ミサワホームとヤマダホームズの11の違いを徹底比較|ハウスメーカー選び

木造住宅大手メーカーのミサワホームとヤマダホームズの違いを徹底比較します。

 

同じ木造住宅でも両社の特徴は大きく違います。

 

ミサワホームと言えば「蔵」、ヤマダホームズと言えば「ヤマダ電機」というイメージを持つ方多いのではないでしょうか。

 

今回は11つに分けて両社の特徴を紹介、徹底比較します。

 

ミサワホームとヤマダホームズの違いがよくわかります。

 

 

 

■この記事のポイント

 

・ミサワホーム、ヤマダホームズそれぞれの特徴が簡潔にわかる

 

・ミサワホームは、独自の木質パネル工法を生かした「蔵のある家」の提案を得意とする住宅メーカー

 

・ヤマダホームズのポイントは、広範囲の価格帯と異なる3種類の構造を提案ができる住宅メーカー

 

 

 

 

目次

 

1.建物価格「坪単価」を比較

 1−1.ミサワの坪単価:65~120万円

 1−2.ヤマダホームズの坪単価:35~80万円

2.会社概要を比較

 2−1.ミサワホーム・概要

 2−2.ヤマダホームズ・概要

3.建物構造を比較

 3−1.ミサワホームの建物構造

 3−2.ヤマダホームズの建物構造

4.耐震・制震性能を比較

 4−1.過去の震災での被害状況

 4−2.実大実験での比較|過去の地震波を再現した実験

 4−3.実大実験での比較|建物の余力を測る実大実験

 4−4.揺れの抑制(制震)性能の比較

 4−5.基礎の比較

5.防火性を比較

 5−1.内部出火の防火性能

 5−2.外部出火の防火性能

6.耐久性を比較

 6−1.基礎の耐久性

 6−2.外壁の耐久性

 6−3.防水性能

 6−4.防蟻対策

7.省エネ・断熱性の違い

 7−1.ミサワホームの省エネ・断熱性能

 7−2.ヤマダホームズの省エネ・断熱性能

8.空調・換気を比較

 8−1.ミサワホームの空調・換気

 8−2.ヤマダホームズの空調・換気

9.保証・アフターメンテナンスを比較

 9−1.ミサワホームの保証制度

 9−2.ミサワホームのアフターメンテナンス

 9−4.ミサワホームの保証制度

 9−5.ヤマダホームズのアフターメンテナンス

10.設計・デザイン力を比較

 10−1.ミサワホームの設計・デザイン力

 10−2.ヤマダホームズの設計・デザイン力

11.会社状況を比較

 

 

 

 

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1.建物価格「坪単価」を比較

 

ハウスメーカーを選ぶ上で、価格は重要ですよね。

 

では、ミサワホームとヤマダホームズの坪単価をさっそくみていきましょう。

 

 

 

建物平均坪単価は、ミサワホームの方が高い

 

両社とも建物構造によって坪単価が異なるので注意が必要

 

 

 

両社の坪単価はコチラです。

 

 

 

ミサワホーム

ヤマダホームズ

自由設計

65~120万円

50~80万円

企画型

※一部間取りプラン変更可

55~80万円

35万円〜50万円

※上記価格は税抜です。

 

 

こちらの坪単価は、建物本体工事のみの価格です。

 

両社とも自由設計と企画型の2種類を展開しています。

 

上表をみると、いずれも初期の建物坪単価はミサワホームの方が高いです。

 

ただし両社とも建物構造によっても価格が大きく変わります。

 

価格の違いは次節で詳しく紹介します。

 

 

建物構造をすぐ見たいという方は3.建物構造を比較をご覧ください。

 

 

それでは両社の坪単価についてもう少し詳しくみてきましょう。

 

 

 

1−1.ミサワホームの坪単価:65~120万円

 

はじめにミサワホームからみていきましょう。

 

まずは結論です。

 

 

 

建物坪単価は、大手他社の中では安い

 

建物構造によって価格差がある

 

 

 

具体的な価格はコチラです。

 

 

 

■建物平均坪単価(税別) ※木質パネル接着工法の場合

自由設計:70~80万円

企画型:60~70万円

 

自由設計+延床面積30坪(約100㎡)で建物本体価格2,100〜2,400万円(税別)

 

鉄骨住宅の場合は坪単価100万以上の高額受注も少なくない

 

 

 

ミサワホームの建物坪単価は65~120万円(税別)と幅が広いです。

 

中でも主力商品のCENTURY(センチュリー)シリーズやGENIUS(ジニアス)シリーズで70~80万円で提案される事例が多いです。

 

 

3LDK+畳コーナーの間取り、延床面積30坪(約100㎡)の建物価格の事例は以下のとおりです。

 

 

商品体系

間取り

建物本体価格例(税別)

自由設計

※CENTURY、GENIUSシリーズ

※坪単価70〜80万円(税別)

3LDK+畳コーナー

延床面積30坪(約100㎡)

2,100~2,400万円

企画型

※SMART STYLEシリーズ

※MISAWA WEB DIRECT

※坪単価55〜80万円(税別)

 

1,650〜2,400万円

 

 

ここで注意点があります。

 

それは建物構造によっても価格が変わることです。

 

 

上表でお伝えした自由設計・企画型の金額は、共に主力構造である木質パネル接着工法です。

 

自由設計には、他にも木造軸組工法と重量鉄骨ラーメン構造もあります。

 

重量鉄骨ラーメン構造では5階建てで坪単価120万前後という事例もあります。

 

建物構造の違いは後ほど詳しくお伝えしますが、間取りの制約や建物性能が変わりますので注意が必要です。

 

 

構造別の建物価格をコチラです。

 

 

 

構造

建物坪単価(税抜)

自由設計

木質パネル接着工法

※CENTURY、GENIUSシリーズ

70〜80万円

 

木造軸組工法

※MJ、Seasonシリーズ

60〜80万円

 

重量鉄骨ラーメン構造

※URABAN CENTURY

80〜120万円

企画型

木質パネル接着工法

※SMART STYLEシリーズ

※MISAWA WEB DIRECT

55〜80万円

 

 

補足で自由設計と企画型の違いについても簡単に触れておきましょう。

 

こちらの価格が変わることはみなさんイメージしやすいのではないでしょうか。

 

 

ミサワホームの企画型は、SMART STYLEシリーズとMISAWA WEB DIRECTという商品です。

 

SMART STYLEシリーズは平屋からスキップフロアの間取りプランまで計8種類のシリーズがあります。

 

大手他社の企画型商品は一般的な2階建てが多いですので、ミサワホームは企画型のバリエーションが多いと言えます。

 

 

またMISAWA WEB DIRECTは、オンライン上で、お客様自身が間取りプランや設備を選択します。

 

その場ですぐ価格がわかるというのが魅力の商品です。

 

 

参照:MISAWA WEB DIRECT HP

 

 

ただいずれの企画型商品も、設計や仕様設備にルールが設けられているケースが多いですので、事前に営業担当者に確認することをおすすめします。

 

 

 

1−2.ヤマダホームズの坪単価:35~80万円

 

続いてヤマダホームズです。

 

まずは結論です。

 

 

 

建物坪単価は、工務店・中堅住宅メーカーと同等程度

 

建物構造によって価格差がある

 

 

 

具体的な価格はコチラです。

 

 

 

■建物平均坪単価(税別) ※木質パネル接着工法の場合

自由設計:50~60万円

企画型:35~50万円

 

自由設計+延床面積30坪(約100㎡)で建物本体価格1,500〜1,800万円(税別)

 

 

 

ヤマダホームズの建物坪単価は35~80万円(税別)です。

 

中でも主力商品のFelidia(フェリディア)で50~60万円で提案される事例が多いです。

 

 

3LDK+畳コーナーの間取り、延床面積30坪(約100㎡)の建物価格の事例は以下のとおりです。

 

 

商品体系

間取り

建物本体価格例(税別)

自由設計

※Felidia

※坪単価50〜60万円(税別)

3LDK+畳コーナー

延床面積30坪(約100㎡)

1,500~1,800万円

企画型

※ウッドセレクション

※坪単価35〜50万円(税別)

 

1,050〜1,500万円

 

 

ここで注意点があります。

 

それは、ミサワホームと同様に、建物構造によって価格が変わることです。

 

 

上表でお伝えした自由設計・企画型の金額は、共に主力構造である木造軸組工法です。

 

 

自由設計には、独自のS×L構法や2×6工法、完全フルオーダー住宅もあります。

 

完全フルオーダーの「小堀の住まい」は坪単価80万以上という声もあります。

 

 

建物構造の違いは後ほど詳しくお伝えしますが、間取りの制約や建物性能が変わりますので注意が必要です。

 

 

構造別の建物価格をコチラです。

 

 

 

構造

建物坪単価(税抜)

自由設計

ティンバーメタル工法

(木造軸組工法)

※Felidiaシリーズ

50〜70万円

 

S×L構法

(木質パネル工法)

※S×Lシグマ

65〜80万円

 

2×6工法

※Felidia2×6

60〜80万円

 

完全フルオーダー

(構造の公表無し)

※小堀の住まい

80万円〜

企画型

ティンバーメタル工法

(木造軸組工法)

※Felidiaシリーズ

35〜55万円

 

 

企画型についても簡単に触れておきましょう。

 

こちらの商品は平屋から2階建てまで全54プランから選択することができます。

 

ミサワホーム含め大手他社の企画商品と違い、ウッドセレクションは付帯工事・設計費用が含まれています。

(給排水工事の一部や地盤補強工事は別途)

 

 

そのためこれらの費用を含めると坪単価50万~60万となる事例が多いようです。

 

 

※上の画像出典:ヤマダホームズHP ※画像外はユームの参考情報

 

 

ただし企画商品ですので、設計や仕様設備にルールが設けられているケースが多いです。

 

具体的に検討される際は事前に営業担当者に確認をしましょう。

 

 

 

2.会社概要を比較

 

はじめにミサワホームとヤマダホームズの会社概要を簡単におさえておきましょう。

 

 

 

ミサワホームはプライム ライフ テクノロジーズ株式会社の完全子会社

ディーラー制による地域密着型で事業を展開

 

ヤマダホームズは株式ヤマダホールディングスの完全子会社

複数のヤマダグループを合併させた住宅会社

 

 

 

各社の概要はコチラです。

 

こちらだけおさえて、次の章に進んでも大丈夫です。(次の章はコチラ

 

 

 

ミサワホーム

ヤマダホームズ

概要

1967年(昭和42年)に創業

※設立は2003年

 

 

南極昭和基地にも使われる木質パネルの実績が高い

 

ディーラー制による地域密着型で事業を展開

 

2019年「蔵のある家」の販売実績70,000棟を達成

 

2020年グッドデザイン賞31年連続受賞

 

1951年(昭和26年)に創業

※前身は小堀住研(エス・バイ・エル)

 

3つの住宅会社※1が合併したハウスメーカー

※1エスバイエル、ヤマダウッドハウス、ヤマダレオハウスの3社

 

 

3社の特徴を生かした販売展開

 

 

ミサワホームは、2020年にプライム ライフ テクノロジーズの完全子会社になりました。

 

ヤマダホームズは、2018年にヤマダホールディングスの完全子会社となりました。

 

 

では両社の会社概要についてもう少し詳しくみていきましょう。

 

 

 

2−1.ミサワホーム・概要

 

ミサワホームの創業は1967年と、大手他社の中では歴史が長い住宅メーカです。

 

まずは概要からです。

 

 

 

南極昭和基地にも使われる木質パネルの実績が高い

 

ディーラー制による地域密着型で事業を展開

 

2019年「蔵のある家」の販売実績70,000棟を達成

 

2020年グッドデザイン賞31年連続受賞

 

 

 

なんとなく「ミサワホーム=南極昭和基地」というイメージを持つ方も多いのでないでしょうか。

 

よくTVCMなどでも見かけることが多いですよね。

 

ミサワホームは1968年に初めて南極昭和基地の居住棟とヘリコプター格納庫を建設しました。

 

その際に使用されたのが独自の「木質パネル」です。

 

この技術が使っているのが、主力構造である木質パネル接着工法です。

 

南極の厳しい環境の中で認められた、高い断熱性・耐久性が特徴です。

 

 

ちなみに2019年6月現在で、南極での建築実績は36棟です。

 

 

国内の販売事業はディーラー制を採用しています。

 

各拠点毎に、地域密着型の独自の営業展開をしています。

 

つまりメーカー(ミサワホーム株式会社)が宣伝、マーケティング、商品・技術開発をして、各拠点のディーラーが販売をしています。

 

 

※上の画像出典:ミサワホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

 

直近の実績では2019年に「蔵のある家」の販売実績70,000棟を達成しました。

 

「蔵のある家」はミサワホームの主力商品のひとつです。

 

半地下収納のような空間を作り収納量を確保できるのが大きな特徴です。

 

 

その他の実績では、2020年に31年連続でグッドデザイン賞を受賞しています。

 

31年連続というのは大手他社と比較してもミサワホームが圧倒的です。

 

もちろん過去の受賞には蔵のある家や南極大陸の建築物でも受賞をしています。

 

 

ミサワは、地域密着型のディーラー会社と、積極的に新たな商品開発・宣伝をするメーカーの2大体制としています。

 

 

親会社であるプライム ライフ テクノロジーズについても少し触れておきましょう。

 

同社は、パナソニック株式会社・トヨタ自動車株式会社・三井物産株式会社が株主となり、設立された会社です。

 

そのためミサワホーム以外に、パナソニックホームズやトヨタホームといった大手他社も子会社に含まれています。

 

 

将来的には、今までの単に1施主と1住宅メーカーによる家づくりだけでなく、街単位でのIoT化、モビリティー化「CASE」(Connected(コネクティッド)、Autonomous(自動化)、Shared(シェアリング)及びElectric(電動化))計画も期待できる会社です。

 

2020年は街づくり第1弾として、愛知県に大型分譲地「MIYOSHI MIRAITO」が街びらきを迎えました。

 

住宅内には自然災害やコロナ禍による住まいの役割の変化に対応するために、

 

・トヨタ自動車と連携した非常時給電システム「クルマ de 給電」

 

・パナソニックの微粒子イオンの技術を活用した天井埋込形ナノイーX発生機「エアイーX」

 

の2アイテムを採用しています。

 

 

 

2−2.ヤマダホームズ・概要

 

ヤマダホームズは、過去に渡り3つの住宅会社が合併されたハウスメーカーです。

 

まずは概要からです。

 

 

 

3つの住宅会社※1が合併したハウスメーカー

※1エスバイエル、ヤマダウッドハウス、ヤマダレオハウスの3社

 

3社の特徴を生かした販売展開

 

 

 

冒頭にお伝えしたとおり現ヤマダホームズは、3つの住宅会社の合併からなるハウスメーカーです。

 

主な住宅会社はこちらの3社です。

 

・ヤマダ・エスバイエルホーム(旧エス・バイ・エル)

 

・ヤマダレオハウス(旧レオハウス)

 

・ヤマダ・ウッドハウス

 

先に3社の違いをお伝えすると、ヤマダ・エスバイエルホームとヤマダレオハウスは創業当時はヤマダホールディングスに属していません。

 

ヤマダ・ウッドハウスは創業当時からヤマダホールディングスの完全子会社です。

 

 

もう少し詳しくお伝えします。

 

 

まずはヤマダ・エスバイエルホームです。

 

ヤマダホームズの創業は、上記3社の中で一番歴史の長いこのヤマダ・エスバイエルホームからきています。

 

創業は1951年で、小堀住研株式会社という社名でした。

 

1990年にエス・バイ・エル株式会社に社名を変更。

 

その後、2010年にヤマダホールディングスと資本・業務提携をし、ヤマダエスバイエルホームとなりました。

 

そして2018年に完全子会社となり、2020年にヤマダウッド・ハウスと合併して現ヤマダホームズとなりました。

 

 

ちなみにヤマダホームズの商品「小堀の住まい」建物構造「S×L構法」エス・バイ・エルが発祥です。

 

 

続いてヤマダ・ウッドハウスです。

 

同社は2013年に設立されたヤマダホールディングスの完全子会社です。

 

2020年にヤマダ・エスバイエルホームと合併しました。

 

 

ヤマダホームズの主力構造であるFelidiaFelidia2×6ヤマダ・ウッドハウスが発祥です。

 

 

最後にヤマダ・レオハウスです。

 

同社の創業は2002年です。

 

当時、宅配水で有名なクリクラを提供していた株式会社ナックとタマホームが業務提携をして戸建住宅事業をスタートしました。

 

その後2006年にレオハウスを設立しました。

 

そして2020年にヤマダホールディングスの完全子会社となり、2021年2月にヤマダホームズと合併しました。

 

 

ヤマダホームズの主力構造であるFelidiaやFelidia2×6の標準搭載されている制震ダンパー「TRCダンパー」レオハウスが発祥です。

 

 

ヤマダホームズはこれら3社のメリットを融合させた住宅を提供しているハウスメーカーと言えます。

 

 

それでは次節からミサワホームとヤマダホームズの基本的な建物構造についてみていきましょう。

 

 

 

3.建物構造の比較

 

ミサワホームも、ヤマダホームズも木造です(ミサワホームは重量鉄骨もあり)。

 

まずは結論です。

 

 

 

結論

 

ミサワホーム

 

木質パネル接着工法、木造軸組工法、重量鉄骨ラーメン構造の3種類がある

 

主力構造の木質パネル接着工法は制振装置が標準仕様

※高耐震仕様のセンチュリーモノコック構法もある

 

 

ヤマダホームズ

 

木造軸組工法、木質パネル工法、2×6工法の3種類がある

 

主力構造の木造軸組工法は制震ダンパーが標準仕様

 

 

 

各社の構造の特徴はコチラです。

 

 

 

ミサワホーム

ヤマダホームズ

基本構造

木質パネル接着工法

※高耐震仕様のセンチュリーモノコック構法もある

 

木造軸組構法「MJ Wood」

 

重量鉄骨ラーメン構造

 

ティンバーメタル工法

(木造軸組工法)

 

2×6工法

 

S×L構法

(木質パネル工法)

特徴

■木質パネル接着工法

独自の木質パネルで床・壁・天井の6面体で形成したモノコック構造

 

制震装置MGEOが標準装備

 

※センチュリーモノコック構法

従来の木質パネルの約1.3倍の厚みを採用した高耐震仕様

 

 

■木造軸組工法「MJ wood」

接合部を強化した軸組構造+構造用合板を融合させたハイブリッド構造

 

床・壁・天井に構造用合板を用いた面構造

 

柱や梁の接合部をMJメタルジョイントで強化

 

制震装置MGEO-Nが標準装備

 

 

■重量鉄骨ラーメン構造

3~5階建てまで建築が可能

 

227.5mmモジュールで設計が可能

 

■ティンバーメタル工法

接合部を強化した軸組構造+構造用合板を融合させたハイブリッド構造

 

制震ダンパーが標準仕様

 

 

 

 

 

 

■2×6工法

床・壁・天井の6面体で形成したモノコック構造

 

制震ダンパーが標準仕様

 

 

 

 

 

 

 

 

■S×L構法

木質接着パネルで床・壁・天井の6面体で形成したモノコック構造

 

 

 

両社とも複数の建物構造を採用しています。

 

1.建物価格「坪単価」を比較でお伝えしたとおり、建物構造によって価格が変わります。

 

当然ですが建物性能も変わります。

 

 

自分たちがどの構造なのか、ここでしっかりおさえておきましょう。

 

 

 

3−1.ミサワホームの建物構造

 

※上の画像出典:ミサワホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

 

ミサワホームは木造・鉄骨住宅両方の商品があります。

 

主に木造住宅が主力構造となります。

 

 

特徴

 

独自の木質パネルと高分子接着剤、釘を採用した「木質パネル接着工法」

 

MJメタルジョイントで接合部を強化した木造軸組工法+構造用合板の「MJ-Wood」

 

3~5階建ての建築が可能な「重量鉄骨ラーメン構造」

 

 

 

それでは各構造をもう少し詳しくみていきましょう。

 

 

 

3−1−1.木質パネル接着工法

 

※上の画像出典:ミサワホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

 

最初に木質パネル接着工法です。

 

具体的な特徴コチラです。

 

 

特徴

 

独自の木質パネルと高分子接着剤、釘で床・壁・天井の6面体を形成したモノコック構造

 

モノコック構造により、建物の揺れを面で抑える

 

木質パネルの強度は木造筋交い耐力壁の約5倍

 

高分子接着剤はわずかな接着面で約2tの乗用車を吊り上げることが可能

 

ミサワホームのスクリュー釘の耐力は、一般的な丸釘の約2倍

 

 

 

※画像出典:ミサワホームHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

木質パネル接着工法は、ミサワホームの代表する工法です。

 

独自の木質パネルと接着剤・スクリュー釘で、床・壁・天井の6面体構造としたモノコック構造です。

 

 

ここでモノコック構造について簡単に補足です。

 

モノコック(monocoque)とは、フランス語で、一つの(mono)殻(coque)、という意味です。

 

大雑把に例えるなら卵です。

 

卵の殻自体は、薄く割れやすいですよね。

 

けれど、試しに握って壊そうとするとどうでしょうか。

 

意外ですが、かなり握力のある大人の男性でも、握りつぶすのは困難です。

 

実際に私もやってみましたが、無理でした。

 

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

 

このモノコック構造は、スペースシャトルや新幹線でも使われている技術です。

 

高さや速さがある分、機体に加わる外力はものすごいですが、モノコック構造によりバランスよく力を分散させることができます。

 

 

住宅の建物構造では、枠組壁工法(2×4、2×6工法)がモノコック構造の代表例です。

 

地震の際に家全体で力を分散し、揺れを抑えて高い耐震性能を発揮します。

 

 

木質パネル接着工法も家全体を覆う木質パネルが力を分散して、揺れを抑えてくれます。

 

 

※画像出典:ミサワホームHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

ミサワホームでは、この木質パネルを工場で製造しています。

 

そのため精度が高く、品質差のない木質パネルで建築されるため安心です。

 

 

では、この木質パネルについてもう少し深堀りしていきましょう。

 

 

 

■木質パネル

 

まずは木質パネルの基本的な性能です。

 

 

 

独自の高分子接着剤で作り出す木質パネルを、接着剤+スクリュー釘で組み上げる

 

 

 

木質パネルの大枠の種類は、壁・小屋・1階床・2階床・屋根の5種類用意されています。

 

さらにサイズやバリエーションが多数あり、その総数は12万種類にも及びます。

 

 

具体的な構造は、芯材と断熱材を合板でサンドイッチしています。

 

 

※画像出典:ミサワホームHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

そしてこれを固定する接着剤がポイントです。

 

 

通常、建築では釘での固定が主流です。

 

もちろん、ミサワホームでも釘で固定する部位はあります。

 

ですが、木質パネルを構成する部材は接着剤による全面接着をしています。

 

この全面接着によって「ストレススキン効果」が生まれます。

 

「ストレススキン効果」とは、骨組みとなる芯材と表裏の面材を、接着剤で全面接着させ一体化させることにより、全体の強度を高める効果のことです。

 

釘での固定は、上から力が加わると、釘が固定されている部分に「すべり」が生じます。

 

一方で木質パネルには「すべり」は発生しません。

 

 

※画像出典:ミサワホームHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

釘か接着剤よって、剛性力の違いも実験で実証しています。

 

接着剤の剛性力は釘と比較して約2倍の効果です。

 

 

他に、耐力壁の強度実験も行っています。

 

一般的な木造筋交い耐力壁と比較した場合、約5倍の強度を実証しています。

 

 

一般的な鉄骨のブレース耐力壁と比較した場合は約1.4倍の強度です。

 

また変形量についても約1/4程度の抑えたことを実証しています。

 

※画像出典:ミサワホームHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

ではこれらの強度をディティール部分ももう少し詳しくみていきましょう。

 

 

 

■独自の高分子接着剤・スクリュー釘

 

ディティール部分である接着剤と釘についてもみておきましょう。

 

 

 

高分子接着剤はわずかな接着面で約2tの乗用車を吊り上げることが可能

 

ミサワホームのスクリュー釘の耐力は、一般的な丸釘の約2倍

 

 

 

木質パネル同士の組み立ては、独自の高分子接着剤と、スクリュー釘を使用しています。

 

この2つがすぐれものです。

 

まずは高分子接着剤です。

 

ミサワホームの高分子接着剤は、わずかな接着面で2tの乗用車を吊り上げた実証をしています。

 

その接着面は、木材同士の9cm×4.5cmの2面のみです。

 

 

※画像出典:ミサワホームHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

JIS規格で定める試験方法に基づいた力圧縮せん断試験も実施しています。

 

その結果、接着面より木材自体が断裂し、高い接着能力を実証しています。

 

JIS規格の基準接着強度は981N/cですが、木材が破断した1470N/cのm時点でも接着面はそのままでした。

 

 

※画像出典:ミサワホームHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

また、ミサワホームは接着剤だけでなく釘にもこだわっています。

 

通常の釘ではなく、スクリュー釘と言って、ネジのようになっている釘を採用しています。

 

この釘は、一般的な釘と比較して約2倍の引き抜き耐力があります。

 

地震などの強いエネルギーが住宅に加わると、接合部が弱点になりがちですが、スクリュー釘のような抜けにくい釘が使われている点は安心です。

 

 

※画像出典:ミサワホームHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

 

3−1−2.センチュリーモノコック構法

 

木質パネル接着工法の高耐震仕様としたセンチュリーモノコック構法についても簡単に触れ得ておきましょう。

 

 

特徴

 

従来の木質パネル(90mm厚)を120mm厚とした高耐震仕様

 

耐力壁のせん断耐力は従来の約1.3倍

 

 

 

センチュリーモノコック構法も基本構造は木質パネル接着工法と同じです。

 

まずはこのことをおさえておきましょう。

 

大きな違いは木質パネルにあります。

 

木質パネル接着工法の木質パネルは90mm厚を採用しています。

 

一方でセンチュリーモノコック構法は、外周壁と1階床に120mm厚木質パネルを採用しています。

 

これにより従来の耐力壁の約1.3倍のせん断耐力があるとしています。

 

せん断耐力とは、簡単に言うと、地震の揺れなどに対する部材の抵抗力です。

 

つまりセンチュリーモノコック構法は、従来よりも揺れづらいということです。

 

 

ただし残念ながら詳細な明示はありませんでした。

 

 

他にも、従来よりも基礎との接合部分が強化されている点や、約5.4mの大空間の設計が可能とする特徴もあります。

 

こちらについては次節以降に詳しく紹介します。

 

 

 

3−1−3.MJ Wood

 

ミサワホームには独自の木造軸組工法「MJ Wood」もあります。

 

具体的な特徴はコチラです。

 

 

特徴

 

接合部を強化した軸組構造+構造用合板(耐力面材)を融合させたハイブリッド構造

 

床・壁・天井に構造用合板を用いた面構造

 

柱や梁の接合部をMJメタルジョイントで強化

 

 

 

※画像出典:ミサワホームHP ※画像外はユーム参考情報

 

「MJ Wood」の柱や梁は、構造用集成材を使用しています。

 

この品質の安定した柱と梁は、「MJメタルジョイント」という金物で接合します。

 

 

一般的な軸組工法では、通し柱を梁の形状に切り欠き、接合させる方法が一般的です。

 

ただこの方法ですと柱の欠損部分が大きく、地震の際に弱点となりやすいリスクがあります。

 

一方でMJメタルジョイントは、わずかな断面欠損で接合することが可能です。

 

そのため、一般的な木造軸組工法の約1.7倍の接合強度で緊結することできます。

 

 

※画像出典:ミサワホームHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

工場で金具を固定して出荷、現場では梁を落とし込んで、ピンを打ち込むだけの設計になっています。

 

そのため短工期、高精度にも配慮されています。

 

金物自体には高耐食溶融メッキと無機系クロムフリー処理皮膜で錆び対策を行っています。

 

ただし錆び対策自体は一般的なものです。

 

 

 

 

そして、オプションでは、国産ヒノキの集成材仕様もあります。

ヒノキでは、独特の香りはもちろん、防蟻防虫効果が比較的強い素材です。

 

※画像出典:ミサワホームHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

MJ Woodでは、柱と梁だけの構造ではなく、構造用合板(耐力面材)で耐力壁を設ける設計になっています。

 

耐力面材を施工することで、枠組壁工法や木質パネル接着工法と同じように揺れを面で支えることができます。

 

まさに軸組工法と枠組壁工法を掛け合わせたハイブリット工法です。

 

ただし他社でも似た構造を採用しているところが多いため、特別な仕様ではありません。

 

 

MJ Woodの耐力壁の強度についてもおさえておきましょう。

 

 

壁の強度は壁倍率(かべばいりつ)が指標になります。

 

一般的には、15mm×90mmの筋交いを使った壁(構造用合板なし)が1.0倍です。

 

建築基準法上では5.0倍が最大です。

 

 

MJ Woodでは、シングル筋かいと構造用合板を合わせると壁倍率4.5倍。

 

ダブル筋かい+構造用合板で、最大6.5倍相当とすることも可能です。

 

 

 

 

※画像出典:ミサワホームHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

MJ Woodは振動実験による建物変形量を測る実験も行っています。

 

こちらは4.耐震・制震性能を比較で詳しく紹介します。

 

 

 

3−1−4.重量鉄骨ラーメン構造

 

ミサワホームでは重量鉄骨造もあります。

 

 

特徴

 

構造に関する詳細な公表無し

 

3~5階建てに対応した重量鉄骨ラーメン構造

 

 

 

こちらは残念ながら詳細な公表がありませんでした。

 

重量鉄骨造の場合、3~5階建てまで対応しています。

 

注文住宅だけでなく、賃貸併用や店舗併用での建築も可能としています。

 

 

ちなみに木造の建築実績は4階建てまでになります。

 

 

 

3−2.ヤマダホームズの建物構造

 

※上の画像出典:ヤマダホームズHP ※画像外はユームの参考情報

 

 

ヤマダホームズは木造住宅です。

 

 

特徴

 

金物で接合部を強化した木造軸組工法+構造用合板の「ティンバーメタル工法」

 

一般的な「2×6工法」

 

木質パネルの壁と床でつくる「S×L構法」

 

 

 

それでは各構造をもう少し詳しくみていきましょう。

 

 

 

3−2−1.ティンバーメタル工法

 

最初にティンバーメタル工法です。

 

こちらはFelidia(フェリディア)に該当する建物構造です。

 

建物構造、木造軸組工法の部類になります。

 

 

特徴

 

接合部を強化した軸組構造+構造用合板(耐力面材)を融合させたハイブリッド構造

 

土台と耐力面材を一体化させた面構造

 

柱や梁の接合部を構造金物で強化

 

 

 

この特徴をみて気づいた方もいるかもしれません。

 

ティンバーメタル工法は、ミサワホームの「MJ Wood」と建物構造が似ていまね。

 

特に柱と梁を金物で接合する点と、構造用合板(耐力面材)を採用している点が非常に近いです。

 

 

ですが重要な違いもありますのでここでおさえておきましょう。

 

 

まずは構造材です。

 

フェリディアの柱や土台は、4寸角(120mm角)のヒノキ集成材標準仕様です。

 

3階建ての場合は、柱が杉集成材・土台がヒノキの乾燥材(KD材)になります。

 

 

建築基準法で定められた3.5寸(105mm角)と比較して、ヤマダホームズ太いものを採用しています。

 

そのため万が一火災が起きても柱の内部に火が到達する時間を遅らせることができます。

 

ただしこの厚みは決して特別な仕様ではありません。

 

 

次に接合金物です。

 

こちらはミサワホームのMJ Wood同様に、柱と梁を金物で接合する方法です。

 

わずかな断面欠損で接合できるため、弱点となりやすい柱の欠損範囲を抑えることができます。

 

 

この点はミサワホームとほぼ同等と言えます。

 

ただしミサワホームのような金物の錆び対策については詳細な公表がありませんでした。

 

錆び対策は接合強度を保つ上で非常に重要なポイントです。

 

その点で、ヤマダホームズは詳細な公表がないため心配な点です。

 

 

ちなみに3階建てには接合金物は採用していませんので注意が必要です。

 

一般的な木造軸組工法での建築となります。

 

 

※画像出典:ヤマダホームズHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

最後に耐力面材です。

 

こちらもミサワホーム同様、柱と梁だけの構造ではなく、構造用合板(耐力面材)で耐力壁を設ける設計になっています。

 

耐力面材を施工することで、枠組壁工法や木質パネル接着工法と同じように揺れを面で支えることができます。

 

まさに軸組工法と枠組壁工法を掛け合わせたハイブリット工法です。

 

 

※画像出典:ヤマダホームズHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

しかしここがミサワホームと大きく違う点です。

 

 

ヤマダホームズで採用している耐力壁は、壁倍率2.5倍としています。

 

ミサワホームでは2.5~6.5倍までの耐力壁を最適なバランスで配置するとしています。

 

壁強度はミサワホームのMJ Woodの方が高いと言えます。

 

また一般的な枠組壁工法(2×4工法)でも壁倍率は3.0が多いため、この点でも決して強度が高い壁とは言えません。

 

 

一方でヤマダホームズの方が優れている点もあります。

 

それは床の厚みです。

 

 

ヤマダホームズでは、1階と2階床に28mm厚の構造用合板を使用した剛床工法としています。

 

床を厚くすることにより、地震による横揺れやねじれに強くなります。

 

この剛床工法自体は他社でも採用されている一般的な仕様です。

 

 

とはいえミサワホームのMJ Woodは24mm厚のため、ヤマダホームズの方がやや床の耐力が強いと言えます。

 

 

※画像出典:ヤマダホームズHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

 

3−2−2.2×6工法

 

こちらはFelidia2×6(フェリディア ツーバイシックス)に該当する建物構造です。

 

建物構造は、一般的な2×6工法です。

 

 

特徴

 

床・壁・天井の6面体で形成したモノコック構造

 

 

 

ヤマダホームズのFelidia2×6は一般的な2×6工法です。

 

 

こちらでは2×6工法の特徴について簡単に紹介します。

 

 

2×6工法は、正式名称を枠組壁工法と呼びます。

 

 

簡単に言うと木の面材で覆われた6面体構造です。

 

 

※画像出典:ヤマダホームズHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

2×6工法とは、枠組壁工法でも2インチ(3.8cm)×6インチ(14cm)の角材をベースにして作る工法です。

 

 

※画像出典:ヤマダホームズHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

2インチ×6インチの木材を使って枠をつくり、そこに構造用の合板を打ちつけて、面を形成します。

 

これを6面体の箱にして、横や上につなげ、住宅を作り上げていきます。

 

 

木造軸組工法(在来工法)が、柱や梁などの線で支える構造であるのに対し、枠組壁工法は面=壁で支える構造のため、地震の力をバランスよく分散させる特徴があります。

 

そして床・壁・天井の面で支える構造をモノコック構造とも言います。

 

 

※画像出典:ヤマダホームズHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

 

3−2−3.S×L構法

 

最後にS×L構法です。

 

こちらはS×Lシグマ(エスバイエルシグマ)に該当する建物構造です。

 

建物構造は木質パネル工法になります。

 

 

特徴

 

木質接着パネルの壁と床でつくるモノコック構造

 

モノコック構造により、建物の揺れを面で抑える

 

木質接着パネルの壁倍率は約4.7倍

 

 

 

S×L構法は、ミサワホームの木質パネル接着工法と似た構法を採用しています。

 

ですが、ミサワホームとおさえておくべき点もあります。

 

 

まずは木質パネルです。

 

ヤマダホームズの木質パネルもミサワホーム同様、枠材と合板接着剤で接合したものです。

 

接着剤は、耐用年数100年相当の水性イソシアネート系接着剤を使用しています。

 

この接着剤を塗布した木質パネル1㎡あたりに、70tの高圧力と100℃の高温(ホットプレスの場合)で90秒間プレスして、高強度の木質接着パネルをつくります。

 

 

※画像出典はヤマダホームズHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

木質接着パネルの壁倍率は約4.7です。

 

ティンバーメタル工法では壁倍率2.5でしたので約2倍の強度があります。

 

ただし大手他社では、木質接着パネルの壁倍率と同等以上の耐力壁を採用していることが多いです。

 

そのため、決して強度が高い特別な仕様ではありません。

 

ちなみに建築基準上の最高壁倍率は5.0です。

 

こちらと比較すると木質接着パネルは最高壁倍率相当と言えます。

 

特筆して強度が高いわけではありませんが、この水準の強度があるのは安心です。

 

 

ここでミサワホームの木質パネルとの大きな違いについてお伝えします。

 

それはヤマダホームズの木質パネルは片面合板ということです。

 

ミサワホームは、両面から合板をサンドウィッチした木質パネルです。

 

もちろん合板が両面にあった方が強度は高くなるでしょう。

 

 

ちなみにヤマダホームズでは、木質接着パネルの荷重試験を実施しています。

 

木質パネルの詳細なサイズ明示されていませんが、パネル1枚あたり水平荷重は23.5kN、鉛直荷重は31.4kNに耐えたとしています。

 

水平荷重に関しては、一般的な釘打ちパネルの約1.3倍の強度があります。

 

 

※画像出典はヤマダホームズHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

一方でミサワホームは、幅約3.6mのパネルに対して165.8kN耐えたとしています。

 

 

ヤマダホームズの木質接着パネルは詳細なサイズの明示がないので断定はできませんが、数値だけをみるとミサワホームの木質パネルの方が強いと予想されます。

 

 

もうひとつミサワホームの木質パネル接着工法との重要な違いがあります。

 

それは両社が謳っているモノコック構造です。

 

 

モノコック構造は床・壁・天井を一体とした六面体構造です。

 

ここで注意が必要です。

 

同構造は、各面がバランスよく力を分散できて、初めてモノコック構造と言えます。

 

 

では両社のモノコック構造についてもう一度おさらいをしましょう。

 

 

ミサワホームは、床、壁、天井、屋根の全てに木質パネルを採用しています。

 

ヤマダホームズは、床、壁に木質接着パネルを採用としています。

 

 

この違いに気づきましたか?

 

ヤマダホームズは屋根、天井は木質パネルではありません。

 

 

つまりミサワホームは六面体すべてが木質パネルなので、力をバランス良く分散できるモノコック構造と言えます。

 

しかしヤマダホームズは、屋根、天井が木質接着パネルでないので、この部分に力が集中するリスクがあります。

 

これではモノコック構造とは言えません。

 

 

天井、屋根も含めてバランスよく力を分散する構造ではないのに、モノコック構造とする住宅メーカーが非常に多いです。

 

この点については必ずおさえておきましょう。

 

 

 

4.耐震・制震性能を比較

 

ハウスメーカー選びをする上では、最重要視すべき点が「耐震性」です。

 

こちらでは、ミサワホームとヤマダホームズの耐震性を徹底的に比較して、その違いがわかります。

 

まず結論です。

 

 

 

結論

 

過去の地震による被害

 

過去の震災による建物被害は両社とも公表しているが透明性が低い

 

 

過去の地震波を再現した実験

 

 

両社とも建物全壊率が低い地震波で検証しているため耐震性の実証性が高いとは言えない

 

建物の余力を測る実大実験

 

連続加振回数はミサワホームの方が信憑性が高い

 

ただし建物全壊率が低い地震波のため耐震性の実証性が高いとは言えない

 

 

揺れの抑制(制震)性能

 

実大実験による建物変形量の明示があるミサワホームの方が透明性が高い

 

 

基礎及び基礎と構造躯体の接合強度

 

基礎の強度及び構造躯体の接合強度は両者とも公表無し

 

 

具体的な特徴はコチラです。

 

 


■過去の地震による被害の比較

ミサワホームは、兵庫県南部地震、東北地方太平洋沖地震、熊本地震で倒壊ゼロを公表

ヤマダホームズは、兵庫県南部地震、東北地方太平洋沖地震で全半壊ゼロを公表

※新潟県中越地震、熊本地震は倒壊ゼロと明示



■実大耐震実験による実証比較

両社とも実大実験を実施。ただし建物全壊率が高くはない地震波のため、耐震性の実証に不安が残る


ミサワホームは2階建て木質パネル接着構法(+制震MGEO付)で最大加速度2,000gal最大速度94.4kineを実証


ヤマダホームズは、2階建てS×L構法で最大加速度1,198gal最大速度100kineを実証



■揺れの抑制(制震)性能の比較

ミサワホームは実大実験、部分実験の公表有り

木質パネル接着工法・・・部分実験のみ。神戸波818galに対して変形量は11.8mm

木質パネル接着工法(+制震MGEO付)・・・神戸波818galに対して変形量は8.2mm


ヤマダホームズは実大実験の公表有り

S×L構法・・・兵庫県南部地震増幅1,198galに対して変形量は30mm

木造軸組パネル工法・・・BCL-L2波355.66galに対して変形量は8.9mm


■基礎及び基礎と構造躯体の接合強度の比較

ミサワホームは、木質パネル接着工法の基礎および接合金物の詳細な公表無し

※グレードUP仕様のセンチュリーモノコック構法は、独自形状のアンカーボルトを採用

※木造軸組構法はMJメタルジョイントを採用


ヤマダホームズは、独自のMS基礎工法により地盤補強をしている

※S×L構法に限る

 

 

両社とも実大実験を実施しています。

 

公表されている情報から比較すると、ミサワホームの方が、トータルでみた耐震性能の実証性があると言えます。

 

トータルでみた耐震性能とは、

 

・過去の震災被害による建物被害はどうだったのか

・過去の建物被害が大きかった地震波で実大実験を行っているか

・将来起こりうる巨大地震を想定した建物の余力を確認する実大実験を行っているか

 

この3つで評価をしています。

 

 

ただし、大手ハウスメーカーの中では両社とも耐震性の実証性が弱いと言えます。

 

また、両社とも耐震実験は基礎無しです。

 

やはり、基礎自体、そして基礎と構造躯体の接合部分の強度も重要ですので、その違いにも迫っていきます

 

 

4−1.過去の震災での被害状況

 

まず過去の大きな地震による両社の建物被害についてです。

 

両社とも建物被害の公表をしていますが、抑えておくべき重要な違いがあります。

 


■ミサワホーム

兵庫県南部地震、東北地方太平洋沖地震、新潟県中越地震、熊本地震で倒壊ゼロを明示


■ヤマダホームズ

兵庫県南部地震、東北地方太平洋沖地震で全半壊ゼロを明示

※新潟県中越地震、熊本地震は倒壊ゼロと明示

 

 

前述の違いに気づきましたでしょうか?

 

抑えておくべき重要な違いは、太文字の「倒壊ゼロ」と「全半壊ゼロ」です。

特に「倒壊ゼロ」としている点は注意が必要です。

 

注意が必要な理由は、「 倒壊ゼロ 」は大破・半壊している可能性があるからです。

 

もう少し詳しくお伝えします。

 

「倒壊」には損傷具合の定義が明確になっていません。

現行の建築基準法では「震度6強~震度7程度で倒壊・崩壊しないこと」とされています。

 

つまり悪い見方をすると、大破や半壊という大きな被害はあるが倒壊はしていなければ「倒壊なし」とも言えてしまうということです。

 

この定義は曖昧な表現のため、心配な点です。

 

もちろんあくまで言葉の定義ですので、実際には大きな被害がなかったかもしれません。

 

ミサワホームには、今後倒壊ゼロの根拠となる定義を具体的に提示してもらいたいですね。

 

 

一方で誤解がないように「全壊・半壊ゼロ」についても注意点がありますので補足します。

 

それは「全壊・半壊ゼロ」でも一部損壊の可能性があるということです。

 

災害対策基本法第90条の2に基づく罹災証明の基準に基づく「半壊」の定義をお伝えすると、

 

・損壊部分がその住家の延床面積の 20%以上 70%未満のもの

・または住家の主要な構成要素の経済的被害を住家全体に占める損害割合で表し、その住家の損害割合が 20%以上50%未満のもの

 

としています。

 

つまり仮に建物全体の19%の部位が損壊し、偶々そこにご家族がいて被害に遭ってしまっても、「一部損壊」という事になります。

 

一部損壊の内容によっては、余震が襲ってくる中でそこに住み続けられなくなる可能性もあります。

 

ただし倒壊ゼロと違い、建物の損傷具合を数字で表しているため、実績として具体的な根拠はあると考えます。

 

 

ヤマダホームズは、「一部損壊」についても具体的に明示してもらえると、より耐震性の実証ができていると言えますので、今後の公表に期待したいですね。

 

 

そして両社に言える注意点がもうひとつあります。

 

それは施工実績です。

 

両社とも過去の震災でその周辺にいくつの建物が建っていたかの公表はありません。

 

熊本県など一部の地域では、ハウスメーカーによって展示場や営業拠点が少なく、施工実績が少ないケースがあります。

 

当たり前ですが、全半壊ゼロや倒壊ゼロを明示しているハウスメーカーでも、10棟か1,000棟かでは説得力が違いますよね。

 

つまり被災地エリアの施工実績(棟数)がどの程度であったかも重要です。

 

 

この点についても、両社の施工実績を公表もしてくれると、ユーザー(お施主様)の安心に繋がりますので、今後の公表を期待したいですね。

 

 

4−2.実大実験での比較|過去の地震波を再現した実験

 

次には「過去の地震波を再現した実大実験をしているかどうか」、その内容でミサワホームとヤマダホームズを比較していきます。

 

 

 

実大実験

結論

ミサワホームの方が、過去の地震波の実大実験において、やや耐震の実証性が高い(2021年7月6日時点)

会社

ミサワホーム(1997,2004年)

ヤマダホームズ(2001年)

建物構造

屋根、外壁、窓、室内壁や建具なども施工した実邸に近い建物で実験

※基礎無し

 

■木質パネル接着工法(1997年)

試験体:3階建

連続加振:公表無し

最大加速度:1,000gal

最大速度:公表無し

実験結果:損傷なし

 

 

■木質パネル接着工法+制震MGEO(2004年)

試験体:2階建

連続加振:震度7相当13回

最大加速度:2,000gal

最大速度:公表無し

実験結果:損傷なし

 

屋根、外壁、窓、室内壁や建具なども施工した実邸に近い建物で実験

※基礎無し

 

■S×L構法(S×Lシグマ)

試験体:2階建

連続加振:震度7相当4回

最大加速度:1,198gal

最大速度:100kine

実験結果:損傷無し

 

 

■木造軸組パネル工法、2×6工法

詳細な公表無し

 

 

 

過去の地震の再現実験

・1995年兵庫県南部地震神戸波(建物全壊・大破率約2.5%)

 

・1995年兵庫県南部地震神戸波?

(建物全壊・大破率約2.5%)

 

※地震波の詳細な公表無し

 

 

ミサワホームもヤマダホームズも耐震等級の最高等級3が標準仕様です。

(3階建て以上など、一部建物によって異なる場合有り)

 

しかし耐震等級3だから安心というわけではありません。

 

あくまで計算値の中のことであり、耐震等級3で想定している地震波はgal(ガル・加速度)が約600程度のものです。

 

やはり、実大実験での耐震性の実証が重要です。

 

両社の実大実験は、基礎を除き、実邸に近い建物で実証できていると言えるでしょう。

 

現時点ではヤマダホームズよりもミサワホームの方が、過去の地震波の実大実験において耐震性の実証性が高いと言えます。

 

ただし抑えておくべき注意点もあります。

 

では両社の実験の詳細をもう少し深堀りしていきます。

 

 

4−2−1.ミサワホームの耐震実験(1997,2004年)

 

※上の画像出典:ミサワホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

実大実験は、2,3階建てで検証しています。

 

まずは結論です。

 

 

 

■木質パネル接着工法

3階建てによる実験を実施

兵庫県南部地震の地震並みで実証

連続加振:公表無し

最大加速度:1,000gal

最大速度:公表無し

実験結果:損傷なし

 

 

■木質パネル接着工法+制震MGEO

2階建て+制震装置MGEOによる実験を実施

連続加振:震度7相当13回

最大加速度:2,000gal

最大速度:公表無し

実験結果:損傷なし

 

 

 

ミサワホームでは、2,3階建ても兵庫県南部地震で検証しています。

 

まず加速度の数値が高かった過去の地震動による実験です。

 

兵庫県南部地震神戸波を増幅させた実験をしており、2階建ては最大2,000gal、3階建ては1,000galを実証しております。

 

これにより、gal(ガル・加速度)の数値が高くてもミサワホームの家は倒壊しない可能性が高いことがわかります。

 

gal(ガル・加速度)の公表値においては、ヤマダホームズよりも高い数値で実証しており、耐震性の実証性が高いと言えます。

 

 

ただしここで抑えておくべき注意点があります。

 

それは同地震波は建物倒壊率が高くはない地震波であるということです。

 

建物全壊率は約3.2%です。

 

 

では建物全壊率の違い地震波はどのようなものなのか。

 

これは地震の専門家の発表でkine(カイン:速度)と周期(キラーパルス)によって建物全壊率が大きく変わることがわかっています。

 

熊本地震や兵庫県南部地震でも、この相関性による該当エリアで甚大な建物被害が出ました。

 

熊本地震の「宮園波」では建物全壊率約30.8%、兵庫県南部地震でも「鷹取波」では建物全壊率約34.9%です。

 

つまり建物全壊率が高い地震波で実証できているかどうかが重要となります。

 

 

この点においては、両社とも建物全壊率が高い実大実験による実証がないため、他の大手ハウスメーカーと比較すると、耐震性の実証性が高いとは決して言えません。

 

 

4−2−2.ヤマダホームズの耐震実験(2001年)

 

※上の画像出典:ヤマダホームズHP ※画像外はユーム参考情報

 

実大実験は、S×L構法(S×Lシグマ)で実施しております。

 

残念ながら主力商品であるFelidia(フェリディア・木造軸組パネル工法)やFelidia2×6(フェリディアツーバイシックス・2×6工法)による実大実験の公表はありませんでした。

 

まずは結論です。

 

 

 

■S×L構法

2階建てによる実験を実施

連続加振:震度7相当4回

最大加速度:1,198gal

最大速度:100kine

実験結果:損傷無し

 

 

■木造軸組パネル工法、2×6工法

詳細な公表無し

 

 

 

公表している耐震実験は、ヤマダホームズの前身であるS×L株式会社(ヤマダ電機合併前の会社)で実施されたものです。

 

残念ながら現在主力となっているFelidia(フェリディア)やその他工法では、耐震実験の詳細な公表はありませんでした。

 

 

まず加速度の数値が高かった過去の地震動による実験です。

 

ミサワホーム同様に、兵庫県南部地震の地震波を増幅させて実験をしており、最大加速度は1,198galです。

 

最大加速度においては、ミサワホームの方が耐震性の実証性が高いと言えます。

 

一方でヤマダホームズは、kine(カイン・速度)も公表しております。

 

最大速度(kine・カイン)は100kineです。

 

ただし残念ながらヤマダホームズは詳細な地震波を公表しておりません。

 

仮にこの地震波が建物全壊率約34.9%の鷹取波であれば、ミサワホームよりも耐震性の実証が高いと言えます。

 

また主力となっているFelidia(フェリディア)やその他工法での実大実験の公表はないので、今後同商品の実験の詳細な公表をしてもらいたいですね。

 

 

4−3.実大実験での比較|建物の余力を測る実大実験

 

震度7が連続して2回発生した熊本地震が代表的ですが、大地震は余震を含めて大きな揺れが連続して襲ってくる可能性があります。

 

その際に建物が耐えられるかどうかは極めて重要です。

 

つまり実大実験でも連続する地震を想定して実証しているかどうかが重要となります。

 

その観点でミサワホームとヤマダホームズを比較してみましょう。

 

 

過去の地震波以上の余力を測る実大実験

ミサワホーム(1997,2004年)

ヤマダホームズ(2001年)

ミサワホームの方が、震度7相当の地震波による連続加振回数において、耐震性の実証性が高い

(2021年7月6日現在)

■木質パネル接着工法(1997年)

試験体:3階建

連続加振:公表無し

最大加速度:1,000gal

最大速度:公表無し

実験結果:損傷なし

 

 

■木質パネル接着工法+制震MGEO(2004年)

試験体:2階建

連続加振:震度7相当13回

最大加速度:2,000gal

最大速度:公表無し

実験結果:損傷なし

 

 

■S×L構法

試験体:2階建

連続加振:震度7相当4回

最大加速度:1,198gal

最大速度:100kine

実験結果:損傷無し

 

 

■木造軸組パネル工法、2×6工法

詳細な公表無し

 

 

 

 

 

 

はじめにお伝えしたいのは、大手ハウスメーカーの中では、両社とも建物の余力を測る耐震性の実証は弱いと言えます。

 

ただし両社を比較した場合は、震度7相当の連続加振においてミサワホームの方が耐震性の実証性が高いと言えます。

 

これが結論です。

 

 

ユームの見解は、三井ホームやヘーベルハウスのような建物全壊率が高い複数の地震波を連続加振することが、建物の余力を測る耐震性において重要であると考えます。

 

 

近年、地震の専門家の発表でkine(カイン:速度)と周期(キラーパルス)によって建物倒壊率が大きく変わることがわかっています。

 

熊本地震や兵庫県南部地震でも、この相関性による該当エリアで甚大な建物被害が出ました。

 

そしてこういった大きな地震は、発生後も余震活動が続きます。

熊本地震のような震度7が前震と本震に分けて複数発生する可能もあります。

 

 

つまり建物全壊率が高い複数の地震波で連続加振を実証できていないと、耐震性が実証された安心な建物とは決して言い難いです。

 

 

それでは過去の地震と比較して重要事項をもう少し深堀りしていきます。

 

 

4−3−1.ミサワホームの耐震実験(1997,2004年)

 

※画像出典:ミサワホームHP ※画像外はユーム参考情報

 

前述お伝えしたとおり、ミサワホームでは建物全壊率が高くはない地震波(兵庫県南部地震神戸波)のため、建物の余力を測る耐震性が実証できていると言い難いです。

 

これが結論です。

 

 

 

■木質パネル接着工法(1997年)

試験体:3階建

連続加振:公表無し

最大加速度:1,000gal

最大速度:公表無し

実験結果:損傷なし

 

 

■木質パネル接着工法+制震MGEO(2004年)

試験体:2階建

連続加振:震度7相当13回

最大加速度:2,000gal

最大速度:公表無し

実験結果:損傷なし

 

 

 

ミサワホームが実証している地震波は、兵庫県南部地震の神戸波です。

 

同地震波の建物全壊率は約3.2%です。

 

建物全壊率約30.8%の熊本地震(宮園波)や兵庫県南部地震(鷹取波)と比較すると、余力の測る耐震性の実証性が高いとは言えません。

 

加振回数については木造2階建て+制震MGEOのみ公表しており、震度7相当13回を実証しています。

 

ただしこの回数も、大手ハウスメーカーと比較すると決して多いとは言えません。

 

 

やはり建物全壊率が高い地震波による連続加振が重要な指標となるので、ぜひ今後新たな実大実験の実証を期待したいですね。

 

 

4−3−2.ヤマダホームズの耐震実験(2001年)

 

※上の画像出典:ヤマダホームズHP ※画像外はユーム参考情報

 

まずは結論です。

 

ヤマダホームズは、詳細な地震波(兵庫県南部地震神戸波?)の公表がないため、建物の余力を測る耐震性が実証できていると言い難いです。

 

 

 

■S×L構法

試験体:2階建

連続加振:震度7相当4回

最大加速度:1,198gal

最大速度:100kine

実験結果:損傷無し

 

■木造軸組パネル工法、2×6工法

詳細な公表無し

 

 

 

ヤマダホームズでは、兵庫県南部地震の地震波で実証していますが、詳細な地震波を公表しておりません。

 

この点は非常に残念ですね。

 

加振回数についても震度7相当4回と、ミサワホームや大手ハウスメーカーと比較すると少ない回数です。

 

 

ヤマダホームズも今後、建物全壊率が高い地震波による連続加振の実証を期待したいですね。

そしてできれば主力商品であるFelidia(フェリディア)や他の工法で実証していただきたいです。

 

 

4−4.揺れの抑制(制震)性能の比較

 

大きな地震の際には、揺れによる建物の損傷や家具の転倒による怪我などのリスクがあります。

 

ミサワホームとヤマダホームズの揺れの抑制についてもみていきましょう。

 

 

まず結論です。

 

両社の実験は、建物全壊率が高くはない地震波のため、他の大手ハウスメーカーと比較すると揺れの抑制に関して耐震性の実証は弱いです。

 

 

 

揺れの抑制(制震)性能の比較

トヨタホームの方が、揺れによる建物変形量を抑えることができている。また公表している実大実験すべてで詳細な変形量を明示している

ハウスメーカー

ミサワホーム

ヤマダホームズ

制震装置

■制震耐力壁MGEO

壁の内部に「複合テコ原理を応用した独自の変位拡大機構」と「高減衰ゴム」をセットした制震ダンパー

■制震ダンパー

特殊粘弾性ゴムを内蔵した制震ダンパー

特徴

高減衰ゴムで、地震エネルギーを摩擦・圧縮熱エネルギーに変換

 

地震の揺れを約50%軽減

 

 

高減衰ゴムは劣化促進試験により耐用年数100年以上を実証

 

 

特殊粘弾性ゴムで、地震エネルギーを熱エネルギーに変換

 

震度6強で水平変位による揺れを最大50%低減

 

特殊粘弾性ゴムは、60年相当の加速試験で、性能変化は10%減以内の耐久性を実証

実証実験

■2階建て木質パネル接着工法+制震MGEO

兵庫県南部地震神戸波で実証

 

神戸波818galに対して2階床の応力加速度は949gal

 

建物変形量は8.2mm

※制震無しの場合、11.8mm

 

 

■3階建て木質パネル接着工法

※制震装置無し

兵庫県南部地震神戸波で実証

 

神戸波818galに対して2階床の応力加速度は1,085gal

 

建物変形量は10.7mm

 

■2階建て木造軸組パネル工法

※制震ダンパー標準装備

詳細な公表無し

 

BCL-L2波(最大加速度:355.66gal)で実証

 

建物変形量は最大変位8.9mm

 

 

 

■2階建てS×L構法

※制震装置無し

兵庫県南部地震神戸波?で実証

 

神戸波増幅?1198galに対して2階床の応力加速度は1,883gal

 

建物変形量は30mm

 

 

 

ハウスメーカーを選ぶ上で、揺れを抑制できるかどうかも重要です。

 

それは冒頭お伝えした怪我のリスクから自身や家族を守る為という事もありますが、震災後のメンテナンス費用を抑える事にも繋がるからです。

 

では両社がどのような実証をしているか詳しくみていきましょう。

 

 

4−4−1.ミサワホームの揺れの抑制(制震)性能

 

※画像出典:ミサワホームHP ※画像外はユーム参考情報

 

ミサワホームは実大実験を実施した全ての建物で、建物変形量の詳細な公表をしています。

 

ただし建物全壊率が高くはない地震波のため、他の大手ハウスメーカーと比較すると、揺れの抑制において耐震性の実証性が高いとは言えません。

 

 

 

■2階建て木質パネル接着工法+制震MGEO

兵庫県南部地震神戸波で実証

 

神戸波818galに対して2階床の応力加速度は949gal

 

建物変形量は8.2mm

※制震無しの場合、11.8mm

 

■3階建て木質パネル接着工法 ※制震装置無し

兵庫県南部地震神戸波で実証

 

神戸波818galに対して2階床の応力加速度は1,085gal

 

建物変形量は10.7mm

 

 

 

冒頭厳しい評価をお伝えしてましたが、ミサワホームは1997年、2004年の実大実験をした全ての建物で、揺れによる建物変形量を詳細に明示しています。

 

しかも上記の様に1997年の制震システム無の3階建の実大実験における内容もとても開示しています。

 

それから20年前後の年月が経っているにも関わらず、いまだに他の大手ハウスメーカーはここまでの詳細な明示ができていません。

 

この点は特筆されるべきで、とても好感が持てます。

 

ですがやはり建物全壊率が高くはない地震波のため、揺れの抑制に関して耐震性の実証ができているかと言うと、このような評価としております。

 

 

2階建てに関しては、制震無で建物変形量11.8mm制震有(制震耐力壁「MGEO」)で8.2mmです。

 

※画像出典:ミサワホームHP ※画像外はユーム参考情報

 

制震無でも他のハウスメーカーと引けを取らないのですが、制震耐力壁「MGEO」があると地盤面加速度に対して2階の床面の応答加速度を1.16倍程度に抑制しているというのは魅力的です。

 

 

ここで制震耐力壁「MGEO」について、その特徴を詳しく紹介します。

 

※画像出典:ミサワホームHP ※画像外はユーム参考情報

 

ミサワホームの制震装置「MGEO(エムジオ)」は、上図のように、木質パネルの中に入っており、上下2箇所の高減衰ゴムで地震の揺れを抑えます。

 

70mm角で厚さ20mmの高減衰ゴムで、地震エネルギーを摩擦・圧縮熱エネルギーに変換して衝撃を約50%(装着の有無による、建物の変形量の差)軽減します。

 

この高減衰ゴムは、劣化促進試験で、約100年相当の耐久性も実証しています。

 

また建物内部の木質パネル内に設置するため、-20℃から60℃の使用環境でもエネルギー吸収率はわずか±20%程度と、安定した効果で多くの地域で安心して設置することが可能となっています。

 

詳細な公表はありませんでしたが、4日間で合計39回の加振を行い、連続余震を想定した検証も行っています。

 

 

4−4−2.ヤマダホームズの揺れの抑制(制震)性能

 

揺れの抑制を実証する実大実験の詳細な公表はS×L構法のみです。

 

木造軸組パネル工法(制震ダンパー標準仕様)の公表もありますが、こちら抑えておくべき注意点があります。

 

 

 

■S×L構法

※制震装置無し

兵庫県南部地震神戸波?で実証

 

神戸波増幅?1198galに対して2階床の応力加速度は1,883gal

 

建物変形量は30mm

 

 

■2階建て木造軸組パネル工法

※制震ダンパー標準装備

詳細な公表無し

 

BCL-L2波(最大加速度:355.66gal)で実証

 

建物変形量は最大変位8.9mm

 

 

 

はじめにS×L構法です。

 

こちらは前章で紹介した実大実験で、建物変形量を明示しています。

 

最大加速度1,198galに対して、2階の応答加速度は1,883gal、建物変形量は30mmとしています。

 

ミサワホームよりも高い加速で実証していますので一概には言えませんが、この変形量は大手ハウスメーカーと比較して数値が大きい(=建物が揺れやすい)です。

 

さらに検証した地震波の詳細な公表がないため、仮に建物全壊率が高くない地震波だった場合、熊本地震宮園波レベルの地震がきた際、建物の揺れを抑制できるかどうか不安が残ります。

 

もしS×L構法を採用される場合は、やはり制震装置を付けることをおすすめします。

 

 

ここからはヤマダホームズの制震装置について詳しく紹介します。

 

 

※画像出典:ヤマダホームズHP ※画像外はユーム参考情報

 

ヤマダホームズは、制震ダンパーを一部商品で標準仕様としています。

 

標準仕様が明確に確認できた商品は、フェリディア(木造軸組パネル工法)とフェリディア2×6(2×6工法)です。

 

他の商品では、制震ダンパーのことが触れられていない為、導入の可否・標準か否か、については確認が必要です。

 

ヤマダホームズの制震ダンパーは、筋交いのように柱間に設置されています。

 

制震ダンパーには、特殊粘弾性のゴムが入っており、地震のエネルギーを熱に変換して地震の揺れを抑えます。

 

揺れの低減は、震度6強で水平変位による揺れを最大50%程度吸収、としています。

 

 

ここで抑えておくべき注意点があります。

 

それは実大実験で検証された地震波です。

 

実大実験の詳細な公表はありませんでしたが、下図のように建物変形量を測定した図を明示しています。

 

※画像出典:ヤマダホームズHP ※画像外はユーム参考情報

 

この図では、BCL-L2波と明示されています。

 

これは最大加速度355.66galのため、S×L構法で実大実験を行っているような地震波と比べると、かなり弱い地震波と言わざるを得ません。

 

制震ダンパーが標準仕様という点はメリットですが、やはり建物全壊率が高い地震波での実証でない以上、揺れの抑制に関して耐震性の実証性は弱いです。

 

ちなみに最大変形量は89mmとしています。

 

しかしミサワホームの2階建てMGEOの実大実験では、BCL-L2波の2倍以上の加速度である818galで建物変形量8.2mmとしています。

 

この点から両社を比較すると、ミサワホームの方が揺れの抑制に関して耐震性の実証性が高いと言えます。

 

 

ヤマダホームズの制震ダンパーの特殊粘弾性ゴムの耐用年数の公表はありませんでしたが、60年相当の加速試験で、性能変化が10%以下としています。

 

 

4−5.基礎の比較

 

基礎は、建物の構造と同じくらい重要なポイントです。

 

建物が倒壊しなくても、基礎自体が崩壊してしまうと、住宅に多大なダメージを受けます。

基礎の比較もみていきましょう。

 

 

基礎の強度及び基礎と構造躯体の接合強度

基礎の強度及び構造躯体の接合強度のトータルでみると、詳細な公表が少ないため、どちらも耐震性の実証性が高いとは言えない

ハウスメーカー

ミサワホーム

ヤマダホームズ

基礎構造

連続布基礎

※ベタ基礎もあり

ベタ基礎

 

基礎寸法・主筋

主筋:公表なし

 

その他配筋:公表なし

 

フーチング:長方形

 

アンカーボルト:公表無し

 

立上がり幅:公表無し

 

立上がり高さ:公表なし

主筋:D13(直径約13mm)

 

その他配筋:公表無し

 

フーチング:長方形

 

アンカーボルト:公表無し

 

立上がり幅:150mm

 

立上がり高さ:420mm

 

※上記仕様はFelidiaのみ。S×L構法は詳細な公表無し

特徴

連続布基礎が標準仕様

 

地盤強度に合わせてW配筋布基礎やベタ基礎など最適な基礎を提案

 

工法によってアンカーボルトに仕様が異なる

ベタ基礎が標準仕様

 

S×L構法は独自の基礎工法「MS基礎構法」を採用

 

 

接合部の詳細な公表無し

 

 

4−5−1.ミサワホームの基礎

 

ミサワホームの標準基礎は連続布基礎ですが、地盤強度にあわせた基礎構造の提案をしています。

 

 

 

連続布基礎が標準仕様

※地盤強度に合わせてW配筋布基礎やベタ基礎の提案もしている

 

基礎の詳細な公表は無し

 

基礎と構造躯体の接合金物(アンカーボルト)は工法によって異なる

木質パネル接着工法:詳細な公表

※センチュリーモノコック構法は独自形状のアンカーボルトを採用

木造軸組工法:MJメタルジョイント

 

 

 

はじめに基礎と建物の接合強度です。

 

ミサワホームでは、接合部をアンカーボルトで緊結します。

 

このアンカーボルトは、工法によって異なる仕様となっていますので、そちらを簡単にご紹介します。

 

 

まず主力構造である木質パネル接着工法です。

 

こちらは残念ながら詳細な公表がありませんでしたが、同工法とワンランクグレードが高いセンチュリーモノコック構法でそれぞれ独自のアンカーボルトを採用しています。

 

※画像出典:ミサワホームHP ※画像外はユーム参考情報

 

センチュリーモノコック構法のアンカーボルトは下図のようにJ型の独自形状によって引き抜きの力に強い仕様となっています。

 

また高耐力の結合材金物を併用し、接合部の耐力をUPさせています。

 

※画像出典:ミサワホームHP ※画像外はユーム参考情報

 

続いて木造軸組工法です。

 

こちらは柱や梁と同様にMJメタルジョイントを、接合部にも採用しています。

 

下の図左のように一般的なホールダウン金物での固定ではなく、下の図右のようにアンカーボルトを構造躯体に埋め込み、基礎・土台・柱をダイレクトに結合しています。

 

これにより金物が外部に露出せず、断熱材の欠損もない工夫をしています。

(※構造計算結果等により、変更する場合があります。)

 

※画像出典:ミサワホームHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

次に基礎自体の強度です。

 

こちらは詳細な公表がありませんでした。

唯一わかっていることは地盤強度に合わせて基礎構造を変更している点です。

 

一般的なハウスメーカーは基礎構造は布基礎もしくはベタ基礎で統一しているケースがほとんどです。

 

地盤強度によって、布基礎では必要のない地盤補強工事が、ベタ基礎では必要となり、追加費用がかかるケースなどがあります。

 

そういった点でみると、コストパフォーマンスも含めて地盤強度に合わせた最適な基礎を提案してくれるというのは嬉しいですね。

 

 

ただやはり詳細な公表がないため、耐震性の実証ができているかでみると、残念ながら実証性は弱いと言わざるを得ません。

 

 

4−5−2.ヤマダホームズの基礎

 

ヤマダホームズでは、Felidiaはベタ基礎が標準仕様、S×Lシグマは地盤強度にあわせた基礎構造の提案をしています。

 

 

 

ベタ基礎が標準仕様

※S×Lシグマは地盤強度によって布基礎の提案もしている

 

基礎の詳細な公表は無し

 

鉄筋の太さは上下の主筋を13mm ×1本ずつ施工

 

基礎自体の強度・仕様は、比較的に一般住宅メーカーレベル

 

S×Lシグマの基礎は、独自の「MS基礎工法」により地盤補強をしている

 

 

 

ヤマダホームズでは、残念ながら基礎と構造躯体の接合部について、詳細な公表がありませんでした。

 

そのためこちらでは基礎自体の強度について紹介します。

 

ヤマダホームズの基礎は、Felidia(木造軸組パネル工法or2×6工法)とS×Lシグマ(S×L構法)で、基礎構造が異なります。

 

順にもう少し具体的に紹介します。

 

 

まずFelidiaです。

 

こちらはベタ基礎が標準仕様です。

 

基礎幅は150mm、主筋はD13(直径約13mm)としています。

 

これは比較的に一般的な住宅メーカーレベルの水準です。

 

ちなみに他の大手ハウスメーカーは基礎幅は170mm以上、主筋はD16(直径約16mm)以上を採用してるところが多いです。

 

基礎のような鉄筋コンクリートは、コンクリートの圧縮強度の強さと鉄筋の引張強度の強さを掛け合わせて、強度は発揮します。

 

簡単に例えると、地震による縦の揺れ(圧縮)はコンクリートで、横の揺れ(引張)は鉄筋で強度を発揮するということです。

 

 

この例とヤマダホームズの鉄筋仕様をみると、他社の仕様と比較して横揺れにあまり強くないということになります。

 

また基礎仕様は、耐久性にも繋がる重要なポイントですので、ぜひ抑えておいてください。

こちらは5-1.基礎の耐久性で詳しくお伝えします。

 

 

続いてS×Lシグマ(S×L構法)です。

こちらは基本はベタ基礎が標準仕様ですが、地盤強度によって布基礎の提案もしています。

 

特筆すべき点は、独自のMS基礎工法です。

 

これは、一言でお伝えすると基礎の下に人工的に固い地盤を作り、基礎の沈下や変形を抑制する工法です。

 

MS基礎工法は、下図のように、地盤改良材を混入した土で固い地盤(地中壁)を形成します。

 

※画像出典:ヤマダホームズHP ※画像外はユーム参考情報

 

この地中壁が地盤の変形を抑え、不同沈下を抑制します。

 

またこの地中壁が格子状に形成されることにより、地震の揺れを基礎全体で分散する効果を発揮します。

 

一般的に地盤補強工事をした場合、柱状改良もしくは鋼管杭で補強することが多いですが、下図のように地震による力が特定の場所に集中するリスクがあります。

 

MS基礎工法は、この格子状の地中壁が地震による負荷を連続した地中壁に効率的に分散するため、地震による基礎の変形を効果的に防ぐことができます。

 

 

ただし注意点もあります。

 

それは基礎自体が強くなったわけではないということです。

 

たしかに地中壁がある点はメリットでありますが、やはり基礎自体の強度も重要です。

 

いくら地中壁があっても、一定以上の揺れに襲われて、基礎自体が破損してしまう可能性も十分に考えられます。

 

その点で、S×LシグマはFelidiaのように基礎構造の詳細な公表がない点は非常に残念です。

 

ですが詳細な公表ないとは言え、MS基礎工法を採用しているS×LシグマはFelidiaと比較して、基礎強度は高いと言えるでしょう。

 

 

 

5.防火性能を比較

 

大きな地震の備えとして、耐震性能ともうひとつ大事なのが防火性能です。

 

先に両社の防火性能について結論です。

 

こちらは主に両社の主力構造を中心に比較していきます。

 

主力構造は、ミサワホームは木質パネル接着工法、ヤマダホームズはティンバーメタル工法です。

 

 

 

結論

 

内部出火

 

ファイヤーストップ材を複数箇所設置しており、かつ延焼実験を実証しているミサワホームの方が防火性能が高い

 

 

外部出火

 

両社とも詳細な公表無し

 

 

耐火建築

の実績

 

木造は4階建て、鉄骨は5階建ての耐火建築の実績があるミサワホームの方が実績が高い

 

 

 

もう少し具体的に下の枠でまとめてみました。

 

 

 

ミサワホーム

(木質パネル接着工法)

ヤマダホームズ

(ティンバーメタル工法)

構造

標準仕様のサイディング外壁は防火構造(30分)

 

標準仕様のサイディング外壁は防火構造(30分)

内部出火

石膏ボードが温度上昇や延焼を抑制

 

ファイヤーストップ構造のため1階から2階へ延焼しにくい

 

ファイヤーストップ材を複数設置しているため、延焼抑制力が高い

 

石膏ボードが温度上昇や延焼を抑制

 

※S×L構法、2×6工法はファイヤーストップ構造

外部出火

一般的な防火構造の外壁が標準仕様

 

詳細な公表無し

 

一般的な防火構造の外壁が標準仕様

 

詳細な公表無し

 

耐火建築の実績

 

耐火建築4階建ての実績有り

 

※鉄骨は5階建てまで

詳細な公表無し

※商品は3階建てまで

 

 

 

皆さんは年間でどのぐらいの火災が発生しているかご存知でしょうか?

 

 

消防庁によると年間で37,683件の火災が発生(2019年)しています。

 

1日平均で計算すると、2.4人の方が住宅火災で毎日亡くなられていることになります。

 

 

特に大きな地震では、建物の倒壊だけでなく火災被害も甚大となります。

 

内閣府の発表によると、首都直下型地震では最大41万棟の消失被害が予想されています。

 

南海トラフ巨大地震では地震火災による死者数は約1万4千人としています。

 

 

大きな揺れが原因で電気ヒーターから家財に引火してしまったり、周辺家屋から延焼を受けたりと、原因はさまざまです。

 

自分の家や家族が、少しでも火災被害を少なくできるように、家の中の出火対策(内部出火)と家の外の出火対策(外部出火)をすることが非常に重要です。

 

 

では、ミサワホームとヤマダホームズの防火性能はどうなのか、深堀りしていきましょう。

 

 

5−1.内部出火の防火性能

 

まずは内部出火(室内から出火)の対策についてみていきましょう。

 

残念ながらヤマダホームズは詳細な公表がほとんどありませんでした。

 

そのためミサワホームを中心に紹介します。

 

まずは結論です。

 

 

結論

 

ファイヤーストップ材を複数箇所設置しており、かつ延焼実験を実証しているミサワホームの方が防火性能が高い

 

 

 

両社の特徴はコチラです。

 

 

 

ミサワホーム

ヤマダホームズ

内部出火対策

石膏ボードが温度上昇や延焼を抑制

 

ファイヤーストップ構造のため1階から2階へ延焼しにくい

 

ファイヤーストップ材を複数設置しているため、延焼抑制力が高い

 

石膏ボードが温度上昇や延焼を抑制

 

※S×L構法、2×6工法はファイヤーストップ構造

 

 

みなさんは、家の中で出火すると、どのぐらいで隣の部屋に燃え移るかご存知でしょうか?

 

 

一般的な木造住宅の場合、1階で出火すると約5分間で隣室へ延焼、窓ガラスも割れます。

 

そして約7分後には2階の天井まで延焼し、約20分で全焼すると言われています。

 

参照:財団法人 日本防火協会HP

 

ちなみに初期消火の限界は1階の天井に火が回るまでと言われています。

 

その時間は約2分30秒です。

 

つい自分で初期消火を試みて逃げ遅れる可能性もゼロではありません。

 

 

ですので、やはり家の中の防火性能(=内部出火対策)も重要です。

 

 

内部出火対策で一般的なハウスメーカーで採用しているのが石膏ボードです。

 

 

石膏ボードと聞くと、みなさん壁紙の下地材というイメージを持つ方も多いかと思います。

 

 

ですが下地材の機能以外に延焼と温度上昇を抑制する効果もあります。

 

 

もう少し詳しく紹介します。

 

石膏ボードは出火した直後の防火対策でその役割を発揮します。

 

 

まず延焼の抑制です。

 

一般的な厚さ12.5mmの石膏ボードで火災に約15分耐えられると言われています。

 

 

参照1:一般社団法人 日本ツーバイフォー協会HP

参照2:吉野石膏HP

 

 

石膏ボードは壁だけでなく、天井にも使用されています。

 

 

ミサワホームは、この一般的な厚さの12.5mmを採用しています。

 

ヤマダホームズは、詳細な公表がありませんでしたが、同等程度であることが予想されます。

 

 

次に石膏ボードの温度上昇の抑制です。

 

石膏ボードの中には約21%の結晶水が含まれています。

 

 

この結晶水が火災による温度上昇によって熱分解により水蒸気となって放出されます。

 

その水蒸気が天井裏や壁内の温度上昇を抑えます。

 

これにより、構造材が発火温度に達するのを15〜20分ほど遅らせてくれます。

 

 

※上の画像出典:オスカーホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

 

ここで補足です。

 

それは天井埋め込みのエアコンや照明、スピーカーがある部分に、石膏ボードは無いということです。

 

この点で延焼防止性能が落ちる可能性がありますので注意が必要です。

 

内部出火対策においては、ミサワホームの木質パネルに特筆すべき点があります。

 

 

ここまでは大手各社含め、一般的な防火対策です。

 

 

次が重要です。

 

それは壁内の防火対策です。

 

ここがミサワホームの特筆すべき点ですので、ここでおさえておきましょう。

 

 

ミサワホームの木質パネル接着工法は、ファイヤーストップ構造を採用しています。

 

ヤマダホームズのS×L構法と2×6工法も同様です。

 

 

まずはファイヤーストップ構造を先におさえておきましょう。

 

 

炎って上に向かっていきますよね。

 

下の図の X のところをご覧ください。

 

 

※上の画像出典:日本ツーバイフォー協会 ※画像外はユームの参考情報

 

 

ファイヤーストップ材とは、特に壁の中に入った炎が、上の階に燃え広がろうとするのをストップする構造材のことです。

 

 

もう少し具体的にお伝えします。

 

火の通り道となりやすい壁内や天井裏の間に大きな断面の木材(ファイヤーストップ材)を使うことです。

 

 

大きな断面の木は火災時に周辺が炭で真っ黒になりますが、強度は低下しにくい特徴があります。

 

これを木材の炭化現象と言います。

 

炭化現象とは、表面が炎により炭化層となることで空気をブロックし、木の内部に火が通りにくくなる現象です。

 

一見して焦げているように見えても、木内部にまで火が通りにくいため、完全な燃焼までに時間がかかります。

 

 

意外と思われる方も多いですが、鉄骨よりも強度が落ちにくいというデータもあります。

(下の右画像を参照)

 

 

※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報

 

 

ここまでは一般的なファイヤーストップ構造です。

 

決して特別な仕様ではありません。

 

 

では先程お伝えしたミサワホームの特筆すべき点についてみてみましょう。

 

 

ミサワホームの木質パネル内には縦芯材と横芯材×2があります。

 

この横芯材もファイヤーストップ材の機能があります。

 

そのためミサワホームの木質パネル接着工法は、一般的なファイヤーストップ構造よりもさらに延焼しにくい構造になっています。

 

この点はヤマダホームズよりも防火性が優れていると言えます。

 

 

※画像出典:ミサワホームHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

ミサワホームは延焼実験でもその防火性を実証しています。

 

下の画像をご覧ください。

 

これは横芯材があるミサワホームの木質パネルと、横芯材がない一般的な木造住宅の壁の延焼を比較した実験です。

 

 

※画像出典:ミサワホームHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

ミサワホームの木質パネルは、実験終了の90分後まで横芯材が延焼を防ぎ、室内温度100℃未満を保ちました。

 

しかし、横芯材がないと住宅の壁は、約30分後に100℃を超えて、以後も上昇をつづけ約80分後に木材の自然着火温度260℃に到達しました。

 

 

この違いは非常に大きいと言えます。

 

平成29年版消防白書では、出火原因が特定できる建物火災の約80%が屋内出火だったことを公表しています。

 

 

※画像出典:ミサワホームHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

今後起こりうる震災も含めて、火災の原因である屋内出火(内部出火)の対策は非常に重要です。

 

 

その点では、ミサワホームは安心であると言えます。

 

 

 

5−2.外部出火の耐火性

 

続いて外部出火の防火性能です。

 

こちら残念ながら両社とも詳細な公表がありませんでした。

 

 

外部出火は、主に隣家の火災によるもらい火が、一番高いリスクとして想定されます。

 

特に大きな震災では、このもらい火による火災被害の拡大が懸念されます。

 

 

そのため、もらい火から家を守る外壁の防火性能も非常に重要です。

 

 

ミサワホーム、ヤマダホームズと一般的な防火構造の外壁を標準仕様としています。

 

ただしこれだけでは詳細な公表がないため、不安が残ると言わざるを得ません。

 

 

大手他社の多くは、防火構造の外壁による防火試験を実施しています。

 

特に三井ホームやヘーベルハウスは、標準外壁で、一般的な30分防火試験を上回る60分にも及ぶ試験で問題がないことを実証しています。

 

 

大きな震災では耐震性だけでなく防火性も非常に重要ですので、今後両社にも具体的な公表を期待しています。

 

 

6.耐久性を比較

 

家の耐久性はハウスメーカー選びの決め手のひとつにされる方が多い重要なポイントです。

 

ミサワホームとヤマダホームズの耐久性はどうでしょうか?

 

 

先に結論です。

 

 

 

結論

 

基礎

 

両社とも耐用年数の具体的な公表無し

 

基礎仕様は一般的な住宅レベル

 

 

外壁

 

両社とも耐用年数の具体的な公表無し

 

 

防水

 

両社とも防水に関する耐用年数の具体的な公表無し

 

 

壁内結露・湿気対策

 

両社とも湿気・結露対策に心配な点がある

 

 

防蟻

 

具体的な防蟻対策の明示があるミサワホームの方が安心

 

メンテナンス頻度はヤマダホームズの方が多い

 

 

 

もう少し具体的に下の枠でまとめました。

 

後ほど詳細をお伝えしていきますので、こちらは ざっと 見るだけで大丈夫です。

 

 

 

ミサワホーム

ヤマダホームズ

基礎

耐用年数の公表無し

 

基礎仕様の詳細な公表無し

 

標準基礎は連続布基礎

※地盤強度によって基礎形状が変わる

 

耐用年数の公表無し

外壁

(外壁材・外壁下地材)

耐用年数の公表無し

 

 

耐用年数の公表無し

防水(屋根・バルコニー)

 

耐用年数の公表無し

 

耐用年数の公表無し

壁内結露・湿気対策

一般的な通気工法を採用

 

一般的な通気工法を採用

※S×L構法に限り、二重通気工法を採用

 

防蟻

耐用年数の公表無し

※10年毎の防蟻処理が必要

 

耐用年数の公表無し

※5年毎の防蟻処理が必要

 

 

耐久性というと、メンテナンス費用を気にされる方が多いのではないでしょうか?

 

たしかにメンテナンス費用はとても重要です。

 

住んで10年、20年経ってからものすごい金額のメンテナンス費用がかかってしまったという話も少なくありません。

 

 

では費用が高いメンテナンス工事とはどのようなものでしょうか?

 

 

これは主に外壁屋根の塗替え・張替え防水基礎補修工事が該当します。

 

外壁や屋根などの構造材は定期的なメンテナンスをしていないと、湿気の侵入や漏水など、構造躯体の劣化を早める原因となります。

 

そのために定期的なメンテナンスを行い、これらのトラブルを未然に防ぐのです。

 

 

これは後に紹介する保証にも関わってくる内容です。

 

 

しかしただ単にメンテナンス工事をしていれば、家が本当に長持ちするかどうかはわかりません。

 

 

 

そこで重要なのが構造躯体や外壁塗装、防水など主要構造材の耐用年数です。

 

 

 

耐用年数が長いということは、構造躯体の劣化を抑え耐震性能や断熱性能を維持できるということです。

 

また耐用年数が長い仕様を採用している住宅メーカーは、長期に渡る保証制度を取っていることが多いです。

 

そのためメンテナンス工事の頻度も少ないことが多いです。

 

 

ここでみなさんにお伝えしたいのは、定期的なメンテナンスと主要構造躯体の耐用年数は、新築時の耐震性能や断熱性能をどれだけ劣化せずに長持ちできるのかの重要な指標です。

 

 

ただし残念ながらミサワホームとヤマダホームズは両社とも各部材の耐用年数の公表はありませんでした。

 

ここでは保証期間と各部材の仕様を比較しながら、両社の耐久性を比較していきましょう。

 

 

 

6−1.基礎の耐久性

 

基礎の耐久性は、中性化による劣化対策が重要です。

 

 

まずは結論です。

 

結論


両社とも耐久性に繋がる情報の開示が少なく、不安が残ると言わざるを得ない

 

 

両社の基礎耐久性の特徴はこちらです。

 

 

 

ミサワホーム

ヤマダホームズ

基礎構造

■木質パネル接着工法・MJ Wood共通

 

連続布基礎基礎

 

地盤強度によってW配筋布基礎、ベタ基礎に変更する場合有り

■全工法共通

 

 

ベタ基礎

 

S×L構法は独自のMS基礎工法を採用

コンクリート強度

公表無し

■全工法

公表無し

 

立ち上がり幅

公表無し

■ティンバーメタル工法

150mm

 

■2×6工法・S×L構法

公表無し

 

鉄筋のかぶり厚

公表無し

公表無し

基礎のコーティング

中性化防止塗料を塗布

※詳細な公表無し

既調合弾性ポリマーセメントモルタル

 

 

 

中性化とは、アルカリ性であるコンクリートが雨や紫外線に曝されることにより、大気中の二酸化炭素と反応して徐々にアルカリ性を失っていく現象です。

 

つまり中性化が進行すると、コンクリートの強度が落ちます。

 

具体的にはコンクリート内部の鉄筋が錆びて膨張し、ひび割れを起こします。

 

そしてこの錆びが進行すると、コンクリート剥離を引き起こします。

 

 

ここで基礎の中性化防止(耐久性維持)に重要な4つの対策をお伝えします。

 

それは

 

・基礎の強度を上げる

 

・鉄筋のかぶり厚(鉄筋とコンクリートの間の厚み)を大きくする

 

・基礎の表面をコーティングする

 

・正しく施工する

 

です。

 

この4つについてもう少し詳しく解説します。

 

 

まず基礎の強度です。

 

先に結論です。

 

 

 

みなさんが各社の基礎強度を✔する際には、24N/m㎡(ニュートン・パー・ヘイホウミリメートル)以上かどうかを確認しましょう。

 

 

 

基礎は、

 

・コンクリートのセメント量を増やす

 

・コンクリートの密度を上げる

 

・鉄筋の太さや量を増やす

 

この方法で強度が上がります。

 

 

コンクリートは、主に水とセメント(実際には砂利や砂も含む)で構成されています。

 

この比率をセメント水比と呼び、下図のようにセメントの比率が大きくなるほど強度が上がります。

 

 

※上の画像出典:株式会社アールデザインHP ※画像外はユームの参考情報

 

 

コンクリートの密度は、骨材や砂・砂利の配分で変わります。

 

コンクリートの硬化には、水とセメントが必要です。

 

化学反応でできた水和物がセメント粒子の隙間を埋めることにより硬化します。(下図参照)

 

 

しかしこの水和物が隙間を全て埋めるわけではありません。

 

この隙間は骨材や砂・砂利で埋めます。

 

 

つまり骨材や砂・砂利の配合により、密度が高くなる(隙間が減る)=強度が増します。

 

 

※上の画像出典:日本大学 コンクリート工学研究室資料 ※画像外はユームの参考情報

 

 

日本建築学会では、これらの強度を耐久設計基準強度:N/m㎡(ニュートン・パー・ヘイホウミリメートル)で表し、その数値によって耐用年数を明示しています。

 

 

※上の画像出典:株式会社アールデザインHP ※画像外はユームの参考情報

 

 

一般的には中期(65年)の24N/m㎡以上あれば、強度があると言えます。

 

 

鉄筋の量や太さによっても基礎の強度は変わります。

 

鉄筋の太さや量は、なんとなくイメージしやすいのではないでしょうか?

 

下図のように鉄筋量が違うだけでどちらが強そうかは一目瞭然かと思います。

 

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

 

鉄筋は、基礎の骨組みになる部分です。

 

量が増えれば骨密度が高くなる = 強固になります。

 

太さが厚くなればその分骨太になる = 強固になります。

 

 

2つ目に鉄筋のかぶり厚です。

 

まずは結論です。

 

 

 

かぶり厚は、設計上も現場施工上も、少なくとも40mm以上はあるか確認しましょう。

 

 

 

鉄筋のかぶり厚とは、下図のような基礎立上り部分の鉄筋に対するコンクリートの厚みを指します。

 

 

※上の画像出典:日経クロステック ※画像外はユームの参考情報

 

 

中性化すると、基礎の強度が落ちます。

 

 

その中性化の進行は、コンクリート表面から鉄筋内部に侵食していきます。

 

つまりコンクリートの厚み(鉄筋のかぶり厚)があるほど、鉄筋が侵食されるのを遅らせることができます。

 

 

このかぶり厚は少なくとも40mm以上、できればそれ以上あると良いです。

 

 

3つ目は基礎表面のコーティングです。

 

結論として、

 

 

 

同じかぶり厚なら、コーティング有りの方がが長持ちします

 

 

 

基礎の中性化は、コンクリートの表面から侵食していきます。

 

これを抑制する中性化防止塗料を塗布することにより劣化を抑えます。

 

 

※上の画像出典:住まいの外装リフォーム ガイソーHP ※画像外はユームの参考情報

 

 

このような対策をしているかどうかは是非✔してください。

 

 

4つ目は正しく施工するです。

 

これはわかりますよね?

 

当たり前ですが、基礎は建物を支える重要な部分です。

 

正しく施工されていないと、十分な強度が足りず、大きな地震による倒壊の原因になります。

 

 

 

以上の4つが重要な対策となります。

 

 

では両社の具体的な対策をみていきましょう。

 

ただし今回は正しく施工できている前提とし、上記3つを中心にみていきましょう。

 

 

 

6−1−1.ミサワホームの基礎

 

まずは結論です。

 

こちらは木質パネル接着工法、MJ Wood共通の仕様です。

 

 

結論

 

基礎耐用年数の公表無し

 

標準基礎は連続布基礎を採用。地盤強度に合わせて高耐久仕様やベタ基礎もある

 

 

 

基礎の特徴はコチラです。

 

 

 

特徴

基礎構造

連続布基礎

※地盤強度によって高耐久仕様、ベタ基礎も有り

コンクリート強度

公表無し

立ち上がり幅

160mm

鉄筋のかぶり厚

公表無し

基礎コーティング

公表無し

 

 

基礎は、建物構造と同じくらい重要です。

 

なぜなら建物が損傷しなくても、基礎自体が崩壊してしまえば倒壊の危険性があるからです。

 

 

ミサワホームに限らずほとんどのハウスメーカーの実大耐震実験は基礎無しです。

 

そのため大きな地震を想定した実大建物の基礎強度はわかりません。

 

 

はじめにミサワホームの標準基礎についてお伝えします。

 

標準基礎は連続布基礎です。

 

地盤強度によっては布基礎の高耐久仕様ベタ基礎も用意されています。

 

 

まずミサワホームが標準採用している布基礎についておさえておいたほうが良いです。

 

 

布基礎とは、逆T型の断面形状をした鉄筋コンクリートを連続させる基礎工法です。

 

下図のような逆T型になっている鉄筋コンクリート部分で建物の荷重を支えます。

 

ベタ基礎のような表面も鉄筋コンクリートを打設し、広い範囲で建物の荷重を支えるのに対して、布基礎は逆T型部分で集中的に支えるのが特徴です。

 

 

※上の画像出典:注文住宅の教科書HP ※画像外はユームの参考情報

 

 

ここでミサワホームの基礎仕様に気になる点があるので先にお伝えします。

 

 

それは建物構造と基礎の力(荷重)のかかり方が違うことです。

 

 

ミサワホームの構造は、木質パネル接着工法、MJ Woodともに面構造です。

 

構造躯体にかかる荷重は面全体で力を分散します。

 

三井ホームなど木造で面構造を採用している会社は、基礎も面構造であるベタ基礎を標準仕様にすることが多いです。

 

つまり、構造も基礎もなるべく一体として、荷重や地震動を地盤面に分散させています。

 

 

ベタ基礎は布基礎に比べて面で支えているため、不同沈下にも強いとされています。

 

シロアリのアタックにも、ベタ基礎の方が強いとされています。

 

ミサワホームは、地盤強度に合わせてベタ基礎の用意もあります。

 

ただし布基礎からオプション仕様(金額UP)になるのかは、具体的な公表がありませんでした。

 

気になる方は、ベタ基礎も候補として、営業担当者に相談いただくと良いかと思います。

 

 

それではミサワホームの基礎仕様を、3つの重要点と照らし合わせながら、もう少し深堀りしていきましょう。

 

先に結論をお伝えします。

 

ミサワホームは、基礎の強度、鉄筋のかぶり厚、中性化対策ともにほとんどの公表がありませんでした。

 

そのため基礎耐久性に関して不安が残ると言わざるを得ない結果でした。

 

 

まずは基礎の強度です。

 

残念ながら具体的な強度の数値や耐用年数の公表はありませんでした。

 

ヤマダホームズは基礎仕様や中性化対策の具体的な明示があるため、ミサワホームよりも信憑性があります。

 

 

ここで布基礎を採用している積水シャーウッド(SW)の例をみてみましょう。

 

積水ハウスSWの主筋は上下とも19mmです。

 

基礎の底盤もミサワホームは一般的な布基礎ですが、積水SWは力を半円形で分散する構造となっています。

 

 

※上の画像出典:積水ハウスHP ※画像外はユームの参考情報

 

 

主要な建物構造と基礎を緊結するアンカーボルトの太さは、強度及び耐久性に影響があるとされています。

 

積水SWはM24というとても太いものを採用しています。

 

一方でミサワホームは、太さの詳細な公表はありませんでした。

 

ただし独自のアンカーボルトを採用し、基礎形状や建物荷重に応じて長さ・太さを設定する、としています。

 

 

※画像出典:ミサワホームHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

試験も実施の上、強度を確認している点は安心であると言えます。

 

 

とはいえ、具体的な公表がある積水ハウスのこれらの仕様と比較すると、ミサワホームの基礎仕様は一般的な仕様と予想されます。

 

 

基礎の耐久性において2つ目の重要事項、鉄筋のかぶり厚に関してです。

 

詳細な公表はありませんが、一般的な住宅メーカーレベルと予想されます。

 

基礎の立ち上がり幅が160mmだからです。

 

そのため、かぶり厚は比較的普通レベルであることが予想されます。

 

 

3つ目の重要事項、基礎表面のコーティングについても残念ながら詳細な公表がありませんでした。

 

 

非常の情報が少なく、ミサワホームの標準基礎は一般的な仕様で不安が残ると言わざるを得ません。

 

 

 

6−1−2.ヤマダホームズの基礎

 

続いてヤマダホームズをみてみましょう。

 

まずは結論です。

 

 

結論

 

全工法とも基礎耐用年数の公表無し

 

標準基礎はベタ基礎を採用。基礎仕様は一般的な住宅レベル

 

 

 

基礎の特徴はコチラです。

 

 

 

特徴

(ティンバーメタル工法)

基礎構造

ベタ基礎

※S×L構法に限り、布基礎の提案もある

コンクリート強度

公表無し

立ち上がり幅

150mm

鉄筋のかぶり厚

公表無し

基礎コーティング

既調合弾性ポリマーセメントモルタルで中性化を防止

 

 

 

ヤマダホームズは、全商品共通で標準基礎はベタ基礎です。

 

ただし2×6工法やS×L構法については詳細な公表がありませんでした。

 

ここでは、ティンバーメタル工法を中心にお伝えします。

 

 

はじめにヤマダホームズが採用しているベタ基礎について簡単に解説します。

 

 

ベタ基礎とは、立ち上り部分と床一面を鉄筋コンクリートで覆い、一体化させた基礎工法です。

 

下図のように基礎全体大きな面で建物の荷重を支えます。

 

布基礎と比較して、建物の荷重を基礎全体に分散できるのが特徴です。

 

 

※上の画像出典:注文住宅の教科書HP ※画像外はユームの参考情報

 

 

ヤマダホームズの基礎仕様は、一般的な住宅メーカーレベルです。

 

ただし基礎仕様の詳細な公表がある点において、ミサワホームよりも信憑性が高いと言えます。

 

 

それではミサワホーム同様に3つの重要な点をみてみましょう。

 

 

1つ目は基礎の強度です。

 

こちらは残念ながら詳細な公表がありませんでした。

 

 

鉄筋の太さは、上下の主筋で13mmを採用しています。

 

この点は、大手他社のほとんどが16mm以上しているので心配です。

 

基礎のような鉄筋コンクリートは、コンクリートの圧縮強度の強さと鉄筋の引張強度の強さを掛け合わせて、強度は発揮します。

 

簡単に例えると、地震による縦の揺れ(圧縮)はコンクリートで、横の揺れ(引張)は鉄筋で強度を発揮するということです。

 

 

つまりヤマダホームズの基礎は、大手他社と比較して横揺れにあまり強くないということになります。

 

 

2つ目は鉄筋のかぶり厚です。

 

 

こちらも残念ながら詳細な公表はありませんでした。

 

ただし基礎の立ち上がり幅が150mmと、こちらも一般的な住宅メーカーレベルです。

 

そのためのかぶり厚も、同様であると予想されます。

 

 

3つ目は基礎表面のコーティングです。

 

ヤマダホームズは既調合弾性ポリマーセメントモルタルで中性化を防止をしています。

 

具体的な耐用年数は公表がないものの、中性化防止対策をしっかり明示している点では安心であると言えます。

 

 

 

6−2.外壁の耐久性

 

全国のみなさんから、よく外壁の汚れ対策の相談を受けます。

 

両社の外壁の耐久性を比較してみましょう。

 

 

最初に結論です。

 

 

結論

 

両社とも外壁、下地材の耐久性に関する詳細な公表なし

 

 

 

外壁の耐久性というと、汚れを気にされる方が多いのではないでしょうか?

 

確かに塗り替えにはメンテナンス費用がかかりますよね。

 

外壁の塗り替えは、足場を組んで家全体の広範囲にわたる作業となります。

 

一般的に10年から20年ごとに100万円前後の費用がかかります。

 

 

ただ、タイルやサイディング、吹付けなどの表層の塗り替えだけで比べるのではなく、外壁の下地などトータルで耐久性を比較することも重要です。

 

なぜなら地震による大きな揺れでは、外壁下地の損傷リスクもあるからです。

 

一見外壁の表層に問題なくても、外壁下地が損傷、劣化していればいずれ表層にもその影響を及ぼします。

 

 

ミサワホーム、ヤマダホームズともに外壁下地・外壁材の耐久性に関する詳細な公表はありませんでした。

 

ちなみに両社とも標準外壁はサイディングです。

 

 

近年では、外壁下地の標準がモルタル仕様の住友林業では耐用年数60年以上を明示しています。

 

 

三井ホームでは独自の下地材による耐衝撃性や防水性を具体的に明示しています。

 

 

パナソニックホームズでは独自のタイル外壁「キラテック」の耐用年数を60年以上としています。

 

 

これら大手他社と比較して、ミサワホーム、ヤマダホームズは一切の公表がないため、不安が残ると言わざるを得ません。

 

外壁の耐久性は、この後お伝えする防水性能にも関わってきます。

 

 

ぜひ今後の具体的な明示を期待しています。

 

 

 

6−3.防水性能

 

言うまでもなく、家を長持ちさせるには防水性能も重要ですよね。

 

ミサワホームとヤマダホームズの防水性能を比較していきましょう。

 

 

では、先に結論です。

 

 

 

結論

 

防水性能

 

両社ともすべての防水対策において、詳細な公表がなく、不安が残ると言わざるを得ない

 

 

壁内結露・湿気対策

 

両社とも壁内結露の心配は少ない

 

湿気対策も取れている

 

 

 

両社の具体的な特徴はコチラです。

 

 

防水性能

 

ミサワホーム

ヤマダホームズ

屋根防水

耐用年数の公表無し

 

防水仕様の具体的な公表も無し

 

軒先部分に雨水の侵入を防ぐブチルテープを使用

 

耐用年数の公表無し

バルコニー

耐用年数の公表無し

 

一般的な塩ビシート防水を採用

 

耐用年数の公表無し

 

 

外壁・下地材

外壁・下地材の防水自体の耐用年数は公表なし

 

外壁・下地材の防水自体の耐用年数は公表なし

防水シート

通気層の内側に防水透湿シートを施工

通気層の内側に透湿防水シートを施工

 

 

壁内結露・湿気対策

 

ミサワホーム

ヤマダホームズ

湿気対策

防水シートの外側に通気層を確保

 

断熱層の湿気は防水透湿シートで通気層へ逃がす

防水シートの外側に通気層を確保

 

断熱層の湿気は透湿防水シートで通気層へ逃がす

結露対策

断熱性を高めているため結露となる温度帯になりにくい

 

サイディングを止める金物から発生する結露が心配

断熱性を高めているため結露となる温度帯になりにくい

 

サイディングを止める金物から発生する結露が心配

 

 

 

大手や有名なハウスメーカーであれば、どこも防水性能は一緒と思っている方も多いのではないでしょうか?

 

確かにどの会社も防水シートを採用して同じように見えます。

 

ただし、とても重要な違いがあります。

 

こちらではそれがわかります。

 

 

そして防水性能と同様に、重要なのは壁内結露対策です。

 

 

結露と言えば、冬の窓に水滴がたくさんつく現象をみなさんイメージされるかと思います。

 

壁内結露は、室内の水分を含んだ空気(水蒸気)が、外部の冷たい空気によって冷やされた素材に触れて、水滴(水分)となって現れる現象です。

 

今まで結露しなかった気体が壁の中の冷たい(露点温度に達した)素材に触れることで、結露するわけです。

 

 

一般的に、屋内と屋外を隔てる住宅の壁は、断熱材や構造材が入り混じり、結露となる温度帯(露点温度)となりやすいです。

 

壁内で結露が発生すれば

 

・構造材が劣化する

 

・断熱効果が落ちる

 

・カビの胞子が発生し、人体に悪影響となる

 

といったさまざまなマイナス面があります。

 

 

では両社の防水と壁内結露対策をみていきましょう。

 

 

 

6−3−1.ミサワホームの防水性能

 

ミサワホームの防水性能をみていきましょう。

 

こちらは主に木質パネル接着工法に該当する仕様です。

 

まずは結論です。

 

 

 

結論

 

防水性能

 

防水に関する耐用年数の公表はなく、不安が残る

 

バルコニー防水は大手他社と比較して一般的な仕様

 

屋根・外壁・下地材の防水対策の公表無し

 

 

壁内結露・湿気対策

 

結露となる露点温度になりにくい

 

ただし外壁材を留める金物の結露発生が心配

 

金物を留めるビス穴からの湿気侵入リスクがある

 

 

 

防水性能

屋根防水

耐用年数の公表無し

 

防水仕様の具体的な公表も無し

 

軒先部分に雨水の侵入を防ぐブチルテープを使用

 

バルコニー

耐用年数の公表無し

 

一般的な塩ビシート防水を採用

 

外壁・下地材

外壁・下地材の防水自体の耐用年数は公表なし

 

防水シート

通気層の内側に防水透湿シートを施工

 

壁内結露・湿気対策

湿気対策

防水シートの外側に通気層を確保

 

断熱層の湿気は防水透湿シートで通気層へ逃がす

 

壁内結露

断熱性を高めているため結露となる温度帯になりにくい

 

サイディングを止める金物から発生する結露が心配

 

 

 

それでは防水性能と結露対策について具体的にみていきましょう。

 

 

■屋根・バルコニー防水

 

はじめに屋根・バルコニー防水です。

 

こちらはいずれも耐用年数の公表はありませんでした。

 

まずは結論です。

 

 

結論

 

屋根・バルコニーともに防水の耐用年数の公表無し

 

いずれも一般的な防水仕様と予想される

 

 

 

具体的な特徴はコチラです。

 

 

 

屋根防水

バルコニー防水

耐用年数

公表無し

 

公表無し

 

 

特徴

防水仕様の具体的な公表も無し

 

軒先部分に雨水の侵入を防ぐブチルテープを使用

 

一般的な塩ビシート防水を採用

※FRP防水に変更となる場合有り

 

 

こちらでは屋根、防水仕様の特徴を簡単にお伝えします。

 

 

まずは屋根です。

 

屋根防水シートには防水性の高いルーフィングを使用しています。

 

ただし残念ながら具体的な明示はありませんでした。

 

 

一般的に耐久性の高いルーフィングと聞くと、改質アスファルト素材のものを採用していることが多いです。

 

耐用年数はおおよそ20年ほどが目安となります。

 

おそらくミサワホームでも同程度のものを使用していることが予想されます。

 

 

ミサワホームでは、このルーフィング以外に、軒先部分にブチルテープを使用しています。

 

ブチルテープとは、防水気密テープとも呼ばれ、その名の通り防水効果があります。

 

このテープを軒先部分に貼ることにより、軒先からの雨水の侵入を防いでくれます。

 

※画像出典:ミサワホームHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

続いてバルコニーです。

 

塩ビシートを使用した一般的な防水工法のようです。

 

ただしこちらも詳細な公表がありませんでしたので、割愛させていただきます。

 

 

※画像出典:ミサワホームHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

 

■外壁防水

 

つづいて外壁の防水性をみていきましょう。

 

まずは結論です。

 

 

結論

 

外壁・下地材の防水自体の耐用年数は公表無し

 

防水対策の具体的な公表も無し

 

 

 

外壁、外壁下地の防水対策は、残念ながら耐久性と同様、具体的な対策の公表がありませんでした。

 

 

近年では、豪雨や台風といった災害級の大雨被害が増えています。

 

そんな中、台風や大雨により、外壁表層から下地材へ水滴が侵入するリスクがあります。

 

例えば外壁に小さな亀裂があったり、サイディングなどの目地がひび割れをしていると、その小さな隙間から水滴は侵入します。

 

そしてこの水滴が結露の原因のひとつになります。

 

 

大手他社の中でもパナソニックホームズやトヨタホームは外壁の防水試験を実施しています。

 

三井ホームは外壁下地自体の防水性能を具体的に明示しています。

 

 

これら大手他社と比較すると、防水対策に関して不安が残ると言わざるを得ません。

 

ぜひ今後、具体的な防水対策、そして耐用年数の明示を期待しています。

 

 

 

■壁内結露・湿気対策

 

それでは、防水対策で最も重要視すべき壁内結露・湿気対策をみていきましょう。

 

まずは結論です。

 

 

結論

 

結露となる露点温度になりにくい

 

ただし外壁材を留める金物の結露発生が心配

 

金物を留めるビス穴からの湿気侵入リスクがある

 

 

 

 

具体的な特徴はコチラです。

 

 

 

特徴

湿気対策

防水シートの外側に通気層を確保

 

断熱層の湿気は防水透湿シートで通気層へ逃がす

 

壁内結露

断熱性を高めているため結露となる温度帯になりにくい

 

サイディングを止める金物から発生する結露が心配

 

 

 

こちらを詳しく見ていく前に、まずはそもそも壁内結露対策に重要な断熱性をおさえておきましょう。

 

よく断熱材グラスウールは、湿気に弱いから結露しやすいと言う設計士がいます。

 

それは間違った知識です。

 

結露は、壁の中の素材が冷え(露点温度となり)、そこに水蒸気量がある暖かい空気が触れると結露となり(露点温度となり)ます。

 

つまり、壁の中、特に重要な構造材付近を冷やさないことが重要となります。

 

 

はじめに湿気対策です。

 

湿気の侵入リスクは外部と室内からの2つあります。

 

まず外部の湿気対策です。

 

こちらは防水透湿シートと外壁材を固定する金物で設けた通気層で対策をしています。

 

特に外部の湿気は、この通気層から排出できるようになっています。

 

 

※画像出典:ミサワホームHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

ただしミサワホームが採用している通気工法に湿気対策に関する注意点があります。

 

それは、外壁材を固定する金物と防水シートを止める、ビスやタッカー穴から水が重要な構造用合板に染み込むリスクがあることです。

 

 

ミサワホームの場合、外壁を支える胴縁と防水シートを構造用合板に止めるため、タッカーのような細い穴ではなく、太いビスを使用しているので、その釘穴がとても大きくなります。

 

つまり、サイディング、それを支える胴縁、防水シートだけでなく、構造用合板と重要な柱やスタッド木材にそのビス穴が貫通していることになります。

 

 

ミサワホームでは、防水透湿シートという、湿気だけを通す防水シートを採用しています。

そのため万が一ビス穴から壁内に湿気が侵入しても、防水透湿シートが通気層へ湿気を排出してくれるため、それほどの心配はしなくても良いかもしれません。

 

 

しかし三井ホームや住友林業といった防水シートの外側に通気層を設けている湿気対策と比較すると不安が残ると言わざるを得ません。

 

 

次に内部の湿気対策は、主に木質パネルの中に防湿フィルムが入っています。

 

これにより、室内の湿気をカットしてくれます。

 

そして万が一、壁内に湿気の侵入を許してしまった場合は、防水透湿シートが通気層へ排出してくれます。

 

 

次には結露対策です。

 

こちらは先程お伝えしたとおり、結露は、壁の中の素材が冷え(露点温度となり)、そこに水蒸気がある暖かい空気が触れると結露となり(露点温度となり)ます。

 

つまり、壁の中、特に重要な構造材付近を冷やさないことが重要となります。

 

この点は、ミサワホームの木質パネルは断熱性が高いため、壁内が冷えるといった心配は問題ないと言えます。

 

 

ただし注意点があります。

 

それは外壁材を固定する金物です。

 

この金物がヒートブリッジとなり、結露が発生するリスクはあります。

 

特に心配な点は、万が一結露が発生した場合、先程お伝えしたビス穴に水分の侵入リスクがあることです。

 

つまり金物が原因で壁内に水分が侵入する可能性があります。

 

 

この点においては結露対策で不安が残ると言わざるをえません。

 

 

 

6−3−2.ヤマダホームズの防水性能

 

続いての防水性能をみていきましょう。

 

こちらは主にティンバーメタル工法に該当する仕様です。

 

まずは結論です。

 

 

 

結論

 

防水性能

 

防水に関する耐用年数の公表はなく、不安が残る

 

バルコニー・屋根防水の詳細な仕様も不明

 

 

壁内結露・湿気対策

 

結露となる露点温度になりにくい

 

ただし外壁材を留める金物の結露発生が心配

 

※S×L構法は独自のW通気工法でより安心

 

 

 

防水性能

屋根防水

耐用年数の公表無し

 

防水仕様の具体的な公表も無し

 

バルコニー

外壁・下地材

外壁・下地材の防水自体の耐用年数は公表なし

 

防水シート

通気層の内側に透湿防水シートを施工

 

壁内結露・湿気対策

湿気対策

防水シートの外側に通気層を確保

 

断熱層の湿気は透湿防水シートで通気層へ逃がす

 

壁内結露

断熱性を高めているため結露となる温度帯になりにくい

 

サイディングを止める金物から発生する結露が心配

 

 

 

それでは防水性能と結露対策について具体的にみていきましょう。

 

 

■屋根・バルコニー防水

 

はじめに屋根・バルコニー防水です。

 

まずは結論です。

 

結論

 

屋根・バルコニーともに防水の耐用年数の公表無し

 

防水対策の具体的な公表無し

 

 

 

屋根・バルコニーは、最も漏水の危険が高い部分のため、詳細な公表がない点は非常に心配です。

 

詳細な公表がないミサワホームでも、高耐久仕様のルーフィングを採用していることは明示しています。

 

両社とも耐久性が高いとは言えませんが、ミサワホームの方がやや安心できると言えます。

 

 

 

■外壁防水

 

つづいて外壁の防水性をみていきましょう。

 

まずは結論です。

 

 

結論

 

外壁・下地材の防水自体の耐用年数は公表無し

 

防水対策の具体的な公表も無し

 

 

 

外壁、外壁下地の防水対策も残念ながら耐久性と同様、具体的な対策の公表がありませんでした。

 

 

ミサワホームでもお伝えしたとおり、近年豪雨や台風といった災害級の大雨被害が増えています。

 

そんな中、台風や大雨により、外壁表層から下地材へ水滴が侵入するリスクがあります。

 

例えば外壁に小さな亀裂があったり、サイディングなどの目地がひび割れをしていると、その小さな隙間から水滴は侵入します。

 

そしてこの水滴が結露の原因のひとつになります。

 

 

大手他社の中でもパナソニックホームズやトヨタホームは外壁の防水試験を実施しています。

 

三井ホームは外壁下地自体の防水性能を具体的に明示しています。

 

 

これら大手他社と比較すると、防水対策に関して不安が残ると言わざるを得ません。

 

ぜひ今後、具体的な防水対策、そして耐用年数の明示を期待しています。

 

 

 

■壁内結露・湿気対策

 

それでは、防水対策で最も重要視すべき壁内結露・湿気対策をみていきましょう。

 

まずは結論です。

 

 

結論

 

結露となる露点温度になりにくい

 

ただし外壁材を留める金物の結露発生が心配

 

金物を留めるビス穴からの湿気侵入リスクがある

 

 

 

具体的な特徴はコチラです。

 

 

 

特徴

湿気対策

防水シートの外側に通気層を確保

 

断熱層の湿気は防水透湿シートで通気層へ逃がす

 

壁内結露

断熱性を高めているため結露となる温度帯になりにくい

 

サイディングを止める金物から発生する結露が心配

 

 

 

ではもう少し具体的にみていきましょう。

 

はじめに湿気対策です。

 

こちらは基本的にミサワホームと似た対策をしています。

 

まず外部の湿気対策です。

 

こちらは透湿防水シートと外壁材を固定する金物で設けた通気層で対策をしています。

 

外部の湿気は、この通気層から排出できるようになっています。

 

 

※画像出典:ヤマダホームズHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

ここまではミサワホームとほぼ同じです

 

そのためミサワホーム同様、外壁材を固定する金物と防水シートを止める、ビスやタッカー穴から水が重要な構造用合板に染み込むリスクには注意が必要です。

 

外壁を支える胴縁と防水シートを構造用合板に止めるため、タッカーのような細い穴ではなく、太いビスを使用しているので、その釘穴がとても大きくなります。

 

つまり、サイディング、それを支える胴縁、防水シートだけでなく、構造用合板と重要な柱やスタッド木材にそのビス穴が貫通していることになります。

 

 

ヤマダホームズも、透湿防水シートという、湿気だけを通す防水シートを採用しています。

 

同社ではさらに一般的な構造用合板の約6倍透湿性が高いものを採用しています。

 

そのため万が一ビス穴から壁内に湿気が侵入しても、防水透湿シートが通気層へ湿気を排出してくれます。

 

 

しかし三井ホームや住友林業といった防水シートの外側に通気層を設けている湿気対策と比較すると不安が残ると言わざるを得ません。

 

 

次に内部の湿気対策は、主に木質パネルの中に防湿フィルムが入っています。

 

これにより、室内の湿気をカットしてくれます。

 

そして万が一、壁内に湿気の侵入を許してしまった場合は、構造用合板と防水透湿シートが通気層へ排出してくれます。

 

 

次には結露対策です。

 

こちらは先程お伝えしたとおり、結露は、壁の中の素材が冷え(露点温度となり)、そこに水蒸気がある暖かい空気が触れると結露となり(露点温度となり)ます。

 

つまり、壁の中、特に重要な構造材付近を冷やさないことが重要となります。

 

この点は、ヤマダホームズも壁内が冷えるといった心配はそれほどないでしょう。

 

さらに先程お伝えした透湿防水シートは、遮熱効果もあるため、より壁内に熱を侵入しづらい構造となっていますので安心です。

 

 

ただしミサワホーム同様に外壁材を固定する金物からの結露発生リスクは心配です。

 

この点においては結露対策で不安が残ると言わざるをえません。

 

 

 

 

6−4.防蟻対策

 

防蟻対策は、木造の住宅メーカーを選ぶ上で、必ず抑おさえておきたいポイントです。

 

まずは結論です。

 

 

 

結論

 

具体的な防蟻対策の明示があるミサワホームの方が安心

 

メンテナンス頻度はヤマダホームズの方が多い

 

 

 

具体的な対策はコチラです。

 

 

 

 

防蟻対策

ミサワホーム

1階の床パネルの裏面に直接防蟻シートを接着

 

防蟻剤でなくシートになっているため、効果が長続きする

 

ヤマダホームズ

詳細な公表無し

 

 

 

木造、鉄骨に限らず、木を使っていれば、シロアリのリスクがあります。

 

特に主要な構造躯体が木造の場合はシロアリ対策は重要です。

 

 

では両社どのような対策をしているか見ていきましょう。

 

 

 

6−4−1.ミサワホームのシロアリ対策

 

まずは結論です。

 

 

結論

 

1階の床パネルの裏面に直接防蟻シートを接着しているため持続効果に期待できる

 

 

 

ミサワホームでは、構造躯体側での処理と、土壌側での処理の両方があります。

 

構造躯体としては、木質パネルを工場で生産する過程で防蟻処理をおこないます。

 

1階の床パネルの裏面に直接防蟻シートを接着しています。

 

防蟻剤でなくシートになっているため、効果が長続きします

 

 

※画像出典:ミサワホームHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

基本的な土壌側の防蟻薬剤の散布の場合は5年保証という住宅会社もありますが、ミサワホームは10年保証になっています。

 

10年にできる理由としては、防蟻シート自体が、地面に接しない木質パネルの裏面への採用によって、土壌の水分や微生物で薬剤の分解がされないため劣化のスピードが少ないからと言えます。

 

ただ、この保証期間は大手木造ハウスメーカーの中で特別なものではありません。

 

また、この防蟻シートの特徴としては2つあります。

 

1つは、殺虫効果のあるような強力な化学製品ではなく、安全性の高い薬剤を採用している点で、安心だという点です。

 

2つ目は、シロアリからの忌避効果があるシートとなっています。

 

殺虫しようとすると、殺虫剤に耐えた強い個体がそこに残り、強い個体同士で繁殖する悪循環が発生するため、忌避効果を優先させています。

 

そのためミサワホームの場合は、土壌側の処理としては、薬剤ではなく、基礎下の防蟻シートと防蟻・防湿コンクリートによる対応となっています。

 

 

 

6−4−2.ヤマダホームズのシロアリ対策

 

ヤマダホームズもシロアリ対策に木材や断熱材に防腐・防蟻処理を施しています。

 

まずは結論です。

 

 

結論

 

防蟻対策の具体的な公表無し

 

 

 

ヤマダホームズの防蟻処理の範囲に関しては、公式HPやカタログでは記載がありませんでした。

 

ただシロアリの保証については、初期保証は10年、以降は5年毎の有償メンテナンスで都度延長となっています。

 

大手他社は10年毎が多いため、ヤマダホームズはメンテナンス頻度が多いです。

 

 

 

7.省エネや断熱性の違い

 

ハウスメーカー選びの中で省エネや断熱性能の関心も高まっていますよね。

 

こちらでは、ミサワホームとヤマダホームズの断熱性能を比較をします。

 

まず結論です。

 

 

 

結論

 

UA(ユーエー)値

※総合的な断熱性

 

両社ともに工法によってUA値が異なるため注意が必要

 

ミサワホームの木質パネル接着工法とヤマダホームズのS×L構法のUA値は同等

 

両社とも標準構造でZEH基準のUA値を満たしている

 

ただしZEH採用率はどちらも高くない

 

 

 

樹脂サッシを標準仕様としているヤマダホームズの方が窓の断熱性が高い

 

 

断熱材

 

 

断熱材の性能はヤマダホームズの方が優れている

 

断熱材の厚みは両者とも工法によって大きく違う

 

 

 

断熱性能を総合的にみると、両社ともほぼ同等と言えます。

 

ただ両社とも大手他社の中ではそれほど高い水準ではありません。

 

 

両社とも木質パネル工法と木造軸組工法を採用しています。

 

こちらではこの2つ工法同士を比較しながらもう少し具体的にみてみましょう。

 

 

7−1.ミサワホームの省エネ・断熱性能

 

まずはミサワホームの省エネ・断熱性能です。

 

 

 

結論

 

UA値

 

木質パネル接着工法、MJWoodともにZEH(ゼッチ)基準の数値は標準仕様でクリア

 

 

 

 

窓の断熱性能は普通レベル

 

ただし省エネ地域によって高断熱窓が標準仕様

 

 

断熱材

 

断熱材の厚みは普通やや薄い

 

 

 

具体的な特徴はコチラです。

 

 

 

木質パネル接着工法

MJ Wood(木造軸組工法)

UA値

0.53W/㎡K

※省エネ4地域以上

0.55W/㎡K

※詳細な公表無し

 

標準窓

アルゴンガス入りアルミ樹脂複合サッシ

 

断熱材

床:高性能グラスウール16K75mm

 

壁:高性能グラスウール16K75mm

 

天井:ロックウール200mm

 

床・壁・天井ともに高性能グラスウールを使用

 

※詳細な公表無し

 

 

ではこちらを含めた各特徴をもう少し深堀りしていきましょう。

 

 

7−1−1.ミサワホームのUA値は目安0.53w/㎡•K

 

最初にUA(ユーエー)値についてです。

 

先に結論です。

 

 

結論

 

木質パネル接着工法、MJWoodともにZEH(ゼッチ)基準の数値は標準仕様でクリア

 

大手他社のUA値と比較すると普通レベル

 

 

 

具体的な特徴はコチラです。

 

 

 

 

特徴

UA値

■木質パネル接着工法

0.53w/㎡•K

 

■MJ Wood(木造軸組工法)

0.55w/㎡•K

 

2020年度ZEH採用率

 

 

ZEH採用率は約42%

※一般社団法人 環境共創イニシアチブの公表による

 

 

 

UA値は数値が小さいほど高い断熱性能があることを示しています。

 

 

ミサワホームの木質パネル接着工法のUA値は、目安0.53w/㎡•Kを公表しています。

 

木造軸組工法のMJ Woodは、目安0.55w/㎡•Kです。

 

 

業界トップレベルではないものの、東京や大阪、福岡などのZEH基準である0.6w/㎡•Kをクリアした断熱性であると言えます。

 

ちなみに直近2020年のミサワホームのZEH実績は約42%です。

 

ZEH実績だけでみると大手ハウスメーカーの中では低い水準です。

 

 

ZEH実績だけが全てではないですが、断熱性能の高さを証明する重要な指標になりますので、今後さらに実績が増えることを期待したいですね。

 

 

具体的にZEHを検討する際には、間取りや仕様によって基準を満たせない場合もありますので、詳しくは営業担当に確認しましょう。

 

 

※上の画像出典:一般社団法人 環境共創イニシアチブ ※画像外はユームの参考情報

 

 

ここで注意しておきたいのが、UA値はあくまでも家全体の断熱性能の平均値だということです。

 

窓や断熱材などそれぞれのディティール部分も重要ですので、確認しておきましょう。

 

 

 

7−1−2.ミサワホームの窓はアルゴンガス入りアルミ樹脂複合サッシ

 

まずは窓についてです。

 

 

結論

 

標準窓は、他社でも多く採用されている比較的スタンダードな仕様

 

 

 

これが結論です。

 

 

ミサワホームの標準窓の特徴はコチラです。

 

 

特徴

 

標準窓はアルゴンガス入りのアルミ樹脂複合サッシ

 

オプション仕様で樹脂サッシ、トリプルガラス付樹脂サッシもある

 

 

 

もう少し具体的に、ガラス部分と窓枠の断熱性能の両方を確認しましょう。

 

窓は、ガラスと窓枠の仕様によって性能が大きく変わります。

 

 

窓枠:木(木製サッシ)>樹脂(樹脂サッシ)>アルミ(アルミサッシ)

 

ガラス:トリプルガラス>ペア(ダブル)ガラス>単板ガラス

 

 

といった順番です。

 

 

ミサワホームの標準の窓は、アルゴンガス入りのアルミ樹脂複合サッシです。

 

アルゴンガス入りのアルミ樹脂複合サッシは、内側に断熱性能の高い樹脂フレーム、外側に耐候生の高いアルミフレームを使用した二重サッシです。

 

サッシの間には、ガラスからの熱の透過を抑えるために遮熱効果のあるLow-E膜と真空のアルゴガス充填されています。

 

 

ただしこちらは他社でも採用されている仕様のため、普通レベルです。

 

 

そこで、ミサワホームはオプションで樹脂サッシやトリプルガラス付樹脂サッシを選べます。

 

樹脂サッシは、内外が樹脂フレームで、アルミ複合樹脂サッシよりも断熱性能が高いです。

 

トリプルガラスはLow-E膜や真空のアルゴンガスが二重になるので、さらに断熱性能が高くなります。

 

 

※画像出典:ミサワホームHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

続いて断熱材についてもみていきましょう。

 

 

 

7−1−3.ミサワホームの断熱材

 

まずは結論です。

 

 

結論

 

断熱材の厚みは普通やや薄い

 

屋根は断熱材+遮熱材の二重構造のため安心

 

 

 

断熱材の仕様はコチラです。

 

 

 

木質パネル接着工法

MJ Wood(木造軸組工法)

断熱材

床:高性能グラスウール16K75mm

 

壁:高性能グラスウール16K75mm

 

天井:ロックウール200mm

 

床・壁・天井ともに高性能グラスウールを使用

 

※詳細な公表無し

 

 

残念ながらMJ Woodの断熱仕様の詳細な公表はありませんでした。

 

そのため、こちらでは木質パネル接着工法を中心に紹介します。

 

 

断熱性能は、外気の影響を受けやすい断熱材(天井・壁・床)や窓などの仕様と、気密性によって大きく異なります。

 

断熱材は、素材によっても性能が異なりますが、一番は厚さです。

 

みなさん寒い冬は重ね着などして厚手の洋服を着ますよね。

 

それと一緒です。

 

 

ミサワホームの床・外に採用されている断熱材は高性能グラスウール16Kです。

 

高性能グラスウール16Kは大手他社でも採用が多い断熱材です。

 

天井はロックウールはです。

 

 

断熱性は、下図の熱伝導率が小さくなるほど性能が高くなります。

 

 

この数値から高性能グラスウール16Kとロックウールは、同じ熱伝導率のため、同等の断熱仕様ということがわかるかと思います。

 

 

断熱材

種別

熱伝導率(W/m・K)

ロックウール

0.038

グラスウール

 

 

16K

0.045

24K

0.038

32K

0.036

高性能グラスウール

 

16K

0.038

24K

0.036

 

 

ただし実際に断熱性能は、断熱材の素材だけでなく、その厚みによっても大きく変わります。

 

この厚みについては大手他社と比較すると普通レベルです。

 

 

ただしミサワホームでは、2階の天井に断熱材を施工するだけでなく、屋根パネル自体に遮熱層を設ける工夫をしています。

 

一般的な住宅では遮熱層はないので、この点はミサワホームの特徴とも言えます。

 

遮熱層の厚みの公表はなく、下図を見る限りそれほど厚いものではないと予想されます。

 

また天井の断熱材自体の厚みも決して高いわけではありません。

 

そのため天井の断熱性が大手他社以上かどうかは疑問が残ります。

 

 

 

7−2.ヤマダホームズの省エネ・断熱性能

 

続いてヤマダホームズの省エネ・断熱性能をみていきましょう。

 

 

 

結論

 

UA値

 

主力構造のティンバーメタル工法のみ公表なし

 

S×L構法、2×6工法はともにZEH(ゼッチ)基準の数値は標準仕様でクリア

 

 

 

 

ティンバーメタル工法、2×6工法の窓断熱性能はやや高いレベル

 

S×L構法の窓断熱性能は普通レベル

 

 

断熱材

 

各工法によって断熱材の種類が異なるが、いずれも断熱材の仕様は良い

 

グラスウールよりも断熱性が高い発泡系断熱材を採用

※ティンバーメタル工法は高性能グラスウールの選択も可

 

 

 

具体的な特徴はコチラです。

 

 

 

ティンバーメタル工法

(木造軸組工法)

S×L構法

(木質パネル工法)

2×6工法

UA値

公表無し

0.50W/㎡K

 

0.43W/㎡K

標準窓

樹脂サッシ

アルミ樹脂複合断熱サッシ

樹脂サッシ

断熱材

■吹付断熱

床:高性能グラスウール24K100mm

 

壁:硬質ウレタンフォーム85mm

 

屋根:硬質ウレタンフォーム175mm

 

■グラスウール断熱

床:高性能グラスウール24K120mm

 

壁:高性能グラスウール14K105mm

 

天井:高性能グラスウール14K155mm

 

 

 

床:フェノールフォーム80mm

※水回りは120mm

 

壁:押出法ポリスチレンフォーム

 

屋根:ロックウール

 

 

床:高性能グラスウール24K80mm

 

壁:硬質ウレタンフォーム130mm

 

屋根:硬質ウレタンフォーム235mm

 

 

 

ではこちらを含めた各特徴をもう少し深堀りしていきましょう。

 

 

 

7−2−1.ヤマダホームズのUA値は目安0.50w/㎡•K

 

最初にUA(ユーエー)値についてです。

 

先に結論です。

 

 

結論

 

主力構造のティンバーメタル工法のみ公表なし

 

S×L構法、2×6工法はともにZEH(ゼッチ)基準の数値は標準仕様でクリア

 

 

 

具体的な特徴はコチラです。

 

 

 

 

特徴

UA値

■ティンバーメタル工法

公表無し

 

■S×L構法

0.50w/㎡•K

 

■2×6工法

0.43w/㎡•K

 

2020年度ZEH採用率

 

 

ZEH採用率は約17%

※一般社団法人 環境共創イニシアチブの公表による

 

 

 

ヤマダホームズの全3種の工法は、それぞれUA値が違います。

 

ただし主力構造のティンバーメタル工法のみ、具体的な数値の公表はありませんでした。

 

S×L構法のUA値は、目安0.50w/㎡•Kです。

 

2×6工法は、目安0.43w/㎡•Kです。

 

 

S×L構法と2×6工法は、ミサワホーム同様に、ZEH基準の0.6w/㎡•Kをクリアしています。

 

 

ちなみに直近2020年のヤマダホームズのZEH実績は約17%です。

 

ZEH実績だけでみると大手ハウスメーカーの中では最も低い水準です。

 

 

ZEH実績だけが全てではないですが、断熱性能の高さを証明する重要な指標になりますので、今後さらに実績が増えることを期待したいですね。

 

 

具体的にZEHを検討する際には、間取りや仕様によって基準を満たせない場合もありますので、詳しくは営業担当に確認しましょう。

 

 

※上の画像出典:一般社団法人 環境共創イニシアチブ ※画像外はユームの参考情報

 

 

続いて窓や断熱材などそれぞれのディティール部分を確認していきましょう。

 

 

 

7−2−2.ヤマダホームズの窓は樹脂サッシ

 

まずは結論です。

 

 

結論

 

ティンバーメタル工法、2×6工法の窓断熱性能はやや高いレベル

 

S×L構法の窓断熱性能は普通レベル

 

 

 

標準窓の特徴はコチラです。

 

 

特徴

 

ティンバーメタル工法、2×6工法の標準窓はアルゴンガス入り樹脂サッシ

 

S×L構法の標準窓はアルミ樹脂複合断熱サッシ

 

 

 

もう少し具体的に、ガラス部分と窓枠の断熱性能の両方を確認しましょう。

 

 

ヤマダホームズの標準窓は、アルゴンガス入りの樹脂サッシです。

 

ただし上記サッシは、ティンバーメタル工法と2×6工法のみとなります。

 

S×L構法の標準窓は、アルミ樹脂複合断熱サッシです。

 

 

※画像出典:ヤマダホームズHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

アルゴンガス入りの樹脂サッシは、内側と外側に断熱性能の高い樹脂フレーム使用した二重サッシです。

 

サッシの間には、ガラスからの熱の透過を抑えるために遮熱効果のあるLow-E膜と真空のアルゴガス充填されています。

 

ミサワホームのアルミ樹脂複合サッシよりも断熱性が高い窓です。

 

 

一方でS×L構法のアルミ樹脂複合断熱サッシは、ミサワホームの標準窓と同じ仕様となります。

 

ただしアルゴンガス入りの明示がなかったため、仕様によってはミサワホームよりも断熱性が低い可能性があります。

 

 

 

7−2−3.ヤマダホームズの断熱材

 

まずは結論です。

 

 

結論

 

各工法によって断熱材の種類が異なるが、いずれも断熱材の仕様は良い

 

 

 

断熱材の仕様はコチラです。

 

 

 

ティンバーメタル工法

(木造軸組工法)

S×L構法

(木質パネル工法)

2×6工法

断熱材

■吹付断熱

床:高性能グラスウール24K100mm

 

壁:硬質ウレタンフォーム85mm

 

屋根:硬質ウレタンフォーム175mm

 

■グラスウール断熱

床:高性能グラスウール24K120mm

 

壁:高性能グラスウール14K105mm

 

天井:高性能グラスウール14K155mm

 

 

 

床:フェノールフォーム80mm

※水回りは120mm

 

壁:押出法ポリスチレンフォーム75mm

 

屋根:ロックウール

 

 

床:高性能グラスウール24K80mm

 

壁:硬質ウレタンフォーム130mm

 

屋根:硬質ウレタンフォーム235mm

 

 

 

ヤマダホームズの断熱仕様は、各工法によって違います。

 

少しややこしいですが、ここで整理していきましょう。

 

 

■ティンバーメタル工法

 

まずはティンバーメタル工法です。

 

 

結論

 

2つの断熱仕様を選ぶことができる

 

 

 

ティンバーメタル工法は、2つの断熱仕様から選択することができます。

 

 

 

吹付断熱

グラスウール断熱

断熱材

床:高性能グラスウール24K100mm

 

壁:硬質ウレタンフォーム85mm

 

屋根:硬質ウレタンフォーム175mm

 

床:高性能グラスウール24K120mm

 

壁:高性能グラスウール14K105mm

 

天井:高性能グラスウール14K155mm

 

 

※画像出典:ヤマダホームズHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

主な違いは、壁と天井です。

 

吹付断熱では硬質ウレタンフォーム、グラスウール断熱では、高性能グラスウール14Kを採用しています。

 

まずは断熱材の熱伝導率をみてみましょう。

 

 

断熱材

種別

熱伝導率(W/m・K)

 

高性能グラスウール

 

 

14K

0.038

16K

0.038

24K

0.036

ロックウール

0.038

押出法ポリスチレンフォーム

 

2種

0.034

3種

0.028

硬質ウレタンフォーム

 

1種1~2号

0.024

2号1~2号

0.024

 

 

吹付け断熱は、高性能グラスウールよりも断熱性が高い硬質ウレタンフォームを採用しています。

 

厚みに関しては、グラスウール断熱仕様の方が厚い仕様です。

 

しかし断熱性の違いについては詳細な公表がありませんでした。

 

とはいえ、いずれかの断熱仕様を選択する方式となっていますので、大きな差はないことが予想されます。

 

 

ここでもうひとつ大きな違いがあります。

 

それは天井の断熱仕様です。

 

上図でお気づきの方も多いかと思います。

 

吹付断熱の場合は、屋根断熱になります。

 

屋根断熱の場合、屋根裏部分に夏の熱気や冬の冷気がこもりにくくなるため、ロフトや勾配天井と相性が良いです。

 

ただし注意点もあります。

 

それは施工品質です。

 

吹付断熱は、断熱材を専用のスプレーのようなもので吹き付けて施工します。

 

そのため施工する職人さんの腕に左右されやすい傾向があります。

 

特に屋根部分は壁と違い、傾斜になっているため、施工が難しくなります。

 

つまり施工品質に差が出やすいということです。

 

 

施工品質に不安な方は、天井断熱のグラスウール断熱仕様をオススメします。

 

 

 

■2×6工法

 

続いて2×6工法です。

 

 

結論

 

標準仕様は吹付断熱仕様

 

全工法の中でも最も断熱材に厚みがある

 

 

 

具体的な断熱仕様はコチラです。

 

 

 

特徴

断熱材

床:高性能グラスウール24K80mm

 

壁:硬質ウレタンフォーム130mm

 

屋根:硬質ウレタンフォーム235mm

 

 

 

※画像出典:ヤマダホームズHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

2×6工法は、ティンバーメタル工法で採用している吹付断熱が標準仕様です。

 

 

特筆すべき点は、断熱材の厚みです。

 

壁・屋根の硬質ウレタンフォームは、高性能グラスウールより断熱性が高いです。

 

さらに厚みも、他の工法よりあります。

 

UA値も他の工法より高いです。

 

断熱仕様にこだわりが高い方は、2×6工法がオススメです。

 

ただし先程もお伝えしたとおり、屋根部分の吹付断熱は施工品質には注意してください。

 

 

 

■S×L構法

 

最後にS×L構法です。

 

 

結論

 

標準仕様は吹付断熱仕様

 

断熱材の厚みは、他の工法よりも薄い

 

 

 

具体的な断熱仕様はコチラです。

 

 

 

特徴

断熱材

床:フェノールフォーム80mm

※水回りは120mm

 

壁:押出法ポリスチレンフォーム75mm

 

屋根:ロックウール

 

 

 

S×L構法の壁は押出法ポリスチレンフォーム、床にフェノールフォームを採用しています。

 

特にこの2つは一般的な仕様よりも断熱性が高いものを採用しています。

 

また他の工法で採用している硬質ウレタンフォームよりも断熱性が高いです。

 

 

※画像出典:ヤマダホームズHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

ただし断熱材の厚みは他の工法よりも高くありません。

 

とはいえ、ミサワホームの木質パネル接着工法とほぼ同等の厚みで、断熱材の性能が良いためUA値は高いです。

 

 

 

8.空調・換気を比較

 

近年、全館空調や床暖房といった室内を快適にする機器をおすすめする住宅メーカーが増えているように感じます。

 

ハウスメーカー選びをする上でこれらの設備はどこかで聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

 

ここではミサワホームとヤマダホームズの空調と換気についてみていきましょう。

 

まずは結論です。

 

 

 

 

結論

 

換気

 

両社とも第1種換気が標準仕様

 

機能性はほぼ同等程度

 

 

空調

 

ミサワホームは独自の全館空調「エアテリア」を採用

 

ヤマダホームズはティンバーメタル工法に限り「Z空調」を採用

 

 

 

両社の空調・換気の特徴はこちらです。

 

 

 

 

ミサワホーム

ヤマダホームズ

換気

(標準仕様)

熱交換型24時間セントラル換気システム

 

(標準仕様)

全熱交換型24時間換気システム

 

 

特徴

一般的な全熱交換型換気システム

 

標準外気フィルターに加え、PM2.5対応の高捕集外気フィルターも用意

※標準仕様かは不明

 

2.0μm以上の物質を約99%、0.3μm以上を約83%捕集

 

天井埋込空気清浄機も用意

 

0.3μm以上の粒子を99.97%除去する「HEPAフィルター」を搭載

※標準仕様かは不明

 

一般的な全熱交換型換気システム

 

PM2.5対策フィルターを標準搭載

 

 

 

2.0μm以上の物質を95%以上除去

 

 

プラズマクラスター機能も標準搭載

 

 

 

空調

(標準仕様)

個別エアコン

 

(オプション仕様)

全館空調システム

 

熱交換換気・空気清浄機を組み合わせた「エアテリア」

(標準仕様)

個別エアコン

 

(オプション仕様)

全館空調「Z空調」

特徴

(全館空調)

標準機能は「冷房・暖房・除湿・換気・空気清浄」

 

空気清浄機能はは天井埋込型空気清浄機を採用

 

 

オプションで加湿機能の追加も可能

 

標準機能は「冷房・暖房・除湿・換気・空気清浄」

 

1,2階毎に室内機を設置

 

フロア毎に温度調整が可能

 

 

 

両社の具体的な特徴をお伝えする前に、一般的な換気システムの違いについて簡単に解説します。

 

両社の具体的な特徴をお伝えする前に、一般的な換気システムの違いについて簡単に解説します。

 

知っているという方は、こちらは飛ばしていただき8-1.ミサワホームの空調・換気をご覧ください。

 

知らないという方は、すぐ下の解説を見ていただくと、各社の空調・換気しすてむの理解が深まりますのでぜひ一読してみてください。

 

 

住宅の換気は、2003年の建築基準法改正以降、24時間換気システム導入の義務化がされています。

 

さらに2時間に1回家全体の空気が入れ替わる換気設計をしけなければいけません。

 

 

では上記をクリアするための換気方法はどのようなものか、詳しくみていきましょう。

 

 

 

住宅で採用される換気システムは大きく分けて2つあります。

 

(正確には全部で3つですが、住宅で採用される代表的な2つを紹介します。)

 

 

それは第1種換気(機械給気・機械排気)と第3種換気(自然給気・機械排気)の2つです。

 

 

第1種換気とは、機械で空気を取り込み・排出する換気方法です。

 

みなさんがイメージされる換気は窓を開けて空気を入れ替えることだと思います。

 

しかし第1種換気は、窓を開けずとも、機械が家の空気を入れ替えてくれます。

 

※上の画像出典:不動産shopナカジツHP ※画像外はユームの参考情報

 

 

さらに近年では、「熱交換換気」と呼ばれる第1種換気を採用しているハウスメーカーが多いです。

 

 

熱交換換気とは、換気時に熱だけを回収して室内に戻すシステムです。

 

 

冬の例で説明すると、新しい空気(外の冷たい空気)と排出する室内の空気(暖かい空気)が間接的に触れる空間を作り、新しい空気を排出する空気で暖めてから、取り込むという方法です。

 

その結果、換気による室内の温度変化の影響が少なくなり、エアコン効率も良くなります。

 

 

同換気システムの性能は、温度交換率で表します。

 

例えば、冬の暖房時に室内20℃・外0℃だった場合、新鮮な空気(熱交換換気本体を介して)を14℃取り込むことができるとします。

 

この場合、室内の温度を70%再利用できたことになります。

 

よって温度交換率は70%となります。

 

 

※上の画像出典:パナソニックHP ※画像外はユームの参考情報

 

 

続いて第3種換気です。

 

第3種換気は、みなさんの家にある換気システムです。

 

※上の画像出典:不動産shopナカジツHP ※画像外はユームの参考情報

 

給気は、窓を開けるか各居室に設置された給気口から、自然に取り込みます。

 

排気は、窓を開けるかキッチンや洗面、トイレの換気扇から排出します。

 

つまり第3種換気給気を自然に行います。

 

 

ただし熱交換換気のように、給気の際に排気の熱を利用することはないので、エアコン効率は高くありません。

 

 

とはいえ、熱交換換気と比べて設置費用が安く、注文住宅や賃貸、マンションで使われている最も一般的な換気方法です。

 

 

ではこれらの念頭に、両社の空調・換気の違いを具体的にみていきましょう。

 

 

 

8−1.ミサワホームの空調・換気

 

まずは結論です。

 

 

結論

 

換気

 

一般的な第1種(熱交換)換気を採用

 

 

空調

 

 

オプション仕様の全館空調は熱交換換気・空気清浄機も標準搭載

 

 

空調・換気の特徴はこちらです。

 

 

 

特徴

換気

一般的な全熱交換型換気システム

 

標準外気フィルターに加え、PM2.5対応の高捕集外気フィルターも用意

※標準仕様かは不明

 

2.0μm以上の物質を約99%、0.3μm以上を約83%捕集

 

天井埋込空気清浄機も用意

 

0.3μm以上の粒子を99.97%除去する「HEPAフィルター」を搭載

※標準仕様かは不明

 

全館空調

基本価格は約230~250万円(税抜)

 

標準機能は「冷房・暖房・除湿・換気・空気清浄」

 

空気清浄機能はは天井埋込型空気清浄機を採用

 

オプションで加湿機能の追加も可能

 

 

 

それではミサワホームの換気と空調の特徴をみていきましょう。

 

 

 

8−1−1.換気システム

 

ミサワホームの標準換気は、第1種換気です。

 

まずは結論です。

 

 

結論

 

ミサワホームの換気システムは一般的な第1種(熱交換)換気

 

 

 

具体的な特徴はコチラです。

 

 

 

特徴

換気

一般的な全熱交換型換気システム

 

標準外気フィルターに加え、PM2.5対応の高捕集外気フィルターも用意

※標準仕様かは不明

 

2.0μm以上の物質を約99%、0.3μm以上を約83%捕集

 

天井埋込空気清浄機も用意

 

0.3μm以上の粒子を99.97%除去する「HEPAフィルター」を搭載

※標準仕様かは不明

 

 

 

ミサワホームの標準換気システムは、熱交換型24時間フロアセントラル換気システムを採用してます。

 

こちらは一般的な第1種換気システムです。

 

 

もう少し詳しく紹介します。

 

同換気システムは、第1種の中でも全熱交換型です。

 

 

※画像出典:ミサワホームHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

全熱交換型とは、温度と湿度を交換します。

 

例えば、梅雨などの季節は除湿、冬は乾燥を和らげる効果が期待できるのが特徴です。

 

ただしトイレ等の臭いがこもりやすい場所は、湿気に混じって臭いが換気システムの中に移ってしまう可能性があるため、基本的に個別換気となります。

 

 

省エネ性を測る温度交換率については残念ながら具体的な数値の公表はありませんでした。

 

 

空気清浄機能についてもみておきましょう。

 

これは外気フィルターと高捕集率外気フィルターです。

 

この高捕集率外気フィルターは、PM2.5(2.5μm)より細かい2.0μmの粒子を約99%以上除去してくれます。

 

さらに細かい0.3μmの粒子でも83%以上除去してくれます。

 

ただし高捕集率外気フィルターの標準・オプションの明示はありませんでしたので、事前に営業担当者に確認しておきましょう。

 

 

ミサワホームにはもうひとつ、天井埋込型の空気清浄機の用意もあります。

 

こちらは高捕集率外気フィルターよりもさらに空気清浄機能が高いです。

 

まずパナソニックの「HEPAフィルター」が標準搭載です。

 

同フィルターは粒子径0.3μm以上の物質を99.97%以上除去してくれます。

 

またプラズマクラスター技術も搭載されています。

 

これにより空気中の浮遊カビ菌やダニのふん・死がいの浮遊アレル物質の分解・除去をしてくれます。

 

さらに「活性炭フィルター」も搭載されており、室内のニオイも抑えてくれます。

 

 

※画像出典:ミサワホームHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

天井埋込型の空気清浄機は、非常に機能が優れているので、空気清浄の期待値は高いと言えます。

 

ただ同機能自体は、大手他社で標準仕様としているところもあるので、特別な仕様ではありません。

 

 

ミサワホームの天井埋込型の空気清浄機は標準・オプションの明示はありませんでした。

 

そのため事前に営業担当者に確認しておきましょう。

 

 

 

8−1−2.全館空調システム

 

続いてオプション仕様の全館空調システムです。

 

 

結論

 

オプション仕様の全館空調は一般的な仕様

 

熱交換換気・天井埋込型空気清浄機と組み合わせた「エアテリア」で空気性能機能が良くなる

 

 

 

設備の特徴はコチラです。

 

 

 

特徴

全館空調

基本価格は約230~250万円(税抜)

 

標準機能は「冷房・暖房・除湿・換気・空気清浄」

 

空気清浄機能はは天井埋込型空気清浄機を採用

 

オプションで加湿機能の追加も可能

 

 

 

ミサワホームの標準空調は、個別エアコンです。

 

オプション仕様で全館空調もあります。

 

特に全館空調システム・熱交換換気・天井埋込型空気清浄機を組みあわせた「エアテリア」を推奨しています。

 

これは熱交換機能を搭載した全館空調と、別途天井に埋め込んだ空気清浄機です。

 

 

天井埋込型空気清浄機は、前節で紹介した機器が装着されます。

 

 

ここで全館空調についてもう少し詳しくみていきましょう。

 

 

先に一般的な全館空調のメリット・デメリットをお伝えします。

 

まずメリットです。

 

全館空調のメリットは、季節を問わずに24時間どこにいても安定した温度環境で快適に過ごせることです。

 

書斎や家事コーナー、ファミリークローゼットなど通常よりも空間分けが多い間取りプランや、吹き抜け・大空間の間取りプランに向いています。

 

 

もちろん、体調的に家の中の温度差に気を使いたい方にはおすすめです。

 

 

花粉やアレルギーの方からの人気も高いです。

 

それは、空気清浄機能もあり、埃や花粉、PM2.5など細かい粒子も捕集してくれるため、家全体の空気環境も良くなるからです。

 

またすっきりとした空間・インテリアを好まれる方も多く採用しています。

 

個別空調のように、エアコン機器が露出することはなく、すっきりしたインテリアも実現することができます。

 

 

一方でデメリットもあります。

 

・年間の電気代がかかる傾向にある

 

・乾燥しやすい(加湿タイプもある)

 

・個別エアコンの性能が進化すると時代遅れの性能になる可能性がある

 

・室内の機械室や配管スペースが必要

 

このようなマイナス面もあります。

 

 

 

ミサワホームの全館空調の基本性能は冷房・暖房・空気清浄・換気・除湿の5つです。

 

オプション仕様で加湿機能の追加も可能です。

 

機器メーカーは、デンソー製です。

 

以前トヨタホームの子会社ということもあり、トヨタホーム系列のデンソー製を採用していると思われます。

 

 

全館空調の機能性は一般的な仕様です。

 

 

ただし残念ながらみなさんが気になる電気代の明示はありませんでした。

 

保証については、設備保証で5年(有料で10年延長も可能)が適用されます。

 

 

ここでミサワホームの全館空調で気になる点についてお伝えします。

 

それは天井裏のダクトの結露対策です。

 

全館空調の冷暖房の空気は、「ダクト」を天井裏に這わせて、各部屋に設置された吹出口に届けます。

 

しかしみなさんもご存知かと思いますが、屋根裏は夏は暑く、冬は寒くなりやすい場所です。

 

つまり天井裏の室温とダクト内の冷暖房による結露のリスクがあるということです。

 

このような結露対策は、

 

・屋根裏(野地板)に断熱材を施工し屋根裏空間の温度環境を一定にする

ダクトのまわりを断熱材で覆う

 

このいずれかで結露のリスクに対応する住宅メーカーが多いです。

 

屋根裏(野地板)に断熱材を施工するのは非常に難しいため、施工実績が十分であるかよく確認した方が良いです。

 

ダクトのまわりを断熱材で覆う場合、その断熱材が湿気や結露に強いものであるかよく確認した方が良いです。

 

 

ミサワホームでは、屋根材にも木質パネルを採用しているので、屋根裏の結露対策がある程度できていると言えます。

 

ですが全館空腸を検討される際はダクトの結露対策がどのようになっているかよく確認するようにしましょう。

 

 

 

8−2.ヤマダホームズの空調・換気

 

続いてヤマダホームズです。

 

 

 

結論

 

換気

 

ヤマダホームズの換気システムは一般的な第1種(熱交換)換気

 

プラズマクラスター機能が標準搭載されている点で、空気清浄機能は高い

 

 

空調

 

 

ヤマダホームズはティンバーメタル工法に限り「Z空調」を採用

 

 

 

空調・換気の特徴はこちらです。

 

 

 

特徴

換気

一般的な全熱交換型換気システム

 

PM2.5対策フィルターを標準搭載

 

2.0μm以上の物質を95%以上除去

 

プラズマクラスター機能も標準搭載

 

全館空調

基本価格は約150万円(税抜)で他社と比較してややお得

 

標準機能は「冷房・暖房・除湿・換気・空気清浄」

 

1,2階毎に室内機を設置

 

フロア毎に温度調整が可能

 

 

 

それではヤマダホームズの換気と空調の特徴をみていきましょう。

 

 

 

8−2−1.換気システム

 

ヤマダホームズの標準換気は、第1種換気です。

 

こちらでは、ティンバーメタル工法、2×6工法を中心にお伝えします。

 

まずは結論です。

 

 

結論

 

ヤマダホームズの換気システムは一般的な第1種(熱交換)換気

 

標準搭載でプラズマクラスター機能も搭載

 

 

 

具体的な特徴はコチラです。

 

 

 

特徴

換気

一般的な全熱交換型換気システム

 

PM2.5対策フィルターを標準搭載

 

2.0μm以上の物質を95%以上除去

 

プラズマクラスター機能も標準搭載

 

 

 

ヤマダホームズの標準換気システムは、全熱交換型24時間換気システムを採用してます。

 

こちらは一般的な第1種換気システム、ミサワホーム同様に全熱交換型です。

 

 

熱交換率は、残念ながらミサワホーム同様、詳細な公表はありませんでした。

 

 

※画像出典:ヤマダホームズHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

ただS×L構法の熱交換換気は、夏場に80%、冬場に85%と明示がありました。

 

この点は、S×L構法の方が性能に関する透明性があるため安心であると言えます。

 

 

※画像出典:ヤマダホームズHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

空気清浄機能の違いもみておきましょう。

 

ヤマダホームズでは、PM2.5対策フィルターを標準搭載しています。

 

こちらはPM2.5にも対応した粒子径2.0μm以上の物質を95%以上除去してくれます。

 

またプラズマクラスターも標準搭載されています。

 

 

空気清浄機能の標準仕様に関する具体的な公表がある点では、ミサワホームよりも安心であると言えます。

 

ただヤマダホームズも、大手他社と比較すると特別な仕様ではありません。

 

 

 

8−2−2.全館空調システム

 

続いてオプション仕様の全館空調システムです。

 

 

結論

 

ヤマダホームズはティンバーメタル工法に限り「Z空調」を採用

 

 

 

設備の特徴はコチラです。

 

 

 

特徴

全館空調

基本価格は約150万円(税抜)

 

標準機能は「冷房・暖房・除湿・換気・空気清浄」

 

1,2階毎に室内機を設置

 

フロア毎に温度調整が可能

 

 

 

ヤマダホームズの標準空調は、個別エアコンです。

 

ヤマダホームズは2021年1月にヒノキヤグループが開発したZ空調の採用が可能となりました。

 

こちらはティンバーメタル工法のみ装着が可能です。

 

 

※画像出典:ヒノキヤグループHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

ではZ空調についてもう少し詳しくみていきましょう。

 

基本性能は冷房・暖房・空気清浄・換気・除湿の5つです。

 

 

ただし一般的な全館空調と少し異なる点があります。

 

それは下図のように、ダクトが短い点です。

 

ダクトが短い分、風量の効率低下をなくすことができ、効率的な運転が期待できます。

 

 

ただし注意点もあります。

 

一般的な全館空調には、本体から遠くても、温度差の大きい窓際のすぐ近くに吹出口を設けることによって室内温度差を小さくするという考え方があります。

 

その点で、Z空調はダクト長を短くすることを優先すると、こうした対応はできません。

 

そのため、同じ部屋内でも温度差が生じる可能性があります。

 

 

とはいえ特筆すべき点もあります。

 

それは価格面です。

 

Z空調の価格は約150万円で、一般的な全館空調よりも導入コストが安価です。

 

また1、2階にそれぞれ室内機が導入されるため、各フロア毎に温度調整が可能です。

 

ただし温度調節は一般的な全館空調同様、風量による調整のため、部屋毎の極端な温度変更はできませんので注意が必要です。

 

 

気になる電気代については、夏場に月平均3,348円、冬場は9,319円を公表しています。

 

年間平均は4,721円です。

 

電気代は大手他社が公表している金額よりもやや安いと言えます。

 

 

※画像出典:ヒノキヤグループHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

 

9.保証・アフターメンテナンスを比較

 

次に耐久性の裏付けの1つである保証についてです。

 

保証だけでなく、震災時などに即時対応してくれるアフターメンテナンスも重要なポイントです。

 

 

 

結論

 

保証

 

両社とも保証期間は業界トップクラス

 

ただしミサワホームは永年保証のためさらに安心

 

 

アフターメンテナンス

 

両社とも大手他社と比較して、震災時のリスク分散と被災地エリア外からの支援体制に不安を感じる

 

 

 

両社の具体的な保証内容はコチラです。

 

太文字の年数をおさえておきましょう。

 

各保証の要件は、この後詳しく紹介します。

 

 

 

ミサワホーム

ヤマダホームズ

基礎

初期保証35年

永年保証


※10年毎の耐久性診断・有償メンテナンス工事が必須

初期保証10年

最長保証20年


※10年目の点検・有償メンテナンス工事が必須

構造躯体

防水

初期保証30年

永年保証


※10年毎の耐久性診断・有償メンテナンス工事が必須

初期・最長保証10年

防蟻

初期保証10年

永年保証


※10年毎の耐久性診断・有償メンテナンス工事が必須

設備

初期保証5年

最長保証10年(10年)

 

点検

30年間無料


※35年目以降は有料


※保証延長時は別途10年毎の耐久性診断が必要(有料)

50年間無料

アフターサポート

詳細な公表無し


※販売会社は北海道から鹿児島まで展開


24時間365日対応のアフターサポートがある

詳細な公表無し


※営業拠点は北海道から熊本まで展開


拠点ごとにお客様センターがある

 

 

それでは、具体的に比較していきましょう。

 

 

 

9−1.ミサワホームの保証制度

 

ミサワホームでは、2021年4月1日から初期保証35年に改定されました。

 

非常にメリットが多い一方で注意すべき点もありますのでこちらで詳しくわかります。

 

 

まずは結論です。

 

 

結論

 

保証・メンテナンス期間ともに業界トップクラス

 

ただし各保証の適用条件に注意が必要

 

 

 

具体的な期間はコチラです。

 



 

60年保証

基礎

初期保証35年

永年保証


※10年毎の耐久性診断・有償メンテナンス工事が必須

構造躯体

防水

初期保証30年

永年保証


※10年毎の耐久性診断・有償メンテナンス工事が必須

防蟻

初期保証10年

永年保証


※10年毎の耐久性診断・有償メンテナンス工事が必須

点検

30年間無料


※35年目以降は有料


※保証延長時は別途10年毎の耐久性診断が必要(有料)

 

 

基礎、構造躯体の初期保証は35年、防水は30年です。

 

基礎、構造躯体、防水・防蟻は永年保証です。

 

 

この保証は誤解しがちですので、ここでおさえて欲しいことがあります。

 

それは、この「定期点検の結果必要なメンテナンス工事を実施することにより」という条件です。

 

これは簡単に言うと、途中で必須となる有料補修工事を行わないと、保証は継続できないということです。

 

 

実際には10年目以降は10年後に定期点検の結果必要なメンテナンス工事を実施することにより、都度保証を継続できます。

 

また定期点検だけでなく10年毎の耐久性診断も必要となります。

 

 

 

ほとんどの会社がこういう条件で長期保証をしているので、みなさんが実際にハウスメーカー選びする際は、次の点の最新情報を各社に確認してください。

 

 

 

 

・長期保証のために、必須となる可能性がある時期と回数

※特にお子さんの入学費と重なる時期だとその年の出費が!!となるので要チェックですね。

 

・みなさんが90歳になるまでの点検費用を含めたメンテナンス費用(予想額)

 

 

 

特にトータルのメンテナンス費用だけでも、聞いてください。

 

そしてできれば営業マンの口頭や営業が作成したような資料だけでなく、会社が作成している資料で確認することをおすすめします。

 

 

※画像出典:ミサワホームHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

ここでミサワホームの保証で特筆すべき点についてお伝えします。

 

それは設備に関しても長期保証が付いていることです。

 

一般的なハウスメーカーの設備保証は2年が多いです。

 

それに対してミサワホームの木質パネル接着工法は、初期保証5年としています。

(MJ Woodは初期保証2年です。)

 

さらに有料で最長10年の延長が可能です。

 

こちらは木質パネル接着工法かMJ Woodによって費用が異なります。

 

ですが、システムキッチン・システムバス・エアコン・洗面化粧台・トイレ・インターホン・給湯器の7が保証対象となりますので、より安心と言えます。

 

 

※画像出典:ミサワホームHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

ミサワホームの点検については、1年、2年、5年、10年、15年、20年、30年、35年、40年…永年(10年毎)実施し、30年目まで無料で対応をしてくれます。

 

先程お伝えしたとおり、構造躯体、防水、防蟻の保証は10年毎の点検と所定の有料メンテナンス工事を実施することにより、保証を継続することが可能です。

 

また10年毎に必要な耐久性診断は有料となりますので注意が必要です。

 

 

とはいえ、ヤマダホームズは最長60年保証としているのに対して、ミサワホーム永年保証です。

 

世代を跨いで長期保証を継続できる点は非常に安心であると言えます。

 

 

 

9−2.ミサワホームのアフターメンテナンス

 

では次にアフターサポート体制についてみていきましょう。

 

 

結論

 

販売会社(ディラー制)を取っているミサワホームは、直営支店を展開する大手他社と比較して、震災時のリスク分散と各拠点との連携に不安が残る

 

 

 

アフターサポート体制の特徴はコチラです。

 

 

特徴

24時間365日対応のアフターサポートがある

 

アフター拠点の詳細な公表無し

 

販売会社は北海道から鹿児島まで展開

 

 

 

ミサワホームのアフターサポートは、各販売会社のアフター担当が対応します。

 

ただし残念ながら詳細な公表はありませんでした。

 

ちなみに営業拠点は、北海道から鹿児島まで展開しています。

 

受付窓口は24時間365日対応している受付サービスが対応しています。

 

基本は受付サービスで受付対応をし、各拠点のアフターメンテナンスのスタッフが派遣される流れです。

 

アフターサポート体制のシステムは他社でも実施されており、突出したものではありません。

 

 

ただしこの点においてミサワホームは心配な点があります。

 

それは各拠点が販売会社制を取っていることです。

 

 

何故かと言うと、被災エリア外から迅速にフォローできるのかどうかも、真に地震に強いハウスメーカーと言えるからです。

 

 

震災後はとても普通の精神状況ではいられません。

 

 

今までに経験した事の無い様な恐ろしく巨大な力による揺れに突然襲われ、建物が倒れていなくても周囲は惨状と化している中で、大きな余震は夜中も関係なく何度も襲ってくるのです。

 

ハウスメーカーの耐震性を語る際に、単に建物が地震に強いだけでは駄目なのです。

 

被災地では、ハウスメーカーの社員やご家族も被災者となります。

 

その様な時に、被災エリア外から迅速にフォローできるのかどうかはとても重要です。

 

その点でミサワホームは、販売会社制を取っているため、被災地エリア外からの連携体制に不安が残ります。

 

 

この2点は直営支店を展開する大手他社と比較すると不安が残ると言わざるを得ません。

 

 

9−3.ヤマダホームズの保証制度

 

続いてヤマダホームズの保証制度をみてみましょう。

 

まずは結論です。

 

 

結論

 

保証・メンテナンス期間ともに業界トップクラス

 

設備保証も充実している

 

 

具体的な期間はコチラです。

 

 

 

60年保証

基礎

初期保証20年

最長保証60年


※10年毎の耐久性診断・有償メンテナンス工事が必須

構造躯体

防水

初期保証10年

最長保証60年


※10年毎の耐久性診断・有償メンテナンス工事が必須

防蟻

初期保証10年

最長保証60年


※10年毎の耐久性診断・有償メンテナンス工事が必須

点検

60年間無料



 

 

基礎、構造躯体の初期保証は20年、防水・防蟻は10年です。

 

いずれも最長保証は60年です。

 

ヤマダホームズもミサワホーム同様に、定期点検と有償のメンテナンス工事が必要となります。

 

 

有償のメンテナンス工事は、10年目以降、10年毎に定期点検の結果必要なメンテナンス工事を実施することにより、都度保証を継続できます。

 

ただし防蟻処理に関しては、10年目以降は5年毎になりますので注意が必要です。

 

 

※画像出典:ヤマダホームズHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

ヤマダホームズも特徴的な保証で、設備保証10年が付いています。

 

同社の場合は、初期・最長保証で10年です。

 

対象機器は下記になります。

・IHクッキングヒーター

・ビルトイン食洗機

・浴室水栓

・洗面化粧台

・トイレ

・レンジフード

・キッチン水栓

・給湯器(ガス・エコキュート)

 

 

※画像出典:ヤマダホームズHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

 

ヤマダホームズの点検については、6ヶ月、1年、2年、5年、10年…60年(5年毎)実施し、60年間無料で対応をしてくれます。

 

先程お伝えしたとおり、構造躯体、防水、防蟻の保証は10年毎の点検と所定の有料メンテナンス工事を実施することにより、保証を継続することが可能です。

 

とはいえ、ヤマダホームズは60年間無料で定期点検をしてくれる点は安心であると言えます。

 

 

 

9−4.ヤマダホームズのアフターメンテナンス

 

では次にアフターサポート体制についてみていきましょう。

 

 

結論

 

大手他社と比較して直営支店の広がりが少ない

 

 

 

アフターサポート体制の特徴はコチラです。

 

 

特徴

24時間365日対応のアフターサポートがある

 

アフター拠点の詳細な公表無し

メンテナンスコール拠点は約22箇所

 

販売会社は北海道から熊本まで展開

 

 

 

ヤマダホームズもミサワホーム同様にアフターサポートの詳細な拠点数の公表はありませんでした。

 

ただしメンテナンスコールは全国に約22箇所展開しています。

 

営業拠点は、北海道から熊本まで展開しています。

 

 

ヤマダホームズは、大手他社と比較すると、営業拠点数が少ないです。

 

またエリアによっては販売会社です。

 

 

これらの点から、被災エリア外から迅速にフォローできるかどうか不安が残らざるを得ません。

 

 

またヤマダホールディングス全体としても、ヤマダ電気など不特定多数を顧客に持ち、それぞれの会社自体が大きな震災時には自社の事で手一杯となり、機能化するのは非常に難しいと言わざる負えません。

 

 

 

10.設計・デザイン力を比較

 

こちらでは両社の代表する商品の特徴を紹介します。

 

 

 

結論

 

設計・デザイン力

 

ミサワホームは蔵の提案が得意

 

ヤマダホームズは、家具・家電をフル装備した商品や防災住宅も用意

 

 

 

 

では両社の設計・デザイン力を比較していきましょう。

 

10−1.ミサワホームの設計・デザイン力

 

まずはミサワホームからみていきましょう。

 

こちらはミサワホームでおなじみの「蔵」についてみてみましょう。

 

 

特徴

 

ミサワホームの蔵は高さが1.4m

 

収納を多くとりたい方や、スキップフロアのような立体での変型プランで建てたい方はおすすめ

 

 

 

※画像出典:ミサワホームHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

ミサワホームの代名詞と言えば「蔵」です。

 

ミサワホームの「蔵」は、主に1階と2階に階間に作ることが多い、高さ1.4m以下の収納スペースのことです。

 

スキップフロアのような空間になり、納戸としても使い勝手があるため、収納をたくさんしたい方には向いているプラン設計になります。

 

ミサワホームが蔵をウリにしている理由は、「木質パネルによる外周壁で必要な耐力を作り出すことができるから、建物内部の設計を自由にできるから」です。

 

 

※画像出典:ミサワホームHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

一般的な線と点で支える在来工法では、蔵の空間自体の自重を支えることが難しく、木質パネルの面で支える特徴が活きた空間と言えます。

 

 

ただし注意点もあります。

 

 

それは室内の温度環境です。

 

例えば1階に蔵を作ったスキップフロアの間取りの場合、吹き抜けが必要となります。

 

そのため個別エアコンだけだと温度管理ができない可能性があります。

 

 

対策としては全館空調を採用して、家全体で温度管理するのがベストです。

 

もしくは個別エアコンでもシーリングファンを採用することをオススメします。

 

 

 

ここで補足として大開口についても少し触れておきましょう。

 

こちらは木質パネル接着工法の高耐震仕様「センチュリーモノコック構法」に該当します。

 

同構法では、最大開口約5.4m、天井高約3.0mが可能です。

 

 

※画像出典:ミサワホームHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

最後に外観デザインです。

 

■CENTURY 蔵のある家

 

※画像出典:ミサワホームHP ※画像外はユーム参考情報

 

約3mの高天井リビングに大収納空間「蔵」を設けたスキップフロアにより多彩な暮らしを提案できるのが特徴です。

 

在宅ワークや趣味、レジャーなどにつかえるマルチスペース×大収納として上下に空間を有効活用するのがコンセプトです。

 

 

■GENIUS 蔵のある家

 

※画像出典:ミサワホームHP ※画像外はユーム参考情報

 

ミサワホームの蔵の家シリーズの元祖商品です。

 

防災・減災デザインをコンセプトにした商品です。

 

 

■MJ FRAME LC

 

※画像出典:ミサワホームHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

こちらはMJ Woodの商品です。

 

ファサードはできる限りプライバシーを守り、室内に中庭を設けて採光や通風を設けた商品です。

 

 

 

10−2.ヤマダホームズ設計・デザイン力

 

続いてはヤマダホームズをみていきましょう。

 

こちらはミサワホームでおなじみの「蔵」についてみてみましょう。

 

 

特徴

 

家具・家電をフル装備した商品や防災住宅も用意

 

 

 

ヤマダホームズは、ミサワホームほど外観商品は多くないです。

 

その代わり、家具家電フル装備商品や防災に特化した消費を用意しています。

 

 

■スーパーフル装備住宅

 

こちらは全ての工法該当する商品です。

 

その名の通り、生活に必要な設備が全て揃っている「スーパーフル装備パック」が付きます。

 

具体的には、エアコン、家具・家電、照明、カーテンです。

 

家具、家電は家具の老舗メーカ「大塚家具」から選択することが可能です。

 

 

※画像出典:ヤマダホームズHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

■NEXIS(ネクシス)

 

こちらは防災住宅をコンセプトとした商品です。

 

具体的には以下の設備が搭載されています。

 

・太陽光発電6kw

 

・蓄電池10kWh(AIオフグリッドシステム)

 

・製水器

 

太陽光発電は皆さんわかりますよね?

 

太陽光を使って電気を発電するシステムです。

 

さらに蓄電池もあるため、昼間に発電した電力を家庭で使い、余った電力を電力会社に売る事なく蓄電し、夜間の電力消費や災害時に備えることができます。

 

 

そして製水器です。

 

こちらは空気から水を作るすぐれものです。

 

災害時に断水が起きても、空気から水を生成するため、水の確保に困りません。

 

このように防災を考えた商品となります。

 

 

 

11.会社状況を比較

 

 

IR情報

(2021年3月期)

ミサワホーム

 

ヤマダホームズ

創業

1967年(昭和42年)10月

1951年(昭和26年) 

売上高

3,910億円42百万円(合算)

688億7百万円

営業利益

825億円43百万円(合算)

10億98百万円

営業利益率

2.1%(合算)

1.5%

経常利益

68億万円(合算)

12億66百万円

経常利益率

1.7%(合算)

1.8%

 

参考サイト⇒ミサワホームHP 2021年3月期決算公告

参考サイト⇒ヤマダホームズHP 2021年3月期決算公告

 

 

まずはミサワホームです。

 

2021年3月期の決算を見ると、経常利益率2.1%(前年比▲0.4%)という結果でした。

 

売上高は前年比約▲0.06%です。

 

大手各社新型コロナウイルスの影響から、売上高が落ちたところが多い中、同社は比較的減少は少なかったと言えます。

 

 

残念ながらミサワホームは2020年にプライム ライフ テクノロジーズ株式会社の完全子会社となり、詳細な決算報告の開示はありません。

 

 

その中で、2020年度のミサワホームは、大きな動きとして、介護事業やまちづくり事業といった非住宅分野の事業を拡大しました。

 

介護事業では、社会福祉法人「善光会」と業務提携を行い、ミサワホームが運営を担う介護付き有料老人ホームに同法人が提供するクラウド型のスマート介護プラットフォーム「SCOP」を導入しました。

 

まちづくり事業では、東京都八王子市と「まちづくり連携に関する協定」を締結しました。

 

今後、八王子市の既成住宅市街地の再整備、まちの再生及び魅力の創出を推進し、持続可能なまちづくりの実現を目指すとしています。

 

住宅分野においても、業界最長クラスの構造体初期保証35年、防水保証30年とし、保証期間を改定しました。

 

2021年度も注文住宅に限らず、これらの事業の動向も注目されます。

 

 

続いてヤマダホームズです。

 

2021年3月期の決算を見ると、経常利益率1.8%(前年比+1.72%)という結果でした。

 

売上高は前年比約+6.9%です。

 

同社は売上高、経常利益ともに昨年度を大きく上回る結果でした。

 

ただしこちら2021年2月にヤマダレオハウス、ヤマダ不動産を吸収合併した数値となります。

 

 

そのため決して安定している状態とは言えません。

 

吸収合併により2021年度の業績にどう影響するのか、今後の動向が注目されます。

 

 

親会社であるヤマダホールディングスでは、2020年9月にヒノキヤグループを完全子会社化し、ヤマダホームズやハウステックも含む住健事業に追加し、事業拡大をしました。

 

2021年度以降、ヤマダホームズとヒノキヤグループがどのような立ち位置となるのかも注目です。

 

 

 

今後、住宅業界では年間の新築着工棟数があと数年で数十万戸減少することが確実視されています。

 

そのため今後淘汰されていく住宅会社が多いとも言われています。

 

 

今までも、外断熱の雄である野村ホームや高品質の在来工法を提供していた三井ハウスも、親会社が野村不動産や三井物産と大手でしたがすでに撤退をしています。

 

建てた会社や住宅部門が撤退してしまうと、家の長期保証やアフターフォロー面に影響するだけでなく、信頼性が損なわれマイホームの資産価値も落ちてしまいます。

 

 

つまり大手ハウスメーカーであるミサワホームやヤマダホームズとはいえ、十数年後にどうなっているかはわからないということです。

 

 

会社の存続は注文住宅だけでなく、他事業へのリスク分散も重要です。

 

例えば大手各社のほとんどが海外事業にも進出し、リスク分散をしています。

 

ミサワホームもアメリカやオーストラリアで事業を拡大しています。

 

 

今後両社がどうなるのかは断言できませんが、みなさんには失敗後悔して欲しくないです。

 

今後生き残り長期保証が継続できるような、独自の強みがある会社を選んでいただければと思います。

 

 

その意味では、確固たる強みが大手他社と比較して、少し弱いように感じます。

 

 

ユームとしては、今後の強みのひとつとして、将来起こる震災に備えた耐震性や防災力を両社ともに強化いただきたいですね。

 

 

 

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