ランキングの注意点
これは、各社公表の数値・データに基づき、ユームが独自にまとめたランキングです。
多くの地震動の研究を参照としています。
部分実験ではなく、一番重要且つわかりやすい実物大の耐震実験にフォーカスして評価ランキングを付けています。
ただし、部分実験も重要ですので、最新の内容は各社に直接確認されることをおすすめします。
※重要な補足
最近、ハウスメーカーや工務店の営業トークで、「ウチは熊本地震の地震でも倒壊はありませんでした!」というPRが横行しているようです。
その場合は、熊本、益城町でもどの場所にその会社の自社物件が何件建っていたかを確認された方が良いです。
熊本の益城町でも、その町内のなかでも被害の度合がエリアによって分かれているからです。
「熊本の益城町の地震波で実大実験しているからウチなら大丈夫です。」と断言している営業も散見されます。
が、こちらも注意が必要です。
その実大実験には、基礎がついていない場合が多いからです。
基礎と基礎と土台や柱との緊結がどれだけ強固なのかがとても重要なので、その部分も良く比較されることをおすすめします。
各ランキングの表のなかの、主要なハウスメーカー名をクリックすると、基礎などの構造強度のこともわかります。
また、実験の建物は、実際にみなさんが建てる建物と違う場合があります。
構造や耐震性の余力が実際に建てる家とは違うことがあるので注意してください。
こちらも、表の中のメーカー名をクリックすると、どういう建物で実験したのかがわかります。
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もうひとつ、みなさんに注意していただきたいことがあります。
最近ネットなどで、ハウスメーカーの耐震性ランキングが露出されています。
ですが、長く注文住宅に携わってきた専門家から見るとその根拠が良くわからないものも目立ちます。
ただ各社のHPへリンクさせたり、資料請求や建築会社を紹介するサイトに促進してアフィリエイト利益を上げているだけのものも多いです。
内容もあまり参考にしないほうが良いと言わざるを得ないものもあります。
特に、各ハウスメーカーが実大の耐震実験をしている加速度のガル(gal)の数値だけや速度のカイン(kine)だけを基準にランキングを決めているものには、ご注意ください。
地震動の加速度や速度が高ければ被害が大きいとは言えないということが、今までの震災が示しているからです。
このことをわかりやすく解説している記事はこちらです。
・2分で分かる!本当に地震に強いハウスメーカー・工務店の選び方は コチラ
ユームでは、このページの末に紹介している地震動の研究者の方々による論文などを参照としています。
こちらもみなさん参考にされています。
・【最善のモデルハウス見学法】 住宅展示場見学の5つの残念と解決法
・【備え充実の土地探し法】 土地探し3つの落とし穴と解決法
・【格別の設計・見積依頼法】 プラン設計3つの不満と解決法
・【おすすめハウスメーカー】 ユームが厳選した5社とその理由
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過去の地震波で実大実験を行っているか、そしてその内容でランキングしています。
第1位は、三井ホーム、ヘーベルハウスです。
震度7と言っても、建物全壊率が高い地震波とそうではない地震波があります。
ユームではより建物全壊率が高い地震波で実験をしているかどうか? その信ぴょう性を元にランキングしています。
ちなみに、耐震等級の最高等級3の基準はそのことを反映していません。
あくまでも計算値であり、いままで計算では大丈夫だとして設計した建物が、実大実験では約20秒で倒壊した事例もあります。
ですので、やはり構造の計算だけでなく、建物全壊率が高い地震波による実大実験が重要です。
こちらが、そのランキングです。
表はざっと見るだけで大丈夫です。
そのスグ下で順位の根拠がわかります。
U-hm調べ2021.05 ※詳細は下のメーカー名をクリック
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実際の地震波実験による耐震性ランキング | |||
ランク | 評価ポイント ※()内は実験年 ※全壊・大破率は観測地の半径200mの概数(原則) | ||
1位 A+ | <実験体> 木造2階建て、3階建て(2016年) ・実大実験による実証
<建物全壊率が高い地震波で実験済み> 兵庫県南部地震(鷹取波)建物全壊・大破率34.9% 新潟県中越地震(川口波)建物全壊・大破率18.0% 熊本地震前震・本震(宮園波?)建物全壊・大破率30.8% | ||
1位 A+ | <実験体> 重量鉄骨3階建て+制震サイレス(2015年) ※2階建ての公表は無し ・メーカーで唯一、基礎付きの実大実験を実施 ・実大実験による実証
<建物全壊率が高い地震波で実験済み> 兵庫県南部地震(鷹取波)建物全壊・大破率34.9% 兵庫県南部地震(葺合波)建物全壊・大破率15.3% 新潟県中越地震(川口波)建物全壊・大破率18.0% | ||
3位 A | <実験体> 木造2階建て(2002年) 2×6工法2階建て、3階建て(2015年) ・実大実験による実証
<建物全壊率が高い地震波で実験済み> 下記いずれも内容の詳細公表無し 兵庫県南部地震(鷹取波)建物全壊・大破率34.9% 兵庫県南部地震(葺合波)建物全壊・大破率15.3% 新潟県中越地震(川口波)建物全壊・大破率18.0% 熊本地震(地震波は不明)
※KiK-net 益城波は建物全壊・大破率4.2%のため、宮園波(建物全壊・大破率30.8%)且つ詳細の公表あれば評価ランクA+ | ||
3位 A | <実験体> 制震軸組鉄骨「HS構法」2階建て(2011年) ・実大実験による実証 ※「F構法」も大林組の耐震装置にて下記地震波含む大・中・小地震をあわせて72回の実験を実施
<実験済みの地震波> 兵庫県南部地震(神戸波)建物全壊・大破率3.2% 新潟県中越地震(小千谷波)建物全壊・大破率5.35% 新潟県中越地震(川口波)建物全壊・大破率18.0% | ||
5位 B | <実験体> 鉄骨2階建て+制震シーカス(2007年) 木造2階建て(2004年) ・実大実験による実証
<実験済みの地震波> 兵庫県南部地震(神戸波)建物全壊・大破率3.2% | ||
5位 B
| <実験体> 鉄骨2階建てxevo(ジーヴォ)(2006年) 鉄骨2階建てxevo(ジーヴォ)+制震DAEQTD(2006年) 鉄骨2階建てxevoΣ(ジーヴォシグマ)(2013年) ・実大実験による実証
※木造Gran Woodは公表無し
<実験済みの地震波> 兵庫県南部地震(神戸波)建物全壊・大破率3.2% 新潟県中越地震(小千谷波)建物全壊・大破率5.35% | ||
5位 B
| <実験体> 3階建てビッグフレーム構法(2016年) 2階建てマルチバランス構法(不明) ・実大実験による実証
<実験済みの地震波> 兵庫県南部地震(神戸波)建物全壊・大破率3.2% | ||
5位 B
| <実験体> 鉄骨2階建て(2003年、2011年) 鉄骨3階建て(2005年) 木造2階建て(2005年) ・実大実験による実証
<実験済みの地震波> 兵庫県南部地震(神戸波)建物全壊・大破率3.2% | ||
5位 B
| <実験体> 木造2階建て木質パネル接着工法(1997年) ・部分実験による実証 ※外壁、窓、建具、家具無し 木造3階建て木質パネル接着工法(1997年) ・実大実験による実証 ※窓無し 木造2階建て木質パネル工法+制震MGEO(2004年) ・実大実験による実証
※鉄骨系の実験はフレームのみ
<実験済みの地震波> 兵庫県南部地震(神戸波)建物全壊・大破率3.2% | ||
5位 B
| <実験体> 鉄骨2階建て(2003年) 鉄骨2階建て+制震パワースケルトンT4(2004年) ・実大実験による実証
<実験済みの地震波> 兵庫県南部地震(神戸波)建物全壊・大破率3.2% | ||
5位 B
| <実験体> 木造2階建てS×L構法エスバイエルΣ(2001年) ・実大実験による実証 ※他の主力工法の実験記録は無し
<実験済みの地震波> 兵庫県南部地震(神戸波)建物全壊・大破率3.2% | ||
5位 B
| <実験体> 木造2階建て(2003年) ・実大実験による実証 ※一部窓無し
<実験済みの地震波> 兵庫県南部地震(神戸波)建物全壊・大破率3.2% |
※地震波や全壊・大破率などの参照資料は記事最後に列記しています
なんで積水ハウスや大和ハウスがランキングが5位(B)なの? と思われたでしょうか?
どうしてこのようなランキングになっているのか? その根拠はこちらでわかります。
■同率1位(A+)の評価
同率1位(A+)のハウスメーカーは三井ホームとヘーベルハウスです。
評価基準はこちらです。
2011年東北地方太平洋沖地震以降、数年以内に実大実験を実施
建物全壊率が高い複数の地震波にて耐震性を実証している
<建物全壊率が高い地震波> ヘーベルハウス・三井ホームにて実施 三井ホームにて実施 ヘーベルハウスにて実施
上記地震波による実験の詳細な内容を開示している
|
ただし、注意点があります。
三井ホームの2階建ての実験は、オプション構造であるということです。
しかし三井ホームで建築される方のほとんどは標準構造です。
他のメーカーにも言えますが、CMやカタログの説明では、オプション構造の実績を説明しているケースがありますので注意してください。
とはいえ三井ホームの場合、3階建ての実大実験は標準構造で行っています。
しかも上記のような建物被害率が高い地震波でも大きな損傷がなかったので、標準仕様でも安心だと言えます。
ヘーベルハウスについても注意点があります。
それは実大実験は3階建ての重量鉄骨造であるということです。
2階建てで建築される方の多くは軽量鉄骨造ですが、その実験はしていません。
ヘーベルハウスの平屋や2階建てをご希望の方は、コチラ(ヘーベルハウス耐震性評価ランク)から、基礎や構造も詳しくわかるのでチェックしてみてください。
一方で特筆すべき点もあります。
それはヘーベルハウスはハウスメーカーで唯一基礎付きの実大実験を実施していることです。
これにより、基礎及び基礎と構造躯体の接合部の強度も実大実験で実証できています。
これはポイントが高いです。
基礎は重要ですよね。
上記表の他のハウスメーカー名をクリックすると、基礎の強度を含めた耐震評価ランクの詳細がわかります。
基礎は主なメーカーのみですが、参考にしてください。
もう一点だけ、あまり他では言われていない重要なポイントだけ覚えておいてください。
それは、建物固有の周期についてです。
RC造も鉄骨も木造住宅ももともとはとても短い周期帯0.2〜0.5秒ほどで共振する(大きく揺れる)とされています。
一方で、実際の地震において、建物の被害が大きかった地震波は周期1〜2秒以内であることがわかっています。
これは何故でしょうか?
それは、大きな地震が起きると、建物が共振(大きく揺れる)周期が延びるからということが研究でわかってきています。
ネットでは、その説明もなく、耐震性が強いというランキングがほとんどですので、ご注意ください。
■同率3位(A)の評価
同率3位(A)のハウスメーカーは一条工務店とパナソニックホームズです。
評価基準はこちらです。
直近10年以内に実大実験を実施
建物全壊率が高い地震波を1つ以上にて耐震性を実証している
<建物全壊率が高い地震波> パナソニックホームズ・一条工務店にて実施 一条工務店にて実施
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1位のA+と比べると、耐震性の実証性・透明性が弱いため同率3位(A)としています。
3位(A)とした具体的な理由は以下のとおりです。
パナソニックホームズは、建物全壊率が高い地震波で実大実験を実証しています。
ただし該当するのは新潟県中越地震(川口波)のみです。
3階建て以上のNS構法(重量鉄骨造)では、この実験をしていません。
一条工務店は、すべての構法で実大実験を実施している点はポイントが高いです。
ただし同地震波の観測地点における最大数値かどうかの明示がないのは残念です。
建物全壊率が高い複数の地震波で実証しているのは外内ダブル断熱構法のみです。
夢の家I-HEAD構法の明示はありません。
一方で一条工務店は熊本地震の実験もしたとありますが、地震波の詳細な公表はありません。
熊本地震の宮園波(建物全壊・大破率30.8%)のような、その観測地における建物被害に最大に影響する地震波での実験かどうかが重要となります。
両社とも詳細の公表は無いのが残念です。
同じ観測地域の実験でも、どの数値の地震波を切り取り、実験したかにより耐震の実証性は変わってきます。
それらの点が1位のA+評価とは違う点です。
三井ホームは、建物全壊率が高い複数の地震波にて、すべての構法で実大実験を行っています。
その地震波の数値を明示しています。
ヘーベルハウスは、基礎付きで同じく建物全壊率が高い地震波で実験を行っております。
もちろん、(公表されている以外の)実験内容によっては、パナソニックホームズはB評価となり、一条工務店はA+かB評価となり得ます。
ぜひ、より詳細な実験内容を会社として公表していただきたいです。
■同率5位(B)の評価
同率5位(B)のハウスメーカーは、積水ハウス、ダイワハウス、住友林業、セキスイハイム、ミサワホーム、トヨタホーム、ヤマダホームズ、スウェーデンハウスです。
評価基準はこちらです。
過去に実大実験を実施
建物全壊率が高くはない地震波にて耐震性を実証している
<建物全壊率が高くはない地震波> 上記ハウスメーカー全てにて実施 ダイワハウスにて実施 住友林業にて実施
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これらのハウスメーカーの多くは、兵庫県南部地震の神戸波を元に実大実験を行っています。
相対的には、建物全壊率が高いとは言えない地震波による実験となります。
そのため、同率5位(B)としています。
住友林業は東北地方太平洋沖地震(築館波)、ダイワハウスは新潟県中越地震(小千谷波)といった異なる地震波で実験しています。
しかしいずれも建物全壊率が高い地震波でとは言えないため、3位(A)以上のハウスメーカーと比較すると見劣りしてしまいます。
次は耐震性の余力に関する順位です。
本当に地震に強いハウスメーカの見分け方はコチラの記事を参考にしてください。
積水ハウスとダイワハウスの7つの違いを徹底比較した記事はコチラからどうぞ。
※過去の地震波・建物被害について参照した資料はコチラ
大きな揺れが連続で襲ってくる想定の実大実験ができているか? 建物の余力がわかるランキングです。
第1位は、三井ホームとヘーベルハウスです。
順位を決める基準はこちらです。
・建物被害率が高い地震波で実験しているか?
・短期間における連続加震にて耐震性の余力が確認できているか?
・会社としてその詳細を公表できているか?
その内容にてランキングしています。
熊本地震の時はこれだけ大きな地震が2度も連続で襲ってくると予想されていませんでした。
今後も今まで以上の震災が起きないと断言できる人はいないのではないでしょうか?
想定外の震災への備え、耐震性の余力もとても重要です。
それでは、12社の余力ランキングを見てみましょう。
おすすめの見方は、下の表はざっと見るだけにすることです。
表の下でランキングの根拠を確認した方がわかりやすかと思います。
U-hm調べ2021.05 ※詳細は下のメーカー名をクリック
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余力実験による耐震性ランキング | |||
ランク | 評価ポイント ※()内は実験年 ※全壊・大破率は観測地の半径200mの概数(原則) | ||
1位 A | <2階建て> ・実大実験による実証 ・震度7相当29回の連続加振 ・最大速度:183kine ・最大加速度:4,176gal <3階建て(オプション構造)> ・実大実験による実証 ・震度7相当60回の連続加振 ・最大速度:231kine ・最大加速度:5,115gal 下記地震波も検証 ・兵庫県南部地震(JR鷹取波):157.2kine (建物全壊・大破率34.9%) ・新潟県中越地震(川口波):144.7kine (建物全壊・大破率18.0%) ・熊本地震(宮園波?):183.5kine (建物全壊・大破率30.8%) | ||
1位 A
| <3階建て> 基礎及び基礎と構造躯体の接合部分の強度も実証できている ・実大実験による実証 ・4日間で震度7相当23回の連続加振 ・兵庫県南部地震(JR鷹取波):157.2kine (建物全壊・大破率34.9%) ・同上地震(大阪ガス葺合波):130.8kine (建物全壊・大破率15.3%) ・新潟県中越地震(川口波):144.7kine (建物全壊・大破率18.0%) | ||
3位 B+ | <2階建てI-HEAD構法> ・実大実験による実証 ・約1か月で神戸波を10回以上加振 ・最大加速度:約1,227gal(神戸波?) ※兵庫県南部地震の建物全壊・大破率3.2% <2階建て2×6工法(内外ダブル断熱構法)> ・実大実験による実証 ・兵庫県南部地震(JR神戸波):公表無し (建物全壊・大破率3.2%) ・新潟県中越地震(川口波):公表無し (建物全壊・大破率18.0%) <3階建て2×6工法(内外ダブル断熱構法)> ・実大実験による実証 ・兵庫県南部地震(JR鷹取波):公表無し ※他多数の地震波による実大実験を実施しているが、工法や実験回数、各地震波の詳細な数値の公表は無し 熊本地震を含めた詳細の明示があれば、ランクはA | ||
3位 B+
| <2階建て> ・実大実験による実証 ・震度5以上57回の連続加振(内震度7相当10回) ・最大速度:161kine ・最大加速度:1,224gal 阪神・淡路大震災神戸波の4.3倍、東日本大震災築館波の1.8倍 下記地震波も検証 ・新潟県中越地震(川口波):144.7kine (建物全壊・大破率18.0%) ・新潟県中越地震(小千谷波):100kine弱 (建物全壊・大破率5.35%) ・兵庫県南部地震(神戸波):90kine (建物全壊・大破率3.2%) | ||
5位 B | <鉄骨2階建て+制震シーカス> ・実大実験による実証 ・75回の連続加振(50kine以上) ・連続実験の最後に最大速度:160kine(神戸波増幅) <木造2階建て> ・実大実験による実証 ・最大加速度:818gal(神戸波) ・最大速度:90kine(神戸波) 下記地震波も検証 ・兵庫県南部地震(神戸波):90kine (建物全壊・大破率3.2%) | ||
5位 B
| <鉄骨2階建てxevoΣ(ジーヴォシグマ)> ・実大実験による実証 ・4回の連続加振 ・最大速度:175kine(神戸波増幅?) ※鷹取波増幅と公表あれば評価ランクA <鉄骨2階建てxevo(ジーヴォ)> ・実大実験による実証 ・震度6強以上18回の連続加振 ・新潟県中越地震(小千谷波):100kine弱 (建物全壊・大破率5.35%) ・兵庫県南部地震(神戸波):90kine (建物全壊・大破率3.2%) <鉄骨2階建てxevo(ジーヴォ)+制震DAEQTD> ・実大実験による実証 ・震度6強以上18回の連続加振 ・新潟県中越地震(小千谷波) (建物全壊・大破率5.35%) ・兵庫県南部地震(神戸波):90kine (建物全壊・大破率3.2%) <木造Gran Wood> ・公表無し | ||
7位 C+ | <3階建てビッグフレーム構法> ・実大実験による実証 ・最大加速度:3,406gal(地震波の詳細な公表無し) ・震度7相当22回連続加振 <2階建てマルチバランス構法> ・実大実験による実証 ・最大加速度:1,620gal(神戸波増幅?) ・震度7相当7回連続加振 ※兵庫県南部地震の建物全壊・大破率3.2% | ||
7位 C+ | <鉄骨3階建て> ・実大実験による実証 ・最大加速度:1,862gal(東海大地震予測波) <鉄骨2階建て> ・実大実験による実証 ・100回の連続加振(震度公表無し) ・最大加速度:2,112gal(神戸波の約2倍) <木造2階建て> ・実大実験による実証 ・最大加速度:2,202gal(神戸波の約2倍) 下記地震波も検証 ・兵庫県南部地震(神戸波):90kine (建物全壊・大破率3.2%) | ||
7位 C+ | <木造3階建て木質パネル接着工法> ・実大実験による実証 ・最大加速度:1,000gal(神戸波微増) ・最大速度:94.4kine(神戸波微増) <木造2階建て木質パネル接着工法+制震MGEO> ・実大実験による実証 ・13回連続加振 ・最大加速度:2,000gal(神戸波増幅) ・最大速度:94.4kine(神戸波増幅) ※兵庫県南部地震の建物全壊・大破率3.2% <鉄骨ラーメン構造+制震MGEO-H> ・部分実験による実証 ・3次元振動による実大実験は無し ・ユニットのみ最大加速度1,200gal(水平方向のみ) | ||
7位 C+ | <木造2階建て> ・実大実験による実証 ・震度6以上19回連続加振 ・最大加速度:1,636gal(神戸波増幅?) 下記地震波も検証 ・兵庫県南部地震(神戸波):90kine (建物全壊・大破率3.2%) | ||
11位 C | <鉄骨2階建て> ・実大実験による実証 ・震度6以上17回連続加振 ・最大加速度:1054gal(神戸波微増?) ※兵庫県南部地震の建物全壊・大破率3.2% | ||
11位 C
| <2階建てS×L構法エスバイエルΣ> ・実大実験による実証 ・連続加振4回 ・最大加速度:1054ガル(神戸波?) ・最大速度:100kine <2階建てHYT構法> ・部分実験(構造体のみ)による実証 ・神戸波?3回の加振 ※兵庫県南部地震の建物全壊・大破率3.2% <S×Lwood構法、GA構法> ・公表無し |
※参照資料は記事最後に列記しています
今回もなんで積水ハウスや大和ハウスが5位(B)なの?と思われたかもしれません。
各ランキングの根拠はこちらです。
■同率1位(A)の評価
同率1位(A)のハウスメーカーは三井ホームとヘーベルハウスです。
評価基準はこちらです。
建物全壊率が高い複数の地震波を短期間に連続加振している <加振回数> 三井ホームにて実施 ヘーベルハウスにて実施 <建物全壊率が高い地震波> ヘーベルハウス・三井ホームにて実施 三井ホームにて実施 ヘーベルハウスにて実施
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両社とも建物全壊率が高い地震波を含めた震度7相当の地震波を連続加振しているため、同率1位(A)としています。
1位でもA+ではない大きな理由があります。
今後熊本地震以上の大きな地震波や連続加振が来ないとは言えません。
その意味で耐震性の余力が十分だと断言できるほどの実大実験ではないからです。
また、透明性に関してももう少し期待したいです。
両社とも過去の震災における建物全壊率が高い複数の地震波による実証をしています。
ただ、地震波ごとの連続加振回数などの詳細な明示はありません。
現時点で最高評価の2社ですが、今後は想定外とならないような、過去の地震波以上による連続加振実験とその透明性を期待したいものです。
■同率3位(B+)の評価
同率3位(B+)のハウスメーカーはパナソニックホームズと一条工務店です。
評価基準はこちらです。
建物全壊率が高い1つ以上の地震波を含み、連続加震もしているが詳細の公表がない <加振回数> パナソニックホームズにて実施 一条工務店にて実施 <建物全壊率が高い地震波> パナソニックホームズ・一条工務店にて実施 一条工務店にて実施
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建物の余力を測る上では、建物全壊率が高い地震波であるかどうか、またそれらの地震波でどの程度連続加振したかが重要です。
現段階で、1位(A)の2社と比較すると、余力を測る耐震性の実証と透明性が弱いため同率3位(B+)としています。
パナソニックホームズは、建物全壊率が高かった地震波での実験は新潟県中越地震(川口波)のみで、同地震波の加振回数の明示はありません。
一方で特筆すべき点もあります。
それは合計140回の加振の内、135回目に限界加振である東海地震を想定した161kineの地震波を検証しています。
そしてこの限界加振後、もう一度兵庫県南部地震の神戸波で検証しています。
繰り返し余震が起きることを想定し、100回以上に及ぶ加振後さらに厳しい条件下で耐震実験を実証している点はさすがの一言です。
今後は、熊本地震のような建物倒壊率が高い地震波やそれ以上の地震波でも実証されれば当然のA評価以上です。
一条工務店は、建物全壊率が高い複数の地震波を実証しているものの、同地震波を含めて詳細な加振回数の明示がありません。
それゆえに、B+の3位としています。
特に重要な耐震性に関しては、営業マン個々の説明ではなく、会社としてホームページやカタログで明示することで透明性が図れるかと思います。
勝負するところは、提案力や対応面で十分可能かと思います。
ぜひ、両社にもより具体的な実験結果の公表をお願いしたいです。
■同率5位(B)の評価
同率5位(B)のハウスメーカーは積水ハウスとダイワハウスです。
評価基準はこちらです。
連続加振はしているが、建物全壊率が高い地震波ではなく、実験内容の詳細な公表がない <加振回数> 積水ハウスにて実施 大和ハウスにて実施 <建物全壊率が高くはない地震波> 積水ハウス・ダイワハウスにて実施 ダイワハウスにて実施
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積水ハウス、ダイワハウスともに、3位(B+)以上の建物全壊率が高い地震波での実証がないため同率5位(B)としています。
ですが詳細な地震波の公表はないものの、とても速いkine(カイン・速度)の地震波で実験をしています。
gal(ガル・加速度)よりもkine(カイン・速度)が建物被害と相関性があると言われているので、その点はポイントが高いです。
ただし実際に建物被害が大きかった地震波は、単にkine(カイン・速度)が速いだけでなく、周期約1~2秒内に強震のピークがあったものです。
残念ながら両社はこの周期については明示がありません。
確かに、両社は早い段階で実大実験を行っており、既に耐震性の実証はできたという見解かもしれません。
実際に上長の方がそのように発言もされているのも聞いております。
とはいえ、熊本地震以上の地震波が連続で襲ってこないと断言できないはずです。
ぜひ業界のトップランナーである両社には、より過酷な条件における実大実験を行ってもらい、その詳細を公表していただきたいです。
そして、ユーム永野をぜひその実験に立ち会わせて欲しいです。
一点重要な補足をしておきます。
それは積水ハウスが重量鉄骨造鉄骨造において、過去の大きな震災時に建物全壊・半壊だけでなく、一部損壊も無かったということです。
これは耐震性や余力を示す大きな情報です。
なぜなら、どのハウスメーカーよりも積水ハウスは全国に実際の家が建っており、以前より3階建以上の建物がとても多いのにもかかわらず、一部損壊も無いというのはとても安心できるということだからです。
積水ハウスとダイワハウスの7つの違いを徹底比較した記事はコチラからどうぞ。
■同率7位(C+)の評価
同率7位(C+)のハウスメーカーは住友林業、セキスイハイム、ミサワホーム、スウェーデンハウスです。
評価基準はこちらです。
連続加振はしているが、建物全壊率が高い地震波ではなく、実験内容の詳細な公表がない <加振回数> 住友林業にて実施 セキスイハイムにて実施 ミサワホームにて実施 スウェーデンハウスにて実施 <建物全壊率が高くはない地震波> 上記ハウスメーカー全てにて実施 住友林業にて実施
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建物全壊率が高い地震波や速度:kine(カイン・速度)の公表がない点が、5位(B)以上と比較して見劣りしてしまうため同率7位(C+)としています。
ただし住友林業の3階建てビッグフレーム構法は、震度7相当の揺れを3階建てで22回連続加振しています。
その点は評価B以上と言っても良いでしょう。
今後、建物倒壊率の高い地震波や速度:kine(カイン・速度)を明示した場合、評価B以上に順位が上がるハウスメーカーもあります。
今後に期待したいです。
特に住友林業はで15階以上の木造耐火建築も国の認定を受け、事実上可能となっています。
4階以上のさらなる過酷な実大実大実験も期待したいです。
その際は、ユーム永野をその実験にぜひとも立ち会いさせてください。
■同率11位(C)の評価
同率11位(C)のハウスメーカーはトヨタホームとヤマダホームズです。
評価基準はこちらです。
連続加振はしているが、建物全壊率が高い地震波ではなく、実験内容の詳細な公表がない <加振回数> トヨタホームにて実施 ヤマダホームズにて実施 <建物全壊率が高くはない地震波> 上記ハウスメーカー全てにて実施
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加速度:gal(ガル)の数値7位(C+)と劣るため、同率11位(C)としています。
また残念ながら震度7相当の加振回数についても詳細な公表はありません。
次は震災時に負傷の最大の原因となる揺れの抑制ができるかのランキングです。
※過去の地震波・建物被害について参照した資料はコチラ
こちらもみなさん参考にされています。
・【最善のモデルハウス見学法】 住宅展示場見学の5つの残念と解決法
・【備え充実の土地探し法】 土地探し3つの落とし穴と解決法
・【格別の設計・見積依頼法】 プラン設計3つの不満と解決法
・【おすすめハウスメーカー】 ユームが厳選した5社とその理由
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実大実験 or 部分実験において建物の変形を抑えることができているかのランキングです。
同率1位(B+)は
スウェーデンハウス・ダイワハウス・積水ハウス・ミサワホーム・三井ホーム・パナソニックホームズ
です。
ですが、各社とも同ランキングの実証性は弱い言わざるを得ません。
ですので、1位ですが評価ランクはAランクではありません。
表のあとにその理由がわかります。
阪神淡路大震災後の調査でも示されているように、震災時に負傷する原因の75%は建物の揺れによる家具の転倒やガラスの飛散などです。
そのためいかに揺れを減らすのかが重要です。
こちらも表はざっと見て、次の解説を確認してください。
順位の基準は以下のとおりです。
・実験(加震)中の最大の揺れ幅をどれだけ抑えれているか? ・加震後にどれだけ最初より変位しているのか? ・その実験は建物全壊率が高い地震波か? ・試験体はリアルな建物として参考になるか? ・それを会社としてその詳細を公表できているか?
その内容にてランキングしています。 U-hm調べ2021.05 ※詳細は下のメーカー名をクリック | |||
揺れの抑制実験による制震性ランキング | |||
ランク | 評価ポイント | ||
1位 B+ | <木造2階建て> ・実大実験による実証 ・加速度1,636galに対して小屋裏部分の揺れ加速度は1.29倍 ・神戸波818galに対して壁の傾き(層間変形量)が4.6㎜ ただし、加震中の最大の揺れ幅及び加震後にどれだけ最初より変位しているのかなどの詳細の公表は無し | ||
1位 B+ | <鉄骨2階建て「xevo(ジーヴォ)」> ・実大実験による実証 ・神戸波の200%の地震波も含む計85回、制震システム有、無で検証 ・制震システム無しの神戸波818galに対して2階床の応答変位は12.6㎜ ・制震システム「DEAQTD」(オプション)設置の場合、神戸波818galに対して2階床の応答変異は6.9㎜ <鉄骨2階建て「xevoΣ(ジーヴォシグマ)」> ・実大実験による実証 ・地震動エネルギー吸収型耐力壁「D-NΣQST」(標準仕様)の変位量は微増(震度7相当4回連続加振) ※詳細の公表無し <木造「Gran Wood」> ・公表無し | ||
1位 B+ | <鉄骨系> ・実大実験による実証 ・制震システムを搭載し大きな損傷無し。揺れの抑制に関する詳細公表無し <その他> ・部分実験(1階骨組みのみ)による振動実験も実施。神戸波に匹敵する約90kine、約50秒を3回実施 ・1階床と2階床の変形の差は、シーカス無し約65㎜に対して、シーカス有り約24㎜ ・揺れが収まった後の建物変位がゼロと明示 <木造2階建> ・実大実験による実証 ・神戸波818galに対して2階の床面の揺れは1階の1.6倍 | ||
1位 B+ | <木造2階建て木質パネル接着工法> ・部分実験による実証 ※外壁、窓、建具、家具無しのため実大実験とは言い難い ・制震システム無で神戸波818galに対して2階の床面の揺れは1階の約1.2倍 ・変形量は11.8㎜ <木造3階建て木質パネル工法> ・実大実験による実証 ・制震システム無で神戸波818galに対して2階の床面の揺れは1階の約1.32倍 <木造2階建て木質パネル接着工法+制震MGEO> ・実大実験による実証 ・神戸波818galに対して2階の床面の揺れは1階の約1.16倍 ・変形量は8.2㎜ <鉄骨系> ・公表無し | ||
1位 B+ | <2階建て(制震システム無)> ・実大実験による実証 ・神戸波818galに対して2階の床面の揺れは1階の約1.2倍 <2階建て(制震システム有)> ・実大実験による実証 ・制震システム「VAX」(オプション仕様)は揺れ幅を約80%軽減(詳細公表無し) | ||
1位 B+ | <鉄骨2階建て> ・実大実験による実証 ・制震システム「アタックダンパー」搭載 ・当時の日本最大加振装置の限界値となる想定地震波にて2階の床面の揺れは1階の1.2倍 ・「アタックフレーム」単体での実験は震度7相当200回以上相当を繰り返しても耐力性能の低下はほとんど無し <その他> ・部分実験(1階部分のみ)で水平実験も実施 ・大地震を想定した地震波(詳細不明)を水平方向に加振。最大150%の加振で層間変形量18mm ・実験後は元に戻ると明記 ※ただしアタックダンパー無しのため実邸と異なる | ||
7位 B | <鉄骨2階建て> ・実大実験による実証 ・震度6以上(神戸波等)の実験で変形幅の平均値は17㎜ ※詳細の公表無し <鉄骨2階建て+制震「パワースケルトンT4」> ・実大実験による実証 ・震度6(神戸波等)以上の実験 ・上記と比較して変形量を20~70%に低減 ※詳細の公表無し | ||
― | <重量鉄骨3階建て> ・実大実験による実証 ・公表無し <軽量鉄骨2階建て> ・実大・部分実験無し ・制震無(従来)よりも揺れ幅を約50%に低減 ※詳細の公表無し | ||
― | <ビッグフレーム構法> ・実大実験による実証 ・構造体への水平加振実験による耐力壁単体の変形量が少ないという解析値のみ ※詳細の公表無し <マルチバランス構法> ・実大実験による実証 ・地震エネルギーパネル(GSパネル)の変形量が一般的木造筋交いと比較して最大で約70%低減(解析値) ※詳細の公表無し | ||
― | <鉄骨2、3階建て> ・実大実験による実証 ・詳細の公表無し <木造2階建て> ・実大実験による実証 ・グランツーユーの実験により、2階の応答倍率は約1.2倍 ※詳細の公表無し | ||
― | <木造2階建て> ・実大実験による実証 ・詳細の公表無し | ||
― | <木造2階建てS×L構法エスバイエルΣ」 ・実大実験による実証 加速度1054galに対して2階床面の変位は27.6㎜ <HYT構法> ・部分実験(構造体のみ)による実証 ・詳細の公表無し <S×Lwood構法、GA構法> ・詳細の公表無し |
こちらのランキングでは順位が1位でもA以上のハウスメーカーがなく、何故だろうと思われた方もいるのではないでしょうか?
どうしてこのようなランキングになっているのか? その根拠はこちらでわかります。
■同率1位(B+)の評価
同率1位(B+)のハウスメーカーはスウェーデンハウス、ダイワハウス、積水ハウス、ミサワホーム、三井ホーム、パナソニックホームズです。
評価基準はこちらです。
揺れの抑制を測る実大又は部分実験を実証し、建物変形量を明示している <実大実験> <部分実験>
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A評価以上でなくB+評価としている一番の理由は、建物全壊率が高い地震波による揺れの抑制実証がないからです。
この点は12社すべてのハウスメーカーが実証できていないため、順位は1位でも最大評価はB+としています。
その中でも、スウェーデンハウスは兵庫県南部地震神戸波おいて層間変形量が5mm以下で抑えられているのでポイントが高いです。
また揺れの抑制を測る上で指標となる変形量で、加振後と加振中の両方を明示しているのは積水ハウスのみです。
積水ハウスは、連続加振後とその前とで変形量が変わらないと明示しています。
その点で、同率一位の中でも、よりポイントが高いです。
ぜひ次のステップとして、建物全壊率の高い地震波による過酷な実大実験においても揺れの抑制ができているか実証していただきたいですね。
積水ハウスとダイワハウスの7つの違いを徹底比較した記事はコチラからどうぞ。
■7位(B)の評価
7位(B)のハウスメーカーはトヨタホームです。
評価基準はこちらです。
揺れの抑制を測る実験を実施しているが詳細な公表は無し 建物変形量の詳細な公表無し
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こちらは揺れの抑制を検証しており、建物変形量の平均値は明示しています。
最大値が不明であり、その他の詳細な公表もないため、7位(B)としています。
■ーの評価
ー(評価無し)のハウスメーカーは、ヘーベルハウス、住友林業、セキスイハイム、一条工務店、ヤマダホームズです。
残念ながら、会社として透明性ある公表がありませんでしたので、評価なしとなっています。
前述のとおり、阪神淡路大震災では、震災時に負傷する原因の75%は建物の揺れによる家具の転倒やガラスの飛散であったという調査結果があります。
建物の揺れは人災だけではありません。
建物倒壊しなくても、揺れにより損傷がひどくなり、そこに住み続けることに大きな不安を抱えてしまう可能性もあります。
地震保険で損傷箇所が全額賄え萎えると断言できない以上、建物が倒壊しないだけでなく、いかに揺れをおさえ、損傷を少なくするのかも重要です。
今後はこれらのハウスメーカーも揺れの抑制について、より信憑性のある実大実験による実証と、透明性のある公表を期待したいです。
次は、軽視する人が多いのですが、ユーム永野も被災地でとても重要だと感じた震災時の対応組織力のランキングです。
こちらもみなさん参考にされています。
・【最善のモデルハウス見学法】 住宅展示場見学の5つの残念と解決法
・【備え充実の土地探し法】 土地探し3つの落とし穴と解決法
・【格別の設計・見積依頼法】 プラン設計3つの不満と解決法
・【おすすめハウスメーカー】 ユームが厳選した5社とその理由
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大きな震災の際のアフターサポート体制についてのランキングです。
第1位は、積水ハウスと大和ハウス、住友林業、パナソニックホームズです。
ユームではほぼ全国の方の、家づくりの相談を受けています。
ハウスメーカーを選ぶ際に、震災時のアフターフォローが期待できるかどうか? をあまり重要視していない方が多いと感じています。
「停電で真っ暗。夜中にも何度も大きな余震が襲ってきて、奥様もお嬢様もそのたびに恐怖で泣き叫んでしまう。
1ヶ月間ほとんど眠れていない。
妻と子供はノイローゼとなった」
「建物が倒壊してないけど、(見えないところで)損傷しているかもしれない。誰も点検に来てくれない。
次々と地震(余震)が来るので、いつ壊れるか不安でしかたがない」
これは妻とボランティアに行った熊本地震で、被災者の方から直接伺った話です。
一方で、
「すぐに建築会社が点検に来てくれて、この家は大丈夫です!とお墨付きをもらったことで、安心できた。」
という方もいらっしゃいます。
やはり、震災直後に、少しでもアフターフォローを期待できるような建築会社を選ぶ方がより安心だと思います。
大きな震災エリアでは、ハウスメーカーも被災者となります。
震災時にアフターフォローが可能となるのは、全国的にその会社の拠点がリスク分散できているか? できれば直営部隊の拠点は幅広く多いかも重要となります。
その観点でランキングしています。
U-hm調べ2021.05 ※詳細は下のメーカー名をクリック | |||
震災時対応力ランキング | |||
ランク | 評価ポイント | ||
1位 A+ | ・直営支店は札幌から鹿児島まで組織されている ・震災時のリスク分散や被災地外からの支援も国内TOPレベル ・地域間の連携のスピード・内容とも素晴らしい | ||
1位 A+ | ・大阪と東京双方を本社とし、直営支店は北海道から沖縄まで展開 ・震災時のリスク分散や被災地外からの支援も国内TOPレベル | ||
1位 A+ | ・直営支店は北海道は札幌から、四国、鹿児島まで展開 ・震災時のリスク分散や被災地外からの支援も国内TOPレベル ・地域間の連携も早い | ||
1位 A+ | ・直営支店は宮城(東北・北海道支社)から四国・鹿児島・沖縄まであり、震災時の各拠点との連携も見込める ・販売会社の展開もしている | ||
5位 A | ・東北から九州まで直営支店を展開 ・北海道、九州の一部、四国は100%子会社の販売会社 ・震災時のリスク分散が比較的できており、被災地外からの支援も見込める | ||
6位 B+ | ・積水化学工業の住宅カンパニーとして、販売・施工・メンテを北海道から九州まで連結子会社と関連会社で各拠点を分社化している ・直営支店が全国に広がっているメーカーと比べると不安が残る ・木造の拠点は東京及び近県は他社と比べてかなり少ない | ||
6位 B+ | ・ミサワホームやトヨタホームよりも直営支店が多く全国展開している ・地域にまたがる連携が上手くいっていないケースが散見されている | ||
8位 B | ・直営支店は首都圏を中心としている ・東北・北海道と四国には無く、九州は福岡のみ ・広範囲に渡る連動型地震等を想定した場合、震災地以外からの組織的支援力はやや弱い | ||
8位 B | ・直営支店が近畿エリアに少ない ・販売会社は100%の持株会社でないため、他の大手ハウスメーカーと比べて、震災時のリスク分散と被災地エリア外からの支援体制に不安を感じる | ||
8位 B | ・販売会社制を取っている ・企業力及び実績が地元の愛知県に約30%集中している ・直営支店を全国展開しているハウスメーカーと比べると震災時のリスク分散と被災地エリア外からの支援体制に不安がある | ||
8位 B | ・関東・近畿の主要部分は直営支店であるが、全国的にみると販売会社も多い ・近畿は販売会社と直営が混在 ・九州は福岡のみ、四国は香川と愛媛のみ(直営) ・広範囲の震災事のリスク分散と被災地エリア外からの支援対応面で不安が残る | ||
12位 C | ・北海道から九州まで直営支店があるが、関東と愛知県に集中していている ・四国や京都に拠点が無く、大阪はモデルハウスの出店は1箇所のみ ・他社と比べて、震災時のリスク分散が出来ているとは言えず、被災地以外からの支援体制に不安が残る |
どうしてこのようなランキングになっているのか? その根拠はこちらでわかります。
※下記の地域間連携の感想はユーム及びユーザー体験によるものであり、客観的なものではありません。
実体験は参考になるかと思いユーム独自のランキング評価の一つとしています。
■同率1位(A+)の評価
同率1位(A+)のハウスメーカーは積水ハウス、ダイワハウス、住友林業、パナソニックホームズです。
評価基準はこちらです。
全国展開で直営支店があり、支店規模も大きい 地域間の連携スピードが確立されている
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これらのハウスメーカーは、直営支店のみで全国展開しています。
その規模の大きさだけでなく地域間の連携スピードが確立されているため、1位(A+)としています。
中でも特筆すべきは、積水ハウスです。
全国各地約100箇所に「カスタマーズセンター」を設置して、最大級の拠点数です。
さまざまな相談・メンテナンスにも迅速に対応できる万全のアフターサポート体制を整えています。
カスタマーズセンターでは、全従業員の約1割にあたる約1450人の専任スタッフが対応します。
何か相談したい時、台風や震災時など、被災エリアの住宅メーカーも被災者となります。
そんな時に全国に100箇所ほど、1450人もの専任のアフタースタッフが揃っているというのは本当に心強いと思います。
積水ハウスとダイワハウスの7つの違いを徹底比較した記事はコチラからどうぞ。
■5位(A)の評価
5位(A)のハウスメーカーは三井ホームです。
評価基準はこちらです。
直営支店とグループ会社もしくは販売会社で全国展開している 震災時のリスク分散が比較的にできている
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三井ホームは全国展開しています。
ただし、ダイワハウス及び積水ハウスは本社直営部隊を全国組織化しており、その数も多いです。
両社の方が震災時の他エリアからの迅速な対応やリスク分散において上位評価(最高ランク)になると言わざる負えません。
よって5位(A)としています。
■同率6位(B+)の評価
同率6位(B+)のハウスメーカーはセキスイハイムと一条工務店です。
評価基準はこちらです。
地域密着のグループ会社で全国展開している 直営支店が全国展開しているものの、地域間の連携に不安がある
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両社を6位(B+)としているのは以下のとおりです。
セキスイハイムは、積水化学工業の住宅カンパニー(1部門)です。
販売・施工・メンテを北海道から九州まで連結子会社と関連会社が入り組み、各拠点分社化しています。
この点がA評価以上の直営店で全国展開しているハウスメーカーと比較すると、震災時の他エリアからの迅速な対応やリスク分散において、有事の面で不安が残ります。
一方で住宅展示場規模が全国No.1の一条工務店も同評価としています。
これは直営支店が数多く全国展開しているものの、地域にまたがる連携が上手くいっていないケースが散見されているためです。
(こちらはあくまでも、ユームの見解です。特に住んでいる場所と違うエリアで建築の相談者の方々からのフィードバックに基づいています。)
■同率8位(B)の評価
同率8位(B)のハウスメーカーはヘーベルハウス、ミサワホーム、トヨタホーム、ヤマダホームズです。
評価基準はこちらです。
直営支店が一部エリアに集中、もしくは一部エリアに少ない 上記の拠点体制のため、広範囲でのリスク分散や被災地エリア外からの支援体制に不安がある 販売会社制を取っている
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同率8位(B)の一番の理由は、各社共通して一部エリアに拠点が集中しているためです。
今後、首都直下地震や南海トラフ巨大地震、北海道千島沖の巨大地震など、複数の大きな地震が高い確率で起きるとされています。
そういった大きな地震がほぼ同時期に発生した場合の、被災地エリア外からの支援体制を考えた場合、6位(B+)以上のハウスメーカーと比較すると不安が残ります。
ただし、ヘーベルハウスは、他の大手ハウスメーカーに先んじて災害時の企業力維持に取り組んでいます。
もう少し詳しく紹介します。
ヘーベルハウスは直近で、『Spectee Pro』を採用決定しました。
『Spectee Pro』は、人工知能(AI)を活用した情報解析をもとに、災害やリスク情報をいち早く正確に「可視化」し、現場の意思決定を円滑にする、防災・危機管理ソリューションです。
結論としては、近い将来、各住宅についた計測器によりAIが被害状況を建物ごとに判断し、被害状況に応じて、いち早くアフターフォローを受けられる可能性が高まるということです。
今までの震災でも、ヘーベルハウスなど大手では、震災後の早い段階で、エリアごとに手分けして各オーナーさんのお住いを点検訪問していました。
点検には、被災エリア外から駆けつけた、土地勘がない担当者も多いです。
もちろん、その家の被害状況はばらばらですが、順次回っていたというのが従来のやり方です。
ヘーベルハウスはその方法を大きく変えようとしています。
独自の計測器を全ての建物に取り付け、被害が大きいと予測されるお住いをAIがすぐに推測できるので、そこを優先的にフォローできる可能性が高まるわけです。
それも遠い将来のことではないです。
既に、東京23区に建つ166棟のヘーベルハウスへの地震計設置を完了しています。
これが、旭化成株式会社及び旭化成ホームズ株式会社が、国立研究開発法人防災科学技術研究所とともに、旭化成グループが開発を進めている「IoT防災情報システム LONGLIFE AEDGiS(ロングライフイージス)」です。
地震発生後10分~2時間程度で、そのエリアに建つ全てのヘーベルハウス・メゾンの邸別の建物被害レベルや液状化発生状況を推定できるわけです。
2021年から試運転を開始し、2022年4月にはヘーベルハウスが展開する全エリア(21都道府県)での稼働を目標としています。
上述のエリアの分布度合い=リスクの拡散度合いの基準を除けば、この項目の評価ランキングもA以上の順位に近いとも言えます。
ぜひ、ヘーベルハウスには、本社や各拠点の建物、各社員の住まいのより高度な耐震化を促進して、大きな震災時でも組織力が継続機能できるような次のステップに進んでいただきたいものです。
■12位(C)の評価
12位(C)のハウスメーカーはスウェーデンハウスです。
評価基準はこちらです。
8位(B)以上に直営支店が一部エリアに集中している 一部エリアによっては拠点がない
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主要12社の中で、最も全国の直営店にバラツキがあるため12位(C)としています。
今後着工戸数が激減するなかで、有効な合併吸収が無い限り、同社が直営部隊を増やし、リスク分散を高めるのは現実的には難しいかと思います。
そのため、今後ヘーベルハウスのような独自の方法で迅速なアフターフォロー体制を確立し、そのことをHPやカタログなどでしっかり明示されることを期待したいです。
以上が4項目の評価ランキングです。
各社の耐震性をよりくわしく知りたい方は、ご興味ある上記ハウスメーカー名をクリックしてもらえればわかります。
ここでは掲載していない、過去の震災時の被害状況を含めた3項目の評価ランクもわかります。
耐震性は、断熱性と比べて、比較がわかりにくいですよね。
ただ、1番と言ってもよいほど重要なテーマですので、ユーム独自の基準にてまとめました.
ハウスメーカー選びの一つの参考としていただければ幸いです。
こちらの記事も人気です。
・ユームがおすすめのハウスメーカー5社とは? コチラ
・2分で分かる!本当に地震に強いハウスメーカー・工務店の選び方は コチラ
世界中の人々へ参考となるべく、著者及び関係者の方々のご尽力に、尊敬と敬意をここに表します。
・堺有紀(2009) 地震動の性質と建物被害の関係 日本建築工学会誌.No.9(2009)
・伯野元彦 (2003) 世界最高2,005ガルでも無被害 地震ジャーナル36号
・川瀬博 (1998) 断層近傍強震動の地下構造による増幅プロセスと構造物破壊能 第10回日本地震工学シンポジウムパネルディスカッション資料集
・武村雅之(1998) 過去の地震被害から見た震源近傍での強震動 第10回日本地震工学シンポジウムパネルディスカッション資料集
・青井・他(2006) 新潟県中越地震の地震動 月刊地球/号外 No.53(2006)
・筑波大学構造動力学研究室HP 1995年兵庫県南部地震の神戸海洋気象台の強震記録について
・筑波大学構造動力学研究室HP 新潟県中越地震 地震動による建物被害と震度との対応
・2004年度木材強度・木質構造研究会 春期シンポジウム 「新潟県中越地震における木造建築物の被害」
西村綾乃(2016) 2016 年熊本地震における益城町の建物被害分布に及ぼす地盤震動特性の影響に関する研究
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追伸
どのハウスメーカーの営業マンも以下のような地震に対する強度をアピールしています。
「熊本地震を含めて当社の家は倒壊していません。」
「震度7で何十回も実験を行っていて全く問題無い事が証明されています。」
「東日本大震災の揺れで実験しても全く問題が無かった。」
「当社の制震構造は従来の家よりも約70%も揺れを軽減できます。」
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営業トークもマニュアル化されいます。
様々な資料や動画、実際の被災地の写真などを織り交ぜて、若手の営業マンでも説得力があります。
「色々な会社に話を聞けば聞くほど、どの会社も地震に強く感じられ、どこが良いのかわからなくなってきた」
と、住宅展示場を回る方々から、20年以上聞いてきました。
ユームでは、各ハウスメーカーの営業マンによる口頭や個人の資料(渡してもらえない資料)を省いています。
各社が公表している内容と、地震動や震災研究者の方々が発表している地震動と建物被害の関係性に基づき、みなさまにわかりやすいように評価ランク付けしています。
※耐震性を測る上で、参考にさせて頂いた研究論文や文献は敬意をもって記しています。
ユームの大きな目標は、
「一人でも多くの人、家族に真に地震に強い家を建てて欲しい。」
「その為には何が重要なのか? それを知って欲しい。」
ということです。
なぜ実大実験が重要なのか?
余力実験が重要なのか?
それは、今まで予想していなかったような甚大な被害をもたらす地震が、いつでもどこでも起こりうると考えておくべきだからです。
2016年4月の熊本地震では、平均発生間隔4,000年と7,300年に一度という、発生確率の非常に低い二つの地震がたった中1日で連続して襲ってきました。
私もそうでしたが、ほとんどの方も震度7が2回も来るとは思っていなかったと思います。
いつ、今まで以上の震災が襲ってくるかわかりません。
大きな震災後の経済力、国際競争力があるかどうかも私たちの生活と直結するので、日本全体の耐震性の強化が必要です。
もちろん、勤務先・仕事場・幼稚園や学校などの耐震補強も必要です。
交通・移動ルートの耐震性も必要です。
ただそれらは、時間がかかります。
まずは、1人でも多くの方が、経済的に可能な方から、本当に地震に強い家を建てていきましょう。
大きな震災時には、避難所は足りなくなります。
わたくしとあなたの地震に強い家、火災に強い家が、ご近所さんも、普段見知らない人も、嫌いな人も、救うことができるように。
日本全国の耐震性をみんなで高めていきましょう。
ユーム 永野
・耐震性評価ランクから各ハウスメーカーの耐震性の詳細を見たい方はコチラ
次の記事をまだチェックされていない方は、これだけは知っておいた方が良いことをわかりやすくまとめていますので、ご覧ください。
・もうこれで百戦錬磨の営業マンにも惑わされない! 本当に地震に強いハウスメーカー・工務店の選び方は コチラ
・震災時にもフォローを見込めそうな生き残れるハウスメーカーは コチラ
ユームが自分達の家族にすすめられるという基準で選んだハウスメーカーはこちらをどうぞ。
・ユームがおすすめのハウスメーカー5社とは? コチラ
国内の主要なハウスメーカーの7項目の評価ランクを知りたい方はご案内下の一覧からお選びください。
なぜ
普通以上に満足できる
相談対応ができるのか?
ユームとは?
代表 永野について
2017年4月 u-hm株式会社設立 (ユーム)
代表取締役就任
実は私永野は、定年退職後に『リーマン万歳!』という本を出版すると本気で計画していました。
そんなONもOFFもリーマン生活を満喫していた私が、会社をやめたのは大きな衝動にかられたからです。
全ては熊本地震後の撤去作業のボランティア活動に妻と一緒に参加したことから始まりました。
その時の衝撃的経験が、下記のユームが実現すべきミッションとなっています。
(詳しくはこちらの 起業のきっかけ をご覧ください。)
起業当初は経営的にとても厳しかったです。
「サラリーマンの妻万歳」と言っていた妻にも非常に心配をかけてしまいました。
そんななか、心の支えは、本物のサービスは必ず生き残る! という信念とハウスメーカー時代の施主の方々からのお言葉や手紙でした。
「そういうサービスあったら良かった。永野さんらしい」
「あなたなら成功する」
という多くの声や手紙をいただき、会社はやめたのにお施主さん方が取材にも快く応じてくれたことがとてつもなく大きな励みとなりました。
本当に感謝です。
◉ユームが全力で達成していくこと
ビジョン 日本の住宅から想定外を無くす耐震強化 一人でも多く、本当に地震に強い家で暮らしてもらう
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NHK放送文化研究所の調査によると、平均で1年の約2/3以上は家にいることになります。
参照:NHK放送文化研究所 新しい生活の兆しとテレビ視聴の今 P31
まずは、わたくしとみなさんの本当に地震や火災に強い頑強な住宅で、大震災時には隣人や通りすがりの人も助けられるようにしていきましょう。
全力で乗り越えるべき障害
ネットや住宅展示場では、耐震性を示す表面的又は間違った情報が氾濫している
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ビジョン実現のための実行動
WEBメディア【注文住宅アカデミー】ユームを運営
今まで言われていなかったような、本当に地震に強いハウスメーカーとはどういう会社なのか? より具体的なデータを基に明示し広げていく
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設計計士や住宅メーカーが「構造計算では大丈夫だった」「想定外の地震がきた」というエキスキューズで施主家族が不幸となることが無いようにしていきます!
ビジョン実現のためのユームの現状
耐震性関連のコンテンツだけでも、年間35万回ほど読視聴されている
本当に地震に強いトップランナーを毎年厳選し紹介。日本の住宅の耐震性の底上げチャレンジ中
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注文住宅で家を建てる方は年間で20万台後半です。
ある程度は読まれるようになったとは言えます。
とはいえ、特に耐震性に関しては中見が難しいというご意見も多いです。
今後は、図解などを多用して、もっとわかりやすく、多くの方に、本当に地震に強い家づくりとはなにかを伝えていきます。
◉ユームの仲間が活きとし事業継続していくこと
ミッション 失敗・後悔なく、従来以上に満足できる家づくりの支援をしていく
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全力で乗り越えるべき障害
大手や優秀な営業担当者、一級建築士なら大丈夫だろうと思っている人が多い
大手もローコストも含めて、注文住宅で失敗・後悔している人が絶えない
クレーム業界とも言われている
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この業界を最後の仕事としているものとして、この現状は残念でたまりません。
ただ単に優秀な営業担当を紹介するだけでは、今までと変わらないことが、このサービスを始めて5年近く経っても実感していることです。
ミッション実現のための実行動
家づくり相談を継続。第三者のプロだからこそ気付くセカンドオピニオンを提供
単なる第三者チェックだと、施主と住宅メーカーがギクシャクする 契約後も引き渡し後も笑顔の関係にするためのセカンドオピニオンとノウハウ構築
店舗を待たずネット相談対応にて、持続可能なローコスト経営を展開
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ミッション実現のためのユームの現状
震災に強いトップランナー企業から優秀な担当者を紹介
紹介ハウスメーカー以外の家づくり相談にも対応
店舗・事業広告費無しの超ローコスト経営のため紹介料も有料相談も格安にて実現
「助かった」「感動しました」レベルの感想を多くいただいており、それがユームスタッフ全員の生きがいとなっている
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どんなに優秀な営業担当も設計士もミスはします。
私も大手ハウスメーカ−時代にミスしたことも自分の不甲斐なさに泣いたこともあります。
一方で第三者の立場で俯瞰をしてみると、気づくことが多いのはご存知のとおりです。
ハウスメーカー時代の反省を活かすべく、何倍も自己研鑽を続けています。
スタッフも「本当のユーザー本位とは何なのか?」を追求し、日々業務を改善、厳しく楽しく研鑽してくれています。
第三者の視点だからこそ冷静にわかる、よりよい住宅ローンの組み方、土地購入や家づくりの進め方、ハウスメーカーの対応面の相談、プランや見積もりの相談にセカンドオピニオンを提供しています。
ユーム永野の得意分野はこちらです。
・ハウスメーカー時代よりも、より広い視野で最善の資金計画の提示
・優秀と言われている営業担当・設計士以上に、契約前にこのプランや見積もりで契約して、契約後や暮らしてから後悔しないかどうか、よりよいアイディアはないのかのセカンドオピニオン
・ハウスメーカーに忖度ないセカンドオピニオンをしながらも、ユーザーとハウスメーカーが笑顔の関係でいられるための独自の立場構築と伝達方法の工夫
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特に、
予算のなかで、柔軟かつ幅広い視点から最善の間取り案の捻出はどの設計士にも負けないと自負しています。
現在も多くのユーザーさんに採用されていることがその証明となっています。
ただし、私の案を採用して欲しいということでは一切ないです。
ただ単に、みなさんにとって、契約後も失敗・後悔したということが無く、暮らしてからより満足して欲しいだけです。
私のリソースを使わなく、それが実現できるのであれば、それが一番望ましいと思います。(それはそれでちょっと寂しく感じるのでしょうが・・)
ユームの考え方に共感できる方はお試しあれ。
◯中学生の時にはじめて自分の将来のマイホームの間取りを描く
小さいころから刺激を受けてきたのは海外の映画や音楽動画です。
最初に描いた間取りは、ダンスホールにDJブースと大きな吹き抜け、スキップフロアのある3階4層構造の間取りでした。
◯現上場企業で新人営業コンテスト優勝
◯外資系企業で営業コンテスト優秀
ごくごく稀に、トップ営業でもとても顧客満足度が高い人もいます。
ただし、この時の私は、それができていませんでした。
そしてそれ以降も、特に一人の顧客からリピート受注を見込めない業界においては、会社から見て優秀な成績の営業マンが必ずしもお客さまにとって最適な担当者とは限らないことを実感してきました。
誰よりも深く研究して、訓練し、強い意思があればトップになれるのだという自信がついたのは良かったです。
◯レストランや病院厨房の動線設計及びHACCP(危害要因分析必須管理点)に基づく環境改善提案を5年
1分1秒を争う動線設計やより快適・健全な環境づくりで学んだことは今の仕事にも間違いなく活きています。
この時に料理人でもなく、何の資格を持たない上司が、誰よりも地道な努力を積み重ね、動線や厨房システムの改善において、先生と言われる存在になっていく過程を身近で学んだことは、とても良い勉強となりました。
ただし、お手伝いしたOPEN前の厨房から見る客席側のキラキラしたデザイン空間に憧れ、デザイン含めたトータルの提案をしたく、住宅業界を最後の職場として選びました。
◯大手ハウスメーカーで注文住宅のプロジェクトリーダーを約16年半
顧客本位を強く念頭において仕事をしていました。
それでも、ミスをして施主を怒らせてしまったこともあります。
その割合は全体の2、3%はありました。
つまり、家づくり100軒中2,3軒もあったというのが事実です。
みなさんは今後の家づくりにおいて実態を知っておいたほうが良いと思いますので、もう少しお伝えします。
事実としては、とても優秀で実績ある設計士も、常にベストパフォーマンスができていないこともずっと実感してきました。
この背景として、効率化と申請関連の書類を含めて、営業以上に設計士は限られた期限内でしないといけない業務が年々増えているという実態があります。
これは工事担当もしかりでした。
(今の仕事においても、各社より優秀な担当者として選ばれた営業や設計士も、必ずしもベストパフォーマンスができているとは言えないという事実もお伝えしておくべきことですね。ゆえにユーム 永野の存在意義があるのですが・・)
とはいえ、当時プロジェクトリーダーである私がもっともっと、全面的にチェックしたり、フォローできればよかったのですが、フォローしきれずに、結果顧客に大きなストレスを与えてしまったこともありました。
資金計画の提案は、ハウスメーカーの提携ローンもお得だったのでそれ中心となったことも多かったです。
もっと広い視野で、最新の住宅ローンを常に把握して、よりベストな提案をできたということも反省材料です。
プランの提案力に関する事実としては、設計士と自身のプランの双方を提示し、控えめに言って自案の採用率は約7割でした。
最初は設計士とぶつかることも多かったです。
後半は施主と設計士がより良い関係を構築していけるように配慮した上で、予算内でより良い間取り案を私が捻出できれば、それをさりげなく採用する術を体得できたと言えます。
ハウスメーカー時代の後半のマネジメントよりも、家づくりの直接のお手伝いをしていたほうがより楽しかったです。
自分の提案が間取りや外観に採用され、それが出来上がり、施主家族がとても喜んでもらえるという多くの体験はとても良い思い出となり、今の仕事への自信ともなっています。
誤解なきためにお伝えしますが、私が設計に関して行ってきたのは設計士の仕事の一部です。
私が行ったのは(今も)、契約前のプランニング、設計士のプランのチェックと修正依頼、契約前後で、再度予算内でより良い提案はないかのセカンドプランの作成です。
私が得意であり主に行ってきたのは、間取り設計、造作室内空間や外観デザイン、造作家具デザイン、照明・スイッチ・コンセント設計のチェックと改善提案。外構の基本デザインであり、実は設計士の業務の一部に過ぎません。
それはとても楽しいプランニング部分ですが、設計士の仕事はもっと多岐に渡り、地味な作業も多く大変です。
担当の設計士や関連セクションの社員がとても根気が必要な図面の精査や各書類の作成のもと、建築確認申請や工事への引き継ぎなどのとても重要な仕事をしてくれていたからということは付記させていただきます。
今の仕事に通じることで、もう一点だけ言えるのは、引き渡し後のお客様によく訪問して、必ずといっていいほど、ヒアリングしてきたことです。
「暮らしてみてなにか不具合や、ここはもっとこうしたら良かったとかないですか?」
「プラン以外で進め方などでもっとこういうフォローがあったらよいと思うことは無かったですか?」
と引き渡し後の訪問時に、ずっと聞いてきました。
この積み重ねが今のセカンドオピニオンにとても活きているのは間違いありません。
◯2度の施主立場経験
マイホームも間取りも外観はもちろん、外構も含めて自分で設計しています。
ハウスメーカー時代から、自他ともに認めているほど、とにかくマイホームでの暮らしを愉しんできたと言えます。
設計士は昔に比べてより効率化を求められるものの、作業項目や提出書類が非常に増えており、過酷な労働となっている方が本当に多いです。
私は上司に文句を言われない程度の数字は上げて、昔から一人働き方改革をしてきた(自由に休んでいただけとも言えます)ので、とにかく家を愉しむことが同僚の数倍はあったかと思います。
今も優秀とされている各社の設計士の提案になく、私の提案により良いアイディアがあったと多くのユーザーさんに言っていただいているのは、マイホームをどれだけ日々味わって暮らしているかの違いもあると感じています。
◯家事をしていると妻に認められて3年半
これは偉そうなことはまだまだ言えません。
私よりも、もっと家事手伝いをしている後輩もユーザーさんもいらっしゃいます。
現在、ハウスメーカー時代よりも遥かに忙しくなっているので、サーフィンする時間をつくるために、常に時短できないか研究中です。
◯コンセプト型賃貸を13年以上満室運営中
こちらももちろん自身でのコンセプトやインテリア設計です。
狙いはデザイン感度が高く、きれいに使ってくれそうで、良い人に借りてもらうことです。
実際に、周囲の相場より家賃は高いですが、今までとても良い方々に借りていただいていますが、それはデザインの力にほかなりません。
赤ちゃん、小さなお子様がいるご家族とも懇意にさせていただいており、お子様の成長とともに、間取りや動線についてのフィードバックを何度もリアルタイムに直接得られたのも勉強になっています。
◯要介護3となった父親と自宅で一緒にリハビリ
これは起業後ですが、父親が倒れて頭を打ち、病院で意識がない状態が続きました。
ドクターからは、このまま寝たきりのままで、意識もきちんと戻らなく、ボケが進行すると思っていたほうがよいと言われました。
紹介された完全に介護が必要な方向けの施設に家族と見学に行きました。
見学の感想としては、父親の最後の人生を、まだこの場所で送らせたくないというものでした。
父親は、病床でずっと覚醒せずに、たまに弱々しく口を開くと、非現実的なことなのか、昔にあったことなのかを繰り返し寝言で言う状態が続きました。
既に起業していて、完全リモートワーク可能だったので、ずっと付き添いができたのは幸運でした。
これは誰にも通じることだと思うのでお伝えします。
意識ない父親にずっと何度もポジティブな声がけをしたのが良かったのだと思います。
「大丈夫だよ。お医者さんも良くなるって言ってたよ」
「顔色がよくなっているよ」
「手の握る力が強くなってきたよ」
結果、お医者さんが驚くほど、父は覚醒して、時間はかかりましたが、とてもゆっくり数cmずつ脚を運べるようになりました。
その後は、リハビリ担当の方々も頭が下がるほどよくしてくれて、私や母親、妹と交互に病院内でマッサージしたり、歩く練習を重ね、ようやく退院できました。
退院後も、自宅でリハビリを一緒に行いました。
当初は、1階で寝れるようにレイアウトを変えようとしましたが、本人の希望もあり、結果的に、一緒に練習して、階段の乗り降りも自力でできるようになりました。
この経験で設計上2つのことを学びました。
やはり将来まで見越した住宅の設計がとても重要なのだと痛感しました。
ただし、いわゆる表面的なバリアフリー設計では不十分だということです。
細かい部分まで配慮が必要だと痛感しました。
全ての人にとって、老後にすぐに1階で生活を完結できるのがベストとは限らないこともわかりました。
極力階段など身体を動かす努力も重要なのだということ。完全に1階で暮らさないといけなくなるまでの、中間段階も考慮して設計すべきということをあらためて実感しました。
もちろん、これらは人によりますし、その方の心身の状況や家族の支えにもよります。
こういう自宅での介護やリハビリを含めた実体験ができたのは、プランのセカンドオピニオンにも活きています。
(今現時点でも父親は自宅を楽しんでくれています)
以上の経験から
ハウスメーカー、営業担当や設計士の実情や心理を踏まえながらも(とはいえ忖度ゼロですが)、いろいろなユーザー(施主)さんの問題解決をすることができるようになりました。
今もなお、全国のユーザーさんのさまざまな相談に真摯に向きあうことで、日々勉強しており、ハウスメーカー時代よりも、視野広く、深く、アドバイスをできるようになりました。
さまざまなハウスメーカーの優秀とされる営業担当とユーザーさんのやり取り、優秀で実績が多い設計士の間取りや見積もりなどを拝見して、自分がセカンドオピニオンを提供する意義を確信できるようになりました。
得意なのは、最善の資金計画の提案やプラン、契約後に金額UPとならない工夫です。
もちろん、住宅ローンアドバイザーという立場もあるので、断定的に一つの住宅ローンをおすすめするということはできません。
ただし、ユーザーさんに最善と思えるローンの種類や組み方は極力本音でお伝えしています。
特に注文住宅に関して、予算のなかで最善の動線・間取り提案をすることは、どの設計士にも負けない自信があります。
また、設計士を尊重しつつ、より良い案であればそれをさり気なく取り入れ、関係者と施主と良好な関係を築くノウハウも試行錯誤の上、持ち合わせました。
もちろん、土地探しや売買契約、家づくりの進め方からハウスメーカー選び、各社の対応面や、契約前の注意点など、さまざまな局面でのセカンドオピニオンを真摯に行っております。
お試しあれ。
地震に強いハウスメーカーは? 7項目耐震性評価ランク |