住宅展示場を見学する前に知っておきたい。ハウスメーカーが倒産した場合の被害実例と2019年問題。 |
(2019年11月29日更新)
こんにちは。今まで約80憶円以上の注文住宅のお手伝いをしてきたU-hm ユーム 永野です。
住宅業界における2020年問題はよく言われていたことですが、具体的に厳しいデータが出ていますので、この記事でわかります。
過去にも大きく報道されたハウスメーカーの倒産がありました。
2006年3月野村ホーム株式会社、2006年8月三井物産ハウステクノ株式会社、2009年1月株式会社富士ハウス等です。
特に2020年から予測される厳しい局面では、更なるハウスメーカーが窮地に追い込まれる可能性あり、淘汰される時代と言われてます。
今回は知っておくべき、4つの危機がわかります。
そして、万が一、あなたが選んだハウスメーカーが倒産してしまった際にどんな被害があるのか? 過去の事例から知っておいていただきたいと思います。
1. 注文住宅業界を襲う2019・2020年問題とは? |
ハウスメーカー・工務店を選ぶ前に知っておきたい注文住宅業界の危機
➀消費税増税後の落ち込み
前回の消費税UP後は、なんと持家の新築着工工事が約21%激減!という結果でした。
■消費税増税前後の新設着工数比較
年 | 持家 | 前年比 | 貸家 | 前年比 |
2013年 | 352,841 | 11.5 | 369,993 | 15.3 |
2014年 | 278,221 | -21.1 | 358,340 | -3.1 |
※国土交通省 「建築着工統計調査報告」2014より
今回の増税は2019年10月に消費税が10%になりましたが、注文住宅の場合は基本的に2019年3月までに請負契約を結ぶことが増税にならない条件となっていました。
持ち家は2014年ほどの落ち込みにはならなそうですが、実際に2019年12月を迎えるまでの段階でも、やはり各社厳しい状況となっています。
■2019新設住宅着工(注文住宅・賃貸・建売含む) | ||
総 計 | 持 家 | |
前年比 | 前年比 | |
4月 | -5.7 | 9.2 |
5月 | -8.7 | 6.5 |
6月 | 0.3 | 12.9 |
7月 | -4.1 | 3.3 |
8月 | -7.1 | -1.6 |
9月 | -4.9 | -3.5 |
※国土交通省 「建築着工統計調査報告」(令和元年9月分)より
注文住宅による持ち家の場合、契約後3から5か月後に着工となります。
上記の表で6月までの着工数の前年比が良いのは、2019年3月まで契約すれば消費税増税前が適用されたため、その駆け込み受注があったとわかります。
2019年危機とは言われていましたが、前年までの受注の工事残による売り上げが2019年の10月、11月にはありましたので、すぐに倒産や経営危機とはならないでしょう。
ただし、2020年以降はかなり厳しくなると予測されます。
➁オリンピック需要の終焉
約30年間でオリンピックが開催された計8か国の内、アメリカを除いて全ての国が開催年の経済成長率が落ちています。
2020年の東京オリンピックに関しては、既にオリンピック景気とも言える建築の受注は終わっており、余程大きな経済政策が無い限り、経済が下降線に入る事は容易に推測できます。
因みに注文住宅に関しては、現在関連省庁が予算要望をあげている内容では、ほぼ従来どおりの内容であり、引き続き厳しい状況になると予測されます。
2025年の大坂万博による一部の建築需要は見込めますが、世界的に日本が遅れている環境配慮対策は国の方針により必須となっています。
そのための戸建ての仕様UP(ZEH仕様の標準化)をしないといけない中堅ハウスメーカーや工務店にとってはまさに正念場の時期が続くでしょう。
➂賃貸住宅需要の終焉
実はこれはとてもインパクトがあります。
前回の消費税UP後の注文住宅業界を大きく支えたのは、まさに賃貸住宅の受注の急増です。
需要増の理由は、相続税の改正により増税枠が増え、生前の内に現金を相続税の評価額が下がる賃貸住宅に使うという動きが急増したからです。
オリンピック需要も含めた景気回復も後押しになり、地主や富裕層の方が賃貸住宅をどんどん建てたのです。
積水ハウス、大和ハウス、三井ホーム、ミサワホームなど一様に恩恵を受けています。
へーベルハウスに関しても、賃貸併用住宅を含めて好調となり、今まであまり賃貸のイメージの無かった住友林業に関してもTVCMを連発して、賃貸住宅の需要をとらえ躍進しました。
中堅ハウスメーカーも、その需要で「助かった」というところが本音ではないでしょうか。
ただ、その賃貸住宅の需要は既に2年前から下降線に入っており、今年もさらに厳しくなっています。
■2019年「借家」新設住宅着工 | |
貸 家 | |
前年比 | |
4月 | -16.7 |
令和元年 5月 | -15.8 |
6月 | -12.2 |
7月 | -15.2 |
8月 | -17.5 |
9月 | -16.8 |
※国土交通省 「建築着工統計調査報告」(令和元年9月分)より
今後、相続税はさらに増税となるとされており、その時にはまた需要が一時的には増えると思いますが、既に前回の時に対策を講じている方も多く、どこまで受注が伸びるのかは不明です。
また、賃貸の余剰が問題視されている状況もあり、この賃貸住宅に頼るのは危険であると言えます。
特に、賃貸は収支が重要で建築費の安さから、今までの賃貸需要の恩恵を得ていた中堅ハウスメーカーや地元の建築会社は、戸建てはZEH仕様の標準化が必須となるがそもそもの契約数は減少の見込みが強く、賃貸はさらに減少となっているので、かなり厳しい時代が続くでしょう。
➃新設住宅の着工戸数が激減
今後、20歳から64歳の人口が下がっていくのはご存知の通りです。
新設の着工戸数は2016年に約97万戸と回復したものの、2025年には62万戸まで減少すると日本を代表する複数の研究機関が分析しています。
数字の大小は多少あるとはいえ、年間約30万戸もの住宅工事が無くなるということは避けられない状況となっております。
以上4つの危機をお伝え致しましたが、各企業その事はわかっており、生き残りをかけて様々な取り組みを実践しています。
大手ハウスメーカーの積水ハウス、住友林業は国内の中堅ハウスメーカーを凌駕するほど海外で実績を上げています。
三井ホームもその次を行っており、へーベルハウスも海外市場に向けて動いています。
この海外進出などの何かしらの施策を取らないと、オーナー(施主)向けの長期保証やアフターフォローの継続のためにも、今後は大手ハウスメーカーといえども厳しい時代となっていると言えます。
今回は、万が一、貴方が選んだハウスメーカーが倒産してしまった場合、どういう被害が生じるのか?を過去の実例からお伝えさせて頂きます。
〇この記事のあとに良く読まれている記事
〇ハウスメーカー7社検討レポート
2. 実例:ハウスメーカーが潰れた場合のデメリット |
保険的価値が激減し、ご家族の心理にも影響が・・
2006年に野村ホームや三井ハウスが全面撤退しましたが、親会社はいずれも日本を代表する大企業です。
当時は戦後最長の好景気を記録した年であり、親会社にもかなりの余力があったと言えます。
既に契約となっている方や工事中の方に、誠意をもった対応をしていたという記憶はございます。
それでも当時者のお客様のショックは大きく、工事中にもかかわらず、キャンセルを請求した方もいらっしゃるという報道もありました。
潰れる会社の家を建てたいとも、住みたいとも思わないのは当然です。
特に、「野村」「三井」というブランドの家に住んでいるという誇らしく感じていたオーナー様も多く、それが潰れた会社の家となった事は大きなショックとなったことでしょう。
2009年1月に倒産した富士ハウスは、関東、東海、近畿にて支店は78支店、住宅展示場は144ヶ所に出店し、大手ハウスメーカーと並び、立派なモデルハウスを構えていました。
工場見学を得意としていて、そのバスツアーに参加すると富士ハウスの大ファンになるというスタイルの営業を得意としていました。
破産手続き開始時点で未完成だった富士ハウスの着工済み物件は728棟に上っていたとされています。
契約済みで詳細打合せを進めていた未着工物件が806件もありました。(1月29日に倒産。2月5日時点の集計)。
解約したいがすぐにできない。お金が戻ってこないなど。被害者とも言えるお客様の悲痛な声や怒りが連日の様に報道されていました。
事態を収拾するべく、2009年2月24日に請負工事を引き継ぐ株式会社富士ハウス再建パートナーズ(後に、株式会社らいずほーむ)が設立されました。
しかし、業績不振から債務超過に陥り、工事取引業者との間で複数の代金不払いが発生、2014年5月13日、東京地裁から破産開始決定を受ける事となりました。(破産当時の社名は「株式会社八丁堀住宅」)
前章で取り上げた4つの危機がある事から、倒産するとは思わなった会社が今度どうなるのかはわかりません。
ここでマイホームを建てた会社が倒産した場合の被害(デメリット)を頭に入れておいて頂いた方がよろしいかと思います。
過去の事例を基にご紹介させて頂きます。
■契約(新築)したハウスメーカーが倒産した場合の被害(デメリット)
項目 | 被害(デメリット)内容 |
工事中に倒産 | ・問題解決まで相当な時間と労力がかかり、その為の費用や支払い済みのお金を損する事も。 ・ご家族の精神的負担が激しくなる。 ・今の住まいの賃貸料金を支払う期間の増加。 ・金利上昇曲面では、住宅ローンの負担金利が増える。 ・本来は安全な地震に強い家にすぐに住めるはずがそれが遠のく。 |
補修費用の増大 | ・ハウスメーカーの場合、本来かかる点検費用やメンテナンス費用をオーナー様という事で忖度して請求額を抑えているケースも実際にはあるがそれが一切無くなる。 ・自社物件の場合、施工の詳細内容や補修のノウハウもあるので、効率良く正しい補修ができていたが、それも無くなる。 ・内容によりハウスメーカーが自社物件を補修した場合、さらに保証が延長されるがそれが無くなる。 ・それらを一からリフォーム会社任せとなり、メンテナンス費用が高くなる可能性と、補修内容が保証されなく不安が残る。 |
資産価値の急落 | ・大手住宅メーカー施工の場合、老後に利便性の高いマンションへの住み替えや老人ホーム施設に入るなどの、万が一の時の売却時や貸す際も高い付加価値が付くケースが多いが、その保険的価値が急落する。 |
風評被害 | ・工事中看板等でどこのハウスメーカーで建てているか周囲も知っている。またどこで建てたかをまわりからも聞かれる。その会社が倒産したとなると、周囲の目も気になったり、ご家族が風評被害を受ける可能性もある。 |
施工面への不安 | ・本来は地震の度に、ウチは大丈夫という安心感があるが、潰れるような会社の施工面に関して、その都度不安を感じてしまう。 |
実際に私の実家を建てた会社も、大手の名前のついたハウスメーカーで「安心」と「長持ち」を売りにしていたのですが、今はその会社もありません。
その家も補修をリフォーム会社で重ねましたが、結局は建替えをせざる負えなくなり、今はありません。
長期保証やアフターフォローが無くなると、様々なリフォーム会社から、「ここは直した方がいい。」「これを補修しないと、危ないですよ」という営業トークが待っています。
勿論、優良なリフォーム会社も多いのですが、通常お客様には提供されない、その住宅メーカーのノウハウが詰まった詳細設計図や部資材の詳細がわからないままのリフォームとなりますので、効率は非常に悪く、補修精度を上げるのも難しいと言えます。
まとめ
上記のことから、2020年以降に家を建てる方は、今まで以上にハウスメーカー・工務店選びを慎重にしたほうが良いです。
長期保証もアフターフォローもその会社が潰れてしまっては意味がありません。
将来、施設に入るなどで、万が一自宅を売却したり、賃貸とする際もその施工会社が倒産していては資産価値が急落してしまいます。
ただ安いとか、かっこがよいというだけではなく、まずはその会社の経営状況も確認して、今後の戦略(海外進出など)は成功しているのか成功しそうかどうか、競合と比べた時の独自の強みはあるのかも含めて比較してから、ハウスメーカーや工務店を選びましょう。
まずは、各社の営業担当者にそれらを聞いてみると良いです。
それを聞いて、納得できるかどうかで、その担当者が良いか、その会社が良いのかを選ぶのも一つです。
本当に自分の会社のことを愛していて、その業界で生きていこうと考えている営業担当者であれば、そのことは明確に話をしてくれるでしょう。
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