三井ホームとスウェーデンハウスの11つの違いを徹底比較|ハウスメーカー選び

今回は、木造住宅メーカーでは名の知れた、三井ホームとスウェーデンハウスを徹底比較します。

 

両社とも、洋風な建物デザインが得意というイメージを持たれる方が多いのではないでしょうか?

 

この記事では、デザインも含めた三井ホームとスウェーデンハウスの11の違いがよくわかります。

 

 

 

■この記事のポイント

 

・三井ホームとスウェーデンハウスの違いが性能から保証までわかります

 

・三井ホームは、ツーバイフォー工法のリーディングカンパニー。デザイン性に定評があり、性能や空気環境にもこだわっている

 

・スウェーデンハウスは、創業以来変わらぬスウェーデン製の壁パネルを使い、輸入洋風建築の代表メーカー。断熱・気密性は大手の中でもトップクラス。

 

 

 

明確な違いをすぐ知りたい方は、下の目次の4章や9章を✅してみてください。

 

 

 

目次

 

1. 建物価格「坪単価」を比較

 1−1.三井ホームの坪単価:70万円~100万円

 1−2. スウェーデンハウスの坪単価:70万円~90万円

2.会社概要を比較

 2−1.三井ホーム・概要

 2−2.スウェーデンハウス・概要

3.建物構造を比較

 3−1.三井ホーム・建物構造

 3−2. スウェーデンハウス・建物構造

4.耐震・制震性能を比較

 4−1.過去の震災での被害状況

 4−2.実大実験での比較|過去の地震波を再現した実験

 4−3.実大実験での比較|建物の余力を測る実大実験

 4−4.揺れの抑制(制震)性能の比較

 4−5.基礎の比較

5.  防火性を比較

 5−1.内部出火の防火性能

 5−2.外部出火の防火性能

6.耐久性を比較

 6−1.基礎の耐久性

 6−2.外壁の耐久性

 6−3.防水性能

 6−4.防蟻対策

7.省エネ・断熱性を比較

 7−1.三井ホームの省エネ・断熱性能

 7−2.スウェーデンハウスの省エネ・断熱性能

8. 空調・換気を比較

 8−1.三井ホームの空調・換気システム

 8−2.スウェーデンハウスの空調・換気システム

9.保証・アフターメンテナンスを比較

 9−1.三井ホームの保証制度

 9−2.三井ホームのアフターサポート体制

 9−3.スウェーデンハウスの保証制度

 9−4.スウェーデンハウスのアフターサポート体制

10.設計・デザイン力を比較

 10−1.三井ホームの設計・デザイン力

 10−2.スウェーデンハウスの設計・デザイン力

11. 会社状況を比較

 

 

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1.  建物価格「坪単価」を比較

 

ハウスメーカーを選ぶ上で、価格は重要ですよね。

 

では、三井ホームとスウェーデンハウスの坪単価をさっそくみていきましょう。

 

提案事例の建物坪単価は、三井ホームもスウェーデンハウスも同等

 

スウェーデンハウスは坪単価を抑えた企画型商品もある

ただし設計ルールなど、自由設計と異なる部分があるので注意が必要

 

 

両社の坪単価はコチラです。

 

 

三井ホーム

スウェーデンハウス

自由設計

70~100万円

80~100万円

企画型

※一部間取りプラン変更可

無し

60万円〜80万円

※上記価格は税抜です。

 

この坪単価とは、建物本体工事のみの価格です。

 

両社とも自由設計で建築される方が多く、坪単価の幅が広いです。

 

上表をみると、初期の建物坪単価はスウェーデンハウスの方が高いです。

 

ただ実際に建築された方の声を聞くと、両社それほど価格が変わらないという事例が多いです。

 

坪単価は同等でも多くの違いがあります。

 

こちらは2章から詳しくわかります。

 

それでは両社の坪単価についてもう少し詳しくみてきましょう。

 

 

1−1.三井ホームの坪単価:70万円~100万円

 

はじめに三井ホームからみていきましょう。

 

まずは結論です。

 

建物坪単価は、大手他社の中でトップクラス

 

 

具体的な価格はコチラです。

 

■建物平均坪単価(税別)

自由設計:70~100万円

 

自由設計+延床面積30坪(約100㎡)で建物本体価格2,100〜3,000万円(税別)

 

坪単価90〜100万ほどの高額受注も少なくない

 

 

三井ホームは、自由設計の注文住宅で、坪単価は70万円~100万円(税抜)と幅が広いです。

 

中でも坪85万円前後で提案される事例が多いです。

 

3LDK+畳コーナーの間取り、延床面積30坪(約100㎡)の建物価格の事例は以下のとおりです。

 

商品体系

間取り

建物本体価格例(税別)

自由設計

※坪単価70〜100万円(税別)

3LDK+畳コーナー

延床面積30坪(約100㎡)

2,100〜3,000万円

 

三井ホームでは、営業担当だけでなく経験豊富な建築士やインテリアコーディネーターも専属でつくため、提案の幅も広いです。

 

そのため坪単価が100万円を超えたという人もいます。

 

特に外観デザインは、大手各社の中でもバリエーションが多いです。

 

そのため外観デザインの作り込みによっても坪単価が大きく変わりやすいです。

 

間取りプランの打合せの際は、早めに外観デザインも設計士とよく相談しながら進めましょう。

 

 

1−2.スウェーデンハウスの坪単価:60万円~100万円

 

続いてスウェーデンハウスです。

 

建物坪単価は、大手他社の中でトップクラス

 

建物坪単価を抑えた企画型商品も人気

 

 

スウェーデンハウスの建物坪単価は60~100万円(税別)です。

 

自由設計から企画型まであり、坪単価の幅が広いです。

 

中でも自由設計で坪85万前後で提案される事例が多いです。

 

3LDK+畳コーナーの間取り、延床面積30坪(約100㎡)の建物価格の事例は以下のとおりです。

 

商品体系

間取り

建物本体価格例(税別)

自由設計

※坪単価80〜100万円(税別)

3LDK+畳コーナー

延床面積30坪(約100㎡)

2,400〜3,000万円

企画型

※SAKITATE(サキタテ)

※坪単価60〜80万円(税別)

1,800〜2,400万円

 

ここで注意点があります。

 

企画型は、28~35坪の全20種類からの選択になります。

 

まず洗面・浴室は全プラン2階となります。

 

ただ残念ながら間取り変更の詳細な明示はありませんでした。

 

間取りプランの変更は、主に2階を中心に変更が可能のようです。

 

ベースプランの2階はほとんどが広いワンルームになっています。

 

このワンルームに間仕切り壁を設けて部屋を増やすなど可能としています。

 

また実例をみると1階も一部変更が可能のようです。

 

おそらく耐震強度に関わる壁は変更ができないといったルールだと思われます。

 

詳しくは営業担当者に確認をしてください。

 

 

2.会社概要を比較

 

まず三井ホームとスウェーデンハウスの会社概要を簡単におさえておきましょう。

 

三井ホームは、不動産業界トップ三井不動産の完全子会社。ツーバイフォー工法のリーディングカンパニー

 

スウェーデンハウスは、段ボール製造業トーモクの完全子会社。高気密・高断熱にこだわった住まい提供する住宅メーカー

 

 

各社の会社概要はコチラです。

 

 

三井ホーム

スウェーデンハウス

概要

1974年に設立

 

ツーバイフォー工法のリーディングカンパニー

国内で初めてインテリアコーディネーター制度を発足

 

都内初の2×4工法5階建て木造耐火建築を実現

 

業界初震度7×60回の耐震実験を実施

1984年に設立

 

「窓等の断熱性能表示制度」全項目で最高等級を★★★★獲得

 

協同住宅ローンと提携し、50年ローンを導入

 

日本初の50年間無料点検システムを開始

 

2015年~2021年オリコン顧客満足度7連続1位を受賞

 

三井ホームは、2018年に三井不動産の完全子会社になりました。

 

スウェーデンハウスは、1984年設立当初からトーモクの完全子会社になります。

 

では両社の会社概要についてもう少し詳しくみていきましょう。

 

 

2−1.三井ホーム・概要

 

三井ホームは、1974年に北米発祥の木造建築「枠組壁工法(2×4工法)」が日本にオープン化された年に設立されました。

 

概要はコチラです。

 

ツーバイフォー工法のリーディングカンパニー

 

業界初震度7×60回の耐震実験の成功

 

都内初の2×4工法5階建て木造耐火建築を実現

 

国内で初めてインテリアコーディネーター制度を発足

 

三井ホームは設立以来ツーバイフォー工法のリーディングカンパニーとして、数多くの実績がある木造住宅の大手メーカーです。

 

2014年にはツーバイフォー工法を高性能化したプレミアム・モノコック構法に名称を変更しています。

 

設立以来、1つの構法に特化しています。

 

今は当たり前になっている住宅のインテリアコーディネーター制度を発足したのも三井ホームです。

 

木造建築の実績も多く、大手住宅メーカー初の木造耐火4階建て商品の発売から、都内初のツーバイフォー工法5階建て木造耐火建築まで手掛けています。

 

直近では国内最大のツーバイフォー建築物5階建て特別養護老人ホームの実績もあります。

 

2016年には、実大耐震実験において業界初の震度7を60回実証しました。

 

三井ホームは、トップレベルのデザイン力と、1つの構法に特化して性能・品質の変わらない住まいを提供する住宅メーカーです。

 

 

2−2.スウェーデンハウス・概要

 

スウェーデンハウスは、1984年に親会社であるトーモクの住宅事業部から完全子会社として設立されました。

 

概要はコチラです。

 

設立以来、高気密・高断熱にこだわった住宅を提供

 

日本初の50年間無料点検システムを開始

 

2015~2021年オリコン顧客満足度7連続1位を受賞

 

 

スウェーデンハウスの発祥は、その名の通りスウェーデンの住宅です。

 

元は親会社であるトーモクが北海道のニュータウン開発(現在のスウェーデンヒルズ)をしたことが大きなきっかけとなります。

 

当時北海道という地域柄、住宅開発に向け北欧諸国を視察し、そこで出会ったのがスウェーデンの住宅です。

 

その後、スウェーデンハウスが設立され、創業当時から省エネルギー基準を超える住宅を提供しています。

 

特筆すべきは、2000年に日本初の50年間無料点検システムをいち早く導入したことです。

 

さらに導入以前のオーナー邸も対象に無料点検を実施しています。

 

こういった地道な対応面の良さから、オリコン顧客満足度総合第1位を2015年から2021年まで7年連続受賞しています。

 

オリコン顧客満足度とは、オリコン株式会社が提供する顧客満足度の調査およびその結果を示した指標です。

 

ちなみに2021年の2位はヘーベルハウス、3位は積水ハウス、4位は住友林業、5位は一条工務店です。

 

三井ホームは6位です。

 

ずっと1位であることは、会社としてアフターサポート含めた顧客満足に注力しているからでしょう。

 

そしてオーナー様から評価いただいている証拠と言えます。

 

評価別項目では、建物、スタッフ対応、アフターなど全14項目で1位を獲得しています。

 

下記はスウェーデンハウスが1位を獲得している項目です。

 

オリコン顧客満足度第1位獲得の14項目

デザイン

住居性能

設備内装の質

営業スタッフの対応

設計担当者の対応

施工担当者の対応

長期保証

アフターサービス

打合せのしやすさ

モデルハウス

情報の分かりやうさ

金額の納得感

付帯サービス

ラインナップの充実

  

 

中でも「住居の性能」と「アフターサービス」が大手他社よりも評価が高いです。

 

この理由は次節以降に詳しく紹介します。

 

 

3.建物構造を比較

 

続いて建物構造についてもみていきましょう。

 

まずは結論です。

 

 

結論

三井ホーム

2×6工法に基礎・床・外壁・屋根をオリジナル技術で高性能化した「プレミアム・モノコック構法」

 

スウェーデンハウス

2×4材の1.6倍の太さの構造材を使用した「木質パネル工法」

 

 

各社の構造の特徴はコチラです。

 

 

三井ホーム

スウェーデンハウス

基本構造

独自の2×6工法「プレミアム・モノコック構法」

 

木質パネル工法

特徴

■プレミアム・モノコック構法S

標準構造

 

2×6工法に独自の基礎・壁・屋根材を使用

 

■プレミアム・モノコック構法G

オプション構造

 

大空間を実現できる高耐力壁「Gウォール」を使用

 

■木質パネル工法

標準構造

 

2×4材の1.6倍の太さの構造材を使用

(45mm×120mm)

 

それでは両社の構造をもう少し詳しくみていきましょう。

 

 

3−1.三井ホーム・建物構造

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

三井ホームは設立当初から日本のツーバイフォー住宅を牽引してきた住宅メーカーです。

 

構造は2つの独自構法を採用しています。

 

特徴

2×6工法に独自の基礎・床・外壁・屋根を使用した「プレミアム・モノコック構法S」

 

同構法に高耐力壁「Gウォール」を使用した「プレミアム・モノコック構法G」

 

 

それでは各構法について詳しくみていきましょう。

 

 

3−1−1.プレミアム・モノコック構法S

 

※上の画像出典:三井ホーム カタログ ※画像外はユームの参考情報

 

はじめにプレミアム・モノコック構法Sです。

 

結論

三井ホームで注文住宅を建築する大多数が「プレミアム・モノコック構法S」

 

 

まずはこのことをおさえておきましょう。

 

具体的な特徴コチラです。

 

特徴

三井ホームの標準構造

 

床・壁・天井の6面体を1単位として空間をつくる「枠組壁工法(通称2×4工法、2×6工法)」にオリジナル構造材を加えて高性能化

※三井ホームは2×6工法

 

プレミアム・モノコック構法は屋根も面構造

 

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

はじめに、みなさん枠組壁工法は聞き馴染みが少ないのではないでしょうか。

 

簡単に言うと木の面材で覆われた6面体構造です。

 

※上の画像出典:一般社団法人 日本ツーバイフォー協会HP

※画像外はユームの参考情報

 

もう少し説明しますね。

 

枠組壁工法とは、通称2×4(ツーバイフォー)工法、2×6(ツーバイシックス)工法とも呼ばれています。

 

2×4、2×6って何って思いますよね。

 

2×4(2×6)工法とは、2インチ(3.8cm)×4インチ(8.9cm)もしくは6インチ(14cm)の角材をベースにして作る工法です。

 

※上の画像出典:セキスイハイムHP ※画像外はユームの参考情報

 

2インチ×4インチ(6インチ)の木材を使って枠をつくり、そこに構造用の合板を打ちつけて面を形成します。

 

これを6面体の箱にして、横や上につなげ、住宅を作り上げていきます。

 

※上の画像出典:一般社団法人 日本ツーバイフォー協会HP

※画像外はユームの参考情報

 

木造軸組工法(在来工法)は、柱や梁などの線で支える構造です。

 

それに対して枠組壁工法は、面=壁で支える構造です。

 

面で支えるため、地震の力をバランスよく分散させる特徴があります。

 

元は北米発祥の工法です。

 

アメリカは日本よりも国土が広く気象条件も地域によってさまざまですが、約80%のシェアを誇ります。

 

ヨーロッパやアジアなど世界中にも広く普及されている工法です。

 

このような2×4・2×6工法をモノコック構造とも読んだりします。

 

モノコック(monocoque)とは、フランス語で、一つの(mono)殻(coque)、という意味です。

 

大雑把に例えるなら卵です。

 

卵の殻自体は、薄く割れやすいですよね。

 

けれど、試しに握って壊そうとするとどうでしょうか。

 

意外ですが、かなり握力のある大人の男性でも、握りつぶすのは困難です。

 

実際に私もやってみましたが、無理でした。

 

これはパスカルの原理などいろいろな説がありますが、外側の殻全体が一体化されることで、力を分散でき、簡単に割れない強さを保つことができているからとも言えます。

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

このモノコック構造は、スペースシャトルや新幹線でも使われている技術です。

 

高さや速さがある分、機体に加わる外力はものすごいですが、モノコック構造によりバランスよく分散させることができます。

 

2×4(2×6)工法は、地震の際にも家全体で力を分散し、揺れを抑えて高い耐震性能を発揮します。

 

三井ホームのプレミアム・モノコック構法Sは、

 

枠組壁工法を日本の風土や気候に合わせ、数多くの実績から培ってきた技術を進化させた構法

 

 

構造躯体の標準仕様は、2×6工法です。

 

2×4工法の角材を4インチから6インチに変更した仕様です。

 

2×4と比べて、2×6の枠材は奥行きが51mm長くなっています。

 

つまり断熱材の施工幅も多く取れますので、2×4工法よりも約1.6倍の厚さである140mm相当を充填できます。

 

その厚みのある断熱材と木材が、より高い断熱性を確保します。

 

また枠材が太くなると、曲げ強度や圧縮強度が強くなります。

 

曲げ強度が強いと台風や地震などの横揺れに耐える力が強まります。

 

圧縮強度が強いと建物の自重や積雪に耐える力が強まります。

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

三井ホームの「プレミアム・モノコック構法S」は、この2×6工法をさらに進化させています。

 

それは、以下の4つのオリジナル構造材の特徴に現れています。

 

<オリジナル構造材>

 

1.屋根断熱材「ダブルシールドパネル(DSP)

 

2.外壁下地材「ブロック・アンド・シームレスウォール(BSW)」

 

3.補強構造材「トラスフロア(TF)」

 

4.ベタ基礎「マットスラブ(MS)」

 

このオリジナル構造材の特徴は、次節以降でわかります。

 

 

3−1−2.プレミアム・モノコック構法G

 

次にオプション構造のプレミアム・モノコック構法Gです。

 

結論

壁倍率10倍相当の高耐力壁「Gウォール」が大空間を実現

 

 

まずはこのことをおさえておきましょう。

 

具体的な特徴コチラです。

 

特徴

三井ホームのオプション構造

 

プレミアム・モノコック構法に高耐力壁「Gウォール」を使用した「プレミアム・モノコック構法G」

 

Gウォールの壁倍率は10倍相当

※2階採用時は8倍相当

 

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

プレミアム・モノコック構法Gとは、Gウォール構法という通常の耐力壁よりもグレードの高い壁を使ったオプション構造です。

 

枠材に高強度の集成材、面材の厚さ12mmの構造用合板を使用しています。

 

これらを専用に開発された特殊ネジで緊結し枠と面を強固に結合しています。

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

ここでGウォールの壁の強さについてみてみましょう。

 

壁の強度は壁倍率(かべばいりつ)が指標になります。

 

一般的には、15mm×90mmの筋交いを使った壁(構造用合板なし)が1.0倍です。

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

建築基準法では5.0倍が最大です。

 

三井ホームのGウォール構法は、一般的な木造軸組工法の壁倍率の10倍相当の強度(2階は約8倍相当)と非常に強い耐力壁です。

 

従来の枠組壁工法(2×4工法)と比較すると約2倍以上の強さです。

 

耐力壁線区画にバランスよく配置することで耐震性能を向上させ、なおかつ室内の耐力壁や下がり壁をなくし、広々した大空間を実現できる構法です。

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

しかし実際には、多くの方がプレミアム・モノコック構法Sで建築されているようです。

 

この2つの工法の性能については「耐震性能の違い」で詳しく解説します。

 

 

3−2.スウェーデンハウス・建物構造

 

※上の画像出典:スウェーデンハウスHP ※画像外はユームの参考情報

 

スウェーデンハウスは設立当初から木質パネル工法の住宅提供してきた住宅メーカーです。

 

商品に関係なく、すべて木質パネル工法となります。

 

三井ホームのようなオプション構造はありません。

 

結論

2×4材の1.6倍の太さの構造材を使用した「木質パネル工法」

 

 

具体的な特徴はコチラです。

 

特徴

スウェーデンハウスの住宅はすべて木質パネル工法

 

床・壁・小屋の面で作るモノコック構造

 

木質パネルに2×4材の1.6倍の太さの構造材を使用

ただし2×6工法との違いに注意が必要

 

 

「三井ホームとスウェーデンハウスの構造は何が違うの?」と感じる方は多いのではないでしょうか。

 

たしかにスウェーデンハウスも三井ホームもモノコック構造としています。

 

建て方も似ています。

 

しかしスウェーデンハウスは、2×4・2×6工法と呼ばず、木質パネル工法としています。

 

これは壁パネルに使用している構造材が違うからです。

 

2×4・2×6工法は、壁に使用する構造材に2×4材や2×6材を用いることから、その名称で呼ばれています。

 

スウェーデンハウスはどちらの構造材も使用していません。

 

ではスウェーデンハウスではどのような構造材を使用しているのか。

 

スウェーデンハウスでは2×4材の1.6倍の断面積をもつ構造材を使用しています。

 

ここで先に注意点があります。

 

それは2×4材の1.6倍の厚みがある2×6材とは違うということです。

 

下図のように構造材の幅と厚みが違います。

 

 

厚み

2×4材

38mm

89mm

2×6材

(三井ホーム)

38mm

140mm

スウェーデンハウス

45mm

120mm

 

※画像出典:スウェーデンハウスHP ※画像外はユーム参考情報

 

スウェーデンハウスの構造材は、三井ホームよりも骨太の木を使用しています。

 

ただし断熱材は三井ホームの方が厚いです。

(断熱性の違いは、7.省エネ・断熱性を比較で詳しく紹介します。)

 

スウェーデンハウスは、この骨太の構造材で構成された壁パネルと床や小屋の面材を組みあわせてモノコック構造としています。

 

※画像出典:スウェーデンハウスHP ※画像外はユーム参考情報

 

壁パネルの壁倍率についても触れておきましょう。

 

スウェーデンハウスの外壁パネルは、単体で壁倍率3.0倍です。

 

実際には石膏ボードも施工するため、壁倍率4.0~5.0としています。

 

この強さ一般的な2×4工法とそれほど変わらない強度です。

 

※画像出典:スウェーデンハウス・カタログ ※画像外はユーム参考情報

 

ただし外壁用のみ、釘増し打ちの高倍率仕様(壁倍率5.0)も用意されています。

 

実質の強度としては6.0倍相当になります。

 

さらに特筆すべき点は、内壁パネルにも構造用合板を使用し、壁倍率(壁の強度)を上げています。

 

一般的には三井ホーム含め、内壁は石膏ボードのみです。

 

しかしスウェーデンハウスでは、片面のみ構造用合板を施工し、強度を上げる工夫をしています。

 

※画像出典:建築ブログ「家は明かりから」 ※画像外はユームの参考情報

 

木質パネルは、スウェーデンにある現地工場「トーモクヒュースAB」で生産をしています。

 

現地スタッフのクラフトマンシップと日本の精度が高い製造手法を融合させてこと、繊細な仕上がりを持つ部材を製造しています。

 

また壁パネルの断熱材充填まで現地工場で行います。

 

 

※画像出典:スウェーデンハウスHP ※画像外はユーム参考情報

 

木もスウェーデン産を使用しています。

 

※画像出典:スウェーデンハウスHP ※画像外はユーム参考情報

 

寒冷地でゆっくりと育ったことにより、年輪の間隔が狭く、堅さと粘り強さを備えています。

 

 

4. 耐震・制振性能を比較

 

ハウスメーカー選びをする上では、最重要視すべき点が「耐震性」です。

 

こちらでは、三井ホームとスウェーデンハウスの耐震性を徹底的に比較して、その違いがわかります。

 

まず結論です。

 

 

結論

過去の地震による被害

過去の震災による建物被害の明示は両社とも実証性が弱い

 

過去の地震波を再現した実験

複数の建物全壊率が高い地震波を検証している三井ホームの方が耐震性の実証性が高い

 

建物の余力を測る実大実験

建物全壊率が高い地震を含めた震度7相当の地震波を連続加振実証している三井ホームの方が実証性が高い

 

揺れの抑制(制震)性能

実大実験による建物変形量の明示があるスウェーデンハウスの方が透明性がある

 

基礎及び基礎と構造躯体の接合強度

基礎の強度及び構造躯体の接合強度のトータルでみると三井ホームの方が優れている

 

 

具体的な特徴はコチラです。

 

 

三井ホーム

スウェーデンハウス

過去の地震による被害

公表無し

 

※詳細な調査報告書を関係省庁へ提出済

 

※構造躯体の損傷はほとんど無く、家具等の転倒も少ないことを明示

 

兵庫県南部地震の全壊・半壊ゼロ

 

※上記は激震区17棟の被害状況

実大耐震実験による実証

■プレミアム・モノコック構法S

最大加速度4,176gal

最大速度183kine

 

プレミアム・モノコック構法G

最大加速度5,115gal

最大速度231kine

 

■木質パネル工法

最大加速度1,636gal

最大速度 公表無し

揺れの抑制(制震)性能

具体的な変形量の明示無し

 

オプション仕様の制震システム「VAX」は2階床の揺れを最大80%程度低減

地面の揺れ(加速度)1,636ガルに対して、小屋裏部1.29倍応答加速度2,100ガル。 

 

兵庫県南部地震神戸波に対して、壁の傾き(層間変形量)4.6㎜

一般的な住宅の約1/5に低減

 

基礎及び基礎と構造躯体の接合強度

構造躯体の接合部はアンカーボルトで固定

 

基礎の耐用年数は60年以上

 

詳細な公表無し

 

基礎の耐用年数公表無し

 

みなさん将来起こりうる地震について知っていますでしょうか。

 

例えばよくニュースに挙がるのが、首都直下地震や南海トラフ巨大地震です。

 

国の公表によると、首都直下地震は2020年1月現在で、今後30年以内の発生確率を70%程度としています。

 

南海トラフ巨大地震は70~80%程度です。

 

あまり認知後が高くないですが、北海道千島海溝沿いでも60%程度と予想されています。

 

このように全国各地で大きな地震被害に見舞われるリスクがあります。

 

参照:内閣府 防災情報のページ

 

そして注意いただきたいのはあくまで確率であるということです。

 

発生確率が低い、想定されていなかった大地震が発生する可能性もゼロではありません。

 

その代表例が熊本地震です。

 

熊本地震発生前は、30年以内の震度6弱以上の地震が起きる確率は7.6%でした。

 

このような大地震が起きても、家族が無事に家で過ごせる、そんな地震に強い家をみなさんに建てて欲しいです。

 

その重要となる指標が耐震性です。

 

公表されている情報から比較すると、三井ホームの方が耐震性が高いと言えます。

 

耐震性の比較は、下の3つで評価しています。

 

・過去の震災被害による建物被害はどうだったのか

 

・過去の建物被害が大きかった地震波で実大実験を行っているか

 

・将来起こりうる巨大地震を想定した建物の余力を確認する実大実験を行っているか

 

 

特に三井ホームは大手他社と比較しても耐震性トップクラスです。

 

ただし三井ホームに限らず多くの住宅メーカーの耐震実験は基礎無しです。

 

やはり、基礎基礎と構造躯体の接合部分の強度重要ですので、その違いにも迫っていきます。

 

 

4−1.過去の震災での被害状況

 

こちらでは過去の大きな地震による建物被害について紹介します。

 

過去の地震による被害の有無は、ハウスメーカー選びの際に重要視される項目のひとつです。

 

まずは結論です。

 

結論

過去の震災による建物被害の明示は両社とも実証性が弱い

 

 

両社の具体的な公表はコチラです。

 

 

過去の震災での被害状況

三井ホーム

全壊・半壊の具体的な公表無し

 

※詳細な調査報告書を関係省庁へ提出済

※構造躯体の損傷はほとんど無く、家具等の転倒も少ないことを明示

 

スウェーデンハウス

兵庫県南部地震の全壊・半壊ゼロ

 

※上記は激震区17棟の被害状況

 

 

過去の震災における全壊・半壊の明示はスウェーデンハウスの兵庫県南部地震のみです。

 

三井ホームは具体的な公表はなく、「構造躯体の損傷はほとんど無く家具等の転倒も少ない」としています。

 

両社とも、大手他社と比較して実証性が低いと言わざるを得ません。

 

しかし三井ホームは、大手ハウスメーカーで唯一、過去の震災における詳細な調査報告書を関係省庁に提出をしています。

 

兵庫県南部地震や新潟県中越地震、東北地方太平洋沖地震、熊本地震の調査報告書です。

 

調査報告書は一般のみなさんにも公開されています。

 

全壊・半壊の明示はないものの、詳細な被害状況を公開しているのは非常に好感が持てます。

 

ぜひ今後三井ホームも具体的な全壊・半壊の明示を期待したいです。

 

一方スウェーデンハウスについては注意点があります。

 

それは兵庫県南部地震の被害実績です。

 

同社は全壊・半壊ゼロとしていますが、その実績は17棟です。

 

当たり前ですが施工実績10棟と1,000棟の会社では説得力が違いますよね。

 

つまり被害状況の明示だけでなく、被災地エリアの施工実績がどの程度かも重要です。

 

三井ホームの調査報告書では具体的な施工実績を明示しています。

 

兵庫県南部地震では3,568棟としています。

 

同地震で全壊・半壊ゼロを明示している積水ハウスは29,692棟です。

 

これらと比較するとスウェーデンハウスの実証性は弱いと言わざるを得ません。

 

では次節から将来起こりうる地震を想定して、両社どのような耐震実験をしているのかをみていきましょう。

 

 

4−2.実大実験での比較|過去の地震波を再現した実験

 

ここからは具体的な耐震実験に迫っていきます。

 

ますは「過去の地震波を再現した実大実験をしているかどうか」、その内容で三井ホームとスウェーデンハウスを比較していきます。

 

まずは結論です。

 

結論

三井ホームの方が、過去の地震波の実大実験において耐震の実証性が高い(2021年7月7日時点)

 

 

以下、各社の実験内容をまとめました。

 

実大実験

会社

三井ホーム(2016年)

スウェーデンハウス(2003年)

建物構造

屋根、外壁、窓、室内壁や建具なども施工した実邸に近い建物で実験

※基礎無し

屋根、外壁、窓、室内壁や建具なども施工した実邸に近い建物で実験

※基礎無し

※一部窓無し

 

実験結果

■プレミアム・モノコック構法S

試験体:3階建

連続加振:29回

※震度7相当

最大加速度:4,176gal

最大速度:183kine

実験結果:損傷なし

■プレミアム・モノコック構法G

試験体:2階建

連続加振:60回

※震度7相当

最大加速度:5,115gal

最大速度:231kine

実験結果:損傷なし

 

■木質パネル工法

試験体:2階建

連続加振:19回

※震度6以上

最大加速度:1,636gal

最大速度:公表無し

実験結果:損傷無し

 

過去の地震の再現実験

・1995年兵庫県南部地震鷹取波(建物全壊・大破率約34.9%)

 

・2004年新潟県中越地震川口町波建物全壊・大破率約18%)

 

・2011年東北地方太平洋沖地震築館波

建物全壊・大破率約0%)

 

・2016年熊本地震宮園波(建物全壊・大破率約30.8%)

 

・1995年兵庫県南部地震神戸波

(建物全壊・大破率約3.2%)

 

 

三井ホームもスウェーデンハウスも耐震等級の最高等級3が標準仕様です。

(3階建て以上など、一部建物によって異なる場合有り)

 

しかし耐震等級3だから安心というわけではありません。

 

耐震等級3で想定している地震波はgal(ガル・加速度)が約600程度のものです。

 

やはり、実大実験での耐震性の実証が重要です。

 

両社の実大実験は、基礎を除き実邸に近い建物で実証できています。

 

現時点では三井ホームの方が、過去の地震波の実大実験において耐震性の実証性が高いと言えます。

 

では両社の実験の詳細をもう少し深堀りしていきます。

 

 

4−2−1.三井ホーム耐震実験(2016年)

 

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

三井ホームは、プレミアム・モノコック構法S(3階建)、プレミアム・モノコック構法G(2階建)の2つの建物で実験を行っています。

 

まずは結論です。

 

結論

建物全壊率が高い地震波でも実証しており、耐震性は業界トップクラス

 

3階建ての標準構造で耐震実験をしているため耐震性の信ぴょう性が高い

 

 

各構法の実験結果はコチラです。

 

 

プレミアム・モノコック構法S

プレミアム・モノコック構法G

試験体

3階建て

2階建て

実験結果

損傷なし

地震波

兵庫県南部地震、新潟県中越地震、東北地方太平洋沖地震、熊本地震

連続加振

計29回

震度7相当

計60回

震度7相当

最大加速度

4,176gal

5,115gal

最大速度

183kine

231kine

 

1995年の兵庫県南部地震、2011年の東北地方太平洋沖地震、2016年の熊本地震の地震波で実験をしています。

 

プレミアム・モノコック構法Gは、2004年の新潟中越沖地震の地震波も検証しています。

 

その中でも複数の建物全壊率が高い地震波で検証しています。

 

ここで建物全壊・大破率の高い地震波について簡単に補足です。

 

どうゆうこと?と思った方もいるかと思います。

 

簡単にお伝えすると、同じ震度7でも建物全壊・大破率が大きく異なるケースがある、ということです。

 

例えば、兵庫県南部地震の神戸波建物全壊・大破率約3.2%です。

 

東北地方太平洋沖地震の築館波0%です。

 

一方で兵庫県南部地震の鷹取波は建物全壊・大破率約34.9%です。

 

また新潟県中越地震の川口波は約18.0%です。

 

熊本地震の宮園波は約30.8%です。

 

このように同じ震度7でも、建物全壊・大破率が大きく違うのがわかりますよね。

 

この違いは、もちろん築年数もあります。

 

しかし近年の研究結果で、建物被害はkine(カイン・速度)と振動の周期がより大きく影響していることがわかっています。

 

具体的には、kine(速度)が速く、かつ周期1~2秒以内の強震です。

 

(より詳しく知りたい方はコチラをどうぞ。)

 

三井ホームはこれらの建物全壊率が高い地震波すべて検証しています。

 

しかも標準構造(プレミアム・モノコック構法Sで)で3階建で実大耐震実験をしています。

 

三井ホームは業界トップクラスの高い耐震性を実証できていると言えます。

 

 

4−2−2.スウェーデンハウスの耐震実験(2003年)

 

※画像出典:スウェーデンハウスHP ※画像外はユーム参考情報

 

スウェーデンハウスは、木質パネル工法(2階建て)の建物で実験を行っています。

 

まずは結論です。

 

結論

建物全壊率が高い地震波の実証はなく、耐震性の実証性は弱い

 

 

実験結果はコチラです。

 

 

木質パネル工法

試験体

2階建て

実験結果

損傷なし

地震波

兵庫県南部地震、想定東海地震、インペリアバレー地震(アメリカ)

連続加振

計19回

震度6以上

最大加速度

1,636gal

最大速度

公表無し

 

スウェーデンハウスでは、標準構造である木質パネル工法で実大実験を行っています。

 

しかし同社では、主に兵庫県南部地震神戸波で実大実験をしています。

 

兵庫県南部地震の神戸波建物全壊・大破率約3.2%です。

 

この点においては、建物全壊率が高い地震波で実験をしている三井ホームと比較すると、見劣りしてしまいます。

 

続いて実大実験での建物の余力をみていきましょう。

 

 

4−3.実大実験での比較|建物の余力を測る実大実験

 

日本各地で近い将来大きな地震が起きるとされている中で、熊本地震以上の建物被害率が高い地震波が、何回も連続で襲ってこないと断言できる人はいないはずです。

 

つまり実大実験でも、「震災後に想定外の地震がきた」とならないように余力を実証することが重要となります。

 

はじめに結論をお伝えすると、

 

結論

複数の建物全壊率の高い地震波を実証できている三井ホームの方が耐震性の余力を実証できている

 

ただし三井ホームも地震波毎の具体的な加振数の公表がないため、100%実証できているとは言えない

(2021年7月7日現在)

 

 

各社の実大実験をまとめた表はコチラです。

 

実大実験

会社

三井ホーム(2016年)

スウェーデンハウス(2003年)

建物構造

屋根、外壁、窓、室内壁や建具なども施工した実邸に近い建物で実験

※基礎無し

屋根、外壁、窓、室内壁や建具なども施工した実邸に近い建物で実験

※基礎無し

※一部窓無し

 

実験結果

■プレミアム・モノコック構法S

試験体:3階建

連続加振:29回

※震度7相当

最大加速度:4,176gal

最大速度:183kine

実験結果:損傷なし

■プレミアム・モノコック構法G

試験体:2階建

連続加振:60回

※震度7相当

最大加速度:5,115gal

最大速度:231kine

実験結果:損傷なし

 

■木質パネル工法

試験体:2階建

連続加振:19回

※震度6以上

最大加速度:1,636gal

最大速度:公表無し

実験結果:損傷無し

 

 

ユームの見解は、建物全壊率が高い複数の地震波を連続加振することが、建物の余力を測る耐震性において重要であると考えます。

 

近年、地震の専門家の発表でkine(カイン:速度)と周期(キラーパルス)によって建物倒壊率が大きく変わることがわかっています。

 

熊本地震や兵庫県南部地震でも、この相関性による該当エリアで甚大な建物被害が出ました。

 

そしてこういった大きな地震は、発生後も余震活動が続きます。

 

熊本地震のような震度7が前震と本震に分けて複数発生する可能もあります。

 

つまり建物全壊率が高い複数の地震波で連続加振を実証できていないと、耐震性が実証された安心な建物とは決して言い難いです。

 

それでは過去の地震と比較して重要事項をもう少し深堀りしていきます。

 

 

4−3−1.三井ホームの耐震実験(2016年)

 

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

まずは結論です。

 

結論

複数の建物全壊率の高い地震波で実証し、耐震性の余力を実証できている

震度7相当の連続加振回数は業界トップクラス

 

ただし地震波毎の具体的な加振数は公表無し

 

 

各構法の実験結果はコチラです。

 

 

プレミアム・モノコック構法S

プレミアム・モノコック構法G

試験体

3階建て

2階建て

実験結果

損傷なし

地震波

兵庫県南部地震、新潟県中越地震、東北地方太平洋沖地震、熊本地震

連続加振

計29回

震度7相当

計60回

震度7相当

最大加速度

4,176gal

5,115gal

最大速度

183kine

231kine

 

まずは加速度:gal(ガル)です。

 

こちらはプレミアム・モノコック構法Sで4,176gal、プレミアム・モノコック構法Gで5,115galまで実証しています。

 

実際に過去に起きた地震では、新潟中越地震(余震)で2,516gal、東日本大震災で2,933galでした。

 

つまり、加速度においてこの2つの地震クラスが発生しても三井ホームの家は倒壊しない可能性が高いことがわかります。

 

次に速度:kine(カイン)です。

 

こちらはプレミアム・モノコック構法Sで183kinel、プレミアム・モノコック構法Gで231kineまで実証しています。

 

過去の震災で、倒壊率が高かった兵庫県南部地震のJR鎌取駅観測された速度は157.2kineでした。

 

熊本地震(本震)の益城町では183.5kineを観測しました。

 

これらと比較しても、三井ホームの建物の耐震性を実証していると言えるのではないでしょうか。

 

さらに特筆すべきは標準構造(プレミアム・モノコック構法Sで)の実大実験は3階建てということです。

 

当たり前ですが2階より3階の方が建物は揺れやすくなります。

 

その条件下でここまでの実績をあげているのは三井ホームだけです。

 

最後に加振回数です。

 

加振回数は、繰り返し起こる本震・余震を想定したとき、建物がどれだけ耐えれるかを測る重要な指標です。

 

三井ホームでは建物全壊率が高い地震波を含め、震度7相当の加振回数標準構造で29回オプション構造で60回実証しています。

 

この回数は業界トップクラスなので安心と言えます。

 

ただ強いて言えば、この加振回数と地震波の内訳を今後明示してもらいたいですね。

 

建物全壊率が高い地震波をどれだけ加振したかは非常に気になるところです。

 

これは安心感にも繋がりますのぜひ今後の公表を期待しています。

 

4−3−2.スウェーデンハウスの耐震実験(2003年)

 

※画像出典:スウェーデンハウスHP ※画像外はユーム参考情報

 

続いてスウェーデンハウスです。

 

まずは結論です。

 

結論

震度7相当の加振回数の明示がないことや建物全壊率が高い地震波での実証がないことから、建物の余力を測る上で不安が多い

 

 

実験結果はコチラです。

 

 

木質パネル工法

試験体

2階建て

実験結果

損傷なし

地震波

兵庫県南部地震、想定東海地震、インペリアバレー地震(アメリカ)

連続加振

計19回

震度6以上

最大加速度

1,636gal

最大速度

公表無し

 

スウェーデンハウスは残念ながら速度:kineによる公表がありませんでした。

 

そのため加速度:gal(ガル)を中心に紹介します。

 

こちらは標準構造の木質パネル工法で最大加速度1,636galまで実証しています。

 

しかし三井ホームでお伝えしたとおり、新潟県中越地震や東北地方太平洋沖地震は同数値以上を記録しています。

 

つまり直近に発生した大きな地震と比較すると、実証している加速度:galに不安が残ると言わざるを得ません。

 

そして加速度:gal以上に重要な、建物全壊率が高い(速度:kineと周期による相関性がある)地震波の実証がないことも非常に不安が残ります。

 

続いて加振回数です。

 

スウェーデンハウスでは、震度6以上を19回加振しています。

 

しかし残念ながら震度7相当の加振回数の明示はありません。

 

加振回数においても、建物の余力に関して不安が残ります。

 

スウェーデンハウスの建物構造は、決して地震に弱くないと考えています。

 

ただ耐震性能の信憑性という点では弱いと言わざるを得ないのが現状です。

 

今後、建物全壊率が高い地震波による連続加振の実証実験の実施を期待しています。

 

 

4−4.揺れの抑制(制震)性能の比較

 

大きな地震の際には、揺れによる建物の損傷や家具の転倒による怪我などのリスクがあります。

 

三井ホームとスウェーデンハウスの揺れの抑制についてもみていきましょう。

 

まず結論です。

 

結論

実大実験による建物変形量の明示があるスウェーデンハウスの方が透明性が高い

 

 

揺れの抑制を比較した表は以下になります。

 

揺れの抑制(制震)性能の比較

 

三井ホーム

スウェーデンハウス

制震装置

■VAX(オプション仕様)

 アクリルゴムを用いた制震ダンパーが地震の揺れを熱に変換

 

■ヘルムダル(オプション仕様)

摩擦材基盤が地震に揺れを熱に変換

特徴

枠組壁工法専用の制震装置

 

一般的な枠組壁工法と比較して、地震時の建物の揺れを2階床で、約80%程度低減

 

摩擦系の衝撃吸収機構がある

実証実験による建物変形量

■プレミアム・モノコック構法

具体的な変形量の明示無し

■同構法+制震装置

具体的な変形量の明示なし

■木質パネル工法

地面の揺れ(加速度)1,636ガルに対して、小屋裏部1.29倍応答加速度2,100ガル。 

 

兵庫県南部地震神戸波に対して、壁の傾き(層間変形量)4.6㎜

一般的な住宅の約1/5に低減

 

■同工法+制震装置

具体的な変形量の明示なし

 

 

では両社がどのような実証をしているか詳しくみていきましょう。

 

 

4−4−1.三井ホームの揺れの抑制(制震)性能

 

まずは結論です。

 

結論

制震装置の有無に関わらず具体的な建物変形量の明示は無し

 

オプションの制震装置「VAX(ヴァックス)」は採用率が少ない

ただし注意点もある

 

 

具体的な特徴はコチラです。

 

特徴

制震装置無しでの実大実験による建物変形量の公表無し

 

オプションの制震装置「VAX」もある

 

VAXは、一般的な2×4工法と比較して、2階床の揺れを最大80%程度低減

 

 

三井ホームでは、残念ながら実大実験による建物変形量の明示はありませんでした。

 

ここではオプション仕様制震装置「VAX」について紹介します。

 

VAXは、制振ダンパーと制振フレームで構成され、地震エネルギーを熱に変換して住宅の揺れを軽減します。

 

一般的な制震装置単独の設置ではなく、耐力壁に制震装置を設置することができる枠組壁工法専用制震システムです。

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

これにより一般的な2×4工法の建物(耐震等級1相当)と比べ、地上に対する建物の揺れを2階建ての2階床で、最大80%程度低減することができます。

 

ここで注意点があります。

 

80%と聞くと説得力のある数字ですが、詳細の変形量は不明です。

 

そして比較対象が耐震等級1相当の2×4工法というのも気になります。

 

なぜなら三井ホームの標準構造は耐震等級3だからです。

 

その標準構造との差については明示がありません。

 

また公表されているシミュレーションではBCL-L2波での揺れ幅を明示されています。

 

これは最大加速度355.66galのため、三井ホームが耐震実験で行っているような地震波と比べると、かなり弱い地震波と言わざるを得ません。

 

せっかく、三井ホームは日本トップレベルの過酷な地震波による実大実験で耐震性を証明しているので、ぜひ今後は制震性能に関しても、そのような地震波で実大モデルに制振システムを搭載して実験をしていただきたいです。

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

余談ですが、上図のシミュレーションの結果を見ると、耐震等級3の建物で比較した場合、変形量にあまり差がないようにも見えます。

 

(上図の青線がVAXなし、緑線がVAXはあり)

 

三井ホームは標準で耐震等級3になります。

 

そのためこの結果だけを見るとVAXを使用してもあまり大きい効果は得られない可能性があります。

 

誤解を招かないように説明すると、元々プレミアム・モノコック構法自体で揺れの抑制ができているということです。

 

上の実験のデータでも一般の2×4工法の建築物(耐震等級1相当)と比べ、標準構造で、2階建て2階床の揺れを50%以上減少できています。

 

それもあって、このオプションを選ぶ人は少ないと言えます。

 

制震装置の耐久性については、耐用年数の公表はありません。

 

制振ダンパーに、劣化に強く耐候性のあるアクリルゴムを使用しています。

 

一般的なアクリルゴムは耐候性が高い一方で、寒さに弱く、使用可能温度は-15℃とされています。

 

しかし三井ホームのVAXは内壁に設置されるため、外気の影響が少なく、温度による影響は少ないでしょう。

 

補足ですが、制震装置の注意点として、実はここはポイントです。

 

制震装置を外壁に使用する場合、その部分の断熱施工が難しいです。

 

制震装置の機能上、そこが揺れる必要もあり、固形の断熱材で固めるわけにもいきません。

 

そこがどういう断熱になっているのか? 確認した方が良いです。

 

また、外気の温度を影響受けやすいので、揺れのエネルギーを吸収する部分にゴム系を利用している場合、その耐寒性も確認しましょう。

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

 

4−4−2.スウェーデンハウスの揺れの抑制(制震)性能

 

まずは結論です。

 

結論

制震装置無しでも建物変形量が少ないため安心

 

オプションの制震装置「ヘルムダル」は採用率が少ない

※Radiance(レイディアンス)は標準搭載

 

 

具体的な特徴はコチラです。

 

 

特徴

木質パネル工法

地面の揺れ(加速度)1,636ガルに対して、小屋裏部1.29倍応答加速度2,100ガル。 

 

兵庫県南部地震神戸波に対して、壁の傾き(層間変形量)4.6㎜

一般的な住宅の約1/5に低減

 

同工法+制震装置

オプションの制震装置「ヘイムダル」

※Radiance(レイディアンス)は標準搭載

 

建物変形量に関する詳細な公表無し

 

 

スウェーデンハウスでは、実大実験での具体的な建物変形量を明示しています。

 

大手他社でも明示しているところが少ないので非常に好感が持てます。

 

ただし抑えておくべき注意点もあります。

 

では具体的にみていきましょう。

 

スウェーデンハウスは、2つの地震波で検証しています。

 

1つ目は、兵庫県南部地震神戸波(818gal)のケースです。

 

結果は、下図のように層間変形量が4.6mmでした。

 

これは一般的な住宅の約1/5程度です。

 

※画像出典:スウェーデンハウスHP ※画像外はユーム参考情報

 

層間変形量とは、1階床と2階床のズレの量を表します。

 

建築基準法上では、

 

「木造在来工法など地震力(震度5程度の地震を想定)による構造耐力上、主要な部分の変形によって建築物の部分に著しい損傷が生ずるおそれのない場合には、層間変形角が1/120以内であること」

 

と明記されています。

 

つまり1階床と2階床の間(階高)が3mであれば、許容範囲は25mm以下ということになります。

 

※画像および画像外はユーム参考情報

 

スウェーデンハウスの実大実験では階高2.7mとしています。

 

つまり建築基準法上の最低基準の層間変形量は22.5mmとなります。

 

スウェーデンハウスは兵庫県南部地震神戸波の揺れでわずか4.6mmしか揺れないということになります。

 

ここまで揺れを抑制できれば家具の転倒リスクも少なく安心であると言えます。

 

2つ目は兵庫県南部地震の約2倍(1,636gal)のケースです。

 

こちらは残念ながら具体的な建物変形量の明示はありません。

 

代わりに小屋裏部分の応答加速度を明示しています。

 

応答加速とは、簡単に言うと、建物の揺れの大きさです。

 

そして最も揺れが大きくなるのが小屋裏部分です。

 

こちらは1,636galに対して、小屋裏部分は2,100galとしています。

 

一般的な住宅では約2倍の3,300galとなるのに対して、スウェーデンハウス約1.29倍に抑制します。

 

※画像出典:スウェーデンハウスHP ※画像外はユーム参考情報

 

ただし抑えておくべき注意点もあります。

 

それは実験で用いられた地震波は、兵庫県南部地震神戸波、ということです。

 

これは建物全壊率が高い地震波ではありません。

 

そのため揺れの抑制を完璧に実証できているか、という点では100%できているとは言えません。

 

とはいえそ建物変形量を具体的に明示しており、かつその変形量も少ないのは非常に素晴らしいです。

 

ぜひ今後は建物全壊率が高い地震波でも実証していただきたいです。

 

オプション仕様の制震装置についてもみておきましょう。

(※Radiance(レイディアンス)は標準搭載)

 

先に結論をお伝えすると、制震装置の採用は非常に少ないようです。

 

※画像出典:スウェーデンハウス・カタログ ※画像外はユーム参考情報

 

スウェーデンハウスでは制震装置は、「ヘイムダル」という制震壁パネルです。

 

オリジナルの制震ダンパーで、「くの字」型の摩擦系の制震ダンパーになります。

 

※画像出典:スウェーデンハウス・カタログ ※画像外はユーム参考情報

 

「くの字」の中央部に地震などのエネルギーが加わると上下に動く機構となっており、地震エネルギーを摩擦熱に変換して、エネルギーを吸収します。

 

ただし残念ながら具体的な建物変形量などの明示はありませんでした。

 

約35坪程度の住宅プランでは、1階の内壁に2箇所、2階の内壁に2箇所ぐらいを設置することが平均的です。

 

費用は1箇所で約10万円ぐらいで、合計で約40万円~50万円程度の金額になるケースが多いようです。

 

最新の情報は営業担当にご確認ください。

 

 

4−5.基礎の比較

 

基礎は、建物の構造と同じくらい重要なポイントです。

 

建物が倒壊しなくても、基礎自体が崩壊してしまうと、住宅に多大なダメージを受けます。

基礎の比較もみていきましょう。

 

結論

基礎の強度及び構造躯体の接合強度のトータルでみると三井ホームの方が優れている。

 

ただし構造躯体の接合強度は両社とも不明

 

 

両社の基礎、接合強度の特徴は以下のとおりです。

 

基礎の強度及び基礎と構造躯体の接合強度

 

三井ホーム

スウェーデンハウス

基礎構造

ベタ基礎

布基礎
※地盤強度によってベタ基礎

基礎寸法・主筋

主筋:公表なし

 

の他配筋:公表なし

 

フーチング:長方形

 

アンカーボルト:公表なし

 

立上がり幅:170mm

 

立上がり高さ:430mm

主筋:D16(直径約16mm)

 

その他配筋:D10(直径約10mm)

 

フーチング:長方形

 

アンカーボルト:公表無し

 

立上がり幅:150mm

 

立上がり高さ:400mm

 

特徴

コンクリートは圧縮強度:24N/m㎡

鉄筋量を従来※1の約2倍に増量

 

※1

東日本大震災時の2階建耐震等級3三井ホーム標準仕様の基礎

 

詳細な公表無し

 

それでは具体的にみていきましょう。

 

 

4−5−1.三井ホームの基礎

 

まずは結論です。

 

結論

三井ホームの基礎の強度と基礎・構造躯体の接合強度は、大手鉄骨住宅メーカーの中では比較的普通レベル

 

 

ただし基礎の耐用年数や基礎と接合部分の詳細な明示がある点などトータルでみると、スウェーデンハウスよりも優れていると言えます。

 

具体的な特徴はコチラです。

 

特徴

全構法共通でベタ基礎を採用

 

基礎のコンクリートは圧縮強度:24N/m㎡

 

鉄筋量を従来の約2倍に増量

※東日本大震災時の2階建耐震等級3三井ホーム標準仕様の基礎

 

基礎の耐用年数の公表無し

 

 

はじめに基礎の強度です。

 

三井ホームの基礎は、独自に開発した超剛性ベタ基礎「マットスラブ」です。

 

コンクリート強度は、24N/mm2(1c㎡あたり約240kgの荷重に耐える)を採用しています。

 

ただしこの強度は大手他社も同等以上のものを採用しているところが増えていますので、特別とは言えません。

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

三井ホームの基礎は、独自に開発した超剛性ベタ基礎「マットスラブ」です。

 

コンクリート強度は、24N/mm2(1c㎡あたり約240kgの荷重に耐える)を採用しています。

 

ただし、この強度は頑強と言えるものですが、他社も同等以上のものを採用しているところが増えていますので、特別とは言えません。

 

特筆すべきは鉄筋量です。

 

三井ホームの鉄筋は東日本当時の自社基準量から2倍以上としています。

 

配筋量の多さは次の写真を見れば一目瞭然です。

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

基礎のような鉄筋コンクリートは、コンクリートの圧縮強度と鉄筋の引張強度を掛け合わせて、強度は発揮します。

 

つまり三井ホームのマットスラブの大きな特徴は、高密度の配筋が地震の揺れによる基礎のひび割れ防止を担っています。

 

ただし残念ながら基礎の耐用年数の公表がないのは残念な点です。

 

こちらは6. 耐久性を比較で詳しく紹介します。

 

次に基礎と構造躯体の接合強度です。

 

基礎と建物の接合部分には、ホールダウン金物を使用しています。

 

特に荷重が集中しやすい箇所に適所に施工しています。

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

しかしアンカーボルトの太さを含め、残念ながらこちらの詳細な公表はありませんでした。

 

 

4−5−2.スウェーデンハウスの基礎

 

まずは結論です。

 

結論

スウェーデンハウスの基礎強度は中堅レベル

 

基礎と構造躯体との接合強度は公表なし

 

 

具体的な特徴はコチラです。

 

特徴

布基礎を採用

※地盤調査によってベタ基礎の場合も有り

 

鉄筋の太さは上下の主筋を16mm ×1本ずつ施工

 

基礎耐用年数の公表無し

 

 

はじめに基礎の強度です。

 

スウェーデンハウスの標準基礎は布基礎です。

 

ただし地盤調査によってベタ基礎になることもあるようです。

 

スウェーデンハウスの基礎仕様は、建築基準法と比較すると耐久性が高いと言えます。

 

しかし大手他社と比較すると特別とは言えず一般的なレベルです。

 

布基礎の場合、ベタ基礎と違って地震の揺れを立上り部分で支える構造となっています。

 

つまり基礎の幅や高さ(根入れの深さ)で大きく強度が変わるのです。

 

基礎幅150mmは、ベタ基礎でもよく採用される仕様のため特別ではありません。

 

根入れの深さ300mmとしています。

 

しかしこれも布基礎を採用している大手他社と比較すると一般的なレベルです。

 

スウェーデンハウスに限らず三井ホームも、耐震実験は基礎無しで検証されています。

 

いくら構造躯体が頑強でも、基礎が損傷し建物が傾いたにも倒壊の危険性があります。

 

この点については、スウェーデンハウスも三井ホームも不安が残らざるを得ないと言えます。

 

基礎と構造躯体の接合強度については残念ながら詳細な公表がありませんでした。

 

ホールダウン金物で固定されているようです。

 

※画像出典:建築ブログ:Sweet Dish家は明かりから ※画像外はユーム参考情報

 

 

5. 防火性能を比較

 

大きな地震の備えとして、耐震性能ともうひとつ大事なのが防火性能です。

 

先に両社の防火性能について結論です。

 

 

結論

内部出火

両社とも一般的な木造より防火性が高くほぼ同等

 

断熱材の耐熱性は三井ホームの方が高い

 

外部出火

標準構造で60分耐火試験を実施している三井ホームの方が防火性能が高い

 

耐火建築の実績

5階建て耐火建築の実績がある三井ホームの方が実績が高い

 

 

もう少し具体的に下の枠でまとめてみました。

 

ただ、この枠内の文言はざっと見るだけで大丈夫です。

 

のちほど図やデータを見ながら詳しくわかります。

 

 

三井ホーム

スウェーデンハウス

構造

標準仕様のモルタル外壁は防火構造(30分)

 

独自の外壁下地は国土交通大臣認定を取得

 

標準仕様のサイディング外壁は防火構造(30分)

内部出火

ファイヤーストップ構造のため1階から2階へ延焼しにくい

 

耐熱性の高いロックウールを使用

 

ファイヤーストップ構造のため1階から2階へ延焼しにくい

外部出火

■防火構造(標準仕様)

60分耐火試験を実施

外側が加熱温度940℃に対して内側が30℃

■防火構造(標準仕様)

20分防火設備認定試験を実施

外側が加熱温度860℃に対して内側が260℃以下

 

※木製サッシが建物内部まで火を入れなかったことを確認

耐火建築の実績

耐火建築5階建ての実績有り

詳細な公表無し

※商品は3階建てまで

 

 

皆さんは年間でどのぐらいの火災が発生しているかご存知でしょうか?

 

消防庁によると年間で37,683件の火災が発生(2019年)しています。

 

1日平均で計算すると、2.4人の方が住宅火災で毎日亡くなられていることになります。

 

特に大きな地震では、建物の倒壊だけでなく火災被害も甚大となります。

 

内閣府の発表によると、首都直下型地震では最大41万棟の消失被害が予想されています。

 

南海トラフ巨大地震では地震火災による死者数は約1万4千人としています。

 

大きな揺れが原因で電気ヒーターから家財に引火してしまったり、周辺家屋から延焼を受けたりと、原因はさまざまです。

 

自分の家や家族が、少しでも火災被害を少なくできるように、家の中の出火対策(内部出火)と家の外の出火対策(外部出火)をすることが非常に重要です。

 

では、三井ホームとスウェーデンハウスの防火性能はどうなのか、深堀りしていきましょう。

 

最後に火災保険料のこともわかります。

 

 

5−1.内部出火の防火性能

 

内部出火の対策は、両社とも建物構造で防火性能を発揮しています。

 

まずは結論です。

 

結論

両社とも一般的な木造より防火性が高くほぼ同等

 

断熱材の耐熱性は三井ホームの方が高い

 

 

両社の特徴はコチラです。

 

 

三井ホーム

スウェーデンハウス

内部出火対策

ファイヤーストップ構造が上の階への延焼を防ぐ

石膏ボードが延焼温度上昇を抑える

 

断熱材

耐熱性の高いロックウールを使用

一般的な高性能グラスウール16Kを使用

※外壁部分のみ

 

 

みなさんは、家の中で出火すると、どのぐらいで隣の部屋に燃え移るかご存知でしょうか?

 

一般的な木造住宅の場合、1階で出火すると約5分間で隣室へ延焼、窓ガラスも割れます。

 

そして約7分後には2階の天井まで延焼し、約20分で全焼すると言われています。

 

参照:財団法人 日本防火協会HP

 

ちなみに初期消火の限界は1階の天井に火が回るまでと言われています。

 

その時間は約2分30秒です。

 

つい自分で初期消火を試みて逃げ遅れる可能性もゼロではありません。

 

ですので、やはり家の中の防火性能も重要です。

 

先にお伝えすると両社の内部出火対策は特別な仕様ではありません。

 

まずはファイヤーストップ構造をおさえておいたほうがよいです。

 

炎って上に向かっていきますよね。

 

下の図の X のところをご覧ください。

 

※上の画像出典:日本ツーバイフォー協会 ※画像外はユームの参考情報

 

ファイヤーストップ材とは、特に壁の中に入った炎が、上の階に燃え広がろうとするのをストップする構造材のことです。

 

もう少し具体的にお伝えします。

 

火の通り道となりやすい壁内や天井裏の間に大きな断面の木材(ファイヤーストップ材)を使うことです。

 

大きな断面の木は火災時に周辺が炭で真っ黒になりますが、強度は低下しにくい特徴があります。

 

これを木材の炭化現象と言います。

 

炭化現象とは、表面が炎により炭化層となることで空気をブロックし、木の内部に火が通りにくくなる現象です。

 

一見して焦げているように見えても、木内部にまで火が通りにくいため、完全な燃焼までに時間がかかります。

 

意外と思われる方も多いですが、鉄骨よりも強度が落ちにくいというデータもあります。

(下の右画像を参照)

 

※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報

 

これにより隣接する部屋への燃え広がりを防止します。

 

また壁紙の下地材に使われる石膏ボードには、火災時の延焼と温度上昇を抑える効果もあります。

 

つまり内部出火の対策は、

 

ファイヤーストップ構造による延焼の抑制

 

石膏ボードによる延焼温度上昇の抑制

 

の2つで成り立っています。

 

では両社の内部出火の対策を具体的にみていきましょう。

 

 

5−1−1.三井ホームの防火性能(内部出火対策)

 

まずは結論です。

 

結論

三井ホームの内部出火対策は他社でも採用されていため特別な仕様ではない

 

ただし耐熱性が高いロックウールを使用しているため他社よりもやや延焼しにくい

 

 

三井ホームの特徴はこちらです。

 

特徴

石膏ボードが延焼温度上昇を抑える

 

ファイヤーストップ構造が上の階へのに延焼を防ぐ

 

耐熱性が高いロックウールを使用しているためやや延焼しにくい

 

 

内部出火対策は冒頭お伝えした2つです。

 

1つ目は、室内で出火した直後の対策です。

 

出火直後は、壁紙の下地材に使われる石膏ボードが延焼と温度上昇を抑制します。

 

まず石膏ボードによる延焼の抑制です。

 

一般的な厚さ12.5mmの石膏ボードで火災に約15分耐えられると言われています。

 

参照1:一般社団法人 日本ツーバイフォー協会HP

参照2:吉野石膏HP

 

石膏ボードは壁だけでなく、天井にも使用されています。

 

両社の石膏ボードの厚みについてもみておきしょう。

 

標準仕様の詳細な公表はありませんでしたが、三井ホームは壁に12.5mm使用しています。

(天井については不明)

 

ただし詳細な公表はありませんでしたが、オプション仕様の準耐火構造は上記と異なります。

 

スウェーデンハウスも壁は同様の厚さのようです。

 

天井については残念ながら参考の明示がありませんでした。

 

次に石膏ボードの温度上昇の抑制です。

 

石膏ボードの中に含まれる約21%の結晶水が温度を抑制します。

 

この結晶水は熱分解により水蒸気となって放出されます。

 

その水蒸気が天井裏や壁内の温度上昇を抑えます。

 

これにより、構造材が発火温度に達するのを15〜20分ほど遅らせてくれます。

 

※上の画像出典:オスカーホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

補足ですが、天井埋め込みのエアコンや照明、スピーカーがある場合はこの点で延焼防止性能が落ちる可能性がありますので、注意してください。

 

2つ目は、火の手が壁の中から上の階へと広がらないための対策です。

 

壁にはスイッチやコンセント、エアコンなどの配管穴もありますよね。

 

そこから壁の中に炎が移る可能性もあります。

 

この壁の中にある断熱材がロックウールです。

 

ロックウールは人工の鉱物繊維でできた断熱材です。

 

岩が原材料となっているため非常に耐熱性能が高いことが特徴です。

 

一方でグラスウールは人工のガラス繊維です。

 

グラスウールの中でも性能差によってランクがあります。

 

耐熱性能の違いは、ロックウール工業会より実験の結果が出ています。

 

高性能グラスウール16Kグラスウール10Kは300℃で断熱材が収縮、600℃に達すると断熱材としての機能を消失しています。

 

一方でロックウールは700℃を越えるまで形状を維持しています。

 

※上の画像出典:ロックウール工業会HP ※画像外はユームの参考情報

 

この差はとても大きいですね。

 

火災時に換気口やコンセントなどの隙間から壁の中に炎が入ると、グラスウールの体積が縮小し、そこが火の通り道となる可能性はあります。

 

もし延焼しなくても、室内に火災の温度が伝わってしまった場合、断熱材の機能が失われてしまう可能性もあります。

 

真冬の時期であれば、外気の寒さを断熱材が防ぐことができず、家の中が非常に寒い状態となってしまいます。

 

一方で、硝子繊維協会の試験ではグラスウールの不燃性試験をしています。

 

こちらの試験内容の詳細な明示はありませんが、同条件で燃やした場合、押出法のポリスレンフォームや硬質ウレタンフォームよりも、不燃性があるとしています。

 

※上の画像出典:硝子繊維協会HP ※画像外はユームの参考情報

 

ちなみにロックウールもグラスウールも国土交通省の告示では不燃材料と規定されています。

 

そのためどちらも一般的には燃えにくい断熱材と言えます。

 

しかしそうはいっても火の手が広がる可能性はゼロではありません。

 

そこで1階から2階への延焼は、ファイヤーストップ構造により抑制します。

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

ファイヤーストップ構造は、冒頭にお伝えしたとおりの内容です。

 

特に枠組壁工法の場合、各部屋が独立した空間になっています。

 

そのためそれぞれが高い気密性をもっています。

 

つまり気密性の高い各部屋が防火区画として機能するため、室内で火災が発生しても火は家全体になかなか広がりません。

 

 

5−1−2.スウェーデンハウスの防火性能(内部出火対策)

 

続いてスウェーデンハウスをみてみましょう。

 

まずは結論です。

 

結論

スウェーデンハウスの内部出火対策は他社でも採用されていため特別な仕様ではない

 

ただし断熱材の耐熱性は三井ホームと比較して見劣りする

 

 

スウェーデンハウスの特徴はこちらです。

 

特徴

石膏ボードが延焼温度上昇を抑える

 

ファイヤーストップ構造が上の階へのに延焼を防ぐ

 

ファイヤーストップ材の数が多い

 

断熱材は耐熱性の低いグラスウールのため注意が必要

 

 

スウェーデンハウスも内部出火対策は、三井ホームと同様です。

 

そのため詳細は割愛させていただきます。

 

1つ特筆すべき点をお伝えすると、スウェーデンハウスはファイヤーストップ材を数カ所に施工しています。

 

具体的には下図のように、床から天井までの間に2箇所ファイヤーストップ材を施工しています。

 

※上の画像出典:スウェーデンハウス カタログ ※画像外はユームの参考情報

 

三井ホーム含め一般的なファイヤーストップ構造は、1~2階といった階層間に施工することが多いです。

 

それと比較するとスウェーデンハウスは延焼をさらに抑制できると言えます。

 

ただし注意点があります。

 

それはスウェーデンハウスの断熱材はグラスウールということです。

 

前節の三井ホームの内部出火対策でお伝えした通り、グラスウールはそれほど耐熱性に強くありません。

 

グラスウールが焼失してしまえばそこは隙間となり、空気の流入があり、火の通り道となります。

 

とはいってもやはりファイヤーストップ材を複数箇所施工している点は安心です。

 

しかし耐熱性の高いロックウールを使用している三井ホームと比較すると、どちらが内部出火対策をできているかについては判断が難しいところです。

 

いずれにしてもどちらも一定以上の対策はできていると言えます。

 

 

5−2.外部出火の防火性能

 

外部出火の対策は、外壁を炎に曝す延焼実験で防火性能を確認しています。

 

実験内容が違うので、ここで整理しながら防火性能の違いをみていきましょう。

 

まずは結論です。

 

結論

標準構造で60分耐火試験を実施している三井ホームの方が防火性能が高い

 

耐火建築の実績も三井ホームの方が高い

 

 

先に各社の公表ベースでの防火性能をお伝えします。

 

こちらも今はざっと見で大丈夫です。

 

あとの解説のほうがわかりやすいです。

 

 

三井ホーム

スウェーデンハウス

構造

標準仕様のモルタル外壁は防火構造(30分)

 

独自の外壁下地は国土交通大臣認定を取得

標準仕様のサイディング外壁は防火構造(30分)

外部出火

■防火構造(標準仕様)

60分耐火試験を実施

外側が加熱温度940℃に対して内側が30℃

■防火構造(標準仕様)

20分防火設備認定試験を実施

外側が加熱温度860℃に対して内側が260℃以下

※木製サッシが建物内部まで火を入れなかったことを確認

 

耐火建築の実績

耐火建築5階建ての実績有り

詳細な公表無し

※商品は3階建てまで

 

では両社の外部出火対策について早速みていきましょう。

 

5−2−1.三井ホームの防火性能(外部出火対策)

 

外部出火の対策は、外壁の耐火試験により防火性能を確認しています。

 

まずは結論です。

 

結論

三井ホームの標準構造における防火性能は、業界トップレベル

 

耐火試験の詳細を明示、かつ延焼を免れた事例もあるため、外部出火による防火性能の信憑性が高い

 

 

外部出火による防火性能の特徴はコチラです。

 

三井ホームの防火性能(外部出火)

耐火試験

■防火構造(標準仕様)

60分耐火試験を実施

外側が加熱温度940℃に対して内側が30℃

 

特徴

標準仕様のモルタル外壁は防火構造(30分)

 

独自の外壁下地は国土交通大臣認定を取得

 

過去に隣家からの延焼を防ぐ事例がある

 

耐火建築の実績

耐火建築5階建ての実績有り

 

 

三井ホームは標準構造の耐火試験を実施しています。

 

試験結果の具体的な数値も公表しており、大手他社の中ではトップレベルです。

 

過去に隣家からの延焼を防ぐ事例もあります。

 

ではもう少し具体的にみていきましょう。

 

外部出火の対策は、オリジナル外壁下地材ブロック&シームレスウォール(BSW)が要となります。

 

BSWとは外壁の下地材で使われるモルタルを独自で配合(三井ホーム呼称:スーパーファインクリート)した外壁下地材です。

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

スーパーファインクリートの強度と隙間やサイディングのような目地がないことから、耐火・遮音・防水・耐衝撃性の高いのが特徴です。

 

BSWは耐火試験も行っています。

 

ここが特筆すべき点です。

 

大手他社のほとんどは、標準仕様の防火構造(30分)による耐火試験は30分です。

 

しかし三井ホームでは防火構造で60分耐火試験を実施しています。

 

その結果は、表面が940℃に到達しても、内側の温度は30℃でした。

 

つまり標準構造で、1時間準耐火構造に匹敵する防火性能があると言えます。

 

(ただし実際の防火地域では三井ホームもオプション構造になりますので注意してください。)

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

三井ホーム独自のブロック&シームレスウォールは、外部からの火災に対し60分以上耐えうる外壁として、国土交通大臣の認定を受けています。

 

防火性の高い外壁が、近隣火災の“もらい火”から住まいを守るだけでなく、断熱材まで守ってくれます。

 

この高い耐火性能は、実際の火災でもその性能を発揮しました。

 

下図は1m隣の建物が火元となる火災に襲われた実例です。

 

近隣の建物は全焼、三井ホームの建物は長い時間猛烈な炎と熱にさらされました。

 

その中で、三井ホームの建物は猛火による高温にも耐え、類焼を免れました。

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

最後に耐火建築もみておきましょう。

 

耐火建築の構造、準耐火構造(45分および60分)の詳細な明示はありませんでした。

 

実績においては、都内初のツーバイフォー住宅5階建ての建築事例があります。

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

他にも耐火建築の福祉・介護施設や賃貸住宅といった多数の実績があります。

 

これらの実績は、スウェーデンハウスよりも優れていると言えます。

 

 

5−2−2.スウェーデンハウスの防火性能(外部出火対策)

 

続いてスウェーデンハウスです。

 

まずは結論です。

 

結論

スウェーデンハウスの防火性能は、大手他社と比較して普通レベル

 

防火地域でも木製サッシを使用できる

 

 

外部出火による防火性能の特徴はコチラです。

 

スウェーデンハウスの防火性能(外部出火)

耐火試験

■防火構造(標準仕様)

20分防火設備認定試験を実施

外側が加熱温度860℃に対して内側が260℃以下

※木製サッシが建物内部まで火を入れなかったことを確認

 

特徴

標準仕様のサイディング外壁は防火構造(30分)

※詳細な公表無し

 

耐火建築の実績

詳細な公表なし

※商品は3階建てまで

 

 

スウェーデンハウスも三井ホーム同様に標準構造の耐火試験を実施しています。

 

ただし同試験は、20分防火設備認定試験、としており主に木製サッシの防火性を測る試験となります。

 

先に結論をお伝えすると、三井ホームの方が防火性は高いです。

 

そしてスウェーデンハウスの防火性は大手他社の中では普通レベルです。

 

ではもう少し具体的にみていきましょう。

 

まず外壁材、外壁下地材の防火性に関する詳細な公表はありませんでした。

 

耐火試験については20分防火設備認定試験を実施しています。

 

ただしこちらは主に標準窓の木製サッシの防火性を測る試験です。

 

結果は、表面が860℃に到達しても、内側の温度は木の着火温度(260℃以下)でした。

 

三井ホームは長時間より高い温度で実証しています。

 

大手他社でも30分以上の試験で同等以上の結果を実証しています。

 

それらと比較すると見劣りすると言わざるを得ません。

 

一方で特筆すべき点もあります。

 

それは標準窓の木製トリプルサッシです。

 

スウェーデンハウスの窓枠は木枠ですが、実はこの窓枠は防火性能が非常に優れています

 

火災の際に、アルミサッシや樹脂サッシは、火の温度でサッシが変形、落下することがあります。

 

しかし木製サッシは、表面が炭化するだけで火に強く持ち応えます。

 

20分防火設備認定試験では、表面が炭化しているだけで内部までは到達せず窓を支え続けました。

 

※画像出典:スウェーデンハウスHP ※画像外はユーム参考情報

 

さらにスウェーデンハウスでは、木製トリプルサッシの防火窓の用意もあります。

 

窓ガラス3層の内1層は耐熱強化ガラスが標準装備されています。

 

このガラス800℃の高温に熱した直後に冷水をかけても割れないほどの耐熱性があります。

 

もちろん防火設備大臣認定も取得しています。

 

国内で初めて木製トリプルサッシの防火窓の認定を取得したのはスウェーデンハウスです。

 

さらにサッシ内部に加熱発泡剤が入っています。

 

これは窓ガラスと窓枠の隙間を埋める効果があります。

 

万が一火災が起きても、加熱発泡剤が炎の熱で10倍に膨らみ、隙間を塞ぎます。

 

※画像出典:スウェーデンハウスHP ※画像外はユーム参考情報

 

このようにスウェーデンハウスでは、木製サッシに強いこだわりがあります。

 

まずは防火窓も木製サッシになる、ということを抑えておいてください。

 

木製サッシの特徴は、7.省エネ・断熱性を比較で詳しく紹介します。

 

最後に耐火建築の実績です。

 

こちらは残念ながら詳細な公表はありませんでした。

 

ただし商品は3階建てまでとなります。

 

 

5−3.三井ホームとスウェーデンハウスの火災保険

 

三井ホームとスウェーデンハウスの火災保険料も確認しておきましょう。

 

まずは結論です。

 

結論

両社とも標準仕様で省令準耐火構造を満たしているため、火災保険料は同等

 

両社の火災保険料は、一般的な木造住宅の半額以下、鉄骨住宅とは同等

 

ただし具体的な金額を明示している三井ホームの方が信憑性が高い

 

 

先に省令準耐火構造について覚えておきましょう。

 

省令準耐火構造とは、住宅金融支援機構が定める基準に適合する住宅のことを指します。

 

フラット35の金利優遇火災保険料が割引となります。

 

ここで都心エリアなどの建築でよく耳にする準耐火構造や耐火構造となにが違うのか?

 

もう少し補足します。

 

省令準耐火構造は、住宅金融支援機構が定める基準に適合した住宅です。

 

つまり必ずしも建築基準法の基準に適合した準耐火構造ではないということです。

 

一方で都心部などに該当する準防火地域や防火地域では、建築基準法の基準に適合した準耐火構造や耐火構造でないといけません。

 

では三井ホームとスウェーデンハウスの火災保険料についてもう少し詳しくみていきましょう。

 

両社とも標準仕様で省令準耐火構造のため、一般的な木造住宅よりも火災保険料が安くなります。

 

一般的に保険会社としては、防火性能が低い住宅に保険料を安く提供するのは当然リスクがありますよね。

 

つまり火災保険料がお得ということは、それだけ防火性能が高いと認められているということです。

 

省令準耐火構造であれば火災保険料は割引されるため、両社同等と言えます。

 

ただし具体的な参考金額を明示しているのは三井ホームのみでした。

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

具体的な金額は、建物保険金額3,000万とした場合、一般住宅688,250円に対して、半額以下の305,740円としています。

 

スウェーデンハウスは参考金額の明示はありませんでした。

 

※画像出典:スウェーデンハウスHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

6.耐久性を比較

 

家の耐久性はハウスメーカー選びの決め手のひとつにされる方が多い重要なポイントです。

 

三井ホームとスウェーデンハウスの耐久性はどうでしょうか?

 

先に結論です。

 

 

結論

基礎

基礎強度や基礎表面の中性化対策の明示がある三井ホームの方が安心

 

外壁

外壁・下地材ともに耐久性は三井ホームの方が高い

 

防水

屋根防水は耐用年数を明示している三井ホームの方が信憑性が高い

 

バルコニー防水は両社とも詳細な公表無し

 

外壁・下地材の防水自体の耐用年数は、両社とも公表無し

ただし下地材の防水性を明示している三井ホームの方が信憑性が高い

 

壁内の防水対策は、防水シートを貫通する釘穴シール性や壁内通気工法の位置などにより、三井ホームの方が防水性は高い

 

壁内結露・湿気対策

両社結露になりにくい

 

湿気対策もとれている

 

防蟻

両社とも入念な防蟻対策ができている

 

三井ホームは、構造材だけでなく基礎周辺のシロアリの対策もしている

 

スウェーデンハウスの防蟻処理は半永久的に効果を持続できる

 

 

もう少し具体的に下の枠でまとめました。

 

後ほど詳細をお伝えしていきますので、こちらは ざっと 見るだけで大丈夫です。

 

 

三井ホーム

スウェーデンハウス

基礎

コンクリート強度24N/m㎡

※耐久設計基準強度上は耐用年数65年

 

鉄筋量は従来比の約2倍

 

公表無し

外壁

(外壁材・外壁下地材)

外壁下地材「BSW」は防水・衝撃に強い

公表無し

防水

■屋根防水

耐用年数30年以上

 

釘穴シール性が高い「Mルーフィング」を使用

■外壁防水

釘穴シール性が高い「VFフェルト」を使用

 

公表無し

壁内結露・湿気対策

通気層役割を果たす「VFフェルト」を使用

 

一般的な通気工法を採用

防蟻

公表無し

※10年毎の防蟻処理が必要

 

公表無し

※10年毎の防蟻処理が必要

 

耐久性というと、メンテナンス費用を気にされる方が多いのではないでしょうか?

 

たしかにメンテナンス費用はとても重要です。

 

住んで10年、20年経ってからものすごい金額のメンテナンス費用がかかってしまったという話も少なくありません。

 

では費用が高いメンテナンス工事とはどのようなものでしょうか?

 

これは主に外壁屋根の塗替え・張替え防水基礎補修工事が該当します。

 

外壁や屋根などの構造材は定期的なメンテナンスをしていないと、湿気の侵入や漏水など、構造躯体の劣化を早める原因となります。

 

そのために定期的なメンテナンスを行い、これらのトラブルを未然に防ぐのです。

 

これは後に紹介する保証にも関わってくる内容です。

 

しかしただ単にメンテナンス工事をしていれば、家が本当に長持ちするかどうかはわかりません。

 

そこで重要なのが構造躯体や外壁塗装、防水など主要構造材の耐用年数です。

 

 

耐用年数が長いということは、構造躯体の劣化を抑え耐震性能や断熱性能を維持できるということです。

 

また耐用年数が長い仕様を採用している住宅メーカーは、長期に渡る保証制度を取っていることが多いです。

 

そのためメンテナンス工事の頻度も少ないことが多いです。

 

ここでみなさんにお伝えしたいのは、定期的なメンテナンスと主要構造躯体の耐用年数は、新築時の耐震性能や断熱性能をどれだけ劣化せずに長持ちできるのかの重要な指標です。

 

では両社の耐久性を具体的に比較していきましょう。

 

 

6−1.基礎の耐久性

 

基礎の耐久性は、中性化による劣化対策が重要です。

 

まずは結論です。

 

基礎強度や基礎表面の中性化対策の明示がある三井ホームの方が安心

 

 

両社の基礎耐久性の特徴はこちらです。

 

 

三井ホーム

スウェーデンハウス

基礎構造

ベタ基礎

布基礎

※地盤調査によってベタ基礎の場合も有り

コンクリート強度

24N/m㎡

※耐久設計基準の耐用年数は65年

公表無し

立ち上がり幅

170mm

150mm

鉄筋のかぶり厚

公表無し

公表無し

基礎のコーティング

中性化防止効果があるMFコートワン/プロテクターを使用

 

中性化とは、アルカリ性であるコンクリートが雨や紫外線に曝されることにより、大気中の二酸化炭素と反応して徐々にアルカリ性を失っていく現象です。

 

つまり中性化が進行すると、コンクリートの強度が落ちます。

 

具体的にはコンクリート内部の鉄筋が錆びて膨張し、ひび割れを起こします。

 

そしてこの錆びが進行すると、コンクリート剥離を引き起こします。

 

ここで基礎の中性化防止(耐久性維持)に重要な4つの対策をお伝えします。

 

それは

 

・基礎の強度を上げる

 

・鉄筋のかぶり厚(鉄筋とコンクリートの間の厚み)を大きくする

 

・基礎の表面をコーティングする

 

・正しく施工する

 

です。

 

この4つについてもう少し詳しく解説します。

 

1つ目は基礎の強度です。

 

先に結論です。

 

みなさんが各社の基礎強度を✔する際には、24N/m㎡(ニュートン・パー・ヘイホウミリメートル)以上かどうかを確認しましょう。

 

 

基礎は、

 

・コンクリートのセメント量を増やす

 

・コンクリートの密度を上げる

 

・鉄筋の太さや量を増やす

 

この方法で強度が上がります。

 

コンクリートは、主に水とセメント(実際には砂利や砂も含む)で構成されています。

 

この比率をセメント水比と呼び、下図のようにセメントの比率が大きくなるほど強度が上がります。

 

※上の画像出典:株式会社アールデザインHP ※画像外はユームの参考情報

 

コンクリートの密度は、骨材や砂・砂利の配分で変わります。

 

コンクリートの硬化には、水とセメントが必要です。

 

化学反応でできた水和物がセメント粒子の隙間を埋めることにより硬化します。(下図参照)

 

しかしこの水和物が隙間を全て埋めるわけではありません。

 

この隙間は骨材や砂・砂利で埋めます。

 

つまり骨材や砂・砂利の配合により、密度が高くなる(隙間が減る)=強度が増します。

 

※上の画像出典:日本大学 コンクリート工学研究室資料 ※画像外はユームの参考情報

 

日本建築学会では、これらの強度を耐久設計基準強度:N/m㎡(ニュートン・パー・ヘイホウミリメートル)で表し、その数値によって耐用年数を明示しています。

 

※上の画像出典:株式会社アールデザインHP ※画像外はユームの参考情報

 

一般的には中期(65年)の24N/m㎡以上あれば、強度があると言えます。

 

鉄筋の量や太さによっても基礎の強度は変わります。

 

鉄筋の太さや量は、なんとなくイメージしやすいのではないでしょうか?

 

下図のように鉄筋量が違うだけでどちらが強そうかは一目瞭然かと思います。

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

鉄筋は、基礎の骨組みになる部分です。

 

量が増えれば骨密度が高くなる = 強固になります。

 

太さが厚くなればその分骨太になる = 強固になります。

 

2つ目に鉄筋のかぶり厚です。

 

まずは結論です。

 

かぶり厚は、設計上も現場施工上も、少なくとも40mm以上はあるか確認しましょう。

 

 

鉄筋のかぶり厚とは、下図のような基礎立上り部分の鉄筋に対するコンクリートの厚みを指します。

 

※上の画像出典:日経クロステック ※画像外はユームの参考情報

 

中性化すると、基礎の強度が落ちます。

 

その中性化の進行は、コンクリート表面から鉄筋内部に侵食していきます。

 

つまりコンクリートの厚み(鉄筋のかぶり厚)があるほど、鉄筋が侵食されるのを遅らせることができます。

 

このかぶり厚は少なくとも40mm以上、できればそれ以上あると良いです。

 

3つ目は基礎表面のコーティングです。

 

結論として、

 

同じかぶり厚なら、コーティング有りの方がが長持ちします

 

 

基礎の中性化は、コンクリートの表面から侵食していきます。

 

これを抑制する中性化防止塗料を塗布することにより劣化を抑えます。

 

※上の画像出典:住まいの外装リフォーム ガイソーHP ※画像外はユームの参考情報

 

このような対策をしているかどうかは是非✔してください。

 

4つ目は正しく施工するです。

 

これはわかりますよね。

 

当たり前ですが、基礎は建物を支える重要な部分です。

 

正しく施工されていないと、十分な強度が足りず、大きな地震による倒壊の原因になります。

 

以上の4つが重要な対策となります。

 

では両社の具体的な対策をみていきましょう。

 

ただし今回は正しく施工できている前提とし、上記3つを中心にみていきましょう。

 

 

6−1−1.三井ホームの基礎耐久性

 

まずは結論です。

 

結論

基礎耐用年数の公表無し

 

ただし中性化防止対策の詳細な明示があるため、耐久性の信憑性は高い

 

 

基礎の具体的な特徴はコチラです。

 

 

特徴

基礎構造

独自のベタ基礎「マットスラブ」

コンクリート強度

24N/m㎡ ※耐久設計基準の耐用年数は65年

立ち上がり幅

170mm

鉄筋のかぶり厚

公表無し

基礎コーティング

MFコートワン/プロテクターを使用

 

基礎は、建物構造と同じくらい重要です。

 

なぜなら建物が損傷しなくても、基礎自体が崩壊してしまえば倒壊の危険性があるからです。

 

三井ホームに限らずほとんどのハウスメーカーの実大耐震実験は基礎無しです。

 

そのため大きな地震を想定した実大建物の基礎強度はわかりません。

 

ここでは三井ホームの基礎仕様を、3つの重要点と照らし合わせながら、その耐久性についておさえていきましょう。

 

はじめに三井ホーム独自のベタ基礎「マットスラブ」について簡単に紹介します。

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

ベタ基礎とは、立ち上り部分と床一面を鉄筋コンクリートで覆い、一体化させた基礎工法です。

 

三井ホームのマットスラブの大きな特徴は3つです。

 

鉄筋量を従来の約2倍以上※1にした高密度配筋

※1東北地方太平洋沖地震以前の標準仕様比

 

コンクリート強度24N/m㎡(ニュートン・パーヘイホウミリメートル)とした高強度コンクリート

 

敷地や地盤強度に合わせた基礎設計、オリジナル構造計算システム「CASC-F」

 

 

これらは後にお伝えする中性化対策にも繋がる内容です。

 

ではこれらの特徴をみながら、基礎の耐久性に重要な3点をみていきましょう。

 

1つ目は基礎の強度です。

 

三井ホームのマットスラブは24N/m㎡です。

 

しかし耐用年数の公表はありません。

 

ここで日本建築学会による耐久設計基準強度にて、三井ホームの基礎強度をみてみましょう。

 

耐久設計基準強度とは、簡単に言うとコンクリートがどれだけ圧縮に耐えられるかです。

 

基礎強度の一つの指標です。

 

例えば、9.8N/m㎡(ニュートン・パー・ヘイホウミリメートル)の場合は、1m㎡あたり9.8N(=1kg)の圧縮に耐えられるということになります。

 

24N/mm2であれば、1m㎡あたり2.4kg、1c㎡あたり240kgに耐えられます。

 

コンクリートの耐久設計基準強度24N/mm2で大規模補修不要期間は約65年です。

 

つまり三井ホームの基礎は耐用年数65年程度であると予想されます。

 

この強度は、一般的な工務店や中堅メーカーと比較すると高い強度です。

 

ただし大手他社と比較すると特別な仕様ではありません。

 

鉄筋の量は従来の2倍としています。

 

こちらは東北地方太平洋沖地震以前の標準構造からのバージョンアップです。

 

残念ながら鉄筋の太さなど詳細な公表はありませんでしたが、下図をみると非常に量が多いことは一目瞭然かと思います。

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

2つ目は鉄筋のかぶり厚です。

 

こちらの仕様は、残念ながら詳細な公表はありませんでした。

 

ただし基礎の立ち上がり幅の大きさから、かぶり厚は、大手他社の中で高い水準であることが予想されます。

 

かぶり厚とは、簡単にお伝えすると基礎の中の鉄筋とコンクリート表面までの距離です。

 

この厚みがあるほど、コンクリート表面から鉄筋まで距離があるため、錆びにくくなります。

 

三井ホームの基礎立ち上がり幅(コンクリート立上り部分の厚み)は170mmです。

 

大手他社は160mmとしているところが多いです。

 

150mmの住宅メーカーもあります。

 

それらと比較すると、三井ホームは幅に厚みがある分、かぶり厚も確保できていると言えます。

 

3つ目は基礎表面のコーティングです。

 

三井ホームは独自のコーティングをしています。

 

基礎外周部には、中性化防止のコーティング「MFコートワン/プロテクター」を使用しています。

 

耐久試験では、30年相当で中性化進行0mmを実証しています。

 

ちなみに基礎表面の中性化対策をHPやカタログで公表しているのは三井ホームのみです。

 

この点は会社が透明性をもって公表しているので非常に好感が持てます。

 

最後に補足です。

 

本来、間取りや地盤によって基礎も最適な設計をするべきですよね。

 

三井ホームはそれを設計士一人の経験値ではなく、システム的に可能としています。

 

間取りや地盤強度に合わせて、お住まいごとに最適な基礎の設計ができるシステムを構築しています。

 

それが、オリジナル構造計算システム「CASC-F」です。

 

※上の画像出典:建築ブログ:三井ホームで建てる理想の家 ※画像外はユームの参考情報

 

このシステムにより、建物荷重がかかりやすい部分には鉄筋を増やすなど、建物全体でバランスよく荷重をかけて耐久性を維持する工夫をしています。

 

今までのノウハウを結集し、最適な基礎設計をしてくれるので、より安心です。

 

ここで補足として、基礎と床の間に施工される鋼製束について少し触れておきます。

 

鋼製束は床を支える大事な構造材です。

 

錆(さび)対策をきちんと行っていないとその機能を果たさなくなります。

 

こちらも重要な部分ですのでおさえておきましょう。

 

錆対策の溶液をドブ付けしているだけだったり、その塗膜層が薄いと耐久性が落ちます。

 

三井ホームは、電柱金具等の表面処理に用いられる溶融亜鉛めっき電解溶着で錆び対策を行い、かつその厚みを増しています。

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

 

6−1−2.スウェーデンハウスの基礎耐久性

 

スウェーデンハウスもみてみましょう。

 

まずは結論です。

 

結論

基礎耐用年数の公表無し

 

標準仕様の布基礎は同じ基礎採用の大手と比べると一般的と言わざるを得ない

 

オプションのベタ基礎の耐久性も公表無し

 

 

基礎の具体的な特徴はコチラです。

 

 

特徴

基礎構造

布基礎 ※地盤調査によってベタ基礎の場合有り

コンクリート強度

公表無し

立ち上がり幅

150mm

鉄筋のかぶり厚

公表無し

基礎コーティング

公表無し

 

スウェーデンハウスは残念ながら基礎の詳細な公表ほとんどありませんでした。

 

会社のHPやカタログにも一切の公表がないのは非常に残念です。

 

ここからはユーム独自に入手した情報をもとにお伝えします。

 

(基礎仕様が変更されている可能性があるため、詳細は営業担当者にご確認ください。)

 

スウェーデンハウスの標準基礎布基礎です。

 

地盤強度によってはオプション仕様ベタ基礎も用意されています。

 

まずスウェーデンハウスが標準採用している布基礎についておさえておいたほうが良いです。

 

布基礎とは、逆T型の断面形状をした鉄筋コンクリートを連続させる基礎工法です。

 

下図のような逆T型になっている鉄筋コンクリート部分で建物の荷重を支えます。

 

ベタ基礎のような表面も鉄筋コンクリートを打設し、広い範囲で建物の荷重を支えるのに対して、布基礎は逆T型部分で集中的に支えるのが特徴です。

 

※上の画像出典:注文住宅の教科書HP ※画像外はユームの参考情報

 

ここでスウェーデンハウスの基礎仕様に気になる点があるので先にお伝えします。

 

それは建物構造と基礎の力(荷重)のかかり方が違うことです。

 

スウェーデンハウスの建物はモノコック構造(箱のような6面体の面構造)です。

 

モノコック構造の特徴は、面全体で力を分散することです。

 

三井ホームなど木造のモノコック構造の会社は、基礎も面構造であるベタ基礎を標準仕様にすることが多いです。

 

つまり、構造も基礎もなるべく一体として、荷重や地震動を地盤面に分散させています。

 

ベタ基礎は布基礎に比べて面で支えているため、不同沈下にも強いとされています。

 

シロアリのアタックにも、ベタ基礎の方が強いとされています。

 

気になる方は、オプションであるベタ基礎を選ぶと良いかと思います。

 

コストアップとなっているようですが、モノコック工法との親和性が高いと言えます。

 

それでは三井ホーム同様に重要な3つについて詳しくみていきましょう。

 

まずは基礎の強度です。

 

残念ながら具体的な強度の数値や耐用年数の公表はありませんでした。

 

三井ホームは基礎仕様や中性化対策の具体的な明示があるため、スウェーデンハウスよりも信憑性があります。

 

もう少し深堀りしてみましょう。

 

同じ布基礎の積水ハウスの木造シャーウッド(SW)との比較の方がわかりやすいかと思います。

 

スウェーデンハウスの基礎の主筋は16mmです。

 

積水ハウスSWの主筋は上下とも19mmです。

 

スウェーデンハウスよりも、厚い鉄筋を採用しています。

 

※上の画像出典:積水ハウスHP ※画像外はユームの参考情報

 

主要な建物構造と基礎を緊結するアンカーボルトの太さは、強度及び耐久性に影響があるとされています。

 

スウェーデンハウスのアンカーボルトの太さは公表はありませんでしたが、積水SWはM24というとても太いものを採用しています。

 

基礎の底盤もスウェーデンハウスは一般的な布基礎ですが、積水SWは力を半円形で分散する構造となっています。

 

これらの点から、同じ布基礎でも積水の方が強度も高いと言えます。

 

基礎の耐久性において2つ目の重要事項、鉄筋のかぶり厚に関してです。

 

詳細な公表はありませんが、一般的な住宅メーカーレベルと予想されます。

 

基礎の立ち上がり幅が150mmだからです。

 

3つ目の重要事項、基礎表面のコーティングについても残念ながら詳細な公表がありませんでした。

 

これらの点をみると、スウェーデンハウスの標準の基礎仕様は一般的であると言わざるを得ません。

 

 

6−2.外壁の耐久性

 

全国のみなさんから、よく外壁の汚れ対策の相談を受けます。

 

両社の外壁の耐久性を比較してみましょう。

 

最初に結論です。

 

結論

外壁、下地材ともに耐久性は三井ホームの方が高い

 

具体的なメンテナンスコストの明示がある三井ホームの方が透明性が高い

 

 

具体的な特徴はコチラです。

 

 

三井ホーム

スウェーデンハウス

耐用年数

外壁下地材の公表無し

※外壁塗装は20年毎に必要

外壁下地・外壁塗装ともに公表無し

標準外壁

高級感ある吹付け仕上げ

サイディング外壁

特徴

独自の外壁下地はブロック&シームレスウォール(BSW)を使用

 

独自のモルタル材「スーパーファインクリート」はひび割れしにくい

 

また防水・防火・耐衝撃に強い

詳細な公表無し

※実例をみると、東レorニチハの外壁材を使用

 

外壁の耐久性というと、汚れを気にされる方が多いのではないでしょうか?

 

確かに塗り替えにはメンテナンス費用がかかりますよね。

 

外壁の塗り替えは、足場を組んで家全体の広範囲にわたる作業となります。

 

一般的に10年から20年ごとに100万円前後の費用がかかります。

 

ただ、タイルやサイディング、吹付けなどの表層の塗り替えだけで比べるのではなく、外壁の下地などトータルで耐久性を比較することも重要です。

 

なぜなら地震による大きな揺れでは、外壁下地の損傷リスクもあるからです。

 

一見外壁の表層に問題なくても、外壁下地が損傷、劣化していればいずれ表層にもその影響を及ぼします。

 

それでは、具体的に両社の外壁の耐久性をみてみましょう。

 

 

6−2−1.三井ホームの外壁耐久性

 

三井ホームは、モルタル吹付け仕上げが標準仕様です。

(一部吹付け材や仕上げの方法によってオプション仕様も有り)

 

まずは結論です。

 

結論

外壁下地の耐用年数の公表無し ※外壁塗装は20年毎に必要

 

ただし耐水・防火・耐衝撃性に強い

 

 

具体的な特徴はコチラです。

 

 

特徴

耐用年数

外壁下地材の公表無し

※外壁塗装は20年毎に必要

標準外壁

高級感ある吹付け仕上げ

性能

独自の外壁下地はブロック&シームレスウォール(BSW)を使用

 

独自のモルタル材「スーパーファインクリート」はひび割れしにくい

 

また防水・防火・耐衝撃にも強い

 

外壁下地の耐用年数は残念ながら詳細な公表がありませんでした。

 

しかし三井ホームの外壁下地は特筆すべき点があります。

 

三井ホームは独自のモルタル外壁下地ブロック&シームレスウォールを採用しています。

 

その下地に使われているモルタルは、独自の「スーパーファインクリート」です。

 

このスーパーファインクリートが特筆すべき点です。

 

大きな特徴はひび割れを起こしにくいことです。

 

一般的な住宅で使われているモルタルとの違いは、配合方法です。

 

モルタルは配合方法によって目には見えない隙間ができます。

 

そしてこの隙間が多いほどひび割れリスクが高くなります。

 

三井ホームのスーパーファインクリートは、独自配合によって隙間の少ない(細密充填)モルタルを形成しています。

 

そのためひび割れを起こしにくいです。

 

またモルタル自体の特徴である目地のないシームレスな構造です。

 

そのため目地の劣化による湿気侵入リスクなども少ないです。

 

三井ホームのブロック&シームレスウォールは、他にも防火性や防水性、耐衝撃性に強い特徴もあります。

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

ここでは耐衝撃性についてもう少し詳しくみていきましょう。

 

耐衝撃性とは、簡単に言うと外からの衝撃に耐えられる性能です。

 

例えば地震による被害でこの性能が重要となるケースがあります。

 

それは大きな地震で隣家や木、電柱などが倒れてくる場合です。

 

大きな被害となった場合、その後の大きな余震が続くなか住み続けられなくなります。

 

そのため大きな衝撃に耐えられる建物であることも重要です。

 

三井ホームのブロック&シームレスウォールは、8㎏の鉄の塊を落としても受け止めることができる高い衝撃性を実証しています。

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

防火性は5-2.外部出火の防火性能で、耐水性に6-3.防水性能で詳しくわかります。

 

外壁塗装については、残念ながら塗装の耐用年数の公表はありませんでした。

 

ただし三井ホームでは60年間にかかるメンテナンスを会社資料として明示しています。

 

こちらをみると20年目と40年目の再塗装をおすすめとしています。

 

そのため耐用年数は20年以上であることが予想されます。

 

ちなみに大手他社で30年以上の耐用年数を明示しているところもあるため、決して特別な仕様ではありません。

 

保証については、9.保証・アフターメンテナンスを比較で詳しく紹介します。

 

 

6−2−2.スウェーデンハウスの外壁耐久性

 

続いてスウェーデンハウスをみてみましょう。

 

スウェーデンハウスはサイディング外壁が標準仕様です。

 

まずは結論です。

 

結論

外壁下地・外壁材に関する詳細な情報は公表なし

 

 

具体的な特徴はコチラです。

 

 

特徴

耐用年数

外壁下地・外壁塗装ともに公表無し

標準外壁

サイディング外壁

性能

詳細な公表無し

※実例をみると、東レorニチハの外壁材を使用

 

残念ながら標準外壁であるサイディング仕様の詳細な公表はありませんでしたので割愛させていただきます。

 

ただし実例をみると東レもしくはニチハの外壁材が標準仕様となっているようです。

 

これらの外壁材は他社でも採用されているため、特別な仕様ではありません。

 

最新の情報は、営業担当にご確認ください。

 

6−3.防水性能

 

言うまでもなく、家を長持ちさせるには防水性能も重要ですよね。

 

では、先に結論です。

 

 

結論

防水性能

屋根防水は耐用年数を明示している三井ホームの方が信憑性が高い

 

バルコニー防水は両社とも詳細な公表無し

 

外壁・下地材の防水自体の耐用年数は、両社とも公表無し

ただし下地材の防水性を明示している三井ホームの方が信憑性が高い

 

壁内の防水対策は、防水シートを貫通する釘穴シール性や壁内通気工法の位置などにより、三井ホームの方が防水性は高い

 

壁内結露・湿気対策

両社とも壁内結露の心配は少ない

 

湿気対策も取れている

 

 

両社の具体的な特徴はコチラです。

 

防水性能

 

三井ホーム

スウェーデンハウス

屋根・バルコニー防水

耐用年数30年以上

 

止水性が高い独自の防水シート「Mルーフィング」を使用

 

バルコニー防水の詳細な公表無し

※※標準仕様は一般的なFRP防水独自よりも耐久性が高い

詳細な公表無し

外壁・下地材

外壁・下地材の防水自体の耐用年数は公表なし

 

独自のモルタル下地スーパーファインクリートは吸水率が1/3以下

 

シームレス構造のためつなぎ目がない

詳細な公表無し

防水シート

通気層の外側に独自の防水シート「VFフェルト」を使用

 

止水性が高い

 

防水シートの固定穴から水分が侵入しても、内側の通気層で湿気を逃がせる

通気層の内側に防湿シートを施工

詳細な公表無し

壁内結露・湿気対策

 

三井ホーム

スウェーデンハウス

湿気対策

防水シートの内側に独自の通気層を採用

防水シートの外側に一般的な通気工法を採用

結露対策

従来より断熱性を高めているため結露となる温度帯になりにくい

 

壁内結露と関係する構造躯体の耐用年数75年以上と公表

従来より断熱性を高めているため結露となる温度帯になりにくい

 

壁内結露と関係する構造躯体の耐用年数の公表無し

 

大手や有名なハウスメーカーであれば、どこも防水性能は一緒と思っている方も多いのではないでしょうか?

 

確かにどの会社も防水シートを採用して同じように見えます。

 

ただし、とても重要な違いがあります。

 

こちらではそれがわかります。

 

そして防水性能と同様に、重要なのは壁内結露対策です。

 

結露と言えば、冬の窓に水滴がたくさんつく現象をみなさんイメージされるかと思います。

 

壁内結露は、室内の水分を含んだ空気(水蒸気)が、外部の冷たい空気によって冷やされた素材に触れて、水滴(水分)となって現れる現象です。

 

今まで結露しなかった気体が壁の中の冷たい(露点温度に達した)素材に触れることで、結露するわけです。

 

一般的に、屋内と屋外を隔てる住宅の壁は、断熱材や構造材が入り混じり、結露となる温度帯(露点温度)となりやすいです。

 

壁内で結露が発生すれば

 

・構造材が劣化する

 

・断熱効果が落ちる

 

・カビの胞子が発生し、人体に悪影響となる

 

といったさまざまなマイナス面があります。

 

では両社の防水と壁内結露対策をみていきましょう。

 

 

6−3−1.三井ホームの防水性能

 

まずは結論です。

 

 

結論

防水性能

屋根防水は、止水性が高い防水シートであることを具体的に明示しているため、耐久性の信ぴょう性が高い

 

外壁の防水は、外壁・下地材の防水自体の耐用年数は公表なし

ただし独自のモルタル下地スーパーファインクリートは撥水性が高い

 

外壁の防水は止水性が高い「VEフェルト」を使用

ディティール部分も工夫していて安心

 

壁内結露・湿気対策

結露となる露点温度になりにくいので安心

 

壁内外に3重の湿気対策をしており安心

 

 

具体的な特徴はコチラです。

 

防水性能

屋根・バルコニー防水

屋根防水の耐用年数30年以上

 

止水性が高い独自の防水シート「Mルーフィング」を使用

 

バルコニー防水の詳細な公表無し

外壁・下地材

外壁・下地材の防水自体の耐用年数は公表なし

 

独自のモルタル下地スーパーファインクリートは吸水率が1/3以下

 

シームレス構造のためつなぎ目がない

防水シート

通気層の外側に独自の防水シート「VFフェルト」を使用

 

止水性が高い

壁内結露・湿気対策

湿気対策

防水シート「VFフェルト」の内側に独自の通気層を採用

 

外部からの湿気VFフェルトが防ぐ

 

内部からの湿気ベーパーバリアが防ぐ

壁内結露

従来より断熱性を高めているため結露となる温度帯になりにくい

 

壁内結露と関係する構造躯体の耐用年数75年以上と公表

 

それでは防水性能と結露対策について具体的にみていきましょう。

 

■屋根防水・バルコニー防水

 

はじめに屋根・バルコニー防水です。

 

屋根防水の耐用年数については、残念ながら詳細な公表がありませんでした。

 

まずは結論です。

 

結論

屋根防水は、止水性が高い防水シートであることを具体的に明示しているため、耐久性の信ぴょう性が高い

 

バルコニー防水は詳細な公表無し

 

 

具体的な特徴はコチラです。

 

 

特徴

屋根防水

屋根防水の耐用年数30年以上

 

止水性が高い独自の防水シート「Mルーフィング」を使用

バルコニー防水

詳細な公表無し

 

※標準仕様は一般的なFRP防水独自よりも耐久性が高い

 

三井ホームの屋根防水シートは、独自の「Mルーフィング」を使用しています。

 

一般的な原料はアスファルトですが、Mルーフィングは改質アスファルトです。

 

主な特徴は3つです。

 

1つ目は、「釘穴シール性が高く、漏水に強い」です。

 

屋根は外壁以上に漏水の危険が高いです。

 

これはみなさんもわかりますよね。

 

一番雨に晒される場所であり、防水シートの上部は屋根材(瓦やスレート)のため、外気の影響も受けやすいです。

 

通常、防水シートはホチキスのようなタッカーというもので穴を空けて、木材に止めます。

 

その穴から水が侵入するリスクもあります。

 

つまり外壁よりも遥かに雨に濡れやすいため、タッカー穴対策が非常に重要ですし、外気温の影響で劣化してしまっては元も子もありません。

 

三井ホームの「Mルーフィング」は、釘と防水シートの密着度(釘穴シール性)が高いため、タッカー穴からの漏水を防ぎます。

 

下図のように具体的な実験でも実証しています。

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

2つ目は、「寒さに強い」です。

 

耐候性も高く、-5℃以上でも破断しません。

 

しかし一般的なアスファルトルーフィングは「10℃以上で破断しない」という基準のため、裏を返せば10℃以下になると破断のリスクがあるということです。

 

日本の冬の気温を考えると不安ですよね。

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

3つ目は、「耐久性が高い」です。

 

上図のとおり、耐久性は30年以上としています。

 

独立行政法人建築研究所によると一般的な改質アスファルトルーフィングは20年※ほどです。

 

画像出典:「建築物の長期使用に対応した外装・防水の品質確保ならびに維持保全手法の開発に関する研究」2013年 独立行政法人建築研究所及び国土交通省研究員ほかまとめ

 

同じ改質アスファルトでも配合などにより、さらに耐久性が高いものを採用しているとのことで、より安心かと思います。

 

最後にバルコニーの防水です。

 

こちらは詳細の公表はありませんでしたが、標準仕様は一般系なFRP防水を独自の工夫で耐久性を高めたもののようです。

 

FRPとは、樹脂とガラス繊維の複合素材で、軽くて耐水性や耐久性に優れています。

 

ただそれだけだと耐久性に落ちるので、バルコニー部は複層の防水施工をしているとのことです。

 

 

■外壁防水

 

外壁の防水性についてもみておきましょう。

 

まずは結論です。

 

結論

外壁・下地材の防水自体の耐用年数は、両社とも公表無し

ただしモルタル下地「スーパーファインクリート」は防水性が高い

 

外壁の防水対策は、釘穴シール性が高い「VFフェルト」と壁内通気の位置により、高い防水性能がある

 

 

具体的な特徴はコチラです。

 

 

特徴

外壁・下地材

外壁・下地材の防水自体の耐用年数は公表なし

 

下地で使われる独自のモルタル材「スーパーファインクリート」は吸水率が1/3以下

 

シームレス構造のためつなぎ目がない

防水シート

通気層の外側に独自の防水シート「VFフェルト」を使用

 

止水性が高い

 

防水シートの固定穴から水分が侵入しても、内側の通気層で湿気を逃がせる

 

外壁も台風や大雨により、表層から下地材へ水滴が侵入するリスクがあります。

 

例えば外壁に小さな亀裂があったり、モルタル下地やサイディングの目地がひび割れをしていると、その小さな隙間から水滴は侵入します。

 

そしてこの水滴が結露の原因のひとつにもなります。

 

三井ホームは、外壁・下地材の防水自体の耐用年数は、残念ながら詳細な公表がはありませんでした

 

ですが、外壁下地で使われる独自のモルタル材「スーパーファインクリート」と壁内の防水シートは「VFフェルト」は特筆すべき点ですので、こちらで紹介します。

 

まずはモルタル材「スーパーファインクリート」です。

 

スーパーファインクリートは、三井ホーム独自で配合された隙間の少ないモルタル材です。

 

この隙間自体は目には見えない微粒子に近い大きさです。

 

しかしこのわずかな隙間から水分の侵入リスクやひび割れのリスクといった劣化の原因が生まれます。

 

三井ホームではスーパーファインクリートの防水実験をしています。

 

その結果、一般的な木造に使われているモルタルと比べて、収縮率も吸水率も1/3以下に抑制します。

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

とはいえ壁内に水分が入ってしまった場合の対策はどうしているのか。

 

これは独自の防水シート「VFフェルト」で対策されています。

 

これがすぐれものです。

 

通常、防水シートはホチキスのようなタッカーというもので穴を空けて、木材に止めます。

 

その穴から壁内に水分が侵入するわけです。

 

三井ホームのVFフェルトは、透湿抵抗、止水性が高い防水シートです。

 

そのため小さな穴からの水分の侵入も防ぐ機能がついています。

 

さらに万が一水分が侵入しても防水シートの内側に通気層があるため、湿気を逃してくれるのでより安心です。

 

※上の画像出典:All About20th 住宅・不動産 ※画像外はユームの参考情報

 

通気層の詳細は、すぐ下の壁内結露・湿気対策で詳しくお伝えします。

 

 

■壁内結露・湿気対策

 

三井ホームは壁内結露・湿気対策にこだわりの工夫しています。

 

まずは結論です。

 

結論

結露となる露点温度になりにくいので安心

 

壁内外に3重の湿気対策をしており安心

 

 

具体的な特徴はコチラです。

 

 

特徴

湿気対策

防水シート「VFフェルト」の内側に独自の通気層を採用

 

外部からの湿気VFフェルトが防ぐ

 

内部からの湿気ベーパーバリアが防ぐ

結露対策

従来より断熱性を高めているため結露となる温度帯になりにくい

 

壁内結露と関係する構造躯体の耐用年数75年以上と公表

 

こちらを詳しく見ていく前に、まずはそもそも壁内結露対策に重要な断熱性をおさえておきましょう。

 

よく断熱材グラスウールは、ロックウールや発泡系の断熱材と比較して湿気に弱いから結露しやすいと言う設計士もいます。

 

それは間違った知識です。

 

結露は、壁の中の素材が冷え(露点温度となり)、そこに水蒸気量がある暖かい空気が触れると結露となり(露点温度となり)ます。

 

つまり、壁の中、特に重要な構造材付近を冷やさないことが重要となります。

 

三井ホームの断熱性は業界TOPではありません。

 

ただし、断熱性を表すUA(ユーエー)値は、寒冷地仕様が標準となっています。

 

露点温度に達しにくく、壁内結露となりにくいと言えます。

 

強いて言えば、床と1階や1階と2階を接合する金物が外側にあり、それが冷えることです。

 

防水層の内側の湿気対策をすることで、重要な構造用合板の不朽や構造材を外部から繋ぎ止める金物の錆を抑えています。

 

またその外部金物自体の錆対策も念入りに行っています。

 

※上の画像出典:建築ブログ「ucchi- 物語方式」 ※画像外はユームの参考情報

 

それでは、三井ホームの壁内結露・湿気対策を具体的にみていきましょう。

 

外部の湿気対策は、独自の防水シート「VFフェルト」を使用しています。

 

VFフェルトは、防水シートの内側(壁に貼る側)にドット上の突起を設け、壁内からの湿気をスムーズに排出できるように工夫しています。

 

つまり外部からの湿気をブロックし、湿気が侵入した場合はドット状の隙間から湿気を拡散・排出するという二重の対策をしています。

 

防水シートは、一般的にタッカー(建築用のホッチキス)で止めるため、小さいとは言え、穴をあけることになり湿気の侵入リスクがあります。

 

VFフェルトは、タッカーによる小さな穴からの湿気の侵入があっても、内側に通気を設けているのでより安心と言えます。

 

このVFフェルトは、国土交通大臣特別認定により、通気工法と同等の性能が認められています。

 

さらに、一般的な防水紙(アスファルトフェルト)の30倍の透湿抵抗をもっています。

 

※上の画像出典:All About20th 住宅・不動産 ※画像外はユームの参考情報

 

その他にも壁の中の結露・湿気対策もしています。

 

まず室内からの湿気をベーパーバリアでカットします。

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

これでも万全とは言えません。

 

皆さんは、雨粒(あまつぶ)と比べて水蒸気の粒子はどれほどの大きさかご存知でしょうか?

 

やや小さめの雨粒直径2mmと比べて、水の粒子はその500万分の1です。

 

目に見えない水蒸気の粒子がちょっとした隙間から壁の中に入る可能性が十分にあるわけです。

 

三井ホームは、気圧差や水蒸気の均衡などで、万が一水蒸気の粒子が断熱材に侵入した場合は、構造用合板を通過して通気層へ排出します。

 

ちなみに断熱材は吸水性の低いロックーウールのため、水蒸気を吸うことはありません。

 

また構造材としている使用している木材は、KD材(人工乾燥させて木材)です。

 

木材の中に水が侵入しにくく、未乾燥材と比べても反りや変形しにくいです。

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

これらが三井ホームのトリプルガードです。

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

 

6−3−2.スウェーデンハウスの防水性能

 

続いてスウェーデンハウスの防水性能をみていきましょう。

 

先にお伝えすると、防水仕様に関する詳細な公表が少なく、心配な点が多いです。

 

まずは結論です。

 

 

結論

防水性能

屋根防水の詳細な公表無し

屋根防水シートは一般的なよりやや高い仕様

 

外壁防水の詳細な公表無し

 

壁内の防水は胴縁や防水シートを貫通するビス穴からの水分侵入リスクへの対策が弱い

 

壁内結露・湿気対策

結露となる露点温度になりにくい

 

湿気対策は防水シートの外側に通気層を確保

劣化した目地や胴縁・防水シートを貫通するビス穴からの湿気侵入リスクへの対策が弱い

 

 

具体的な特徴はコチラです。

 

防水性能

屋根・バルコニー防水

屋根防水の詳細な公表無し

 

一般的な改質アスファルトを使用

 

バルコニー防水の詳細な公表無し

外壁・下地材

外壁・下地材の防水自体の耐用年数は公表なし

 

外壁防水の詳細な公表無し

防水シート

通気層の内側に「透湿防水シート」を使用

壁内結露・湿気対策

湿気対策

透湿防水シートの外側に独自の通気層を採用

 

外部からの湿気透湿防水シートが防ぐ

 

内部からの湿気防湿・気密性フィルムが防ぐ

壁内結露

従来より断熱性を高めているため結露となる温度帯になりにくい

 

それでは防水性能と結露対策について具体的にみていきましょう。

 

 

■屋根・バルコニーの防水

 

スウェーデンハウスの屋根・バルコニー防水は残念ながら詳細な公表がありませんでした。

 

建築事例をみると、屋根の防水シートは改質アスファルトルーフィングを使用してい

るようです。

 

一般的な防水シートよりは防水が高いです。

 

ただしこれは大手では一般的なものです。

 

バルコニーの防水は、木製のバルコニーを採用されている方が多いようです。

 

みなさんもご存知のとおり、木製のバルコニーやウッドデッキは雨や紫外線による劣化が早いです。

 

早いと2,3年でメンテナンスが必要となる可能性があります。

 

スウェーデンハウスでは、オーナー様にメンテナンスキットを無料で提供し、DIYでの再塗装も推奨しているようです。

 

 

■外壁防水

 

続いて外壁防水です。

 

まずは結論です。

 

結論

外壁防水の詳細な公表無し

 

壁内の防水は胴縁や防水シートを貫通するビス穴からの水分侵入リスクへの対策が弱い

 

 

具体的な特徴はコチラです。

 

 

特徴

外壁・下地材

外壁・下地材の防水自体の耐用年数は公表なし

 

外壁防水の詳細な公表無し

防水シート

通気層の内側に「透湿防水シート」を使用

 

胴縁や防水シートを貫通するビス穴からの水分侵入リスクへの対策が弱い

 

残念ながら外壁や外壁下地材の防水に関する詳細な公表もありませんでした。

 

ただしスウェーデンハウスが採用している通気工法に防水に関する注意点があります。

 

スウェーデンハウスでは防水シートの外側に通気胴縁を設けた一般的な通気工法を採用しています。

 

この施工方法に重要な注意点があります。

 

それは、胴縁と防水シートを止めるビスやタッカー穴から水が重要な構造用合板に染み込むリスクがあることです。

 

スウェーデンハウスの場合、外壁を支える胴縁と防水シートを構造用合板に止めるため、タッカーのような細い穴ではなく、太いビスを使用しているので、その釘穴がとても大きくなります。

 

※上の画像出典:スウェーデンハウスHP ※画像外はユームの参考情報

 

つまり、サイディング、それを支える胴縁、防水シートだけでなく、構造用合板と重要な柱やスタッド木材にそのビス穴が貫通していることになります。

 

こういった点がしっかりと対策している会社とそうでない会社の違いが出てくるポイントです。

 

三井ホームとスウェーデンハウスを比べながら、深堀りしてみましょう。

 

その釘穴からの水分の侵入対策には、2つの方法があります。

 

1つ目は、防水シートの釘穴シール性です。

 

三井ホームのVFフェルトは釘穴の止水性も高い特徴がありますが、スウェーデンハウスの壁の防水シートにその機能が見当たりませんでした。

 

この釘穴の止水性が防水シートにあるかどうかは、重要なポイントです。

 

2つ目は、水分が侵入して来た際に、湿気を逃がす通気層です。

 

スウェーデンハウスの通気層は防水シートの外側にあります。

 

三井ホームの通気層は釘穴止水性が高い防水シートの内側にあります。

 

ここが大きく違うポイントです。

 

つまり、スウェーデンハウスの場合、防水シートのビス穴から水分が侵入した場合、通気層で乾燥させることができないことになります。

 

防水シート下の重要な構造用面材、そして柱やスタッド木材に貫通した穴から水分が侵入してくるリスクがあると言わざるを得ません。

 

一方の三井ホームは、まずは防水シート自体の釘穴シール性を高くして水分の侵入をカットします。

 

万が一水分が内側に入っても、通気層から、水分や湿気を外に逃がせる工夫をしています。

 

これらの点から、壁の防水に関して、三井ホームの方がスウェーデンハウスよりも安心かと思います。

 

 

■壁内結露・湿気対策

 

次に重要な壁内結露・湿気対策に関してです。

 

まずは結論です。

 

結論

断熱性が高いため結露となる露点温度になりにくい

 

ただし劣化した目地や胴縁・防水シートを貫通するビス穴からの湿気侵入リスクへの対策が弱い

 

 

具体的な特徴はコチラです。

 

 

特徴

湿気対策

透湿防水シートの外側に独自の通気層を採用

 

外部からの湿気透湿防水シートが防ぐ

 

内部からの湿気防湿・気密性フィルムが防ぐ

結露対策

従来より断熱性を高めているため結露となる温度帯になりにくい

 

壁の中でとても冷えた素材に暖かい空気が触れるとそこで結露となり(露点温度となり)やすいです。

 

スウェーデンハウスは、壁内結露となりにくいほど、断熱性が高いです。

 

断熱性を表すUA(ユーエー)値は、全国平均で約0.38w/㎡•K( ワット・パー・ 平方メートル ケルビン)と三井ホームより高いです。

 

スウェーデンハウスも業界トップレベルではないものの、寒冷地仕様が標準となっています。

 

そのため露点温度に達しにくく、壁内結露となりにくいと言えます。

 

ただし外部の湿気は、外壁防水でもお伝えしたビス穴などからの侵入リスクが心配されます。

 

それではもう少し詳しくみていきましょう。

 

外部から水分は、防水シートと通気胴縁を使用した一般的な通気工法です。

 

※上の画像出典:スウェーデンハウスHP ※画像外はユームの参考情報

 

外部からの水分は、外壁防水でもお伝えしたとおり、ビス穴などから侵入リスクがあります。

 

またスウェーデンハウスは標準外壁がサイディング仕上げのため、目地からの侵入リスクも心配です。

 

その場合、三井ホームのように防水シートの内側に通気層が無いのは不安要素ではあります。

 

つづいて壁の中の結露・湿気対策です。

 

室内側には防湿気密フィルム、断熱材の外側には透湿防風シートがあります。

 

室内からの湿気を防湿気密フィルムでカットします。

 

気圧差や水蒸気の均衡などで、万が一水蒸気の粒子が断熱材に侵入した場合も、透湿防風シートが湿気を通気層へ排出します。

 

※上の画像出典:スウェーデンハウス資料 ※画像外はユームの参考情報

 

ここまでスウェーデンハウスの防水対策で心配な点をお伝えしましたが、実際には築年数が経っても構造躯体が健全であることを実証しています。

 

具体的には、築22年目のオーナー様邸を検証しています。

 

その結果、構造躯体の腐朽や蟻害などないことが確認されています。

 

※上の画像出典:スウェーデンハウスHP ※画像外はユームの参考情報

 

特に構造躯体である木材の含水率が基準を下回っていることが紹介されています。

 

具体的には窓下の枠材で10.8%としています。

 

木材は含水率20%以上になるとカビや腐食の原因になります。

 

そしてJAS基準では枠組壁工法構造用製材について含水率19%以下で合格としています。

 

※画像および画像外はユーム参考情報

 

スウェーデンハウスでは、築22年経っても基準値以下の含水率を実証しているため、結露による劣化の心配は少ないと言えます。

 

とはいえその住宅が定期的なメンテナンスをしているか、またその環境によって劣化具合は異なります。

 

スウェーデンハウスに限らずこのような実例だけでなく、よりリスクの少ない対策が取れているかを見ることも非常に重要です。

 

 

■窓の防水

 

ここで補足としてスウェーデンハウスの木製サッシの防水対策についても簡単に紹介します。

 

スウェーデンハウスはこの木製サッシが標準仕様です。

 

木製サッシはアルミ樹脂複合サッシと比較して劣化が速く、防水を心配される方も多いです。

 

まずは結論です。

 

結論

ゲリラ豪雨を想定した試験を実施。中高層ビルと同等の防水性能を実証している

 

 

※上の画像出典:スウェーデンハウスHP ※画像外はユームの参考情報

 

スウェーデンハウスは、昨今増加しているゲリラ豪雨レベルの雨を想定した独自の水密試験を行っています。

 

昨今は1時間に100mm程度のゲリラ豪雨が夏季を中心にたまにありますが、こういった横なぐりの大雨を想定した試験です。

 

また台風などの強風で窓ガラスが割れるリスクを想定した風圧試験も実施しています。

 

その結果、23階建てのビルにも使用できる最大瞬間風速60m/sを実証しています。

 

これらの点において木製サッシの防水性は安心であると言えます。

 

 

6−4.防蟻対策

 

防蟻対策は、木造の住宅メーカーを選ぶ上で、必ず抑おさえておきたいポイントです。

 

まずは結論です。

 

結論

両社とも入念に防蟻対策ができている

 

三井ホームは、基礎の配管貫通部にも防蟻対策をしている

 

半永久的に効果があるホウ酸による防蟻処理と、防腐防蟻処理剤の塗装による二重対策

 

 

具体的な対策はコチラです。

 

 

防蟻対策

三井ホーム

土台と基礎天端+1mまで防蟻処理

 

土台にはインサイジング加工により防腐・防蟻剤が加圧注入されている

 

基礎の配管貫通部や玄関ポーチの隙間にも防蟻処理を施している

スウェーデンハウス

土台と外壁パネルの下端+1mまで防蟻処理

 

防蟻剤に半永久的に効果があるホウ酸を使用(現地工場で漬け込む)

 

現地で防腐防蟻剤を塗布

 

木造、鉄骨に限らず、木を使っていれば、シロアリのリスクがあります。

 

特に主要な構造躯体が木造の場合はシロアリ対策は重要です。

 

では両社どのような対策をしているか見ていきましょう。

 

 

6−4−1.三井ホームの防蟻対策

 

まずは結論です。

 

結論

防蟻対策は大手他社と比較して普通レベル

 

ただしディティール部分の対策も入念にできている

 

 

具体的な特徴はコチラです。

 

特徴

土台と基礎天端+1mまで防蟻処理

 

土台にはインサイジング加工により防腐・防蟻剤が加圧注入されている

 

基礎の配管貫通部や玄関ポーチの隙間にも防蟻処理を施している

 

もう少し具体的にみてみましょう。

 

防蟻対策の主な箇所は全部で3つです。

 

1つ目は、基礎部分です。

 

基礎下に防湿・防蟻シートを覆い、地面からの侵入を防いでいます。

 

そしてベタ基礎が床下全面を継ぎ目なくコンクリートで覆うため、シロアリの侵入をカットします。

 

継ぎ目がない、基礎が一体となっていると言うところが、特に木造ではシロアリの侵入を防ぐ意味で重要となります。

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

ここまではベタ基礎を採用しているメーカーでもよく行っています。

 

シロアリはコンクリートのひび割れなどわずかな隙間から侵入するケースもあります。

 

三井ホームの基礎は、中性化防止「MFコートワン」を使用しているため、経年劣化によるひび割れ防止対策もされているのでより安心と言えます。

 

2つ目は、基礎より上の部分です。

 

土台の木材は、防腐・防蟻対策としてインサイジング加工しています。

 

インサイジング加工とは、木材の表面に細かい無数の切り込みを入れて、防腐・防蟻材を加圧注入することです。

 

真空パックされたおでんの具材に、だしつゆが真空状態で染み込むように、木の中の方に防蟻剤をしみこませたものです。

 

土台は、シロアリにとって構造躯体に侵入する入口とも言える場所のため、表面だけの防蟻処理ではなく、木材の内部にも防蟻材を注入して侵入路断つように工夫しているのです。

 

基礎の天端から上は、+1mの構造材部分に薬剤処理を施しています。

 

ただ、これらの施工方法は他のメーカーでもよく行っています。

 

3つ目は、その他細部のシロアリ対策です。

 

実は、こういうディティールが重要です。

 

例えば、基礎に穴を開けて給排水の配管を通すのですが、ここをコーキングで埋めても劣化してどうしても隙間ができやすいです。

 

また、建物本体の基礎と玄関ポーチなどの土間コンクリートの接合部分も築年数がかさむと隙間ができやすいです。

 

毎年地震で何回か揺れたりなどで、わずかな隙間が生じる可能性があります。

 

これらの隙間からシロアリが侵入するリスクがあるので、こういう細部の防蟻対策もみなさんチェックしましょう。

 

三井ホームでは配管周りと玄関ポーチ下などにも防蟻処理をしています。

 

配管周りは、基礎と配管貫通部に防蟻機能を持ったコーキングをしています。

 

玄関ポーチ下は、隙間(基礎との打継部)に防蟻機能のある粒剤を使用しています。

 

ただししっかりとした対策をされていますが、いずれも他の木造ハウスメーカーでは行われている対策のため、特別な仕様ではありません。

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

 

6−4−2.スウェーデンハウスの防蟻対策

 

まずは結論です。

 

結論

半永久的に効果があるホウ酸による防蟻処理と、防腐防蟻処理剤の塗装による二重対策

が行われている

 

ただしホウ酸により防蟻処理には注意点がある

 

 

具体的な特徴はコチラです。

 

特徴

土台と外壁パネルの下端+1mまで防蟻処理

 

防蟻剤に半永久的に効果があるホウ酸を使用(現地工場で漬け込む)

 

現地で防腐防蟻剤を塗布

 

スウェーデンハウスの防蟻対策の主な箇所は2つです。

 

1つ目は、基礎部分です。

 

こちらは基礎下に防蟻剤を散布して、防湿シートと防湿コンクリートを打設します。

 

基礎部分の対策は三井ホームとほぼ同等の対策で、一般的なものです。

 

2つ目は、基礎より上の部分です。

 

こちらはスウェーデンの現地工場で漬け込みされるホウ酸による防蟻対策と、現場で塗布される防腐・防蟻剤の二重対策となっています。

 

ちなみに防蟻処理でホウ酸を使っている日本の住宅メーカーはスウェーデンハウスのみです。

 

この理由はこの後詳しくわかります。

 

ここでホウ酸による防蟻処理について簡単なポイントをお伝えします。

 

日本では農薬系薬剤が主流で、北欧・米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどでは、ホウ酸処理が主流です。

 

スウェーデンハウスは、室内に面する外壁面に人体に有害な物(農薬系合成殺虫剤)を使いたくない為、ホウ酸を使用しています。

 

ホウ酸は揮発性が全く無いので空気を汚染しません。

 

一般的な防蟻剤の効果が3~5年なのに対して自然物なので成分が木材の中にとどまり半永久的に効果が持続するのも大きな特徴です。

 

300年前に製作された世界最高峰と称されるバイオリン、ストラディバリウスにはワニスの防腐剤としてホウ酸が使用されています。

 

ホウ酸処理材とホウ酸無処理材を入れたビンでシロアリアタックの試験も実施しています。

 

その結果、無処理材(右端)はシロアリ食害を大きく受けているのに対し、ホウ酸処理材(左端・中央)は全く食害がないという実証をしています。

 

スウェーデンハウスでは、このホウ酸処理を外壁パネルの下端から1mまでしっかり漬け込んだ状態で現場に搬入します。

 

※上の画像出典:スウェーデンハウスHP ※画像外はユームの参考情報

 

ここでホウ酸の防蟻処理についてもう少し詳しく触れておきます。

 

ホウ酸については公益社団法人・日本シロアリ対策協会から「ホウ酸系防腐・防蟻製剤において留意すべき事柄」として、シロアリへの効果および人体への害へに関して見解が出ています。

 

※参照:ホウ酸系防蟻・防腐製剤について 公益社団法人 日本しろあり対策協会 防除技術委員会

 

その中では、

 

・人体へは有害物質として指定されている

 

・アメリカカンザイシロアリ等、乾材シロアリに対する性能は明らかになっていない。

 

・ホウ酸は水に溶けやすいので、処理材に雨水がかかれば容易に溶け出す。処理前に当該建築物の雨水養生が必要である。

 

・ホウ酸は、土壌処理用としては認定されていないので土壌処理には使えない。 

 

という見解が出ています。

 

JIS規格である、JIS K 1571:2010木材保存剤―性能基準及びその試験法において、水でホウ酸は溶解してしまうので、使用環境を限定するとの条件のもとに例外的な規格で試験が行われています。

 

(JIS K 1571:2010 附属書A(規定)用途限定のための防腐性能試験及び防ぎ(蟻)性能試験によって性能評価)

 

つまりホウ酸は水分に弱いという点を考慮して、使用環境が限定された条件なら効果がある、ということです。

 

ただホウ酸により防蟻処理を行っている場合、このように適用範囲が限定された結果である旨を説明しないといけませんが、ほとんど行われていないのが実態です。

 

ただ農薬系薬剤とホウ酸、どちらが良いかという点については優劣を付けることはできあmせん。

 

もっともスウェーデンハウスの良い点は、ホウ酸を合板から漬けこんできている点です。

 

現場での薬剤散布でできない裏側や、細かい点までホウ酸で処理をされている点がメリットになります。

 

また現場では、ホウ酸処理とは別に、防腐防蟻処理を行っているようです。

 

ただしこちらは他社でも行われている一般的な防蟻処理です。

 

 

7.  省エネや断熱性を比較

 

ハウスメーカー選びの中で省エネや断熱性能の関心も高まっていますよね。

 

こちらでは、三井ホームとスウェーデンハウスの断熱性能を比較をします。

 

まず結論です。

 

 

結論

UA(ユーエー)値

※総合的な断熱性

スウェーデンハウスの方がUA(ユーエー)値における断熱性が高い

 

両社とも標準構造でZEH基準のUA値を満たしている

 

ただしZEH採用率はどちらも高くない

 

木製サッシ3層ガラス窓を標準仕様としているスウェーデンハウスの方が窓の断熱性が高い

 

断熱材

断熱材の性能は三井ホームの方が優れている

 

断熱材の厚みは床・壁・天井を総合的にみるとスウェーデンハウスの方が優れている

 

C(シー)値

気密性

一邸毎に気密性測定試験を実施しているスウェーデンハウスの方が安心

 

 

断熱性能を総合的にみると、設立当時から断熱・気密性能にこだわってきたスウェーデンハウスの方がやや優れていると言えます。

 

とはいえ両社とも大手他社の中ではやや高い水準です。

 

それでは両社の特徴をもう少し具体的にみてみましょう。

 

 

三井ホーム

スウェーデンハウス

UA値

0.43w/㎡•K

2020年度ZEH採用率は約53%

0.38w/㎡•K

※2019年度全国平均値

 

2020年度ZEH採用率は約26%

標準窓

アルゴンガス入りアルミクラッド樹脂サッシ

木製サッシ3層ガラス窓

断熱材

壁は防水・防火性が高いロックウールを採用

 

天井は独自の屋根断熱材「ダブルシールドパネル」を採用

 

壁:ロックウール140mm

 

天井:DSパネル160mm

 

床:ビーズ法ポリスチレンフォーム80mm

一般的なグラスウールを採用

 

壁:グラスウール24K120mm

 

天井:吹込用グラスウール10K300mm

 

床:グラスウール16K200mm

 

さらに具体的な内容をご興味ある方は、他社と比較する上でも参考になるので、この下の具体的な解説をご覧ください。

 

この結論だけで良いという方は、保証とサービスの比較も重要なので、そちらをどうぞ。

 

上記結論の数値に関して先にお伝えしておきます。

 

断熱性は、各社公表しているUA(ユーエー)値を指標とするのが現在の主流です。

(これからは省エネ性の表示が主流になりますが、まだ各社その表示が出揃っていないです。)

 

UA(ユーエー)値とは、外皮熱貫流率と言い、家の内から外へ逃げ出す熱の割合を示す数値になります。

 

数値が小さいほど高い断熱性能があることを示しています。

 

ZEH(ゼッチ)とは、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略称です。

 

住まいの断熱性能や省エネ性能の向上と、太陽光発電などで生活に必要なエネルギーをつくり出すことにより、年間の一次消費エネルギー量(簡単に言うと光熱費)をおおむねゼロ以下にする住宅のことです。

 

ZEH支援事業として、基準を満たすと国から補助金がもらえます。

 

それでは両者の断熱性能や仕様を早速みていきましょう。

 

 

7−1.三井ホームの省エネ・断熱性能

 

まずは三井ホームの省エネ・断熱性能です。

 

 

結論

UA値

断熱性能の指標となるUA(ユーエー)値はやや高い水準

 

ZEH(ゼッチ)基準の数値は標準仕様でクリア

 

窓の断熱性能は普通レベル

 

断熱材

断熱材の厚みはやや高い水準

 

壁の断熱材は防水・防火性も兼ね備えたロックウールを使用

 

独自の屋根断熱材「ダブルシールドパネル」は小屋裏空間まで熱をカットする優れた断熱性能を持つ

 

C値

詳細な公表無し

 

※建築事例の数値をみると大手他社の中ではやや高い水準

 

 

具体的な特徴はコチラです。

 

 

特徴

UA値

0.43w/㎡•K ※49坪試算プランによる

 

2020年度ZEH採用率は約53%

標準窓

アルゴンガス入りアルミクラッド樹脂サッシ

断熱材

耐熱・耐水性が高いロックウールを採用

 

天井は独自の屋根断熱材「ダブルシールドパネル」を採用

 

壁:ロックウール140mm

 

天井:ダブルシールドパネル160mm

 

基礎:ビーズ法ポリスチレンフォーム80mm

C値

詳細な公表無し

 

※建築事例をみると目安は1.0~1.5㎠/㎡

 

三井ホームの特筆すべき点は、オリジナル屋根断熱材「ダブルシールドパネル」です。

 

同パネルは大手他社にない大きな特徴のひとつです。

 

ではこちらを含めた各特徴をもう少し深堀りしていきましょう。

 

 

7−1−1.三井ホームのUA値は目安0.43w/㎡•K

 

最初にUA(ユーエー)値についてです。

 

先に結論です。

 

結論

ZEH(ゼッチ)基準の数値は標準仕様でクリアしている

 

三井ホームのUA値は大手他社と比較するとやや高い水準

 

 

具体的な特徴はコチラです。

 

 

特徴

UA値

0.43w/㎡•K

※49坪試算プランによる

2020年度ZEH採用率

ZEH採用率は約53%

※一般社団法人 環境共創イニシアチブの公表による

 

UA値は数値が小さいほど高い断熱性能があることを示しています。

 

三井ホームのUA値は目安0.43w/㎡•Kを公表しています。

 

業界トップレベルではないものの、東京や大阪、福岡などのZEH基準である0.6w/㎡•Kを軽くクリアした断熱性であると言えます。

 

北海道や東北などの寒冷地では、0.40w/㎡•KがZEH基準ですが、三井ホームでは寒冷地仕様も用意しています。

 

ちなみに直近2020年の三井ホームのZEH実績は約53%です。

 

ZEH実績だけでみると大手ハウスメーカーの中ではやや低い水準です。

 

ZEH実績だけが全てではないですが、断熱性能の高さを証明する重要な指標になりますので、今後さらに実績が増えることを期待したいですね。

 

具体的にZEHを検討する際には、間取りや仕様によって基準を満たせない場合もありますので、詳しくは営業担当に確認しましょう。

 

※上の画像出典:一般社団法人 環境共創イニシアチブ ※画像外はユームの参考情報

 

ここで注意しておきたいのが、UA値はあくまでも家全体の断熱性能の平均値だということです。

 

窓や断熱材などそれぞれのディティール部分も重要ですので、確認しておきましょう。

 

 

7−1−2.三井ホームの窓はアルミクラッド樹脂サッシ

 

まずは窓についてです。

 

結論

標準窓は、他社でも多く採用されている比較的スタンダードな仕様

 

 

これが結論です。

 

三井ホームの標準窓の特徴はコチラです。

 

特徴

標準窓はアルゴンガス入りのアルミクラッド樹脂サッシ

 

 

標準窓の仕様は、スウェーデンハウスの方が高性能です。

 

もう少し具体的に、ガラス部分と窓枠の断熱性能の両方を確認しましょう。

 

窓は、ガラスと窓枠の仕様によって性能が大きく変わります。

 

窓枠:木(木製サッシ)>樹脂(樹脂サッシ)>アルミ(アルミサッシ)

ガラス:トリプルガラス>ペア(ダブル)ガラス>単板ガラス

 

といった順番です。

 

三井ホームの標準の窓は、アルゴンガス入りのアルミクラッド樹脂サッシです。

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

アルゴンガス入りのアルミクラッド樹脂サッシは、内側に断熱性能の高い樹脂フレーム、外側に耐候生の高いアルミフレームを使用した二重サッシです。

 

サッシの間には、ガラスからの熱の透過を抑えるために遮熱効果のあるLow-E膜と真空のアルゴガス充填されています。

 

こちらは他社でも採用されている仕様のため、普通レベルです。

 

そこで、三井ホームはオプションで樹脂サッシや木製サッシを選べます。

 

樹脂サッシは、内外が樹脂フレームで、アルミ複合樹脂サッシよりも断熱性能が高いです。

 

木製サッシは、内外が木で、樹脂サッシよりも断熱性能が高いです。

 

続いて断熱材についてもみていきましょう。

 

 

7−1−3.三井ホームの断熱材

 

まずは結論です。

 

結論

断熱材の厚みは高い水準

 

壁の断熱材は防水・防火性も兼ね備えたロックウールを使用

 

独自の屋根断熱材「ダブルシールドパネル」は小屋裏空間まで熱をカットする優れた断熱性能を持つ

 

 

断熱材の仕様はコチラです。

 

 

特徴

断熱材

壁の断熱材は耐熱・耐水性が高いロックウールを採用

 

天井の断熱材は、独自の屋根断熱ダブルシールドパネルを採用

ロックウール140mm

天井

ダブルシールドパネル160mm

ビーズ法ポリスチレンフォーム80mm

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

断熱性能は、外気の影響を受けやすい断熱材(天井・壁・床)や窓などの仕様と、気密性によって大きく異なります。

 

断熱材は、素材によっても性能が異なりますが、一番は厚さです。

 

みなさん寒い冬は重ね着などして厚手の洋服を着ますよね。

 

それと一緒です。

 

三井ホームの外壁に採用されている断熱材はロックウールです。

 

ロックウールの熱伝導率は、住宅用の断熱材で0.038W/m・Kです。

 

断熱材

種別

熱伝導率(W/m・K)

ロックウール

0.038

グラスウール

16K

0.045

24K

0.038

32K

0.036

高性能グラスウール

16K

0.038

24K

0.036

 

断熱性は、上図の熱伝導率が小さくなるほど性能が高くなります。

 

この数値から高性能グラスウール16Kとロックウールは、同じ熱伝導率のため、同等の断熱仕様ということがわかるかと思います。

 

ただし実際には壁や天井の断熱性能は、断熱材の素材だけでなく、その厚みによっても大きく変わります。

 

断熱材の厚みは業界トップレベルではないものの、高い水準であると言えます。

 

ロックウールは断熱効果だけでなく、吸水性が低く、耐熱性が高い特徴もあります。

 

吸水性が低い分、万が一湿気を含んでもカビ発生のリスクが軽減されます。

 

耐熱性が高い分、火災時に延焼を防止する効果や、隣家の火災による断熱材の焼失を防ぐ効果があります。

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

床下は、湿気に強いビーズ法ポリスチレンフォーム80mmを採用しています。

 

グラスウールと違い固形の断熱材のため、安定して固定することができます。

 

また湿気にも強い特徴があり、万が一基礎下に湿気や雨水が侵入しても断熱材が収縮したり、脱落の危険性はありません。

 

最後に天井の断熱材です。

 

こちらは三井ホームの特筆すべき点ですのでぜひおさえておきましょう。

 

三井ホームは、一般的な天井断熱ではなく、オリジナル構造材ダブルシールドパネル(DSP)を使用し、屋根そのもので断熱を取ることができます。

 

※上の画像出典:三井ホームコンポーネントHP ※画像外はユームの参考情報

 

ダブルシールドパネルは、140mmの発泡成形ポリスチレン(EPS)を芯材に、広葉樹のチップを集成した構造用面材(OSB)でサンドイッチした構造用断熱パネルです。

 

発泡成形ポリスチレンの熱伝導率は0.038W/m・Kで、高性能グラスウール16Kと同等の数値です。

 

断熱材の厚みは140mm(構造用面材も含めると164mm)です。

 

三井ホームではさらに熱貫流率が0.15W/㎡・Kの構造用面材2枚でそれを挟み込んで、断熱性と強度を高めています。

 

一般的に天井に断熱材を施工した場合、小屋裏(屋根と天井の間の空間)に熱を溜めやすい特徴があり、夏の時期では50℃以上になるとも言われています。

 

そのため天井の上に断熱材を施工する場合、隙間なくしっかりと充填しないと、小屋裏に溜まった熱が少しずつ透過して室内に侵入してきます。

 

よく聞く例は、夏の夜の2階は寝苦しいなどです。

 

三井ホームのダブルシールドパネル(DSP)は、屋根面で断熱をして小屋裏が高温にならないため、そのような心配が軽減されます。

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

また三井ホームは第一種換気システム兼全館空調の採用率がとても高いです。

 

そのダクトが小屋裏を通る際の熱のロスや温度差による結露対策としても効果的です。

 

一般的には、夏場小屋裏が非常に熱い中ダクトに冷房の空気が通っていると、多少の断熱材をダクトに巻いても温度差で結露しやすくなります。

 

逆に冬は小屋裏がとても寒いと、そこのダクトを通る暖房の熱との温度差で結露しやすくなります。

 

三井ホームのダブルシールドパネルは屋根で断熱しているためそのような心配がありません。

 

またどんなに優れた断熱材を使用しても、施工精度が悪いと実際の断熱効果は落ちます。

 

ダブルシールドパネル(DSP)は工場で作られるため断熱材のムラがありません。

 

パネルとパネルの密着部分も気密性が保てるように施工しており、細部にもこだわっています。

 

それ故に、こちらの夏のデータのように、標準的な2×4工法と三井ホームの標準仕様のDSPでは、これだけ小屋裏の温度が違います。

 

※上の画像出典:三井ホームコンポーネントHP ※画像外はユームの参考情報

 

上図は既存の標準的な2×4工法の屋根断熱を三井ホームのDSPに替えた時の小屋裏の温度差です。

 

それまでは50度に達していたのが、約20度も温度が下がっています

 

こちらは冬の住宅展示場でよくみかける三井ホームの屋根と他社の屋根の雪の溶け具合の写真です。

 

※上の画像出典:三井ホームカタログ ※画像外はユームの参考情報

 

ダブルシールドパネル(DSP)が暖房の熱を逃がさず、雪が溶けずに残っています。

 

夏の場合は、小屋裏に熱がこもる心配がなくなるので、夜寝苦しいということもありません。

 

これにより、三井ホームは屋根部分まで高くした高天井、ロフトの提案が多いです。

 

また吹き抜けやリビング階段のようにリビングと2階の空間がつながっている間取りも、快適だということが三井ホームの特徴となっています。

 

このDSPは、耐久性、耐火性にも優れており、国土交通大臣認定を取得しています。

 

 

7−1−4.三井ホームのC値の目安は1.0~1.5㎠/㎡

 

ハウスメーカー選びで関心が高いC(シー)値についても触れていきます。

 

まずは結論です。

 

結論

C値の詳細な公表や測定試験の明示は無し

※目安は1.0~1.5㎠/㎡

 

 

C値とは簡単に言うと、家の隙間量です。

 

よく聞く用語で「気密性」です。

 

こちらは三井ホームの詳細の公表はありませんので、施主ブログなどからは標準施工だとおおよそ1.0~1.5㎠/㎡のようです。

 

一般的な木造や鉄骨メーカーと比べると高い水準です。

 

ただし最近の木造ではもっと高い気密性の家もあるので、それほど高いレベルではありません。

 

また具体的なC値を明示しているスウェーデンハウスの方が気密性が高いと言えます。

 

C値が重要視されるのは気密性の実測値だからです。

 

どんなに計算上の断熱性能がよくても実際の施工状況により隙間が多くなっては意味がありません。

 

それを調べて、具体的に可視化できるのがC値となります。

 

C値の測定は実際に建てられた建物で、専門の気密測定試験機を使って行います。

 

もう少し具体的にお伝えすると、換気扇など計画的にあけた穴を全部ふさいで、室内の空気をファンで強制的に外に吐き出します。

 

この時に生じる気圧差と風量を測定することにより、隙間面積を出します。

 

この隙間面積を床面積で割った数値が、C値です。

 

これだけの内容を行いますので、たしかにコストはかかります。

 

三井ホームでは、このC値は施主の希望があった場合のみ実測しています。

 

確かに、三井ホームに限らず、自由設計に基づきどのように施工するのか、現場任せではなく施工マニュアルで細かく決まっており、その施工精度を確認する現場検査基準も細かく決まっている会社の場合、その隙間を測るコストをかけないハウスメーカーは少なくありません。

 

一般的なホームインスペクター(第三者検査機関)よりも、より細かい部分を自社検査しているという自負もあるのかもしれません。

 

とはいえ、やはり心配だという方は、気密性の実測を相談してみてはいかがでしょうか?

 

断熱性能の指標であるUA値は、実測値ではなく計算値です。

 

外壁、屋根(天井)や開口部、基礎を通過して外部へ逃げる熱量の合計を、家の外皮面積で割った数値です。

 

外部へ逃げる熱量は、各箇所、素材や厚みなどにより数値を算出します。

 

元々UA値は、断熱性能の指標となっていたQ値から変更された経緯があります。

 

Q値は、家の床面積の違いなどによって数値にバラツキが出て、家が小さいと数値が大きくなる傾向がありました。

 

そのため、面積に関係なく断熱性能を平等に比較するため、UA値に変更されました。

 

住宅業界では近年UA値が主流となり、公表しているハウスメーカーが多いです。

 

しかしC値のような正確な実測値を公表しているハウスメーカーは少ないので、今後はぜひ公表してもらいたいものです。

 

 

7−2.スウェーデンハウスの省エネ・断熱性能

 

続いてスウェーデンハウスの省エネ・断熱性能をみていきましょう。

 

 

結論

UA値

断熱性能の指標となるUA(ユーエー)値は高い水準

 

ZEH(ゼッチ)基準の数値は標準仕様でクリア

 

窓の断熱性能は業界トップレベル

 

断熱材

断熱材の厚みはやや高い水準

 

ただし床・壁・天井によってグラスウールの種類が違うので注意が必要

 

 

具体的な特徴はコチラです。

 

 

特徴

UA値

0.43w/㎡•K ※49坪試算プランによる

 

2020年度ZEH採用率は約53%

標準窓

アルゴンガス入りアルミクラッド樹脂サッシ

断熱材

耐熱・耐水性が高いロックウールを採用

 

天井は独自の屋根断熱材「ダブルシールドパネル」を採用

 

壁:ロックウール140mm

 

天井:ダブルシールドパネル160mm

 

基礎:ビーズ法ポリスチレンフォーム80mm

 

スウェーデンハウスの断熱性能は業界トップではないものの、大手他社の中では高い水準です。

 

中でも特徴的なのは木製サッシが標準仕様である点です。

 

早速こちらを含めた各特徴をもう少し深堀りしていきましょう。

 

 

7−2−1.スウェーデンハウスのUA値は目安0.38w/㎡•K

 

最初にUA(ユーエー)値についてです。

 

先に結論です。

 

結論

ZEH(ゼッチ)基準の数値は標準仕様でクリアしている

 

スウェーデンハウスのUA値は大手他社と比較すると高い水準

 

 

具体的な特徴はコチラです。

 

 

特徴

UA(ユーエー)値

0.38w/㎡•K

※2019年度全国平均による

2020年度ZEH採用率

ZEH採用率は約26%

※一般社団法人 環境共創イニシアチブの公表による

 

UA値は数値が小さいほど高い断熱性能があることを示しています。

 

スウェーデンハウスのUA値は目安0.38w/㎡•Kを公表しています。

 

三井ホーム同様に東京や大阪、福岡などのZEH基準である0.6w/㎡•Kを軽くクリアした断熱性であると言えます。

 

北海道や東北などの寒冷地である0.40w/㎡•KのZEH基準もクリアしています。

 

中でも特筆すべき点は、UA値、Q(キュー)値を1棟毎に計算して報告書を作成する「全棟高性能保証表示システムCQ+24」です。

 

これは後に詳しく紹介するC(シー)値も同様です。

 

つまり自分たちの家のUA値、Q値、C値を計算、測定した具体的な数値がわかります。

 

この点は大手他社にない断熱・気密性能の信憑性が高い安心できる点と言えます。

 

※画像出典:スウェーデンハウスHP ※画像外はユーム参考情報

 

ちなみに直近2020年のスウェーデンハウスのZEH実績は約26%です。

 

ZEH実績だけでみると大手ハウスメーカーの中では低い水準です。

 

その理由のひとつとして、北欧風の外観デザインを重視して太陽光発電を搭載しなかったというオーナー様の声がいくつかありました。

 

ただ採用率が低い会社の場合、営業・設計士によって対応力にバラツキが出る可能性があります。

 

いざZEHを申請したいと思ったときに、この点は少し心配です。

 

またZEH実績だけが全てではないですが、断熱性能の高さを証明する重要な指標になりますので、今後さらに実績が増えることを期待したいですね。

 

具体的にZEHを検討する際には、間取りや仕様によって基準を満たせない場合もありますので、詳しくは営業担当に確認しましょう。

 

※画像出典:SII・環境共創イニシアチブ ※画像外はユーム参考情報

 

では次節からスウェーデンハウスの特徴でもある木製サッシについてみていきましょう。

 

 

7−2−2.スウェーデンハウスの窓は木製サッシ3層ガラス窓

 

まずは結論です。

 

結論

標準窓は、業界トップレベルの断熱性能

 

 

標準窓の特徴はコチラです。

 

特徴

標準窓は自社工場で生産した木製サッシ3層ガラス窓

 

 

※画像出典:スウェーデンハウスHP ※画像外はユーム参考情報

 

標準窓の仕様は、スウェーデンハウスの方が高性能です。

 

スウェーデンハウスと言えば「木製サッシ」という程、認知度の高い窓です。

 

この木製サッシはすべてスウェーデンの自社工場で製造しています。

 

木製サッシとは、サッシ枠・ガラス枠ともに木製でできたサッシのことです。

 

昨今は、アルミサッシから樹脂サッシへの移行がだいぶ進んできました。

 

しかし樹脂よりも、さらに熱を伝えにくい木材を使用していることで、高い断熱性能を実現しています。

 

ちなみに、樹脂はアルミの約1500倍、木はアルミの1700倍と言われています。

 

特に三井ホームも含めた大手他社のほとんどが、外側がアルミのアルミ樹脂複合サッシです。

 

この違いをみるとスウェーデンハウスの木製サッシの断熱性の高さがわかるかと思います。

 

※画像出典:スウェーデンハウス・カタログ ※画像外はユーム参考情報

 

スウェーデンハウスは窓ガラスにもこだわっています。

 

こちらは4mm厚のガラス3枚で構成されています(防火仕様の場合は外側が6mmの耐熱ガラス)。

 

ガラス同士の間(中空層)は12mmで、内部にアルゴンガスが充填されています。おり、窓ガラスの断熱性能も高くなっています。

 

一般的なペアガラスは中空層の厚みが6mmのものが多いです。

 

厚みがある分、アルゴンガスの充填量も多くなるため、窓ガラスの断熱性能も高くなっています。

 

※画像出典:スウェーデンハウスHP ※画像外はユーム参考情報

 

そして、木製となると経年で隙間などが生まれてくるのでは?と心配になりますが、開閉部とサッシ枠との隙間にはパッキンが取り付けられ、外気を侵入させません。

 

※画像出典:スウェーデンハウス・カタログ ※画像外はユーム参考情報

 

スウェーデンハウスで採用される窓は全て最高等級であるA-4クラスの気密性能です。

 

A-4クラスの窓と言えば、防音窓としての設定もされているレベルで、外気の出入りだけでなく、遮音性も優れていることがメリットです。

 

幹線道路沿いで建築される方や室内で音楽やピアノなどを楽しみたい方は、スウェーデンハウスのサッシはぴったりではないでしょうか。

 

※画像および画像外はユーム参考情報

 

ところで、スウェーデンハウスの窓は掃き出しの背の高い窓以外は、トップターンと呼ばれる上下方向に回転する独自の開閉方法になります。

 

トップターンにすることにより2階の窓ふきも簡単にできることや、春や秋などの外気が気持ちい季節は大きく開口部を広げて、風をたくさん取り込むことに適しています。

 

耐久性にも優れており、JIS規格である1万回開閉耐久の2倍になる、2万回の開閉耐久試験をクリアした耐久性を持っています。

 

※画像出典:スウェーデンハウスHP ※画像外はユーム参考情報

 

7−2−3.スウェーデンハウスの断熱材

 

まずは結論です。

 

結論

断熱材の厚みはやや高い水準

 

断熱材はグラスウールを使用。ただし床・壁・天井によって種類が違うため注意が必要

 

 

断熱材の仕様はコチラです。

 

 

特徴

断熱材

グラスウールを使用

グラスウール24K120mm

天井

吹込用グラスウール10K300mm

グラスウール16K200mm

 

※画像出典:スウェーデンハウス カタログ ※画像外はユーム参考情報

 

上表や画像を見て、「あれ?」と思われた方もいるかもしれません。

 

スウェーデンハウスの断熱材はすべて一般的なグラスウールになります。

 

一方で大手他社のほとんどは高性能グラスウールを使用しています。

 

では高性能グラスウールとどう違うのかもう少し詳しく紹介します。

 

こちらは住宅用で用いられる断熱材の熱伝導率を表した表です。

 

断熱材

種別

熱伝導率(W/m・K)

ロックウール

0.038

グラスウール

16K

0.045

24K

0.038

32K

0.036

高性能グラスウール

16K

0.038

24K

0.036

吹込用グラスウール

13K

0.052

ビーズ法ポリスチレンフォーム

1号

0.036

2号

0.037

熱伝導率を比較するとスウェーデンハウスの壁で使用されているグラスウール24Kは高性能グラスウール16Kと同等です。

 

床や天井のグラスウールはやや熱伝導率が高い(熱を伝えやすい)です。

 

ただ断熱性能は熱伝導率だけでなく、その厚みも重要です。

 

断熱材の厚みだけをみると業界No.1の一条よりも厚みがあります。

 

これがスウェーデンハウスの断熱性能が高い理由とも言えます。

 

ただし少し心配な点もあります。

 

それは繊維密度の違いによる湿気への影響です。

 

下図をご覧ください。

 

※上の画像出典:住友林業HP ※画像外はユームの参考情報

 

こちらは住友林業の高性能グラスウール24Kと一般的なグラスウールの繊維を電子顕微鏡で見た写真です。

 

一般的に高性能グラスウールとグラスウールの大きな違いは繊維の太さです。

 

高性能グラスウールの方が繊維は細いです。

 

そしてこの繊維が細い分、密度が高くなるほど空気が動きにくくなり、断熱性が良くなります。

 

一方で繊維が太い場合でも、密度を上げれば同様に断熱性は上がります。

 

しかし繊維が太い分、空気も動きやすいです。

 

つまり湿気が侵入するリスク高性能グラスウールより延焼しやすいリスクがあります。

 

スウェーデンハウスで気になるのが、床のグラスウール16Kです。

 

一般的に大手他社は防水性が高い発泡系の断熱材もしくは高性能グラスウールを採用しています。

 

これらと比較すると、湿気侵入によるカビの発生が心配です。

 

また万が一基礎下に雨水が侵入した場合、グラスウールが水を吸収して脱落するリスクもあります。

 

とはいえスウェーデンハウスは築22年のオーナー様邸で床下を含めて断熱材の劣化がほとんどないことを公表しています。

 

その点では安心できると言えますが、大手他社と比較して基礎下の断熱材の劣化リスクが高いことには変わりありませんので必ずおさえておきましょう。

 

 

7−2−4.スウェーデンハウスのC値の目安は0.64㎠/㎡

 

スウェーデンハウスのC値についてもみておきましょう。

 

まずは結論です。

 

結論

C値は業界トップクラスの0.64㎠/㎡ ※2019年全国平均による

 

一邸毎に気密測定試験を実施

 

 

スウェーデンハウスの特筆すべき点は、C値を測る気密測定試験を一邸毎に実施していることです。

 

その結果、2019年の全国平均値は0.64㎠/㎡としています。

 

同様に断熱・気密性業界トップの一条工務店も気密測定試験を実施しています。

 

そして具体的な数値を明示しています。

 

スウェーデンハウスは、一条工務店に次いで業界トップレベルと言えます。

 

※画像出典:スウェーデンハウス・カタログ ※画像外はユーム参考情報

 

先程三井ホームの気密性でもお伝えしたように、C値が重要視されるポイントは実測値です。

 

どんなに計算上の断熱性能がよくても、実際の施工状況により隙間が多くなっては意味がありません。

 

UA値ももちろん重要ですが、計算値ではなく実測値であるC値も知ることができるのは、自分の家の性能を知る上で安心できますよね。

 

この点では、スウェーデンハウスの断熱・気密性能の高さの証明ができていると言えるでしょう。

 

C値のような正確な実測値を公表しているハウスメーカーは少ないので、今後は他社でもぜひ公表してもらいたいものです。

 

 

8.空調・換気を比較

 

近年、全館空調や熱交換換気システムといった室内を快適にする機器をおすすめする住宅メーカーが増えているように感じます。

 

ハウスメーカー選びをする上でこれらの設備はどこかで聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

 

ここでは三井ホームとスウェーデンハウスの空調と換気についてみていきましょう。

 

まずは結論です。

 

 

結論

 

換気

スウェーデンハウスの方が第1種(熱交換)換気を標準仕様としている点で、より省エネ性が高い

 

ただし三井ホームもオプションの全館空調には標準搭載されている

※オプション仕様の第1種換気もある

 

 

空調

両社とも標準仕様が個別空調という点でほぼ同等

 

オプション仕様の全館空調の実績は三井ホームが業界トップレベル

 

両社の空調・換気の特徴はこちらです。

 

 

三井ホーム

スウェーデンハウス

換気

(標準仕様)

第3種換気

 

(オプション仕様)

全館空調の機種によって2種類の第1種換気システムがある

 

第1種換気システムのみも有り

※詳細な公表無し

(標準仕様)

第1種(熱交換)換気

特徴

(標準仕様)

一般的な第3種換気

 

(オプション仕様・全館空調)

■スマートブリーズ・プラス

温度・湿度を交換する第1種(熱交換)換気システム

 

■スマートブリーズ・エース

温度を交換する第1種(熱交換)換気システム

 

■スマートブリーズ・ワン

温度・湿度を交換する第1種(熱交換)換気システム

(標準仕様)

一般的な全熱交換型換気システム

 

換気システム本体は1フロアに1台ずつ

 

PM2.5対応の微小粒子用フィルターを標準装備

 

熱交換率70%以上

空調

(標準仕様)

個別エアコン

 

(オプション仕様)

全館空調「スマートブリーズ」3種

・スマートブリーズ・プラス

・スマートブリーズ・エース

・スマートブリーズ・ワン

(標準仕様)

個別エアコン

 

(オプション仕様)

デンソー製全館空調

特徴

(全館空調)

(プラス、エース共通)

標準機能は「冷房・暖房・加湿・除湿・換気・空気清浄・脱臭」

 

PM2.5対応の高性能フィルターを標準装備

 

室内機は1台

 

(スマートブリーズ・エース)

VAV方式で風量による温度調整が可能

 

室内機は床置きと小屋裏設置の2種類

 

(スマートブリーズ・プラス)

室内機は床置き

 

(スマートブリーズ・ワン)

標準機能は「冷房・暖房・除湿・換気・空気清浄」

 

PM2.5対応の高性能フィルターを標準装備

 

室内機は個別エアコン1台

 

最大8箇所で風量調節による温度調整が可能

詳細な公表無し

※デンソー製のPARADIAを採用

両社の具体的な特徴をお伝えする前に、一般的な換気システムの違いについて簡単に解説します。

 

既に知っているという方は、こちらは飛ばしていただき8-1.三井ホームの空調・換気システムをご覧ください。

 

知らないという方は、すぐ下の解説を見ていただくと、各社の空調・換気しすてむの理解が深まりますのでぜひ一読してみてください。

 

住宅の換気は、2003年に建築基準法が改正されて以降、24時間換気システム導入の義務化がされています。

 

もう少し具体的にお伝えすると、2時間に1回家全体の空気が入れ替わるように換気を設けなければいけないということです。

 

ではどのような換気方法があるのか?

 

住宅で採用される換気システムは大きく分けて2つあります。

 

(正確には全部で3つですが、住宅で採用される代表的な2つを紹介します。)

 

それは第1種換気(機械給気・機械排気)と第3種換気(自然給気・機械排気)の2つです。

 

第1種換気とは、機械で空気を取り込み・排出する換気方法です。

 

みなさんがイメージされる一般的な換気は窓を開けて空気を入れ替えることだと思います。

 

しかし第1種換気は、窓を開けずとも、機械が家の空気を入れ替えてくれます。

 

※上の画像出典:不動産shopナカジツHP ※画像外はユームの参考情報

 

さらに近年では、「熱交換換気」と呼ばれる第1種換気を採用しているハウスメーカーが多いです。

 

熱交換換気とは、換気時に熱だけを回収して室内に戻すシステムです。

 

冬の例で説明すると、新しい空気(外の冷たい空気)と排出する室内の空気(暖かい空気)が間接的に触れる空間を作り、新しい空気を排出する室内の空気で暖めてから、取り込むという方法です。

 

その結果、換気による室内の温度変化の影響が受けにくくなり、エアコン効率が良くなります。

 

つまり節電効果もある省エネ効果が高い換気システムです。

 

※上の画像出典:パナソニックHP ※画像外はユームの参考情報

 

続いて第3種換気です。

 

第3種換気を一言でお伝えすると、みなさんの家にある換気システムです。

 

※上の画像出典:不動産shopナカジツHP ※画像外はユームの参考情報

 

もう少し具体的に紹介します。

 

給気は、窓を開けるか、各居室に設置された給気口から自然に取り込みます。

 

排気は、窓を開けるか、キッチンや洗面、トイレの換気扇から排出します。

 

つまり第3種換気給気を自然にする点が大きな違いとなります。

 

ただし熱交換換気のように給気の際に排気の熱を利用することはないので、エアコン効率は高くありません。

 

とはいえ、熱交換換気と比べて初期費用が安く、注文住宅や賃貸、マンションで使われている最も一般的な換気方法です。

 

ではこれらを踏まえて、両社の空調・換気の違いを具体的にみていきましょう。

 

8−1.三井ホームの空調・換気システム

 

三井ホームは、4種の空調換気システムがあります。

 

まずは結論です。

 

 

結論

 

換気

空調システムによって第3種か第1種換気に変わる

 

いずれも特別な仕様ではない

 

 

空調

オプション仕様の全館空調「スマートブリーズ」の実績は業界トップレベル

 

独自の屋根断熱材「ダブルシールドパネル」との相性も良い

 

 

空調・換気の特徴はこちらです。

 

 

特徴

換気

(標準仕様)

一般的な第3種換気

 

(オプション仕様)

一般的な第1種(熱交換)換気

 

(オプション仕様・全館空調)

■スマートブリーズ・プラス

温度・湿度を交換する第1種(全熱交換)換気システム

 

■スマートブリーズ・エース

温度を交換する第1種(顕熱交換)換気システム

 

■スマートブリーズ・ワン

温度・湿度を交換する第1種(全熱交換)換気システム

全館空調

(プラス、エース共通)

標準機能は「冷房・暖房・加湿・除湿・換気・空気清浄・脱臭」

 

PM2.5対応の高性能フィルターを標準装備

 

室内機は1台

 

(スマートブリーズ・エース)

VAV方式で風量による温度調整が可能

 

室内機は床置きと小屋裏設置の2種類

 

(スマートブリーズ・プラス)

室内機は床置き

 

(スマートブリーズ・ワン)

標準機能は「冷房・暖房・除湿・換気・空気清浄」

 

PM2.5対応の高性能フィルターを標準装備

 

室内機は個別エアコン1台

 

最大8箇所で風量調節による温度調整が可能

三井ホームは、空調システムによって第1種・第3種換気で異なります。

 

個別エアコンの場合は、第3種換気が標準仕様です(オプション仕様で第1種換気も有り)。

 

全館空調は第1種換気が標準搭載されています。

 

さらに全館空調は全3種類あり、それぞれ換気システムが異なります。

 

では空調と換気の組み合わせによってなにが違うのかもう少し深堀りしてみましょう。

 

8−1−1.全館空調スマートブリーズ(調湿・熱交換換気もあり)

 

まずは三井ホームで建築される方の中で最も採用率が高い全館空調です。

 

こちらはスマートブリーズプラスエースが対象です。

 

結論

 

全館空調「スマートブリーズ」の実績は業界トップレベル

 

独自の屋根断熱材「ダブルシールドパネル」との相性も良い

これが結論です。

 

具体的な特徴コチラです。

 

 

スマートブリーズ・プラス

スマートプリーズ・エース

メーカー

東芝

デンソー

価格

約170~200万円(税抜)

約190~220万円(税抜)

ランニングコスト(月平均)

 

※使用状況により変動します

月11,000円前後

月12,000円前後

換気

第1種全熱交換換気

第1種顕熱交換換気

機能

標準機能は「冷房・暖房・加湿・除湿・換気・空気清浄・脱臭」

 

PM2.5対応の高性能フィルターを標準装備

特徴

室内機は1台

 

室内機は床置き

 

設置率は東芝製の方が高い

室内機は1台

 

室内機は床置き・小屋裏設置

 

VAV制御による風量調節で温度調整が可能

 

2020年省エネ大賞受賞

先に一般的な全館空調のメリット・デメリットをお伝えします。

 

まずメリットです。

 

全館空調のメリットは、季節を問わずに24時間どこにいても安定した温度環境で快適に過ごせることです。

 

書斎や家事コーナー、ファミリークローゼットなど通常よりも空間分けが多い間取りプランや、吹き抜け・大空間の間取りプランに向いています。

 

もちろん、体調的に家の中の温度差に気を使いたい方にはおすすめです。

 

花粉やアレルギーの方からの人気も高いです。

 

それは、空気清浄機能もあり、埃や花粉、PM2.5など細かい粒子も捕集してくれるため、家全体の空気環境も良くなるからです。

 

またすっきりとした空間・インテリアを好まれる方も多く採用しています。

 

個別空調のように、エアコン機器が露出することはなく、すっきりしたインテリアも実現することができます。

 

一方でデメリットもあります。

 

・年間の電気代がかかる傾向にある

 

・乾燥しやすい(加湿タイプもある)

 

・個別エアコンの性能が進化すると時代遅れの性能になる可能性がある

 

・室内の機械室や配管スペースが必要

 

このようなマイナス面もあります。

 

では三井ホームの全館空調スマートブリーズについて詳しくみていきましょう。

 

三井ホームの全館空調でメイン機種となるのは2種類です。

 

それはスマートブリーズ・プラスとスマートブリーズ・エースです。

 

プラスは東芝製、エースはデンソー製です。

 

東芝、デンソーとも共通機能は、冷暖、加湿・除湿・換気・空気清浄・脱臭です。

 

玄関・廊下・洗面室などを含む、住まい全体の温度ムラを抑えて、年中室温を快適に保ちま

す。

 

冬の朝が寒いや入浴後の洗面所が寒いなど等の温度ストレスが軽減されること。また、室内の温度差が原因となるヒートショックなどの不安も解消されます。

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

同時に第1熱交換換気もしっかり行っています。

 

ここがプラス(東芝製)とエース(デンソー製)の大きな違いになります。

 

まず熱交換換気の仕組みは、両社とも冒頭に解説した内容とおりです。

 

では、東芝とデンソーの違いはなにか?

 

簡単に言うと、東芝の熱交換換気は、温度・湿度も交換します。

 

専門用語で「全熱交換型換気」とも呼びます。

 

デンソーの熱交換換気は、温度のみ交換をします。

 

専門用語で「顕熱交換型換気」とも呼びます。

 

それぞれメリット、デメリットがあります。

 

 

東芝
(全熱交換型換気)

デンソー

(顕熱交換型換気)

メリット

梅雨時や夏は除湿効果が期待できる。

 

冬場は、給気の際、排気する空気の湿度を移すため乾燥をやわらげる

湿気や臭いが換気システムの中に移る心配がない

 

そのためトイレや浴室の排気の熱だけを効率よく給気に移すことが可能

デメリット

浴室やトイレ等の臭いが湿気に混じって換気システムの中で移ってしまう可能性がある

 

そのため基本的にお風呂やトイレは個別換気となる

夏など湿度が高い季節は、湿気も一緒に給気してしまう

冬は室内の湿気を排出するため、乾燥しやすくなる

大きな違いは湿度の交換です。

 

この機能があった方が良いかは、その土地の気候によっても良し悪しがあります。

 

そのため営業担当に採用率やどっちがオススメかを聞いてみても良いと思います。

 

プラスとエースにはもうひとつ大きな違いがあります。

 

それは個別の温度調整です。

 

この機能はエースのみ対応しています。

 

具体的には居室毎に温度設定を変更できるVAV※1を採用しています。

 

※1VAVとは、Variable Air Volume Controlの略で、部屋によって風量を調節し、室内の温度を調整するシステムです。

 

各部屋に設置された吹出口の中に、「電動ダンパー」と呼ばれる開閉式の羽を設置し、その開閉によって風量をコントロールできます。

 

正確には風量を調整して温度を調整することができます。

 

そのため個別エアコンほど自由に温度を変えることはできませんので注意してください。

 

またエースは2020省エネ大賞を受賞しています。

 

参照:三井ホームHP ニュースリリース

 

全館空調の搭載実績は東芝の方が多いとの声を聞いています。

 

省エネ大賞を受賞したことにより、今後エースの採用率も上がるか注目です。

 

全館空調のデメリットである乾燥については、東芝もデンソーも加湿機能を備えています。

 

ただし湿度の調整はできませんので注意してください。

 

両社とも室内の湿度を5~10%程度上げてくれる程度になります。

 

ちなみに建築事例をみると、湿度交換がない顕熱交換型のデンソー製の方が、「加湿機能があっても思ったより乾燥する」という声が多かったです。

 

実際には加湿器を併用している方が多いので、補助的な機能であると考えておいた方がよいです。

 

空気清浄機能についてもみておきましょう。

 

スマートブリーズ・プラスとエースともにPM2.5(2.5μm)に対応した高性能フィルターが標準搭載されています。

 

具体的には、PM2.5(2.5μm)よりも細かい2.0μm以上の粒子を90%以上捕集してくれます。

 

これはパナソニックのHEPAフィルターと比較すると、決して高い空気清浄力ではありません。

 

スマートブリーズ・プラスのフィルターをもう少し詳しくみてみましょう。

 

プラスでは、4つのフィルターで構成されています。

 

主に室内側にフィルターが3つ、室外に1つあります。

 

室内側には脱臭効果がある光再生脱臭フィルターがあります。

 

脱臭機能は他社の全館空調にはないケースが多いです。

 

そのためペットの臭いが気になる方はオススメの機能です。

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

続いて電気代についてです。

 

こちらは自社で比較シミュレーションをしています。

 

個別空調5台分よりもスマートブリーズ・プラスの方が電気代を抑えることができるとしています。

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

ただし全館空調は常時運転し続ける使い方が一般的なため、個別空調5台分も同様の条件でシミュレーションしています。

 

そのため個別空調を常時運転し続けるというのは少し違うように思います。

 

とはいえ、断熱・気密性能が高ければ、最近では24時間エアコンを連続運転していても、間欠運転と大きく費用は変わらないというシミュレーションもあります。

 

使い方は個人差によりますが、断熱性能の高さとそれにより電気代を抑えることができるという自信から、三井ホームは全館空調を自社の大きな特徴としているのでしょう。

 

三井ホームでこの全館空調の採用率は50%前後ととても高いです。

 

それは、ランニングコスト以上になによりも快適だからということです。

 

三井ホームは、リビング階段や吹き抜け、小屋裏空間など上下階の空間がつながった提案を得意としています。

 

そのため個別エアコンよりも全館空調との相性が良いというのも採用率が高い理由となっています。

 

また全館空調は施工が複雑であったり、部屋中に這わせるダクトは建築後のメンテナンスが困難です。

 

しかしその点についてもノウハウを蓄積していて対策を取っています。

 

ダクト内部にはカビ対策としてペット樹脂と24時間換気で対応しています。

 

カビの付着がしづらいペット樹脂と、発生を抑制する空気の流れを作るように常時換気を行い、対策を取っています。

 

カビ対策も重要ですね。

 

ダクトは天井や小屋裏に這っているため、メンテナンスをするのは困難です。

 

特にダクトは小屋裏も通過するため、小屋裏とダクト内の温度差による結露の心配があります。

 

この点は独自の屋根断熱材ダブルシールドパネルが標準搭載のため、その心配を大幅に軽減できています。

 

8−1−2.全館空調スマートブリーズ・ワン

 

続いて2019年に新発売されたスマートブリーズ・ワンです。

 

まずは結論です。

 

結論

全館空調「スマートブリーズ・ワン」は個別エアコン1台で家全体を冷暖房できる

 

ただし40坪以下限定

 

これが結論です。

 

具体的な特徴コチラです。

 

 

スマートブリーズ・ワン

メーカー

ダイキン

価格

約132万円(税抜

ランニングコスト(月平均)

 

※使用状況により変動します

詳細な公表無し

※従来の全館空調より20%減

換気

第1種全熱交換換気

機能

標準機能は「冷房・暖房・除湿・換気・空気清浄」

 

PM2.5対応の高性能フィルターを標準装備

特徴

室内機は個別エアコン1台

 

最大8箇所で風量調節による温度調整が可能

 

スマートブリーズ・ワンは高効率ルームエアコンと第1種換気の熱交換システムを組み合わせたダクト式空調システムです。

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

従来の全館空調(スマートブリーズ・プラス、エース)は専用の室内機を使用していました。

 

スマートブリーズ・ワンは、室内機をルームエアコンで代用するシステムです。

 

これが大きな違いです。

 

ルームエアコンはダイキン製です。

 

基本性能は、冷房・暖房・除湿・空気清浄・換気の5つです。

 

プラスやエースと比較して加湿、脱臭機能がありません。

 

換気システムは第1種全熱交換換気システムです。

 

電気代については、残念ながら詳細な公表はありませんでした。

 

ただし従来の全館空調の約20%減としています。

 

ここで注意点があります

 

スマートブリーズワンは40坪以下限定の空調システムになります。

 

そのため40坪以上には採用できませんので注意してください。

 

スマートブリーズ・ワンは、従来のスマートブリーズよりも室内機がコンパクトな点や、コストを抑えられる点から装着率が増えつつあります。

 

また故障しても、ルームエアコンの入替だけで良いというのも採用理由で多いようです。

 

8−1−3.第1種換気(熱交換型)+個別空調

 

こちらは第1種換気の熱交換換気システムと個別エアコンをそれぞれ分けて設置したシステムです。

 

残念ながらこちらの詳細な公表はありませんでした。

 

取扱メーカーなど詳しくは営業担当に確認をしてみてください。

 

ここでスマートブリーズ・ワンとは設置方法が違うため、勘違いがないようにもう少し詳しくお伝えします。

 

大きな違いは、ダクトは換気用のみで、個別エアコンを各部屋に設置するということです。

 

エアコンは各部屋に個別で設置するため、40坪以上でも採用できます。

 

ただしスマートブリーズと同様に、熱交換換気システムを採用しているため、エアコンの効率は良くなります。

 

また個別エアコン自体は、家族構成の推移に合わせ設置できることや、最新のものに交換できるなどの柔軟性が利点です。

 

しかし全館空調と比較すると、リビングと廊下や脱衣所を比べると温度差が出やすいと思います。

 

とはいっても、熱交換型の換気のため第3種換気よりも快適だとは言えます。

 

8−1−4.第3種換気+個別空調

 

まずは結論です。

 

結論

一般的な24時間換気システムを採用

 

三井ホームの標準換気は、一般的な24時間換気システムを採用しています。

 

これは第3種換気(自然換気)と呼ばれるシステムです。

 

温度差や風圧によって生じる自然の換気力と機械換気を組み合わせた換気システムです。

 

※上の画像出典:不動産shopナカジツHP ※画像外はユームの参考情報

 

各居室に給気口を設けて、新しい空気を自然に給気します。

 

室外に排出空気は、キッチンや洗面、トイレの換気扇から排出します。

 

つまり、第1種換気は給気も排気も機械的に行いますが、第3種は給気は自然給気というところが大きな違いとなります。

 

熱交換換気のように、給気の際に排気の熱や湿度利用することはないので、エアコン効率は低いです。

 

熱交換換気や全館空調と比べ、イニシャルもランニングコストもがかからず、注文住宅や賃貸、マンションで使われている一般的な換気方法です。

 

ここで補足で、全館空調と個別空調のメリット・デメリットも整理しておきましょう。

 

空調方式

メリット

デメリット

全館空調

各部屋の温度を一定に保ち、快適に過ごすことができる

 

冬の朝が寒いや廊下、洗面所が寒いといった温度差によるストレスがない

 

吹出し口が天井や壁にコンパクトに設置されるため、インテリアの邪魔にならない

各部屋毎のON/OFF操作ができない

イニシャルコスト(設置費用)が高い

室内機の交換費用が高い

個別空調

各部屋毎にON/OFFの操作ができる

 

イニシャルコスト(設置費用)が安い

 

室内機の交換が簡単

廊下や洗面まで冷暖房はできない

 

ON/OFFの操作が基本のため、付け始めは冷暖房が効くまで時間がかかる

 

使い方によっては全館空調よりも電気代が高額になる

 

設置台数が多い分だけ交換頻度とその費用が高くなる

一般的な認知度は、個別空調の方が馴染みが多く、イニシャルコストは個別空調の方が安くなる傾向があります。

 

そのため住宅購入者全体で見ると個別空調にする方が多いです。

 

しかし近年の厳しい環境変化(夏の猛暑や大寒波、毎年更新される花粉量)に、家の快適さを求める方が増えています。

 

また空調による冷暖房だけでなく、空気清浄機や加湿器など空気品質も気にされる方も増えています。

 

そのため、全ての役割を担う全館空調が今後さらに注目されるかもしれません。

 

8−2.スウェーデンハウスの空調・換気システム

 

スウェーデンハウスは第1種交換換気システムが標準仕様です。

 

まずは結論です。

 

 

結論

 

換気

第1種(熱交換)換気を標準仕様としている点で、三井ホームより省エネ性が高い

 

ただし特別な仕様ではない

 

 

空調

標準仕様は個別空調

 

オプション仕様の全館空調もあるが詳細な公表無し

 

具体的な特徴はコチラです。

 

 

特徴

換気

パナソニック製のダクト式第1種換気システム

 

換気システム本体は1フロアに1台ずつ

 

PM2.5対応の微小粒子用フィルターを標準装備

 

熱交換率70%以上

※画像出典:スウェーデンハウスHP ※画像外はユーム参考情報

 

スウェーデンハウスの空調システムは、個別エアコンが主流のようです。

 

全館空調はオプション仕様でデンソー製の全館空調「PRADIA」の採用実績があるようです。

 

しかし残念ながら詳細な公表はありませんでした。

 

ここでは標準換気の第1種換気システムについて紹介していきます。

 

スウェーデンハウスの標準換気は、パナソニック製のダクト式第1種換気システムです。

 

もう少し具体的に紹介します。

 

第1種換気システムは、全熱交換タイプです。

 

熱交換率は70%以上としています。

 

大手他社ではさらに熱交換率の高いものを使用しているため決して特別ではありません。

 

※画像出典:スウェーデンハウスHP ※画像外はユーム参考情報

 

空気清浄機能についてもみてみましょう。

 

スウェーデンハウスにもPM2.5に対応した微小粒子用フィルターが標準搭載されています。

 

こちらのフィルターは2.0μm以上の微粒子を約95%以上除去してくれます。

 

この点は三井ホームよりも優れていると言えます。

 

※画像出典:スウェーデンハウスHP ※画像外はユーム参考情報

 

ここで補足で寒冷地仕様の換気システムについても紹介します。

 

こちらは第3種換気システムとしています。

 

ただし一般的な換気システムと異なる点があります。

 

それはダクト配管によって集中排気を行う「ダクト式セントラル換気システム」です。

 

これは一般的な換気扇を設ける方法ではなく、ダクトで排気する方法です。

 

排気によって生じる圧力差で窓の給気口から自然に給気をする仕組みです。

 

※画像出典:スウェーデンハウスHP ※画像外はユーム参考情報

 

 

9.保証・アフターメンテナンスを比較

 

次に耐久性の裏付けの1つである保証についてです。

 

保証だけでなく、震災時などに即時対応してくれるアフターメンテナンスも重要なポイントです。

 

 

結論

保証

業界トップクラスの最長60年保証がある三井ホームの方が安心

スウェーデンハウスはメンテナンスサポートが充実しているものの、最長保証が短いため不安が残る

 

アフターメンテナンス

北海道から九州まで直営支店・FCを展開している三井ホームの方が、震災時のリスク分散ができているため安心

スウェーデンハウスは被災地のリスク分散に不安が残る

 

 

両社の具体的な保証内容はコチラです。

 

太文字の年数をおさえておきましょう。

 

各保証の要件は、この後詳しく紹介します。

 

 

三井ホーム

スウェーデンハウス

基礎

初期保証10年

最長保証60年

※10年毎の点検・有償メンテナンス工事が必須

初期保証10年

最長保証20年

※10年目の点検・有償メンテナンス工事が必須

構造躯体

防水

初期保証10年

永年保証

※10年毎の点検・有償メンテナンス工事が必須

初期・最長保証10年

防蟻

点検

30年間無料

※40年目以降は有料

50年間無料

アフターサポート

全国約59箇所の拠点がある

24時間365日対応のアフターサポートがある

全国約20箇所の拠点がある

拠点ごとにお客様センターがある

それでは、具体的に比較していきましょう。

 

9−1.三井ホームの保証制度

 

三井ホームは、基礎・構造躯体は60年保証、防水・防蟻は永年保証となっています。

 

結論

保証・メンテナンス期間ともに業界トップクラス

ただし各保証の適用条件に注意が必要

 

 

具体的な期間はコチラです。

 

 

60年保証

基礎

初期保証10年

最長保証60年

※10年毎の点検・有償メンテナンス工事が必須

構造躯体

防水

初期保証10年

永年保証

※10年毎の点検・有償メンテナンス工事が必須

防蟻

点検

30年間無料

※40年目以降は有料

 

基礎、構造躯体、防水、防蟻の初期保証は10年です。

 

10年目以降は10年後に定期点検の結果必要なメンテナンス工事を実施することにより、都度保証を継続できます。

 

基礎、構造躯体は最長60年保証です。

 

防水・防蟻は永年保証です。

 

この保証は誤解しがちですので、ここでおさえて欲しいことがあります。

 

それは、この「定期点検の結果必要なメンテナンス工事を実施することにより」という条件です。

 

これは簡単に言うと、途中で必須となる有料補修工事を行わないと、保証は継続できないということです。

 

ほとんどの会社がこういう条件で長期保証をしているので、みなさんが実際にハウスメーカー選びする際は、次の点の最新情報を各社に確認してください。

 

・長期保証のために、必須となる可能性がある時期と回数

※特にお子さんの入学費と重なる時期だとその年の出費が!!となるので要チェックですね。

・みなさんが90歳になるまでの点検費用を含めたメンテナンス費用(予想額)

 

 

特にトータルのメンテナンス費用だけでも、聞いてください。

 

そしてできれば営業マンの口頭や営業が作成したような資料だけでなく、会社が作成している資料で確認することをおすすめします。

 

つい先日、ユームにご相談の上三井ホームで契約となった方が提示されたのは、約30坪の建物の重要な構造躯体部分の60年間のメンテナンス予想費用が約270万円でした。

 

60年間のメンテナンス予想費用が約270万円(30坪の主要構造躯体の補修費)

メンテナンスコストの抑制は業界トップクラス

 

 

みなさんはこの金額は高いと思いますか?

 

実は、この額は業界トップクラスで費用を抑えられていると言えます。

 

保証と同時に、いかに補修費を抑えられるかは重要ですよね。

 

みなさんもハウスメーカー選びのタイミングで、各社の最新情報を比較してみてください。

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

三井ホームの点検については、2年、10年、20年、30年…60年(10年毎)実施し、30年目まで無料で対応をしてくれます。

 

先程お伝えしたとおり、構造躯体の保証は10年毎の点検と所定の有料メンテナンス工事を実施することにより、保証を継続、最長で60年保証というものです。

 

この有料メンテナンス工事が必須で長期保証をする会社は多いです。

 

ですが、三井ホームの60年のメンテナンス費用は業界トップレベルで抑制できているという明確な提示があります。

 

ただし木製サッシを使用された場合、5年毎の点検・メンテナンス工事に期間が変わるため注意が必要です。

 

防水・防蟻の保証は、引渡し10年目以降、10年毎に必要なメンテナンス工事を実施することにより、その後10年保証を継続、永年保証し続けるというものです。

 

大手ハウスメーカーの中では、60年保証や永年保証の対応は増えてきているためあまり特別ではありませんが、トップクラスの保証制度のため安心であると言えます。

 

 

9−2.三井ホームのアフターサポート体制

 

では次にアフターサポート体制についてみていきましょう。

 

結論

北海道から九州まで直営支店・FCを展開している三井ホームの方が、震災時のリスク分散ができているため安心

 

アフターサポート体制の特徴はコチラです。

 

特徴

24時間365日受付対応の「三井ホームオーナーズデスク」が窓口

 

アフターメンテナンスの拠点数公表無し

※営業拠点は約59箇所

 

拠点は北海道からから九州まで全国展開している

 

全国各地、北海道から鹿児島まで「お客様センター」を設置しています(直営店、フランチャイズを含む)。

 

その数の明示はありませんが、地域ごとに数えたところ約59箇所ほどあるようです。

 

また24時間365日受付対応の「三井ホームオーナーズデスク」も開設しています。

 

基本はオーナーズデスクが受付対応をし、各拠点のお客様センターのスタッフが派遣される流れです。

 

アフターサポート体制のシステムは他社でも実施されており、突出したものではありません。

 

積水ハウスや大和ハウスほどの規模ではありませんが、スウェーデンハウスなどの同じ枠組み壁工法の会社と比較すると、全国に多くの拠点があります。

 

実はこれも重要です。

 

何故かと言うと、被災エリア外から迅速にフォローできるのかどうかも、真に地震に強いハウスメーカーと言えるからです。

 

震災後はとても普通の精神状況ではいられません。

 

今までに経験した事の無い様な恐ろしく巨大な力による揺れに突然襲われ、建物が倒れていなくても周囲は惨状と化している中で、大きな余震は夜中も関係なく何度も襲ってくるのです。

 

不意にくる余震の度に、瞬時に不安に襲われ、最悪の事態が頭をよぎり、とても普通の精神状態ではいられないという事は、きっと体験者にしかわからない状況なのだと思います。

 

私が赴いた熊本県東区(益城町の隣)のボランティア先のお宅では、そのご主人は本震から1か月程経っていたのに眠れなく、お嬢様は余震がある度に泣き出してしょうがないとのことでした。

 

ご主人は精神的に本当におかしくなるとおっしゃいました。

 

(詳しくは、「何故u-hmサービスを始めたのか?」にて)

 

一方で、建てたハウスメーカーが点検に来て、「大丈夫です。異常ありません。」という言葉でどんなに心から安心できるものなのかという事も別のご家族の言葉からわかりました。

 

ハウスメーカーの耐震性を語る際に、単に建物が地震に強いだけでは駄目なのだと感じました。

 

被災地では、ハウスメーカーの社員やご家族も被災者となります。

 

その様な時に、被災エリア外から迅速にフォローできるのかどうかはとても重要です。

 

その点でも三井ホームは、有事の対応組織力は高いと言えます。

 

9−3.スウェーデンハウスの保証制度

 

スウェーデンハウスは、基礎・構造躯体は最長20年保証、防水・防蟻は10年保証です。

 

結論

スウェーデンハウスは、大手他社と比較して最長保証が短いため不安が残る

具体的な期間はコチラです。

 

 

60年保証

基礎

初期保証10年

最長保証20年

 

※10年目の点検・有償メンテナンス工事が必須

構造躯体

防水

初期・最長保証10年

防蟻

点検

50年間無料

スウェーデンハウスの保証は、大手他社と比較して非常に短いため不安が残ると言わざるを得ません。

 

基礎・構造躯体、防水、防蟻の初期保証は10年です。

 

基礎・構造躯体は、10年目点検の結果必要なメンテナンス工事を実施することにより、最長20年保証となります。

 

なお防水・防蟻に関しては最長10年保証です。

 

三井ホームに限らず大手他社のほとんどは60年保証や永年保証としています。

 

中堅メーカーでも最長30年保証としているところが多いです。

 

これらと比較する見劣りしてしまうと言わざるを得ません。

 

※画像出典:スウェーデンハウスHP ※画像外はユーム参考情報

 

スウェーデンハウスの点検については、3ヶ月、6ヶ月、1年、2年、4年、7年…10年(5年毎)実施し、50年目まで無料で対応をしてくれます。

 

スウェーデンハウスではこの点検システムを「ヒューズベクトル50」と呼称しています。

 

業界に先駆けて2000年に導入しています。

 

この点は、当時からアフターメンテナンス体制を会社が重視してきた特筆すべき点と言えます。

 

だからこそ保証期間が短いのは残念な点ではあります。

 

今後の保証期間拡大を期待したいところです。

 

※画像出典:スウェーデンハウスHP ※画像外はユーム参考情報

 

9−4.スウェーデンハウスのアフターサポート体制

 

では次にアフターサポート体制についてみていきましょう。

 

結論

一部エリアに拠点が集中しており、被災地のリスク分散に不安が残る

 

アフターサポート体制の特徴はコチラです。

 

特徴

 

拠点ごとのお客様センターが対応

 

アフターメンテナンスの拠点数公表無し

※営業拠点は約20箇所

 

拠点は北海道からから九州まで全国展開している

※関東・北海道に拠点が集中している

全国各地、北海道から九州まで「お客様センター」を設置しています

 

その数の明示はありませんが、地域ごとに数えたところ約20箇所ほどあるようです。

 

拠点数は三井ホームと比較すると少ないです。

 

ですがそれ以上に気になる点があります。

 

それは一部エリアで拠点が集中していることです。

 

具体的には関東や北海道に集中しています。

 

例えば千葉県だけでモデルハウスが6件あります(2021年6月27日現在)。

 

東京や埼玉には千葉以上にモデルハウスがあります。

 

それに対して大阪は1件のみです。

 

京都や奈良にはモデルハウスがありません。

 

三井ホームのアフターサポートでもお伝えしたとおり、被災地のリスク分散は非常に重要です。

 

被災地では、ハウスメーカーの社員やご家族も被災者となります。

 

その様な時に、被災エリア外から迅速にフォローできるのかどうかはとても重要です。

 

その点でスウェーデンハウスは、各拠点のリスク分散が弱いを言わざるを得ません。

 

10.設計・デザイン力を比較

 

デザインの違いについても確認していきましょう。

 

デザインと言うと、外観が決まる上でポイントとなる外壁の仕上げや大空間、天井高、3階建以上の建物などの設計も関連していきます。

 

 

結論

 

設計

空間提案力は、独自の屋根断熱材をもつ三井ホームの方が高い

 

バリアフリーを想定した設計はスウェーデンハウスの方がこだわりがある

 

デザイン

デザインの提案の幅は三井ホームの方が高い

 

スウェーデンハウスは輸入住宅系のデザインが得意

両社の設計、デザインの特徴はコチラです。

 

 

三井ホーム

スウェーデンハウス

設計・デザイン

標準天井高:1階2.6m

独自の屋根断熱材を有効活用した勾配天井やロフトの提案が得意

 

オプション仕様のGフレーム構法最大7.2mの大開口も可

 

5階建て耐火建築の実績がある

 

業界内でもデザイン力に定評があり外壁仕上げは吹付けが多い

 

営業・設計・インテリアコーディネーターのチームで提案

標準天井高:1階2.4m

オプション天井高(ハイパネル):1階2.7m

※一部商品は標準仕様??

 

120cmモジュールのゆとりある設計

 

最大6.0mの大開口も可

耐火建築の実績は公表なし

 

輸入住宅の外観デザインに定評がある

インテリアに無垢材を多用

では両社の設計・デザイン力を比較していきましょう。

 

10−1.三井ホームの設計・デザイン力

 

三井ホームは業界内でもデザイン力に定評がある住宅メーカーです。

 

まずは結論です。

 

結論

独自の屋根断熱材ダブルシールドパネルを有効活用した空間提案が得意

 

住宅のインテリアコーディネーター制度の発祥は三井ホーム

 

三井ホームの設計・デザインの特徴はコチラです。

 

 

特徴

設計・デザイン

標準天井高:1階2.6m

 

独自の屋根断熱材を有効活用した勾配天井やロフトの提案が得意

 

オプション仕様のGフレーム構法最大7.2mの大開口も可

 

5階建て耐火建築の実績がある

 

業界内でもデザイン力に定評があり外壁仕上げは吹付けが多い

 

営業・設計・インテリアコーディネーターのチームで提案

まずは天井高からみていきましょう。

 

三井ホームの1階の天井高は標準仕様で2.6mです。

 

一般的なマンションやアパートは2.4mほどです。

 

この天井高の違いは感覚的にも全然違いますので、ぜひモデルハウスなどを見に行った際は気にかけて見てみてください。

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

2階の天井高は2.4mですが、前章でお伝えした屋根断熱材「ダブルシールドパネル」を有効活用した提案を得意としています。

 

スロープシーリング(勾配天井)やロフトを採用される方が多いようです。

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

小屋裏が暑くなりにくいので、「快適に過ごせる」ロフトの採用率も高いです。

 

大空間を希望される場合は、オプション仕様のプレムアム・モノコック構法GもしくはGフレーム構法があります。

 

プレミアム・モノコック構法Gは、3-1.三井ホーム・建物構造でもお伝えしたGウォール構法です。

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

壁倍率10倍相当の耐力壁を外周に配置することにより、通常の木造を超えた大空間を実現できます。

 

三井ホームでは計算により一部支持壁や柱を室内側に足すことにより、50畳でも100畳でも可能としています。

 

しかし残念ながら開口幅の公表はありませんでした。

 

詳しくは担当にご確認ください。

 

三井ホームでは、Gフレーム構法による大開口の実績も多いです。

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

Gフレーム構法とは、「ヘビーティンバー」と呼ばれる断面積が300㎠以上ある大断面の集成材を使った「ラーメン構造」です。

 

さらにGフレームを進化させたGフレームZであれば最大開口高さ5.4mの全面開口も可能となります。

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

また三井ホームは木造で初の5階建耐火建築を建築するなど、3階以上の施工実績があります。

 

ここまでの階数になると、鉄骨やRC造じゃないの?と思うかもしれません。

 

都内を中心とした狭小地域でも技術やノウハウを持っているというのは非常に心強いですよね。

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

次に外壁仕上げです。

 

三井ホームは、前章でお伝えしたスーパーファインクリートを生かした吹付け仕上げを標準仕様としています。

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

吹付仕上げとは、スーパーファインクリートなどのモルタルの上に吹付材を塗布することです。

 

仕上げ方にも種類があり、ローラーやコテを使用して模様を付けることもできます。

 

サイディングやタイルはオプション仕様となります。

 

特に外壁全面で採用される方は少なく、玄関ポーチなど一部アクセントで採用される方が多いようです。

 

どちらかと言うとサイディングよりも、ラグジュアリー感のある全面タイルの邸宅も昔から実績があります。

 

三井ホームの商品をいくつかご紹介します。

 

三井ホームの特徴は、商品によって構造や仕様が変わることがほとんどありません。

 

また、同じ間取りでも、様々な商品の外観へと変更できる対応力の高さを持っています。

 

一般的な住宅メーカーの場合、商品ごとにデザインだけでなく構造や仕様が変わるケースもあるので、そのような心配がないのは安心ですよね。

 

【ラセーヌ】

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

2021年に新発売された商品です。

 

格調高いクラシックデザインと新しいライフスタイルをフィットさせたニュークラシックなデザインがコンセプトです。

 

玄関ポーチには重厚感を演出するタイル、正面に大開口を配置しています。

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

リンボーンの床やモールディングといった伝統的な装飾美と、モダンなインテリアを調査させたデザインです。

 

【シュシュ】

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

シュシュと言えば三井ホームの代表的な商品ではないでしょうか。

 

エレガントな中に可愛らしさが残る、女性に人気のデザインです。白の外壁を基調とし、黒っぽい屋根・アイアン・モールなどがあしらわれています。

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

内装は白を基調とした可愛らしいフレンチモダンスタイルや、淡いアクセントカラーを取り入れたエレガントモダンスタイルです。

 

【ソノマ】

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

ソノマはナチュラルテイストの温かみのある建物です。

 

白の外壁をベースに、アクセントとしてブラウンが取り入れられています。サッシも正方形に近い形を多く採用することで、可愛らしく優しい雰囲気を表現しています。

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

内装もナチュラルテイストです。温かみのある明るめの床に、タイルの柄がアクセントとして取り入れられています。

 

メンズライクの照明や階段は男女ともに好まれるデザインです。

 

【ルーカス】

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

白と黒そして茶の3色で構成された建物と、大きな片流れ屋根が印象的な外観です。

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

屋根勾配を活かした開放的なデザインを活かしたデザインです。

 

内装にも白・茶・シックなカラーの3色でコーディネートされています。

 

【チューダーヒルズ】

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

チューダーヒルズは、吹付け仕上げとタイルを組み合わせたツートンの外観が特徴です。

 

ノスタルジックな雰囲気の中に高級感を感じさせるデザインです。

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

モダンな家具と、アンティークなシェルフや照明が調和した落ち着いた雰囲気にしたデザインです。

 

【ハクア】

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

白一色のシンプルな色合いに、片流れのシャープな屋根が特徴です。

 

外観にアクセントをつける丸窓やリズミカルな3連窓が、シャープな屋根に豊かな表情を添えています。

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報

 

ベースカラーを白としアクセントの色合いはブラックに統一した、シンプルなデザインのインテリアです。

 

最後は、打合せの形式です。

 

三井ホームでは、基本的に営業・設計・インテリアコーディネーターの3者によって打合せが進められます。

 

各部門のプロが対応しますので打合せの精度は高いと評価されることが多いです。

 

また住宅のインテリアコーディネーター制度の発祥は三井ホームです。

 

「三井ホーム=デザインが素敵」と言われるのは、打合せ体制やインテリアなどのノウハウが豊富だからと言えます。

 

ただし、デメリットもあります。

 

例えば、

 

・3者でしっかりと報連相ができておらず、意見が食い違ってしまいトラブルにつながる

 

・または営業のことは気に入っているが、設計とはタイプが合わない

 

などです。

 

家づくりのスタッフは、営業担当を通して社内でアテンドすることが多いので、自分の要望を思いつく限り伝えて、それを叶えてくれるスタッフをアテンドしてもらえるようにお願いしましょう。

 

最近は他社のデザイン力も上がってきていますので、各社切磋琢磨して素敵な設計をしていただきたいですね。

 

10−2.スウェーデンハウスの設計・デザイン力

 

スウェーデンハウスは業界内でも輸入住宅の外観デザインに定評がある住宅メーカーです。

 

まずは結論です。

 

結論

輸入住宅の外観デザインがお好みの方はスウェーデンハウスがオススメ

 

バリアフリーも考慮した120cmモジュールのゆとりある設計が基本

 

スウェーデンハウスの設計・デザインの特徴はコチラです。

 

 

特徴

設計・デザイン

標準天井高:1階2.4m

オプション天井高(ハイパネル):1階2.7m

※一部商品は標準仕様??

 

120cmモジュールのゆとりある設計

 

最大6.0mの大開口も可

 

耐火建築の実績は公表なし

 

輸入住宅の外観デザインに定評がある

まずは天井高からみていきましょう。

 

スウェーデンハウスの1階の天井高は標準仕様で2.4mです。

 

これは一般的なマンションやアパートと同等です。

 

標準の天井高は三井ホームの方が20cm高いです。

 

ただしスウェーデンハウスでは、オプション仕様の「ハイパネル」の採用率も高いです。

 

詳細な公表はありませんでしたが、平屋商品「レットナード」といった一部標準仕様としているものもあります。

 

こちらを採用すると天井高は2.7mになります。

 

天井高の違いは感覚的にも全然違いますので、ぜひモデルハウスなどを見に行った際は気にかけて見てみてください。

 

スウェーデンハウスの設計で特徴的な点に120cmモジュールでの設計提案があります。

 

モジュールとは設計する上で基準となる基本寸法を指します。

 

ハウスメーカーの設計モジュールを比較する代表例としてよく廊下の寸法が挙げられます。

 

日本の多くの住宅は91cm間隔で建築されます。

 

また建築に関わる資材も、この寸法に合わせた設計になっているものが多いです。

 

スウェーデンハウスの基本モジュールは120cm間隔で設計されています。

 

廊下の幅だけでなく、階段の幅や部屋の大きさもこの基準になっているため、住宅展示場のようなゆとりある設計になります。

 

車いすなどバリアフリーを想定して、長く使える住宅を前提にした設計になっています。

 

また階段の勾配が、建築基準法と比べるとはるかに緩やかな勾配で設計されることも特徴です。

 

スウェーデンハウスでは階段有効幅が92cm、蹴上げ19.5cm以下、踏面21cm以上となっています。

 

建築基準法上は階段有効幅が約75cm以上としているので、最低基準の約1.2倍の広さです。

 

また蹴上げは23cm以下、踏面は15cm以上としているので、こちらも余裕のある設計基準としています。

※上の画像出典:スウェーデンハウスHP ※画像外はユームの参考情報

 

続いて大開口です。

 

スウェーデンハウスでは標準窓の木製サッシで大開口を実現することができます。

 

最大開口幅は約6.0mです。

 

この大開口を実現した商品「レイディアンス」では、さらに1・2階の連続窓とした最大高さ約5.2mもの大開口も可能としています。

※上の画像出典:スウェーデンハウスHP ※画像外はユームの参考情報

 

耐火建築については、残念ながら三井ホームのような詳細な公表はありませんでしたので割愛させていただきます。

 

ちなみに商品は3階建てまで用意されています。

 

そのため最大でも3階建てであると予想されます。

 

スウェーデンハウスの商品もいくつかみていきましょう。

 

代表的なのは、やはり輸入住宅系の外観デザインです。

 

スウェーデンハウスの商品は大きく分けて、自由設計とセミオーダーで分類されます。

 

■自由設計の商品

 

【レイディアンス】

※画像出典:スウェーデンハウスHP ※画像外はユーム参考情報

 

スウェーデンハウス史上、最も「大開口・大空間」を重視したシリーズになっています。

 

日光を取り込む面積も広く、明るい室内空間で多彩な四季の変化を楽しめる住宅シリーズです。

 

【ヒュース プレミエ ゴーデン】

※画像出典:スウェーデンハウスHP ※画像外はユーム参考情報

 

スウェーデン語で「邸宅の庭」と意味する「Garden(ゴーデン)」の名称のとおり、庭と調和する住宅シリーズです。

 

スウェーデンハウスの中でも高級グレードのシリーズです。

 

【ボーラ ヴォーラ】

※画像出典:スウェーデンハウスHP ※画像外はユーム参考情報

 

スウェーデン語で「なにもしない」を意味する「Bara vara(ボーラ ヴォーラ)」が商品名ですい。

 

長い休暇をゆっくり、のんびり楽しむスウェーデンの生活をイメージした住宅シリーズです。

 

【ヒュース エコゼロ】

※画像出典:スウェーデンハウスHP ※画像外はユーム参考情報

 

標準仕様でZEHの断熱性能をクリアするスウェーデンハウスがつくる、ZEH対応シリーズです。

 

高性能な断熱性能はそのままで、洋風の独自の特徴的な外観を保ちつつも、太陽光発電をのせやすい屋根形状のモデルとなっています。

 

ただし、スウェーデンハウスはその高い断熱性能とは裏腹にZEH率は「断熱・気密」の記事内で紹介した通り高くはありません。

 

■セミオーダーの商品

 

【サキタテ】

※画像出典:スウェーデンハウスHP ※画像外はユーム参考情報

 

コロナの流行による新生活様式に対応した住宅シリーズです。

 

リモートワークスペースや、ウイルスや花粉を持ち込まない工夫などがされている商品で、昨今若年層に人気の高いシリーズです。

 

【レットナード】

※画像出典:スウェーデンハウスHP ※画像外はユーム参考情報

 

屋根付きアウトドアリビング「ルフトデッキ」を備えたレットナードは、基本プランに様々なアレンジを加えることもでき、土地形状なアウトドアのスタイルに合わせたアレンジが可能なシリーズです。

 

11.経営状況を比較

 

冒頭にもお伝えしましたが、

 

 

三井ホームは、不動産業界トップ三井不動産の完全子会社

 

スウェーデンハウスは、段ボール製造業トーモクの完全子会社

 

です。

 

では両社の直近の経営状況をみてみましょう。

 

2021年3月期(2020年度)の情報です。

 

 

三井ホーム

スウェーデンハウス

資本金

139.7億円

公表無し

売上高

1,472億円

427億円

営業利益

公表無し

7.7億円

営業利益率

公表無し

1.8%

対前年 営業利益増減率

公表無し

 

※売上高は▲11.2%

+23.9%

参考サイト⇒三井不動産 2021年3月期決算短信

参考サイト⇒三井不動産 2021年3月期決算短信補足説明資料

参考サイト⇒トーモク 2021年3月期決算短信

 

両社とも決算報告の内容は、親会社の決算短信からの公表のみとなります。

 

しかし残念ながら詳細な公表されていないので、以下のことしかわかりません。

 

営業利益は、拠点数など規模の違いもあり、三井ホームの方が高いです。

 

ただし三井ホームは前年比の売上高を▲11.2%としています。

 

これは新型コロナの影響が大きかったと言えます。

 

三井ホームに限らず、大手他社の多くは前年比を下回る結果でした。

 

一方でスウェーデンハウスは営業利益率の前年比を+23.9%と大幅にUPしています。

 

この数値だけみると高い実績を挙げているように見えますがここで注意点です。

 

スウェーデンハウスは前年度の営業利益で▲42.3%と大幅にダウンしました。

 

その点と比較すると今年度は回復の兆しが見えた程度ということになります。

 

どちらも大手不動産会社に属しており、グループ全体ではある程度の利益を上げています。

 

しかしグループ全体で利益を上げているから、三井ホームやスウェーデンハウスは安心できるというわけではありません。

 

住宅業界では年間の新築着工棟数があと数年で数十万戸減少することが確実視されています。

そのため今後淘汰されていく住宅会社が多いとも言われています。

 

今までも、外断熱の雄である野村ホームや高品質の在来工法を提供していた三井ハウスも、親会社が野村不動産や三井物産と大手でしたがすでに撤退をしています。

 

建てた会社や住宅部門が撤退してしまうと、家の長期保証やアフターフォロー面に影響するだけでなく、信頼性が損なわれマイホームの資産価値も落ちてしまいます。

 

一方、三井ホームもスウェーデンハウスも大手他社の中で、盤石な勝ち組とは言えない状況です。

 

ただ、近年都心部で求められている木造の耐火建築の先駆者であり、実大耐震実験による耐震性の実証や、長期間でのメンテナンスコストの抑制はトップレベルと言えます。

 

また意外と知られていないのですが、戸建ての医院建築においての実績がダントツでNO.1という強みもあります。

 

国内市場が縮小するなかで、以前より海外市場にて実績を積み重ねています。

 

もちろん、スウェーデンハウスも強みがあります。

 

それは顧客満足度が高い実績や断熱性能です。

 

しかし断熱性は、昨今他社も良くなってきており差別化しづらいのが現状です。

 

顧客満足度は重要なポイントですが、それだけでは勝ち組とは言えません。

 

やはり他社のように、海外事業や国内の新築以外の事業で経営のリスク分散をしていることが重要です。

 

今後両社がどうなるのかは断言できませんが、みなさんには失敗後悔して欲しくないです。

 

今後生き残り、長期保証が継続できるような、独自の強みがある会社を選んでいただければと思います。

 

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