住友林業と一条工務店の10の違いを徹底比較|ハウスメーカー選び

今回は、木造住宅メーカーではどちらも名の知れた、住友林業と一条工務店を徹底比較します。

 

木質感のおしゃれなデザインと言えば住友林業、断熱性と防災と言えば一条工務店をイメージされる方が多いのではないでしょうか?

 

同じ木造住宅でも両社の強みはそれぞれ違います。

 

この記事では、住友林業と一条工務店の10の違いがよくわかります。



 

■この記事でわかること


・住友林業、一条工務店の違いが性能から保証までわかる。


・住友林業は、木造住宅メーカーのトップランナー。ビッグフレームの設計自由度と木質感のデザイン提案力が非常に高い


・一条工務店は、断熱・省エネ性能業界トップ。全ての商品シリーズで耐震実験を行っているほど実験へのこだわりも強い

 



 

 

目次

 

1.建物価格「坪単価」を比較

 1-1.住友林業の坪単価:60~100万円

 1-2.一条工務店の坪単価:55〜80万円

 

2.概要と建物構造を比較

 2-1.住友林業・概要

 2-2.住友林業の建物構造

 2-3.一条工務店・概要

 2-4.一条工務店の建物構造

 まとめ

 

3.耐震・制震性能を比較

 3-1.過去の震災での被害状況

 3-2.実大実験での比較|過去の地震波を再現した実験

 3-3.実大実験での比較|建物の余力を測る実大実験

 3-4.揺れの抑制(制震)性能の比較

 3-5.基礎の比較

 3-6.水害対策

 まとめ

 

4.耐火性を比較

 4-1.内部出火の耐火性

 4-2.外部出火の耐火性

 まとめ

 

5.耐久性を比較

 5-1.基礎の耐久性

 5-2.外壁の耐久性

 5-3.防水性能

 5-4.防蟻対策

 まとめ

 

6.省エネや断熱性の違い

 6-1.住友林業の省エネ・断熱性能

 6-2.一条工務店の省エネ・断熱性能

 まとめ

 

7.空調・換気を比較

 7-1.住友林業の空調・換気

 7-2.一条工務店の空調・換気

 まとめ

 

8.保証・アフターメンテナンスを比較

 8-1.住友林業の保証制度

 8-2.住友林業のアフターメンテナンス

 8-3.一条工務店の保証制度

 8-4.一条工務店のアフターメンテナンス

 まとめ

 

9.設計・デザイン力を比較

 9-1.住友林業の設計・デザイン力

 9-2.一条工務店の設計・デザイン力

 まとめ

 

10.会社状況を比較

 10-1.住友林業

 10-2.一条工務店

 10-3.経営状況

 

まとめ

 

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1.建物価格「坪単価」を比較

 

ハウスメーカーを選ぶ上で、価格は重要ですよね。

 

では、住友林業と一条工務店の坪単価はいくら位なのでしょうか。



さっそく結論です。



 

■住友林業の坪単価(税別)

・フルオーダー:70〜80万円

・セミオーダー:60~70万円

 

■一条工務店の坪単価(税別)

・フルオーダー:65〜70万円

・完全企画型:55~60万円

 

 

 

この坪単価とは、建物本体工事のみの価格です。

 

両社とも坪単価の幅が広いですが、比較すると一条工務店よりも住友林業の方が平均単価が高いです。

 

どうして坪単価に違いがあるのかは、2章から詳しくわかります。



 

1-1.住友林業の坪単価:60~100万円

 

こちらでは住友林業の価格をもう少し詳しくみていきましょう。



 

■建物平均坪単価(税別)

フルオーダー:70~80万円

セミオーダー:60~70万円

 

3LDK+畳コーナー、延床面積30坪(約100㎡)で建物本体価格1,800〜2,400万円(税別)

契約金額2,500〜3,500万*が全体の約56%

*建物と付帯工事費、設計料、諸手続き料含む

 

坪単価90〜100万ほどの高額受注も少なくない

 

 

 

住友林業の建物坪単価は60~100万円(税別)と幅が広いです。

 

中でも70~80万円で提案される事例が多いです。



建物坪単価は、フルオーダーとセミオーダーの2種類あるため、価格の幅が広いです。



3LDK+畳コーナーの間取り、延床面積30坪(約100㎡)の建物価格の事例は以下のとおりです。



商品体系

間取り

建物本体価格例(税別)

フルオーダー

(BF構法orMB構法)

※坪単価70〜80万円(税別)

3LDK+畳コーナー

延床面積30坪(約100㎡)

2,100〜2,400万円

セミオーダー

(Forest selection BF)

※坪単価60〜70万円(税別)

1,800〜2,100万円



セミオーダービッグフレーム構法(BF構法)という点は魅力的ですよね。

 

上図の価格を見ると、他の大手ハウスメーカーと比較して、手の届きやすい価格ではないでしょうか。

 

ただし一般的にこういったセミオーダーは、設計や仕様設備にルールが設けられているケースが多いですので、事前に営業担当者に確認することをおすすめします。



とはいえ、住友林業は高級住宅も多く手掛けており、そのデザイン力が人気です。

 

坪単価90〜100万円の高額の受注も少なくないです。



つまり価格帯の幅が広いのが住友林業の特徴です。



2章以降で詳しくお伝えしますが、建物工法は「ビッグフレーム(BF)構法」と「マルチバランス(MB)構法」の2種類です。

 

最近の傾向ではこの2つの価格はそれほど変わらないことが多いです。



特にビッグフレーム構法を主力商品としており、人気も高いです。



少し前ですが、住友林業のCMで横綱白鵬が出演していたのが「ビックフレーム構法」です。



住友林業調査注1で、2019年4月〜2020年3月の全商品の契約金は2,500〜3,500万円(税別)の割合が全体の約56%を占めていたことを公表しています。

 

注1参照:住友林業HP 家づくりの特徴

 

この契約金は、建物本体工事価格と付帯工事費、設計料、諸手続き料も含まれています。



ただし建物本体工事価格や建物面積の公表はありませんでしたので、詳しくは営業担当者に確認してください。

 

のちほど、この価格帯の内容、構造や商品の特徴がわかります。




1-2.一条工務店の坪単価:55〜80万円

 

続いて一条工務店の価格を詳しくみていきましょう。



 

■建物平均坪単価(税別)

フルオーダー:65~70万

完全規格型:55~60万円

 

3LDK+畳コーナー、延床面積30坪(約100㎡)で建物本体価格1,650〜2,100万円(税別)

 

 

 

一条工務店の坪単価は55〜80万円(税別)で、中でも65〜70万円で提案される事例が多いです。

 

3LDK+畳コーナーの間取り、延床面積30坪(約100㎡)の建物価格の事例は以下のとおりです。



商品体系

間取り

建物本体価格例(税別)

フルオーダー

※坪単価65〜70万円(税別)

3LDK+畳コーナー

延床面積30坪(約100㎡)

1,950〜2,100万円

完全企画型

(i-smile)

※坪単価55〜60万円(税別)

1,650〜1,800万円

 

 

一条工務店では、商品によって建物構造や仕様が変わるため、坪単価にも違いがあります。

これはのちほどわかります。



完全企画型の商品とは「i-smile(アイスマイル)」です。

 

建物性能はフルオーダーとそれほど変わらず、坪単価55〜60万に価格を抑えた商品です。

 

これは、4,000の間取りプランの中から自分たちで選ぶ完全企画型になりますので、間取りプランの変更はできません。

 

ただし棟数限定のキャンペーン商品としてPRしているものの、比較的問題なく発注できている商品です。

 

 

 

 

2.概要と建物構造を比較

 

それでは住友林業と一条工務店の会社概要と建物構造を簡単におさえておきましょう。

 

共通している点は木造住宅ということです。

 

ですが建物構造は両社とも独自の工法を採用しています。

 

先に概要と構造の結論です。

 

こちらだけおさえて、次の章に進んでも大丈夫です。



 

■住友林業の概要

 

1691年(元禄4年)住友家の山林事業として創業

 

木材・建材商社で国内No.1

 

日本国土の1/800の森林を管理

 

注文住宅は、住友林業グループの住宅・建築事業部

 

高層ビルの木造化に取り組んでいる



■一条工務店の概要

 

海外で製造コストを抑え、お得に提供し続けている

*フィリピンの自社工場で約80%の建築資材を製造

 

近年では住宅販売戸数国内トップレベル

 

2019年太陽光搭載住宅建築実績世界No.1

 

断熱性能は大手では業界トップレベル

 

世界初実大耐水実験を実証

 

 




■住友林業の建物構造


国内初梁勝ち木質ラーメン工法のビッグフレーム構法(標準仕様)


スーパー檜の木造軸組工法+きづれパネルによるマルチバランス構法


設計自由度が高い


準防火地域や防火地域の3階・4階建てにも対応



■一条工務店の建物構造


木造軸組工法+パネルによる夢の家I-HEAD構法


外・内の二重断熱+2×6工法の外内ダブル断熱構法


設計自由度に制約がある


準防火地域や防火地域の3階建てにも対応



詳細な性能の比較は3章以降でお伝えしていきますので、ここでは簡単な会社概要と建物構造の違いがわかります。



2-1.住友林業・概要

 

住友林業は、1975年に注文住宅事業部を設立し、注文住宅の販売をはじめました。

 

以来、「木造なら住友林業」をイメージする人が多く、その木質のデザイン性にファンも多いです。

 

特徴はこちらです。



 

住友林業グループは木材・建材商社で国内No.1

 

日本国土の1/800の森林を管理

 

超高層の木造化も推進

 

以前より海外事業で実績有り、成果拡大

 

 

 

会社自体の歴史はとても長く、創業は1961年です。

 

創業当初は山林事業からスタートしており、1964年に分譲住宅事業に進出し、その後1975年に注文住宅事業へ事業を拡大しました。

 

住友林業グループ全体では、木材・建材商社で国内No.1の企業です。

 

日本国土の1/800の社有林も保有しており、持続可能な森林経営を行っています。



2018年には、木造と鋼材をハイブリットした超高層ビルの計画を打ち出しています。

 

これは創業から350周年を迎える2041年を目標に、地上70階建て・高さ350mの木造超高層建築物です。

 

しかもハイブリットと言っても9割を木材とする、これまでにない新たな木造建築にも挑戦しています。

 

しかもこれは夢物語ではありません。

 

2021年の3月には、主要部材の2時間耐火、そして3時間耐火構造の国土交通省大臣認定を取得しています。

 

これにより、15階建て以上の建築も現実的に可能となっています。

 

参照:住友林業HP ニューリリース



国内だけに留まらず、海外での山林事業や住宅事業にもハウスメーカーではとても早い段階から力を入れています。

 

その実績は、他社ハウスメーカーの国内の事業規模以上と言えるほど躍進しています。




2-2.住友林業の建物構造

※上の画像出典:住友林業HP ※画像外はユームの参考情報

 

住友林業は注文住宅事業部の創業当初から木造に特化した住宅メーカーです。

 

木造住宅で2つの独自工法を採用しています。



 

独自で開発した日本初の木質梁勝ちラーメン構造「ビッグフレーム(BF)構法」

 

国産材を使用した独自の木造軸組工法「マルチバランス(MB)構法」

 

主力商品はBF構法、歴史の長い商品はMB構法

 

 

 

ビッグフレーム構法は、高層ビルに使われるラーメン構造を、日本初梁勝ちラーメン構造で実現させた構法です。

 

この構法の特徴一言でお伝えすると、「設計自由度が高い、大空間を取りやすい」です。

 

木造ラーメン構造の歴史ではSE構法が有名ですが、こちらは「柱勝ち」のラーメン構造です。

 

一方で住友林業のラーメン構造は「梁勝ち」です。

 

大きな違いは、梁勝ちは通し柱の成約がないということです。

 

そのため窓や柱の位置を自由に配置しやすくなるため、設計の自由度が高いです。



2005年に開発された比較的日の浅い商品ですが、今では主力の人気商品となっています。



マルチバランス構法は、木造軸組工法にオリジナル耐力面材「きづれパネル」を使用した独自の構法です。

ビッグフレーム構法以前はこちらが主力商品でした。



では2つの構法をもう少し詳しくみていきましょう。




2-2-1.住友林業の建物構造「ビッグフレーム構法」

※上の画像出典:住友林業HP ※画像外はユームの参考情報

 

ビッグフレーム構法は、住友林業の主力人気商品です。

 

2011年にはグッドデザイン賞も受賞しています。



住友林業は、豊富な間取りプランをベースに設計する企画型と言われていますが、実際には企画に縛られない自由設計が可能です。

 

高層ビルなど鉄骨造で使われているラーメン構造を木造で採用した構法です。



 

日本初の梁勝ちラーメン構造

通し柱の成約がなく、間取りの自由度が高い

 

主要な構造は幅560mmのビッグコラム(大断面の集成柱)

 

柱と梁は太さ36.8mmのフィンボルトで強固に接合

 

 

 

ここでラーメン構造ってなに?という方に簡単に補足をしますね。

 

ラーメン構造とは、柱と梁を強く接合(剛接合)して強固なフレームを作り、建物を支える構造です。

 

ちなみにラーメンはドイツ語で「枠」と言います。

 

鉄骨造や鉄筋コンクリート造のビルやマンションなどでよく採用されている構造です。



ちなみに住友林業では、この木質ラーメン構造と鋼材をハイブリットした木造超高層建築物の計画を発表しています。

 

これは創業から350周年を迎える2041年を目標に、9割木造の高さ350m・地上70階建ての超高層ビルです。


※上の画像出典:住友林業HP ※画像外はユームの参考情報



ラーメン構造の話に戻りますね。

 

ラーメン構造は、注文住宅でも鉄骨造を扱うハウスメーカーでよく採用されています。

 

この構造は、柱と梁を強く接合(剛接合)して強固なフレーム(枠)を作り、建物を支える構造です。

 

注文住宅の鉄骨造の場合、剛接合は溶接やボルトで施工しますが、ビッグフレーム構法でもボルトによって剛接合しています。

 

では住友林業のビッグフレーム構法の特徴をもう少し深堀りしていきます。




■ビッグコラム(大断面集成柱)

※上の画像出典:住友林業HP ※画像外はユームの参考情報



ビッグフレーム構法を見て、みなさん大きな柱に目がいくのではないでしょうか?

 

独自開発したビッグフレーム構法は、なんといってもこの大きな柱「ビッグコラム」が一番の特徴です。



 

柱5本分以上の太さのビッグコラム(大断面集成柱)を採用

*一般的な105mm角の柱と比較した場合

 

ビッグコラムは幅560mm×105mm

 

壁倍率は1mあたりの換算で22.4相当

*建築基準法の最高壁倍率は5.0

 

 

 

ビッグコラムと呼ばれる幅560mm×105mmの大きな柱が家を支えます。

 

ビッグコラムは、十分に乾燥させた板材(ラミナ)を何層にも張り合わせて、高い強度と優れた寸法安定性を実現しています。

 

一般的な木造軸組構法の柱(通し柱を除く)は、105mm×105mmの角材を使用することが多いです。

この柱と比較すると、ビックコラムは5本分以上の太さがあります

 

地震時などに建物を支える耐力壁の強さを表す数値、壁倍率で表すと、1mあたりの換算で22.4相当あります。

 

これは建築基準法の最高壁倍率5.0と比較して約4.5倍の強度があるということです。


※上の画像出典:住友林業HP ※画像外はユームの参考情報



この強度により、大スパン(大きな間口)の間取りや開放的な開口部の実現を可能としています。



開放的な間取りは、建築の条件が厳しい狭小住宅や3,4階建てにも対応しています。

 

これらの建物は、ビッグコラムを2本重ねて配置することで壁倍率44.8相当になり、壁をさらに少なくすることで開放的な間取りを可能としています。

 

またビッグコラムの接合金物を2倍にすることで壁倍率33.6相当となる方法で壁を少なくする方法も用意されています。



ラーメン構造では、建物の強度を保つ上で金物もひじょうに重要です。

 

金物もみていきましょう。




■メタルタッチ(接合部材)

※上の画像出典:住友林業HP ※画像外はユームの参考情報



ラーメン構造の強度を保つ要とも言えるのが柱と梁の接合(剛接合)です。

 

ビッグフレーム構法では、構造材に埋め込まれた金物同士で接合するメタルタッチ接合を採用しています。



 

ビッグコラムと梁・基礎をメタルタッチ接合で強固に緊結

 

ビッグコラムには幅36.8mmの長いフィンボルトが埋め込まれている

 

ジョイントボックスでビッグコラムと梁・基礎を強固に接合

 

 

 

地震の揺れなど、建物の弱点になりやすいのは「柱と梁の接合部」や「柱と土台の接合部」です。

 

この接合部が揺れによって損傷し、住宅が倒壊する危険性が増します。



ビッグフレーム構法では柱と梁に金物を埋め込み、この金物同士で強固に緊結するメタルタッチ接合を採用しています。

 

ビッグコラムと梁には、太さ36.8mmの長いフィンボルトを奥底まで埋め込みます。

 

このフィンボルトの太さと螺旋状の凹凸により、摩擦力を高め、金物と一体とした構造材を形成しています。

 

そこにジョイントボックスという四角い金具を使い、ビッグコラム(柱)と梁を接合し強度を高めます。


※上の画像出典:住友林業HP ※画像外はユームの参考情報



基礎との接合も、梁と同様に行います。

 

特筆すべき点は、基礎とビッグコラムを直接接合することです。

 

一般的には基礎と柱の間には土台を使用しますが、ビッグフレーム構法ではビッグコラムと基礎を直接接合します。

 

これにより地震の揺れによる土台のズレの影響を受けず、壁倍率22.4相当のビッグコラムが直接揺れを抑えます。


※上の画像出典:住友林業HP ※画像外はユームの参考情報



ビッグフレーム構法のラーメン構造は、このビックコラムの柱の太さとメタルタッチ接合による剛接合により成り立っています。

 

詳細の公表はされていませんが、地震時の傾きに対する強さは、一般的な木造軸組工法と比較すると約5.6倍です。


※上の画像出典:住友林業HP ※画像外はユームの参考情報



この強さによって、地震に強いだけでなく開口部を広くとることができ、プランに自由度が増します

 

窓も広くとることができ、開放感のある設計と、耐震性の両立が可能です。




2-2-2.住友林業の建物構造「マルチバランス構法」

※上の画像出典:住友林業HP ※画像外はユームの参考情報



住友林業が持つ、もうひとつの構法が「マルチバランス構法」です。

 

木造軸組構造にオリジナル耐力面材「きづれパネル」を組み合わせたオリジナル構法です。



 

柱と土台の構造材は国産檜集成材「スーパー檜」を採用

 

壁面外周部は壁倍率5.0のオリジナルの耐力面材「きづれパネル」を採用

 

地震の横揺れによる床の変形を抑える床倍率3.0「パワードフロア工法」

 

 

 

マルチバランス構法は、ビッグフレーム構法販売以前の主力商品でした。



ここで簡潔に3つ特徴をお伝えします。



1つ目は、柱と土台に使われる「スーパー檜」です。

 

スーパー檜は国産檜を使用した構造用集成材です。

 

集成材を構成する板材(ラミナ)を十分に乾燥させ、含水率を15%以下に低減し、収縮や変形、割れが起きにくい安定した品質を確保しています。


※上の画像出典:住友林業HP ※画像外はユームの参考情報



2つ目は、「きづれパネル」です。

 

一般的な木造軸組構造は筋交い耐力壁で地震の揺れを抑えますが、「マルチバランス構法」では「きづれパネル」がその役割を果たします。

 

きづれパネルは建物外周部に施工されるため、2×4工法のような面構造といっても良いでしょう。

 

壁倍率は建築基準法の最高壁倍率5.0で、国土交通大臣認定を取得しています。

 

このきずれパネルは特許も取得しています。

 

9mm構造用合板の1.3倍の耐力に、重量は約3分の2に抑えたバランスの良いオリジナルの耐力面材です。



3つ目は床構造「パワードフロア工法」です。

 

一言で言うと、地震の横揺れによる変形を抑えるための床構造です。

 

剛床パネル24mm、硬質せっこうボード12.5mm、木質フロア12mmを組み合わせた厚さ48.5mmの三層床構造がパワードフロア工法です。

 

詳細な公表はされていませんが、パワードフロア工法の床構造で加力実験も行われています。


※上の画像出典:住友林業カタログ ※画像外はユームの参考情報




2-3.一条工務店・概要

 

一条工務店は1978年に設立されました。

 

設立以来、20万棟の建物を提供し、2021年4月現在、全国で一番モデルハウスの出店が多い非常に好調な住宅メーカーです。



 

性能にこだわった木造住宅を提供する住宅メーカー

 

省エネ大賞7冠創エネ大賞5冠の実績がある

 

数多くの実大耐震実験世界初の耐水害実験を実施

 

 

 

会社自体は、住友林業が注文住宅を始めた年とそれほど変わりません。

 

一条工務店は、静岡県浜松からはじまった住宅メーカーです。

 

近年では、積水ハウスに並び国内トップレベルの住宅販売戸数を建築しています。

 

設立以来、住宅の性能にこだわり、省エネ・断熱性にこだわった住宅を開発し、数々の省エネ、創エネ大賞を受賞した実績もあります。



2019年には、太陽光発電が搭載されている住宅の年間棟数で世界No.1のギネス認定を取得しています。



2020年にも

 

・「最新年間で最も売れている注文住宅会社」

 

・「最新年間で最も多くの太陽光搭載住宅を建てた会社」

 

・「最大の工業化住宅工場」

 

の3つの項目において、ギネス世界記録™の認定を取得しています。

 

他にも災害に強い住宅の開発に力を入れており、数多くの耐震実験や世界初の耐水害実験も行っています。



一方で不安要素もあります。

 

それは、フィリピンの工場で約8割ほどの建築資材を製造していることです。

 

詳しくは10章でお伝えしますが、

 

・フィリピンの国民一人あたり名目GDPは、ベトナムよりは高いが、製造業のワーカーの方の人件費はベトナムより安い。

 

・フィリピンの消費者物価指数も2019年度も2.48%と上昇しているなかで、製造業のワーカーの人件費は2014年よりほとんど変わっていない。

 

・日系企業が労働争議や訴訟という問題を抱えているとする率が、フィリピンはベトナムの4.85倍。

 

※参照「フィリピンの経済動向」日本貿易振興機構(JETRO) 2020年9月

※参照 「ジェトロ 2019年度 アジア・オセアニア進出日系企業実態調査」



もちろん、フィリピンに進出している大企業は多いです。

 

トヨタなどほとんどの企業は、他の国にも拠点を持ちリスク分散はできています。

 

一条工務店はフィリピンで80%の建築資材を製造しているので、フィリピンの経済・賃金・政治情勢が会社の命運を握っていると言っても過言ではないという点が不安要素ではあります。



他にも不安要素があるので、それも10章でお伝えします。




2-4.一条工務店の建物構造

※画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報



一条工務店は創業当初から木造住宅を提供し続けている住宅メーカーです。

 

工法は、独自技術を採用した木造軸組工法と2×6工法の2つです。



 

木造軸組工法外壁パネルを融合した「夢の家I-HEAD構法」

 

2×6工法外・内の二重断熱を施した「外内ダブル断熱構法」

 

フィリピンの自社工場で約80%の建築資材を製造

コストを抑え、お得に提供し続けている

 

外内ダブル断熱構法に内壁「ミッドプライムウォール」を採用した「2倍耐震」も提供

 

 

 

外内ダブル断熱構法」は2×6工法の特徴であるモノコック構造を採用しており、外力を面で受け止める建物が変形しにくくなっています。

「夢の家I-HEAD構法」は木造軸組工法に壁パネルを組み合わせることで、2×6工法のモノコック構造に近い構造体しています。



ここで簡単にモノコック構造について補足しますね。

 

モノコック(monocoque)とは、フランス語で、一つの(mono)殻(coque)、という意味です。

 

その名の通り、まさに卵の構造が「モノコック構造」です。



大雑把に例えるなら卵です。

 

卵の殻自体は、薄く割れやすいですよね。

 

けれど、試しに握って壊そうとするとどうでしょうか。

 

意外ですが、かなり握力のある大人の男性でも、握りつぶすのは困難です。

 

実際に私もやってみましたが、無理でした。



これはパスカルの原理などいろいろな説がありますが、外側の殻全体が一体化されることで、力を分散でき、そう簡単に割れない強さを保つことができているからとも言えます。


※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報



このモノコック構造は、スペースシャトルや新幹線でも使われている技術です。

 

高さや速さがある分、機体に加わる外力はものすごいですが、モノコック構造によりバランスよく分散させることができます。

 

つまり建物の場合、地震の際に建物全体で力を分散し、揺れを抑えて高い耐震性能を発揮することができます。



一条工務店では、このモノコック構造を独自技術を用いた2つの構法から住宅を提供しています。

 

では次節から詳しく紹介していきます。



一条工務店は、住宅の構造材の約80%フィリピンにある自社工場で生産しています。

 

工場生産というと、構造躯体や構造躯体の一部までとするハウスメーカーが多いです。

 

そのため断熱材の施工やスイッチ配線用の穴あけなどは現場作業となります。

 

しかし一条工務店では断熱材の製造も自社工場で行われます。

 

現場施工では品質確保が難しい壁や窓も、工場で組み上げてから現場に運ぶことで気密性などの性能を確保しています。

 

また壁内の断熱材もスイッチ配線部分や壁内の配管部分などに必要なカッティング作業をあらかじめ工場で行うことにより、施工精度を高めています。

 

コンピューター制御による全自動のプレカットシステムや専用の組み立てラインを導入し、

現場施工ではできない作業まで可能にすることで高性能な住まいを作り上げています。


※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報




2-4-1.一条工務店の建物構造「夢の家I-HEAD構法」

 

夢の家I-HEAD構法は、柱や梁などで構成される軸組構造に、耐力面材を合わせて6面体のモノコック構造とした独自の木造軸組工法です。



 

軸組構造外壁パネルを融合しモノコック構造とした「夢の家I-HEAD構法」

 

対象商品は、グラン・セゾン、セゾン、セゾンA、ブリアール、百年

 

 

 

一条工務店の工法は、商品によって変わります。

 

中でもグラン・セゾン、セゾン、セゾンA、ブリアール、百年、の大半以上の商品が夢の家I-HEAD構法です。


※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報



夢の家I-HEAD構法は、一般的な木造軸組工法とは異なり、地震の揺れでもゆがみにくい「モノコック構造」を取り入れています。



一番の違いは力の受け止め方です。

 

一般的な木造軸組構造は、外から受ける力を柱が交差する点で受け止めていましたが、これでは接合部分に力が集中してしまいます。

 

そのため「柱と梁の接合部」「柱と土台の接合部」が弱点になりがちな特徴があります。



一条工務店の場合、柱と梁に耐力面材を組み合わせたパネルを形成し、各階を六面体の箱型で構成する「モノコック構造」にすることによりに、外から受ける力を「面」で受け止め、外からの力を分散するようにしています。

 

これにより建物がゆがみにくくなり、耐震性が高くなります。


※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報



壁倍率については、建築基準法の認定上の上限値である壁倍率5.0を確保しています。



ここで注意です。

 

壁倍率の数値だけでみると住友林業の22.4相当の方が優れていると思われる方がいるかと思います。

 

しかし住友林業の柱で支える構造と違い、一条工務店は壁全体で支える構造のため、建物全体でみたときにこの数値だけでどちらが優れているかは判断できません。

 

ただし壁倍率の数値が高いほど大開口を取りやすくなるので、この点では住友林業のビッグフレーム構法が優れていると言えます。


※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報



一方で一条工務店では、より耐震性を高めるために「偏心率」にもこだわっています。


※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報



偏心率とは、重心と剛心のズレの大きさのことを指します。



もう少し詳しく解説しますね。

 

当たり前の話ですが、耐力壁はバランスよく配置することが重要ですよね。

 

いくら壁倍率5.0の壁がたくさん配置されていても、バランスが悪いと耐力壁が少ない部分に負荷がかかり倒壊につながる恐れがあります。

 

このバランスが取れているかの指標は、地震の揺れに耐える強さの中心である「剛心」と建物の重さの中心となる「重心」ズレで表されます。

 

このズレを「偏心」と言います。

 

そして「偏心」(重心と剛心のズレ)の大きさを「偏心率」といいます。

 

偏心率が小さければ、耐力壁配置のバランスが取れているため、それぞれの耐力壁が効率的に建物の揺れを抑えてくれます。

 

逆に偏心率が高ければ、バランスを崩しやすくなり、建物倒壊のリスクが高くなります。

 

つまり一条工務店は独自の厳しい社内基準のもと「偏心率」を小さくなるよう設計をしています。




2-4-2.一条工務店の建物構造「外内ダブル断熱構法」

 

外内ダブル断熱構法は、壁の外・内を二重断熱とし床や天井の剛性を上げた2×6工法です。

 

一条工務店の断熱性をご覧になりたい方は、コチラを先にどうぞ。



 

外内ダブル断熱構法は、外・内の二重断熱を採用し、床・天井の剛性を上げた2×6工法

 

対象商品は、アイ・スマート、アイ・キューブ

 

 

 

外内ダブル断熱構法の対象商品は、アイ・スマート、アイ・キューブです。


※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報



外内ダブル断熱構法は、「ツインモノコック構造」と呼称したモノコック構造をさらにグレードアップした構造です。

 

大きな特徴は、天井剛性を高め、さらに強い6面体を形成していることです。

 

詳細の公表はされていませんが、天井や床にも構造用合板を使用し、剛性を確保としています。

 

ただし床に関しては一般的な2×6(2×4)工法でも、構造用合板を使用しているため特別な仕様とは言えません。



一方で天井も構造用合板を使用した面構造とする施工方法は、他社でもあまりなく、この点は優位であると言えます。



耐力壁や偏心率については、夢の家I-HEAD構法と同等です。

 

その他に剛性を高める工夫として、釘打ちにもこだわっています。

 

詳細な公表はされていませんが、一般的な2×6(2×4)工法の最大2倍以上の釘を増打ちし、最大1.5倍の長さの釘を使って剛性を高めています。




2-4-3.一条工務店の建物構造「2倍耐震」

 

最近話題になっている一条工務店の2倍耐震についても紹介します。

 

こちらは2020年3月からモニター商品として販売が開始されました。



 

内壁「ミッドプライウォール」を採用。耐震等級1耐震基準の2倍を実現

 

アイ・スマート、アイ・キューブ限定のオプション構造

 

オプション差額は目安3,000円/坪

※モニター商品のため、現在と価格が異なる可能性有り

 

間取りの制約が出る可能性があるため注意が必要

 

 



2倍耐震ってなに?と思った方に簡単な概要をお伝えします。

 

一言でいうと、耐震等級1の耐震基準の2倍相当の耐震性がある建物構造です。

 

ここで言う2倍は耐震等級2ではありませんので注意してください。



ポイントは耐震基準です。



多くの方が周知の通り、耐震等級は1~3まであります。

 

耐震等級の定義は

 

・極めて希に(数百年に一度程度)発生する地震力が建築基準法で定められており、性能表示制度ではこれに耐えられるものを等級1としています。

 

・想定する地震の揺れの強さは、地域により異なりますが、この揺れは、東京を想定した場合、震度6強から7程度に相当し、関東大震災時の東京、阪神淡路大震災時の神戸で観測された地震の揺れに相当します。

 

・等級は1から3まであり、等級2は等級1で耐えられる地震力の1.25倍の力に対して損傷を生じない程度を示しており、等級3では1.5倍の力に対して損傷を生じない程度のものとなります。

 

参照:一般社団法人 住宅性能評価・表示協会

 

としています。

 

つまり耐震等級1の耐震基準の1.25倍が耐震等級2、1.5倍が耐震等級3となるのです。



一条工務店の2倍耐震は、この耐震基準の2倍を有するという意味です。

 

これを耐震等級で当てはめると、等級5相当とも言えます。


※上の画像出典:一条工務店 公式You Tubeチャンネル ※画像外はユームの参考情報



では具体的にどのような構造になっているか詳しくみていきましょう。

 

構造のポイントは2つです。

 

それは、

 

・内壁「ミッドプライウォール」を採用

 

・外内ダブル断熱構法(アイ・スマート、アイ・キューブ)限定の構造



ミッドプライウォールとは、カナダで開発された枠組壁工法(2×4、2×6工法)用に開発された高強度の耐力壁です。

 

下図のように、構造用合板を両側から木材(たて枠)で挟み、釘を打ち付けています。

 

これより、釘などの接合金具が二面で支えることが可能になり、地震力によるねじれや歪みに対して非常に強い壁を形成しています。


※上の画像出典:毎日新聞 プレスリリース ※画像外はユームの参考情報



ミッドプライウォールは木造高層建築にも採用されています。

 

枠組壁工法のリーディングカンパニーである三井ホームでは、5階建て木造建築で特別養護老人ホームの施工実績もあります。

 

同建物は、このミッドプライウォールの構造用合板を2枚としたダブル仕様でより強い壁を形成しています。

 

※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報


※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報



ミッドプライウォールは枠組壁工法専用の高耐力壁です。

 

そのため、一条工務店ではミッドプライウォールを採用した「2倍耐震」構造を、独自の枠組壁工法である外内ダブル断熱構法に採用することができます。

 

同構法限定になりますので、対象商品はアイ・スマート、アイ・キューブのみとなりますので注意してください。



また2倍耐震は、オプション構造になります。

 

オプション差額については、建築事例をみると目安3,000円/坪ほどのようです。

 

30坪で約9万円、40坪で約12万円です。

 

ただしオプション差額はモニター商品のため、現在とは価格が異なる可能性があります。

 

気になる方は営業担当者にご確認ください。



ここで注意点があります。

 

それは2倍耐震にすると、間取りの制約が増える可能性がある、ということです。



2倍耐震を採用した場合、全ての建物に対して許容応力度計算を行います。

 

許容応力度計算とは、簡単に言うと、一般的な構造計算(壁量計算)よりも細かい基準で耐震強度を測る計算です。

 

つまり基準が細かくなる分、間取りの制約が厳しくなる可能性があります。



一方で、厳しい基準のもとで設計するため、一条工務店ならではのメリットもあります。

 

それは地震による全半壊の補償制度です。

 

こちらは8-3.一条工務店の保証制度で詳しくお伝えします。




まとめ

 

 

住友林業

一条工務店

構造躯体

ビッグフレーム構法

(梁勝ち木質ラーメン構造)


マルチバランス構法

(木造軸組工法)

外内ダブル断熱構法

(2×6工法)


夢の家I-HEAD構法

(木造軸組工法)

会社概要

林業・木材建材・住宅・不動産事業を展開


注文住宅はグループの住宅・建築事業部


地上70階建て・高さ350mの木造超高層建築物を開発中(目標2041年完成)

建材の自社生産も手掛ける住宅事業を展開


住宅の性能、実験にこがわりがあるハウスメーカー


2019年太陽光搭載住宅の建築実績世界No.1


2020年年間販売戸数・太陽光搭載・工業化住宅工場の3つの項目でギネス記録を取得

特徴

■ビッグフレーム構法

日本初の梁勝ち木質ラーメン構造


壁倍率22.4相当のビッグコラムにより大スパンの間取りや大開口が取りやすい


柱と梁を強固に緊結するメタルタッチ接合


■マルチバランス構法

木造軸組構造にオリジナル耐力面材「きづれパネル」を組み合わせた独自の構法


きづれパネルは壁倍率5.0


国土交通大臣認定を取得



■外内ダブル断熱構法

床、天井の剛性を高めた2×6工法


天井や床にも構造用合板を使って剛性を高めたツインモノコック構造



厳しい社内基準のもと、偏心率が小さくなるよう設計している


■夢の家I-HEAD構法

木造軸組構造に耐力面材を組み合わせた独自の構法



耐力面材は壁倍率5.0


厳しい社内基準のもと、偏心率が小さくなるよう設計している



 

 

3.耐震・制震性能を比較

 

ハウスメーカー選びをする上では、最重要視しすべき点が「耐震性」です。

 

こちらでは、住友林業と一条工務店の耐震性を徹底的に比較して、その違いがわかります。

 

まず結論です。

 

 

 

■過去の地震による被害の比較

 

住友林業の詳細な公表は無し

 

一条工務店は兵庫県南部地震のみ全半壊ゼロを公表

 

 

■実大耐震実験による実証比較

 

両社とも実大実験を実施

 

建物全壊率の高い地震波で実証しているのは一条工務店 ※ただし、詳細の公表無し

 

住友林業は、3階建てビッグフレーム構法で最大加速度3,406galを実証

 

一条工務店は、建物全壊率が高かった鷹取波や川口波で実証 ※数値の公表無し

 

 

■構造による耐震性・揺れやすさの違い

 

両社とも揺れによる建物の変形量の公表無し

 

住友林業は、建物変形を最大約70%抑えるオプション仕様の「高剛性・高減衰ゴム」がある

 

 

 

両社とも実大実験をしており、公表されている情報から比較すると、一条工務店の方が住友林業よりもトータルでみた耐震性能の実証性があると言えます。

 

トータルでみた耐震性能とは、



・過去の建物被害が大きかった地震波で実大実験を行っているか

 

・将来起こりうる巨大地震を想定した建物の余力を確認する実大実験を行っているか

 

・過去の震災被害による建物被害はどうだったのか

 

この3つで評価をしています。



ただし、両社とも過去の震災での耐震性の実証又は透明性が弱いと言えます。

 

また、両社とも耐震実験は基礎無しです。

 

やはり、基礎自体、そして基礎と構造躯体の接合部分の強度も重要ですので、その違いにも迫っていきます




3-1.過去の震災での被害状況

 

過去の地震の揺れによる建物被害についてです。

 

残念ながら住友林業は詳細の公表がなく、一条工務店は一部の公表のみでした。



 

■住友林業

 

過去全ての震災による建物被害の公表無し

 

 

■一条工務店

 

兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)のみ全半壊ゼロを公表。その他震災の公表は無し

 

 



<過去の震災による建物被害の公表>

出典:一条工務店カタログ「夢の家 省エネ3冠王 テクノロジーガイド」



ただし、積水ハウスは兵庫県南部地震だけでなく、木造を含めて熊本地震や東北地方太平洋沖地震でも全壊・半壊を公表しています。

 

それと比べると



 

両社とも過去の地震での耐震性の実証は弱い



と言わざるを得ません。




3-2.実大実験での比較|過去の地震波を再現した実験

 

今度は「過去の地震波を再現した実大実験をしているかどうか」、その内容で住友林業と一条工務店を比較していきます。



まずは結論です。



 

一条工務店の方が、過去の地震波の実大実験において、耐震の実証性が高い

※但し書きあり

※2021年4月4日時点

 



両社の公表している実大実験の内容は以下のとおりです。



実大実験

住友林業(2013年)

一条工務店(2015)


屋根、外壁、窓、室内壁や建具なども施工した実邸に近い建物で実験

※基礎無し


■ビッグフレーム構法

試験体:3階建

連続加振:震度7相当22回、震度4~6弱224回

最大加速度:3,406gal

最大速度:公表無し

実験結果:損傷無し




■マルチバランス構法

試験体:2階建

連続加振:震度7相当9回

最大加速度:1,620gal

最大速度:公表無し

実験結果:一部内装とサイディングに軽微な損傷有り




屋根、外壁、窓、室内壁や建具なども施工した実邸に近い建物で実験

※基礎無し


■夢の家I-HEAD構法

試験体:2階建

連続加振:震度7相当を約1ヶ月で計10回以上

最大加速度:公表無し

最大速度:公表無し

実験結果:建物に亀裂やひずみ無し

※実験後、気密性測定試験を実施。数値が変わらないことを確認


外内ダブル断熱構法

試験体:2,3階建

連続加振:公表なし

最大加速度:公表無し(K-NET築館波)

最大速度:公表無し(JR鷹取波)

実験結果:建物に亀裂やひずみ無し

※実験後、気密性測定試験を実施。数値が変わらないことを確認

※「2倍耐震」構造でも実証済


※熊本地震は地震波の公表も無いたため割愛


公表している過去の地震による実験

・1995年の兵庫県南部地震

・2011年の東北地方太平洋沖地震


※マルチバランス構法は兵庫県南部地震のみ


公表している過去の地震による実験

・1995年の兵庫県南部地震

・2004年の新潟県中越地震

・2011年の東北地方太平洋沖地震

・2016年の熊本地震

・想定南海トラフ地震

他多数



住友林業も一条工務店も耐震等級の最高等級3が標準仕様です。

 

しかし耐震等級3だから安心というわけではありません。

 

あくまで計算値の中のことであり、耐震等級3で想定している地震波はgal(ガル・加速度)が約600程度のものです。

 

やはり、実大実験での耐震性の実証が重要です。

 

両社の実大実験は、基礎を除き、実邸に近い建物で実証できていると言えるでしょう。

 

上表のとおり、現時点では2013年に実験をした住友林業よりも、2016年の熊本地震以降に実験をしている一条工務店の方が、過去の地震波の実大実験において耐震の実証性が高いと言えます。



では両社の実験の詳細をもう少し深堀りしていきます。




3-2-1.住友林業の耐震実験(2013年)

※上の画像出典:住友林業HP ※画像外はユームの参考情報



実大実験は、主にビッグフレーム構法に力を入れて行っています。

 

特徴的なのは、建物負荷が大きい3階建てで実大実験を行っていることです。



 

■ビッグフレーム構法

 

3階建てによる実験を実施

 

兵庫県南部地震、東北地方太平洋沖地震の地震波で実証

 

連続加振:震度7相当の22回、震度4~6弱を224回

 

最大加速度:3,406gal(地震波の公表無し)

 

最大速度:公表無し

 

実験結果:建物に損傷無し

 

 

■マルチバランス構法

 

2階建てによる実験を実施

 

兵庫県南部地震の地震波で実証

 

連続加振:震度7相当の9回

 

最大加速度:1,620gal(神戸波2倍増幅)

 

最大速度:公表無し

 

建物の内装とサイディングに一部損傷有り

 

※すべて基礎無し

 

 

 

住友林業では、ビッグフレーム構法3階建てとマルチバランス構法2階建ての2つの建物で実験を行っています。

 

いずれも兵庫県南部地震の地震波で実験をしており、ビッグフレーム構法においては東北地方太平洋沖地震の地震波でも検証しています。



地震による建物の負荷が大きい3階建てで検証している点は、耐震性を証明する上で安心であると言えます。



一方で注意点もあります。

 

それは検証した地震波は建物全壊率が高い地震波と言えないということです。

 

兵庫県南部地震では「神戸波」で実証していますが、建物全壊率は約3.2%です。

 

東北地方太平洋沖地震では詳細の地震波は公表されていませんが、栗原市の「築館波」であれば、建物全壊率0%の地震波です。



同じ兵庫県南部地震でも「鷹取波」では建物全壊率約34.9%、また2016年の熊本地震の「宮園波」では建物全壊率約30.8%でした。



これら全ての地震波は震度7を記録していますが、建物倒壊率が大きく異なります。

 

確かに住友林業がビッグフレーム構法で実大実験をしたのは2013年であり、2011年の東日本大震災直後で2016年の熊本地震前です。

 

まだこの時は、一般的に地震波のgal(ガル・加速度)数が注目されていた時期とも言えます。

 

そんなに頻繁に実大実験に労力とコストをかけるのは難しいというものわかります。

 

とはいえ、建物全壊率が高い地震波での実証実験ができているか、という点については現在公表されている実証実験では弱いと言えます。

 

今後は熊本地震の本震を含む、より倒壊率が高い地震波でも実証実験をしていただきたいものです。




3-2-2.一条工務店の耐震実験(2015年)

※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報



一条工務店の実大実験で特徴的なのは、すべての商品で実大実験を行っていることです。

 

一般的には各社の建物構造毎で実大実験をするケースが多いですが、一条工務店は自社商品毎に実大実験を行っています。



 

■全商品で実大実験を実施

 

外内ダブル断熱構法では3階建てでも実施

※「2倍耐震」でも実証

 

実大実験30年以上の長い歴史と実績がある

 

地震波と建物倒壊率に着目した実験を実施

 

 

■夢の家I-HEAD構法

 

2階建てによる実験を実施

 

兵庫県南部地震や新潟県中越地震など多数の地震波で実証

 

連続加振:震度7相当を約1ヶ月で計10回以上

 

最大速度:公表無し

 

最大加速度:公表無し

 

実験結果:建物に亀裂やひずみ無し

*実験後、気密性測定試験を実施。数値が変わらないことを確認

 

 

■外内ダブル断熱構法

 

2,3階建てによる実験を実施

 

兵庫県南部地震や新潟県中越地震など多数の地震波で実証

 

連続加振:公表無し

 

最大速度:公表無し(K-NET築館波)

 

最大速度:公表無し(JR鷹取波)

 

実験結果:建物に亀裂やひずみ無し

*実験後、気密性測定試験を実施。数値が変わらないことを確認

 

※すべて基礎無し

 

 

 

一条工務店では、兵庫県南部地震や新潟県中越地震、東北地方太平洋沖地震、熊本地震と、過去の大きな震災すべての地震による実大実験を検証しています。

 

特筆すべきなのは、地震波を分析し、地震波の中にある周期と地震で揺らされる建物周期が倒壊と深く関係することを着目して実験をしていることです。

 

これはユームで以前より取り上げてきたkine(カイン・速度)と周期によって建物倒壊率が大きく異なるという内容です。

 

参考となる記事はコチラからどうぞ。



例を挙げると、

 

兵庫県南部地震の鷹取波、建物全壊・大破率約34.9%

 

新潟県中越地震の川口波、建物全壊・大破率約18.0%

 

熊本地震の宮園波、建物全壊・大破率約30.8%

 

という実証データがあります。

 

これらの地震波は、加速度:gal(ガル)は小さいのに速度:kine(カイン)が早い地震でした。

 

そしてキラーパルスと呼ばれる建物を倒壊させやすい周期1~2秒の地震波です。

 

一条工務店は、この速度と周期に着目して、東北地方太平洋沖地震から2年間にかけて253回の加震を実施して建物の強度を確認しています。



その意味では、住友林業よりも耐震実験で耐震性の実証がよりできてると言えます。

 

ただし、一条工務店の場合、これらの地震波の詳細な数値の公表がありません。

 

地震波の名前が同じでも、実際に実験した地震波の周期やkine(カイン・速度)などが、弱い実験を行っているケースも見られます。

 

また、夢の家I-HEAD構法の実大実験による詳細な公表が無いのも残念ではあります。

 

企業として明示されることを期待いたします。




3-3.実大実験での比較|建物の余力を測る実大実験

 

日本各地で近い将来大きな地震が起きるとされている中で、熊本地震以上の建物被害率が高い地震波が、何回も連続で襲ってこないと断言できる人はいないはずです。

 

つまり実大実験でも、「震災後に想定外の地震がきた」とならないように余力を実証することが重要となります。

 

その観点で住友林業と一条工務店を比較してみましょう。

 

まずは結論です。



 

住友林業の方が、最大加速度:galにおいて耐震性の実証性が高い


一条工務店の方が建物全壊率が高い地震波において、耐震性の実証性が高い


ただし、両社とも十分に耐震性の余力を実証しているとは言えない。

 



以下、余力を測る実大実験の内容はこちらです。



過去の地震波以上の余力を測る実大実験

住友林業(2013)

一条工務店(2015)

■ビッグフレーム構法

試験体:3階建

連続加振:震度7相当22回、震度4~6弱224回

最大加速度:3,406gal

最大速度:公表無し

実験結果:損傷無し




■マルチバランス構法

試験体:2階建

連続加振:震度7相当9回

最大加速度:1,620gal

最大速度:公表無し

実験結果:一部内装とサイディングに軽微な損傷有り




■夢の家I-HEAD構法

試験体:2階建

連続加振:震度7相当を約1ヶ月で10回以上


最大加速度:公表無し

最大速度:公表無し

実験結果:建物に亀裂やひずみ無し

*実験後、気密性測定試験を実施。数値が変わらないことを確認


外内ダブル断熱構法

試験体:2,3階建

連続加振:公表なし

最大加速度:公表無し(K-NET築館波)

最大速度:公表無し(JR鷹取波)

実験結果:建物に亀裂やひずみ無し

※実験後、気密性測定試験を実施。数値が変わらないことを確認


※熊本地震は地震波の公表も無いため割愛



これらの数値をみると、一条工務店の外内ダブル断熱構法については建物全壊率が高い地震波で耐震性を実証できていると言えます。

 

一方で住友林業は、震度4〜7相当の地震波を合計246回実施しており、余震も想定した耐震性の実証ができていると言えます。



ユームの見解は、この両方が重要であると考えます。



前述お伝えしたとおり、kine(カイン・速度)と周期(キラーパルス)によって建物倒壊率が大きく変わります。

 

熊本地震や兵庫県南部地震では、この相関性により甚大な建物被害が出ました。

 

そしてこういった大きな地震は、発生後も余震活動が続きます。

 

熊本地震のような震度7が前震と本震に分けて複数発生する可能もあります。

 

つまり建物全壊率が高い地震波を複数回実証実験することが本当に強い家であると言えるのではないでしょうか。

 

この点で、両社が公表している内容だけでは余力を測る実証ができているかについては優劣をつけるのは難しいと言えます。

 

それでは過去の地震と比較して重要事項をもう少し深堀りしていきます。




3−3−1.住友林業の耐震実験(2013年)

※上の画像出典:住友林業HP ※画像外はユームの参考情報



住友林業の耐震実験での特徴は加速度と加振回数の多さです。



 

■ビッグフレーム構法

 

試験体は3階建て

 

最大加速度:3,406galまで実証

 

最大速度(kine):公表無し

 

加振回数:震度4~6弱224回、震度7相当22回合計246回

 

実験結果:損傷なし

 

 

■マルチバランス構法

 

試験体は2階建て

 

最大加速度:1,620galまで実証

 

最大速度(kine):公表無し

 

加振回数:震度7相当11回

 

実験結果:一部内装とサイディングに軽微な損傷有り

 

 

 

実際に過去に起きた地震では、新潟県中越地震の川口波で1,722gal、東北地方太平洋沖地震の築館波で2,933galでした。

 

つまり、加速度においてこの2つの地震クラスが発生してもビッグフレーム構法の家は倒壊しない可能性が高いことがわかります。

 

マルチバランス構法では、数値上は上記2つの地震クラスの実証ができていませんが、兵庫県南部地震の約2倍で実証実験をしています。



ただし冒頭お伝えした通り、同じ震度7でも建物全壊率はkine(カイン・速度)と周期による相関性が高いとされています。

 

この点で、住友林業はkine(カイン・速度)の公表をしていませんので少し不安が残ります。

 

東北地方太平洋沖地震の築館波は、観測史上最大級の加速度を記録していますが、最大速度は106kineと過去の震災の中ではそれほど高い数値ではありません。

 

築館波周辺の建物全壊率は0%です。



しかしもう一つ重要な点である、繰り返し起こる地震による耐震力については、震度7相当22回、震度4~6弱224回の合計246回の加振を行っているため安心であると言えます。

 

今後はkine(カイン・速度)と周期についても過去の建物全壊率が高い地震波やそれ以上の地震波で、耐震性の余力の実証をしてもらいたいものです。




3-3-2.一条工務店の耐震実験(2015年)

※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報



一条工務店の耐震実験の特徴は、過去の地震波の実証数の多さです。



 

■外内ダブル断熱構法

 

試験体は2,3階建て

 

最大加速度:公表無し(東北地方太平洋沖地震 築館波)まで実証

 

最大速度:公表無し(兵庫県南部地震 鷹取波)まで実証

 

加振回数:2年間253回加振 ※詳細な公表なし

 

実験結果:建物に亀裂やひずみ無し

 

 

■夢の家I-HEAD構法

 

試験体は2階建て

 

最大加速度:公表無し

 

速度(kine):公表無し

 

加振回数:震度7相当を約1ヶ月で10回以上

 

実験結果:建物に亀裂やひずみ無し

 

※いずれの構法とも実験後、気密性測定試験を実施。数値が変わらないことを確認

 

 

 

一条工務店では、過去起きた数多くの地震波で実証実験を行っています。

 

特筆すべき点は、建物全壊率が高かった地震波においても実証をしていることです。

 

外内ダブル断熱構法(2×6工法)では3階建てで兵庫県南部地震の鷹取波を、2階建てで新潟県中越地震の川口波を検証しています。

 

兵庫県南部地震の鷹取波は、最大速度157.2kineの地震波で、建物倒壊率は約34.9%でした。

 

また新潟中越沖地震の川口波は、最大速度144.7kineで、建物倒壊率は約18.0%でした。



「2倍耐震」でもこれらの地震波による実大実験を実証しています。

 

参照:一条工務店 You Tube公式チャンネル

 

詳細な実験内容の明示はありませんでしたので、詳しくは営業担当者にご確認ください。



これらの被害が大きかった地震波で検証できている点は、住友林業よりも耐震性の実証ができている言えます。



ただし注意点があります。

 

それはこれらの地震波の詳細な数値を公表していないことです。

 

上記地震波の数値は、あくまで観測地点の最大加速度、速度になります。

 

地震波の名前が同じでも、実際に実験した地震波の周期やkine(カイン・速度)などが、弱い実験を行っている可能性があります。



また同社では熊本地震の地震波でも検証をしています。

 

ただし具体的な数値だけでなく、地震波も公表されていません。

 

熊本地震の益城町で宮園波を観測した地点では、最大速度183.5kine、建物倒壊率30.8%と甚大な被害を起こしました。

 

一方ですぐ近くで観測されたKiK-net益城波では4.2%でした。

 

宮園波での検証であれば、より耐震性が高いと言えるでしょう。

 

他社で、同じ観測地名の地震波で実験をしたと言っても、実施した地震波がその観測値の最大のものではなく、弱い数値だったこともあります。

 

ぜひ詳細の公表をしていただきたく、今後に期待をしております。



なお、上記実証実験は外内ダブル断熱構法(2×6工法)の場合です。

 

夢の家I-HEAD構法の実大実験の公表が少ない点と、加振回数の詳細な公表がない点は気になります。

 

外内ダブル断熱構法(2×6工法)はアイ・スマート、アイ・キューブのみで、それ以外の商品は夢の家I-HEAD構法です。

 

夢の家I-HEAD構法の正確な情報も明示してもらいたいですね。

 

加振回数についても、東北地方太平洋沖地震以降の2年間で253回実施としていますが、同じ試験体なのか、実験地震波の詳細やどの程度のスパンで加振をしたのか、がわかりませんのでここも詳しく明示してもらいたいです。




3-4.揺れの抑制(制震)性能の比較

 

大きな地震の際には、揺れによる建物の損傷や家具の転倒による怪我などのリスクがあります。

 

住友林業と一条工務店の揺れの抑制についてもみていきましょう。

 

まず結論です。



 

両社とも実大実験による建物変位量の公表無し

 

住友林業はマルチバランス構法のみ、オプション仕様の制震パネル「地震エネルギー吸収パネル」がある

 

一条工務店は制震システム無し

 

 

 

前節までは過去の地震波での実験や建物の余力について比較検証してきました。

 

しかし大地震は、建物の倒壊だけでなく、大きな揺れによる冷蔵庫や家具の転倒による怪我などの危険性もあります。

 

阪神淡路大震災では、震災時に負傷する原因の75%は建物の揺れによる家具の転倒やガラスの飛散であったという調査結果があります。

 

そのため、「いかに揺れを抑えられるか」も重要です。



では両社の実大実験においてどの程度建物の変形を抑えることができているか?



残念ながら両社とも建物の変形についての詳細な公表はありませんでした。



補足として、揺れを抑える仕組みのひとつである制震システムを紹介します。

 

制震システムを採用しているのは住友林業のみです。

 

ここではマルチバランス構法で採用されているオプション仕様の制震パネル「地震エネルギー吸収パネル」について簡単に紹介します。

(Myforest GSでは標準仕様となっています。)


※上の画像出典:住友林業HP ※画像外はユームの参考情報



パネルの中央に設置された「高剛性・高減衰ゴム」付き金物が、地震による建物の変形を抑えます。

 

これは制震システムでよく採用される地震エネルギーを熱に変換して住宅の揺れを軽減する方法です。

 

一般的な在来工法と比較して、建物の変形を最大約70%軽減します。

 

ただし具体的な変形量や実大実験の実績、高減衰ゴムの耐用年数など、詳細の公表はありませんでしたので、詳しくは営業担当者に確認してください。




3-5.基礎の比較

 

基礎は、建物の構造と同じくらい重要なポイントです。

 

建物が倒壊しなくても、基礎自体が崩壊してしまうと、住宅に多大なダメージを受けます。

基礎の比較もみていきましょう。




 

両社とも基礎仕様の公表が少ないものの、耐久年数や基礎設計の点で住友林業の方が優れている

 



基礎の仕様は以下のとおりです。

 

 

住友林業

一条工務店

基礎の方式

ベタ基礎

布基礎

基礎寸法・主筋

主筋:公表なし

その他配筋:公表なし

フーチング:長方形

アンカーボルト:

ビッグコラム用アンカーボルト

立上がり幅:公表なし

立上がり高さ:公表なし

主筋:D16(直径約16mm)

その他配筋:公表なし

フーチング:長方形

アンカーボルト:公表なし



立上がり幅:160mm

立上がり高さ:公表なし

特徴

オリジナル構造計算システム「WiNX」で、一邸毎にコンクリート強度、基礎形状、かぶり厚を設計




耐久年数は75年以上

建築基準法よりも立上り幅や鉄筋の太さ・本数をアップしている


*他社と比較すると特別な仕様ではない


耐用年数の公表無し



3-5-1.住友林業の基礎

※上の画像出典:住友林業HP グランタウン広畑 ※画像外はユームの参考情報



住友林業の基礎は、全商品共通でベタ基礎です。

 

耐久年数は75年以上としています。



 

■全構法共通でベタ基礎

 

オリジナル構造計算システム「WiNX」で、一邸毎にコンクリート強度、基礎形状、かぶり厚を設計

 

ビッグフレーム構法においては、基礎とビッグコラムを直接強固に緊結した「メタルタッチ接合」を採用

 

 

■基礎の仕様

 

主筋:公表なし

 

その他配筋:公表なし

 

フーチング:長方形

 

アンカーボルト:ビッグコラム用アンカーボルト

 

立上がり幅:公表なし

 

立上がり高さ:公表なし

 

 

 

基礎や鉄筋の厚みなど詳細な仕様は、残念ながら公表がありませんでした。

 

基礎構造は、立ち上り部分と床一面を鉄筋コンクリートで覆ったベタ基礎です。

 

ベタ基礎の大きな特徴は、基礎全体の大きな面で建物の荷重を支えることです。

 

住友林業では、このベタ基礎にオリジナル構造計算システム「WiNX」で、間取りプランや地盤強度に合わせたオーダー基礎設計をしています。

 

建物荷重がかかりやすい部分には鉄筋量を増やして基礎を強化するなど、建物全体でバランスよく荷重をかけて耐久性を維持する工夫をしています。

 

詳細の公表はありませんが、耐久年数は75年以上としています。



特にビッグフレーム構法では、基礎とビッグコラムの接合にもこだわりがあります。


※上の画像出典:住友林業HP ※画像外はユームの参考情報



一般的には基礎と土台、床合板、柱を金物で固定しますが、ビッグフレーム構法では基礎とビッグコラムをメタルタッチ接合により直接固定する方法を採用しています。

 

これにより、地震の揺れによる床面の影響を受けず、基礎から直接ビッグコラムに力を伝えることにより、建物の変形を抑えています。

 

ただし詳細な公表はありませんでしたので、今後具体的な数値を公表してもらいたいです。




3-5-2.一条工務店の基礎

※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報



一条工務店の基礎は、全商品共通で布基礎です。

 

先に結論をお伝えすると、一条工務店では基礎の仕様を建築基準法以上の仕様の高耐久・高耐震基礎としていますが、他社と比較して特別な仕様ではありません。



 

■全商品共通で布基礎

 

基礎仕様は建築基準法以上の仕様で施工

 

ただし他社と比較して特別な仕様ではない

 

 

■基礎の仕様

 

主筋:D16(直径約16mm)

 

その他配筋:公表なし

 

フーチング:長方形

 

アンカーボルト:公表なし

 

立上がり幅:160mm

 

立上がり高さ:公表なし

 

 

 

基礎構造は、立上り部分を鉄筋コンクリートとした布基礎を採用しています。

 

ベタ基礎のような面で支えるのに対して、布基礎は立上り部分で集中的に建物を支えるのが特徴です。

 

一条工務店では、この立上り部分の仕様を建築基準法以上の仕様とし、高耐久・高耐震基礎としています。

 

また地盤表面には防蟻対策として防湿コンクリートを施工していますので、見た目はベタ基礎と変わりません。

 

ただしこれらの仕様は、大手他社と比較すると特別とは言えず一般的なレベルです。



1点気になるのは、基礎の仕様に立上り部分の根入れの深さの公表がありません。

 

布基礎の場合、ベタ基礎と違って地震の揺れを立上り部分で支える構造となっています。

 

つまり基礎の幅や高さ(根入れの深さ)で大きく強度が変わるのです。

 

基礎幅160mmは、ベタ基礎でもよく採用される仕様のため特別ではありません。

そして根入れの深さは公表がありません。

 

しかしこの根入れの深さによっても強度が変わります。



一条工務店に限らず住友林業も、耐震実験は基礎無しで検証されています。

 

いくら構造躯体が頑強でも、基礎が損傷し建物が傾いたにも倒壊の危険性があります。

 

この点については、住友林業も一条工務店も不安が残らざるを得ないと言えます。




3-6.水害対策

※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報



ここでは一条工務店が2019年に世界初実大水害実験を実証した内容を紹介します。

 

はじめに誤解がないようにお伝えすると、耐水害住宅はオプション仕様です。

 

近年、毎年のように豪雨や洪水による水害が多いことはみなさんもご存知かと思います。

 

水害に耐える耐水害住宅も非常に大事なポイントですのでおさえておきましょう。



 

世界初の実大水害実験を実証

 

水害による4つの危険「浸水・逆流・水没・浮力」を対策

 

1,000トンの水を使って豪雨・洪水被害を再現。床下、室内ともに被害無し

 

耐水害住宅はオプション仕様

 

 

 

一条工務店では、世界で初めて水害に耐える住宅「耐水害住宅」であることを実大実験で実証しました。

 

この実大水害実験は、約1,000トンの水を使って豪雨・洪水被害を再現した実験です。

 

その結果、一般的な仕様の住宅は床下換気口や玄関ドア、窓の隙間から次々と浸水していきましたが、一条工務店は、床下、室内ともに被害を受けませんでした。


※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報



一条工務店の耐水害住宅は水害による4つの危険を対策した住宅です。



4つの危険というのは、浸水・逆流・水没・浮力です。



では具体的にどのような対策をしているかもう少し詳しくみていきましょう。




3-6-1.浸水対策

 

一条工務店の浸水対策のポイントは4つです。



 

換気口内側に設置した「フロート弁」で基礎への浸水を防ぐ

 

構造躯体は透湿防水シートを施工。基礎との接合部分は専用接着剤で水密性を確保

 

玄関ドアの水密性を高める「中空パッキン」を施工

 

強化ガラスで水圧に耐える樹脂サッシを採用

 

 

 

浸水は、主に水害により床下や窓、壁の隙間から水が噴き出して水が侵入することを指します。

 

浸水は、水位が高くなると窓ガラスを破壊するほどの水圧を与えるリスクもあります。



では具体的な早速具体的な対策をみていきましょう。



1つ目は「フロート弁付き床下換気口」による止水の自動化です。


※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報



これは主に床下から浸水したケースを想定しています。

 

上図のように換気口の内側に、フロート式の弁を設置しています。

 

水が浸入してくると、弁が浮いてフタをすることで、床下への浸水を防止しています。

 

前面にステンレス網を設置し、ゴミが入り込んで止水を阻害しないように工夫しています。



2つ目は「壁面防水処理」です。

 

これは透湿防水シートで対応しています。

 

シートのジョイント部分やシートと基礎の接合部分は、専用接着剤で水密性を確保しています。

 

専用接着剤には色が付いており、塗りムラの確認もしやすいよう工夫しています。



3つ目は「玄関ドア」です。


※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報



玄関ドアは、壁とドア枠を一体化させ隙間をなくし、鍵穴の位置を一般的な位置よりも高くしています。

 

ドアとドア枠の間には水密性の高い、新開発の中空パッキンを採用しています。

 

この中空パッキンは自動車のドアパッキンを製造しているメーカーと共同で開発したものです。



4つ目は「窓」です。


※上の画像出典:一条工務店カタログ ※画像外はユームの参考情報



1階の掃き出し窓は、あらかじめ工場で壁に取り付けることで、施工ムラによる隙間を防いでいます。

 

また、玄関ドアと同様の中空パッキンを使用して、窓と窓枠の隙間からの浸水を抑えています。

 

さらに、水位1mでは1t/㎡にもなる水圧に耐えられるように5mm厚の強化ガラスを採用しています。



ただし一条工務店の標準窓は強化ガラス仕様になっていませんので、事前に標準窓との差額を確認しましょう。




3-6-2.逆流対策

 

まずは結論です。



 

床下の排水管に、「逆流防止弁」を設置して逆流を防ぐ

 

 

 

逆流と聞いてどんなことが起きるか、あまりピンときてない方も多いのではないでしょうか。

 

これは浸水により、基礎下の排水管から水が逆流し、トイレやキッチン、洗面といった水回りから水が噴き出してくることを指します。

 

つまり床下からの浸水だけでなく、こういった水回りからも浸水を早めるリスクがあるということです。

 

この対策には、床下の排水管に、専門メーカーと共同で開発した逆流防止弁を採用しています。

 

普段の生活水の排水は弁が開いた状態となっており、水害によって水かさが増して汚水が逆流した際には自動で弁が閉じて屋内に溢れるのを防ぎます。


※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報




3-6-3.水没対策

 

一条工務店の水害対策は、建物だけでなく、給湯器など外部の設備機器への対策もしています。



 

独自のエコキュートを開発

電気・電子部品を給湯器上部に配置する設計のため、一部が水没しても稼働ができる

 

独自の架台で、エアコン室外機や蓄電池を高い位置に設置

 

外部コンセントを高所に設置

 

 

 

断水や停電が発生した際に有効的なエコキュートや太陽光発電、蓄電池などの設備も、水害時に水没してしまうと使用できなくなってしまい意味がありません。

 

一条工務店ではこれらの対策を3つ行っています。



1つ目は「エコキュート」です。

 

電気給湯器であるエコキュートは、ガス給湯器と比較して高さ2m前後と大きいです。

 

そこで水に弱いポンプや電磁弁などの電気動力部品、基板や電源などの電気・電子部品を本体上部に配置し、本体の一部が水没しても稼働できる仕様を専門メーカーと共同開発しています。


※左の画像出典:一条工務店HP 右の画像出典:YouTube「一条工務店公式チャンネル」※画像外はユームの参考情報



ただし高所に設置するといったことはできず、あくまである程度の水没に対応できるということですのでここは注意してください。

 

またどの程度まで水没しても稼働できるかの詳細な公表はありませんでしたので、営業担当者に確認をしましょう。



2つ目は、「エアコン室外機や蓄電池などの設置」です。

 

これは高さを確保した架台を基礎に直接取り付ける設置方法や重さ100kg以上の蓄電池を壁に取り付けることができる独自の技術を採用しています。


※左の画像出典:一条工務店HP 右の画像出典:YouTube「一条工務店公式チャンネル」※画像外はユームの参考情報



3つ目は、「電気コンセントの位置」です。

 

こちらもエアコン室外機などと同様に、高所に設置して水没しないように工夫しています。




3-6-4.浮力対策

 

建物のまわりの水位が一定の高くなると大きな浮力がかかり、建物が流されてしまうリスクがあります。

 

一条工務店では浮力対策として2種類の方法を用意しています。

 

ただし重要な注意点もあります。



 

「スタンダードタイプ」

床下注水ダクトを設け、水位1mを超えると床下に水を引き込み、水の重量を加えて浮力を防ぐ

*注水量が床下の容積を超えると床下浸水する場合がある

 

「浮上タイプ」

専用ダンパー付きの係留装置で建物とポールをつなぎ、浮上時の流失を防ぐ

 

 



まず「スタンダードタイプ」です。

 

これは、水を利用して建物を重くするという方法です。


※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報



もう少し詳しくお伝えします。

 

外部に設けられた「床下注水ダクト」と呼ばれる配管が基礎下と直結しており、水位が1mを超えたときに床下に水を放流する仕組みとなっています。

 

この放流した水により、建物を重くして浮力に対抗します。

 

基礎には水抜き穴が設置されているため、床下の排水もスムーズにできるようになっています。



ただし重要な注意点があります。

 

それはあくまで1mを超えると床下から浸水しはじめるということです。

 

このリスクを回避するために、事前に建築地周辺のハザードマップをよく確認して、どの程度の浸水被害のリスクがあるかを確認するようにしましょう。



次に「浮上タイプ」です。

 

これは、その名の通り住宅を浮かせる方法です。


※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報



しかし先ほどお伝えした通り、浮いた住宅は流されてしまうリスクがあります。

 

そこで一条工務店では、専用ダンパー付きの係留装置で建物の四隅とポールをつなぎ、浮上時の流失を防いでいます。

 

洪水の際は安定して浮き上がり、常に建物とポールの距離を一定に保持し、水が引いたらほぼ同じ位置に着地するようになっています。

 

この着地についても工夫がされています。

 

通常の基礎構造では、浮上時に地中の基礎ごと引き抜かれるため、土砂が流れ込んだり、地面が削れて水平に着地することが難しくなります。

 

その対策として、建物がフラットな地面に着地できるよう基礎の下にもコンクリートを敷く二重基礎構造を採用しています。



ただしここにも重要な注意点が2つあります。



1つ目は安全に着地できる保証がないということです。

 

これは水が引いた直後、着地面となるコンクリートの上に瓦礫などが堆積している可能性があるということです。

 

水害は、流された車や住宅などの瓦礫、植栽など、多くのものを流していきます。

 

そして住宅密集地であるほど流出物の量は増える危険性があります。

 

このような瓦礫などの堆積物が、着地面に堆積していた場合、浮いた建物は無事にフラットな状態で着地はできません。

 

仮に着地しても建物に潰された瓦礫を撤去するのは非常に困難であると言わざるを得ません。



2つ目は着地以降の地震によるリスクです。

 

仮に1つ目の堆積物によるリスクがなく、フラットな状態で着地ができた場合を仮定します。

 

しかし一度引き抜かれた基礎は、全て地上に出てしまうため、大きな地震の揺れに対して地中の土圧で建物を抑えることができません。

 

例えば断面の大きな切り株をイメージしてみてください。

 

切り株は、根が地中に埋まっていなくても直立することは可能です。

 

しかし根が埋まっていないと、大きな揺れがきた際には耐えられず確実に倒れてしまいます。

 

まさに住宅の基礎はこの根にあたる部分になります。

 

倒壊はないにしても、基礎が埋まっていない建物は、大きな揺れに合わせて基礎ごと大きく揺れ動いてしまうリスクがあります。



一条工務店の実大実験では、これらのリスク対策まで考慮されていませんので、本当に水害があった際に大丈夫かどうかは不安が残ります。

 

ですがここまでの仕様と実物大実験を行っているのは一条工務店だけです。

これは大きなチャレンジだと思いますし、こういう企業姿勢は応援していきたいです。




まとめ

 

 

住友林業

一条工務店

耐震の方法

独自のラーメン構造「ビッグフレーム構法」



独自の木造軸組構造「マルチバランス構法」

木造軸組構造と耐力面材を組み合わせた「夢の家I-HEAD構法」


独自の2×6工法「外内ダブル断熱構法」

実大実験の建物

■3階建て(ビッグフレーム構法)

屋根:有り

外壁:有り

窓:有り

内壁:有り

家具・住宅設備:有り

基礎:無し




■2階建て(マルチバランス構法)

屋根:有り

外壁:有り

窓:有り

内壁:有り

家具・住宅設備:不明

基礎:無し

■2,3階建て(外内ダブル断熱構法)

屋根:有り

外壁:有り

窓:有り

内壁:有り

家具・住宅設備:有り

基礎:無し

*一部実験では太陽光パネルの搭載、ガレージ付きも有り


■2階建て(夢の家I-HEAD構法)

屋根:有り

外壁:有り

窓:有り

内壁:有り

家具・住宅設備:有り

基礎:無し

実大実験の加振状況

■過去の地震

・兵庫県南部地震

JMA神戸波



・東北地方太平洋沖地震

K-NET築館波? 





■過去の地震

・兵庫県南部地震

JMA神戸波、JR鷹取駅波、大阪ガス葺合波


・東北地方太平洋沖地震

七郷(宮城)波、K-NET日立波、K-NET築館波、K-NET水戸波、JMA古川波、SK-net岡本波、SK-net成田波


・新潟県中越地震の地震波

JMA川口波


・新潟中越沖地震の地震波

K-NET柏崎波


・駿河湾の地震の地震波

JMA御前崎波、JMA島田波


・熊本地震の地震波

益城町波本震、益城町波余震


・今後想定される地震波

名古屋三の丸波、

想定南海トラフ地震名古屋波、

想定南海トラフ地震浜松波、

想定上町断層帯地震フラット型、

想定上町断層帯地震パルス型

実大実験の結果

(最大加振・回数)

■ビッグフレーム構法

震度4~6弱:224回

震度7相当:22回

合計246回


■マルチバランス構法

震度7相当:11回

■夢の家I-HEAD構法

約1ヶ月で震度7相当を10回以上



■外内ダブル断熱構法


*構法の詳細な公表はないが、東北地方太平洋沖地震以降、2年間で253回の実証実験を実施

過去の地震の揺れによる被害状況

詳細の公表なし

兵庫県南部地震で全半壊ゼロ

基礎・概要

■ベタ基礎

主筋:公表なし

その他配筋:公表なし

フーチング:長方形

アンカーボルト:

ビッグコラム用アンカーボルト

立上がり幅:公表なし

立上がり高さ:公表なし

■布基礎

主筋:D16(直径約16mm)

その他配筋:公表なし

フーチング:長方形

アンカーボルト:公表なし


立上がり幅:160mm

立上がり高さ:公表なし

基礎の特徴

オリジナル構造計算システム「WiNX」で、一邸毎にコンクリート強度、基礎形状、かぶり厚を設計




耐久年数は75年以上

建築基準法よりも立上り幅や鉄筋の太さ・本数をアップしている


*他社と比較すると特別な仕様ではない


耐用年数の公表無し

水害対策

公表無し

世界初の実大水害実験を実証

※耐水害住宅はオプション仕様

 

 

 

4.防火性を比較

 

大きな地震の備えとして、耐震性能ともうひとつ大事なのが防火性能です。

 

先に両社の防火性能について結論です。



 

結論


内部出火


両社とも一般的な木造より防火性が高くほぼ同等


断熱材の耐火性は住友林業の方が高い


外部出火


標準仕様は、両社とも一般的な木造より防火性が高く同等


準耐火構造を含めた耐火仕様の透明性は住友林業の方が高い


耐火建築

の実績


3階建て以上の耐火建築実績は住友林業の方が高い





もう少し具体的に下の枠でまとめてみました。

 

ただ、この枠内の文言はざっと見るだけで大丈夫です。

 

のちほど図やデータを見ながら詳しくわかります。



 

■住友林業の防火性能


標準仕様のモルタル外壁は、防火構造(30分


オプション仕様の準耐火構造(45分および60分)は国土交通大臣認定を取得


2021年に耐火構造(2時間・3時間)の認定も取得。15階以上の木造建築も今後は可能


住宅では4階建て耐火建築、非住宅では4階建て以上の実績あり


ファイヤーストップ構造のため1階から2階へ延焼しにくい



■一条工務店の防火性能


標準仕様のタイル外壁は、防火構造(30分


オプション仕様の準耐火構造(45分および60分)も用意


耐火建築の商品は3階建てまで


ファイヤーストップ構造のため1階から2階へ延焼しにくい

 



皆さんは年間でどのぐらいの火災が発生しているかご存知でしょうか?



消防庁によると年間で37,683件の火災が発生(2019年)しています。

 

1日平均で計算すると、2.4人の方が住宅火災で毎日亡くなられていることになります。



特に大きな地震では、建物の倒壊だけでなく火災被害も甚大となります。

 

内閣府の発表によると、首都直下型地震では最大41万棟の消失被害が予想されています。

 

南海トラフ巨大地震では地震火災による死者数は約1万4千人としています。



大きな揺れが原因で電気ヒーターから家財に引火してしまったり、周辺家屋から延焼を受けたりと、原因はさまざまです。

 

自分の家や家族が、少しでも火災被害を少なくできるように、家の中の出火対策(内部出火)と家の外の出火対策(外部出火)をすることが非常に重要です。



では住友林業と一条工務店の防火性能はどうなのか、深堀りしていきましょう。



最後に火災保険料のこともわかります。




4-1.内部出火の防火性能

 

内部出火の対策は、両社とも建物構造で防火性能を発揮しています。



はじめに結論です。



 

(両社共通)

 

内部出火が発生しても延焼しにくい構造

 

石膏ボードが延焼と温度上昇を抑える

 

ファイヤーストップ構造が上の階への延焼を防ぐ

 

 

(住友林業の防火性)

 

断熱材は、住友林業の方が引火しにくい

 

防火地域の3,4階建て建築は、住友林業の方が実績が多い

 

 



みなさんは、家の中で出火すると、どのぐらいで隣の部屋に燃え移るかご存知でしょうか?



一般的な木造住宅の場合、1階で出火すると約5分間で隣室へ延焼、窓ガラスも割れます。

 

そして約7分後には2階の天井まで延焼し、約20分で全焼すると言われています。

 

参照:財団法人 日本防火協会HP

 

ちなみに初期消火の限界は1階の天井に火が回るまでと言われています。

 

その時間は約2分30秒です。

 

つい自分で初期消火を試みて逃げ遅れる可能性もゼロではありません。



ですので、やはり家の中の防火性能も重要です。



先にお伝えすると両社の内部出火対策は特別な仕様ではありません。



ただし、住友林業の耐火認定は別格なので、のちほどお伝えします。



まずはファイヤーストップ構造をおさえておいたほうがよいです。



炎って上に向かっていきますよね。

 

下の図の X のところをご覧ください。


※上の画像出典:日本ツーバイフォー協会 ※画像外はユームの参考情報



ファイヤーストップ材とは、特に壁の中に入った炎が、上の階に燃え広がろうとするのをストップする構造材のことです。



もう少し具体的にお伝えします。

 

火の通り道となりやすい壁内や天井裏の間に大きな断面の木材(ファイヤーストップ材)を使うことです。

 

大きな断面の木は火災時に周辺が炭で真っ黒になりますが、強度は低下しにくい特徴があります。

 

これを木材の炭化現象と言います。

 

炭化現象とは、表面が炎により炭化層となることで空気をブロックし、木の内部に火が通りにくくなる現象です。

 

一見して焦げているように見えても、木内部にまで火が通りにくいため、完全な燃焼までに時間がかかります。



意外と思われる方も多いですが、鉄骨よりも強度が落ちにくいというデータもあります。

(下の右画像を参照)


※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報



これにより隣接する部屋への燃え広がりを防止します。



また壁紙の下地材に使われる石膏ボードには、火災時の延焼と温度上昇を抑える効果もあります。



つまり内部出火の対策は、

 

ファイヤーストップ構造による延焼の抑制

 

石膏ボードによる延焼温度上昇の抑制

 

の2つで成り立っています。



では両社の内部出火の対策を具体的にみていきましょう。




4-1-1.住友林業の防火性能(内部出火対策)

 

住友林業の内部出火は、ファイヤーストップ構造石膏ボードで対策をしています。



 

ただしこれらの対策は他社でも採用されていため決して特別な仕様ではない

 



これが結論です。

 

住友林業の特徴はこちらです。



 

■住友林業の防火性能(内部出火

 

石膏ボードが延焼温度上昇を抑える

 

ファイヤーストップ構造が上の階へのに延焼を防ぐ

 

ただし特別な仕様ではない

 

 

 

内部出火対策は冒頭お伝えした2つです。



1つ目は、室内で出火した直後の対策です。

 

出火直後は、壁紙の下地材に使われる石膏ボードが延焼と温度上昇を抑制します。


※上の画像出典:住友林業HP ※画像外はユームの参考情報



まず石膏ボードの抑制です。

 

一般的な厚さ12.5mmの石膏ボードで火災に約15分耐えられると言われています。



参照1:一般社団法人 日本ツーバイフォー協会HP

参照2:吉野石膏HP



石膏ボードは壁だけでなく、天井にも使用されています。



両社の石膏ボードの厚みについてもみておきしょう。

 

標準仕様の詳細な公表はありませんでしたが、過去の建築ブログを見ると、

 

住友林業では厚さ12.5mmを壁に、天井はそれを2枚張りしています。

 

参照1:Amebaブログ「住友林業で30坪の平屋を建築中です」

参照2:ブログ「家づくりと暮らし方」



ただしオプション仕様の準耐火構造は上記と異なりますので、後ほど紹介します。



一条工務店も壁は同様の厚さのようです。

 

天井については残念ながら参考の明示がありませんでした。



次に石膏ボードの温度上昇の抑制です。

 

石膏ボードの中に含まれる約21%の結晶水が温度を抑制します。



この結晶水は熱分解により水蒸気となって放出されます。

 

その水蒸気が天井裏や壁内の温度上昇を抑えます。

 

これにより、構造材が発火温度に達するのを15〜20分ほど遅らせてくれます。




補足ですが、天井埋め込みのエアコンや照明、スピーカーがある場合はこの点で延焼防止性能が落ちる可能性がありますので、注意してください。




2つ目は、火の手が壁の中から上の階へと広がらないための対策です。



壁にはスイッチやコンセント、エアコンなどの配管穴もありますよね。

 

そこから壁の中に炎が移る可能性もあります。



この壁の中にある断熱材が高性能グラスウールです。

 

住友林業のこの高性能グラスウールはガラスを主原料しており、法定不燃材料とされています。

 

万一の火災時にも延焼を抑える効果もあり、有毒ガスの発生の危険性もありません。



それでも壁の中の炎は、上へ上へ向かっていく可能性あります。

 

これは、ファイヤーストップ構造により延焼を抑制します。


※左の画像出典:住友林業HP ※画像外はユームの参考情報



住友林業のビッグフレーム構法、マルチバランス構法は、ともにファイヤーストップ構造です。

 

ビッグフレーム構法は、上図の大断面の梁ファイヤーストップ材の役割を果たし、隣室への延焼を防ぎます。

 

マルチバランス構法も詳細の断面図はありませんでしたが、ファイヤーストップ材を設けています。



ここまでは標準仕様の防火構造の内部出火対策です。



オプション仕様の準耐火構造もおさえておきましょう。

 

住友林業では、「準耐火仕様」・「耐火仕様」を用意しています。



標準仕様との大きな違いは、石膏ボードの種類と厚みです。



準耐火仕様では、ガラス繊維などを加えて耐火性能を強化した強化石膏ボード12.5mmを採用しています。

 

これを床・壁・天井に施工します。


※左の画像出典:住友林業カタログ ※画像外はユームの参考情報



耐火仕様になると、準耐火仕様よりも厚い21mmを採用しています。



さらに床・壁は二重貼りです。


※左の画像出典:住友林業カタログ ※画像外はユームの参考情報



これらの仕様により、準防火地域・防火地域の基準に適合する内部出火対策に強化をしています。

 

ただし他社でも同等の仕様を採用しているところが多いため、決して特別ではありません。




4-1-2.一条工務店の防火性能(内部出火対策)

 

一条工務店の内部出火対策も、住友林業と同様に、ファイヤーストップ構造と石膏ボードで対策しています。



 

内部出火対策は住友林業と同等


ただし一条工務店の断熱材の素材は熱や火に弱い

 



この点に注意が必要です。



一条工務店の特徴を簡単にまとめたのはこちらです。



 

■一条工務店の防火性能(内部出火)


石膏ボードが延焼温度上昇を抑える


ファイヤーストップ構造が上の階への延焼を防ぐ

  

ただし特別な仕様ではない

 

断熱材の素材は熱や火に弱いので注意が必要

 



一条工務店のファイヤーストップ構造や石膏ボードは下の図のとおりです。

 

内部出火対策は、住友林業と同様になりますので詳細は割愛いたします。


※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報



ここで先ほどお伝えした断熱材の注意点をおさえておきましょう。



一条工務店が採用している断熱材は、

 

・外内ダブル断熱構法は、高性能ウレタンフォーム

 

・夢の家I-HEAD構法は、ビーズ法ポリスチレンフォーム

 

です。

 

(断熱材の詳細は、6.省エネや断熱性能違いで詳しくお伝えします。)



注意点はこの2つの断熱材がグラスウールよりも熱に弱いということです。



では熱に弱いとどういうことが起こってしまうのか?

 

それは

 

・断熱材が燃えやすいと延焼しやすくなる

 

・熱に耐えられず、溶解・変形してしまい、断熱材の機能を果たせなくなる

 

この2つのリスクが発生します。



1つ目は、断熱材によって燃えやすさの違いがあることです。


※上の画像出典:硝子繊維協会 ※画像外はユームの参考情報



ウレタンフォームやポリスチレンフォームは発泡系プラスチック素材で形成されています。

 

発泡プラスチック素材は、一般的に可燃性素材のため燃えやすいです。



一方でグラスウールは無機系素材のため、発泡系プラスチックと比較すると燃えにくいです。

 

上図のように、硝子繊維協会の燃焼実験でもその違いが証明されています。



一条工務店のビーズ法ポリスチレンフォーム(EPS1号相当)には燃焼を抑える難燃剤を添加しており、一般的な発泡系断熱材よりは燃えにくくなっているとしています。



このようにPRされると、燃えないのだと誤解されている方もいらっしゃるようなので、補足しておきます。



たしかに、発泡スチロール協会の試験資料※1では、難燃剤添加されたEPS※2の一定の自己消火性が示されています。

 

微小火源による試験にて火源が取り除かれた場合、それ自体では燃焼を継続しない性質(自己消火性)をもちます。



ただし、それは住宅火災を前提とした試験ではありません。

 

そのEPS1号の使用温度は80度となっており、基準法による難燃材料でもありません。

 

※1参照:発泡スチロール協会の試験資料Q4

※2参照:EPS断熱建材総合サイト



また日本ウレタン工業協会による試験結果では、難燃剤を添加していても燃焼スピードに大きな効果は報告されていません。

 

難燃剤を添加した硬質ウレタンフォームは、汎用タイプよりも燃焼スピードが12%から8%遅らせる程度となっています。

 

※3参照:日本ウレタン工業会「燃焼特性」



法定不燃材である高性能グラスウールを利用している住友林業の方が安心とは言えます。



2つ目は耐熱性です。

 

まずウレタンフォームです。

 

ウレタンフォーム工業会によると、一般的な使用温度は-70~100℃※4としています。

 

発火点は410℃※5ほどです。

 

直接炎が迫ってこなければ、温度上昇による発火のリスクは少ないと言えます。



またウレタンフォームは熱硬化性樹脂のため温度上昇による変形や溶解はしにくいとしています。

 

温度上昇による断熱材の縮小による隙間ができにくいということです。

 

つまり、壁のなかに隙間ができにくく、空気の流入が少ないため、火の通り道が広がりにくいと言えます。



しかし、他の断熱材よりも元々可燃性素材であることと、使用温度の範囲をみると不安な点が残ります。

 

※4参照:ウレタンフォーム工業会

※5参照:日本ウレタン工業協会 硬質ポリウレタンフォームの火災に関する Q&A 



次にビーズ法ポリスチレンフォームです。

 

こちらはJEPSA発泡スチロール協会が、80℃以上に達すると断熱材が収縮する※6ことを公表しています。

 

収縮すると壁内に隙間ができてしまいます。

 

その隙間に空気が流入し、さらなる火の通り道となる可能性があります。



そのため壁にこの断熱材を使用した場合、ウレタンフォーム以上に不安が残ります。

 

※6参照:JEPSA発泡スチロール協会HP



とはいえ、一条工務店に限らず発泡系断熱材を採用している住宅会社は、建築基準法の30分防火構造に認定されたものを使用しているため、ある程度の防火性能はあります。



特に一条工務店は、ファイヤーストップ構造や石膏ボードによる延焼の対策をしているため一定の防火対策はできているでしょう。



一条工務店の準耐火構造の内部出火対策は、残念ながら公表がありませんでしたので割愛いたします。




4-2.外部出火の防火性能

 

外部出火の対策は、外壁を炎に曝す延焼実験で防火性能を確認しています。

 

実験内容が違うので、ここで整理しながら防火性能の違いをみていきましょう。

 

まずは結論です。



 

両者とも標準仕様の防火構造は同等


準耐火構造を含めた耐火仕様の透明性は住友林業の方が高い


3階建て以上の耐火建築実績は住友林業の方が高い

 



先に各社の公表ベースでの耐火性能をお伝えします。

 

こちらも今はざっと見で大丈夫です。

 

あとの解説のほうがわかりやすいです。



 

■住友林業の防火性能


標準仕様のモルタル外壁は防火構造(30分


オプション仕様で準耐火構造(45分および60分)の大臣認定を取得


標準の防火構造(30分)で30分耐火試験を行い、外側が加熱温度850℃に対して内側は77℃



■一条工務店の防火性能


標準仕様のタイル外壁は防火構造(30分


オプション仕様で準耐火構造(45分および60分)も用意


標準の防火構造(30分)で45分耐火試験を行い、外側が加熱温度約1,000℃に対して内側温度は100℃以下 


屋根材として利用できる自社の太陽光パネルの防火認定を取得

 



では両社の外部出火対策について早速みていきましょう。




4-2-1.住友林業の防火性能(外部出火対策)

 

外部出火の対策は、外壁の延焼実験により防火性能を確認しています。

 

まず結論です。



 

外壁の防火性能における国土交通省大臣認定を取得


延焼実験も実施しており、外部出火対策の透明性が高い


2021年から15階建て以上の木造建築も可能となり、木造耐火建築のトップランナーと言える

 



住友林業の特徴を簡単にまとめたものはこちらです。



 

■住友林業の防火性能(外部出火)


<共通>


モルタル外壁は防火構造(30分)、準耐火構造(45分および60分)の大臣認定を取得



<標準仕様(一般地域)>


 標準仕様のモルタル外壁は防火構造(30分


防火構造(30分)で30分耐火試験を行い、外側が加熱温度850℃に対して内側は77℃



<オプション仕様(準防火・防火地域)>


オプション仕様のモルタル外壁は準耐火構造(45分および60分


準耐火構造(45分および60分)で60分耐火試験を行い、外側が加熱温度960℃に対して内側は66℃

 

2021年には耐火構造(2時間・3時間)の認定も取得。15階以上の木造建築も可能


住宅では4階建て耐火建築、非住宅では4階建て以上の実績あり

 



住友林業では、建築基準法の防火性能基準である、30,45,60分の加熱実験を行っています。


※上の画像出典:住友林業HP ※画像外はユームの参考情報



火災対策として建物構造には、2種類あります。

 

標準仕様である一般的な住居地域の防火構造と、オプション仕様である都市部などの防火・防火地域の準耐火構造です。



住友林業では、この2種類の建物構造で加熱実験を実施しています。



標準仕様の防火構造は、上図のように加熱後30分で850℃に温度を上昇させた検証をしています。

 

オプション仕様の準防火構造は45分で900℃、60分で960℃です。

 

結果、防火構造は表面が850℃に対して内側の温度は77℃でした。

 

木材の引火温度が260℃と言われているので、大幅に温度上昇を抑えています。



準耐火構造は表面が960℃に到達しても、内側の温度は66℃という結果でした。



ただし標準仕様の防火構造は、住友林業と一条工務店は同等であると言えます。



一方で準耐火構造は、一条工務店の詳細な公表がないため、透明性があるという点で住友林業は安心と言えます。



3,4階建ての耐火建築は、一条工務店よりも実績が多いため、安心であると言えます。



マルチバランス構法は、防火構造(30分)のみの公表でした。



さらに特筆すべき点として、住友林業は中規模木造建築でも高い防火性能を有する建物技術をもっています。



住友林業の中規模木造建築で使われる柱や梁はオリジナル木質部材「木ぐるみ CT」を採用しています。

 

これは2021年2月に梁部材で3時間耐火構造の、3月に柱部材で2時間耐火構造3時間耐火構造国土交通大臣認定を取得しています。




「木ぐるみ CT」とは、構造材の柱や梁の周囲に不燃材を貼り付け、その外側にCLT注1 などの木材を浮かして留め付ける構成の部材です。



注1:CLTとはCross Laminated Timberの略称です。ひき板(ラミナ)を並べた後、繊維方向が直交するように積層接着した木質系材料です。



CLT を浮かして貼ることで、不燃材である下地の凹凸に対して影響を受けず、仕上げ面を綺麗に保てます。

 

またCLTの断面をそのまま見せる等デザインバリエーションも豊富です。

 

機能面でも部材の一部には照明やスプリンクラーを収納でき、部材周辺の空間デザインを美しくまとめられます。

 

工事中に濡れても通気層があるので水の排出を促すなど、乾き易く耐久性が確保される設計になっています。


※上の画像出典:住友林業HP ※画像外はユームの参考情報



住友林業では、今後15階建て以上の建築も可能となりますので、木造耐火建築のトップランナーと言えます。




4-2-2.一条工務店の防火性能(外部出火対策)

 

一条工務店も防火構造が標準仕様です。



 

防火構造の延焼実験を実施している


準耐火構造以上は詳細な公表がなく、透明性が低い


耐火建築の実績は3階建てまで

 



これが結論です。



一条工務店の特徴はこちらです。



 

■一条工務店の防火性能(外部出火)


<標準仕様(一般地域)>


標準仕様のタイル外壁は防火構造(30分


防火構造で45分耐火試験を行い、外側が加熱温度約1,000℃に対して内側は100℃以下



<オプション仕様(準防火・防火地域)>


オプション仕様の高防火外壁は準耐火構造(45分および60分

 

耐火建築の商品は3階建てまで

 



一条工務店の外壁は、30分の防火性能が標準です。



加熱実験は、自社グループが所有している火災試験炉で、標準仕様の防火構造(30分)で45分間検証をしています。

 

下図のように加熱後30分で約850℃、45分で1,000℃に温度を上昇させた検証をしています。

 

結果は表面が1,000℃に到達しても、室内の温度は木材の引火温度260℃をはるかに下回る100℃以下でした。


※上の画像出典:一条工務店 カタログ ※画像外はユームの参考情報



この標準仕様で住友林業と比べると、具体的な数値の公表はありませんが、同等であると言えます。



オプション仕様の準耐火構造(45分および60分)には高防火外壁もあります。

 

こちらも延焼実験を実施していますが、残念ながら詳細の公表はありませんでした。



都市部のエリアを中心とした耐火建築の実績は詳細な公表がありませんでしたが、商品は3階建てまでです。



これらの点から準耐火構造の性能面の透明性や建築実績は、住友林業の方が高いと言えます。



一方で一条工務店の特筆すべき点で、太陽光パネルの耐火試験も実施しています。

 

太陽光パネルは「屋根の飛び火性能実験」に合格し、防火性能の規定に適合する大臣認定を取得しています。


※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報



ただし一般的な太陽光メーカーでも防火認定を取得しているため、特別な仕様ではありません。




4-3.住友林業と一条工務店の火災保険料

 

住友林業と一条工務店の火災保険料も確認しておきましょう。

 

まずは結論です。



 

両社とも標準仕様で省令準耐火構造を満たしているため、火災保険料は同等


両社の火災保険料は、一般的な木造住宅の半額以下、鉄骨住宅とは同等

 



先に省令準耐火構造について覚えておきましょう。



省令準耐火構造とは、住宅金融支援機構が定める基準に適合する住宅のことを指します。

 

フラット35の金利優遇火災保険料が割引となります。



ではここまでお伝えしてきた準耐火構造や耐火構造となにが違うのか?

 

もう少し補足します。



省令準耐火構造は、住宅金融支援機構が定める基準に適合した住宅です。

 

つまり必ずしも建築基準法の基準に適合した準耐火構造ではないということです。



一方で都心部などに該当する準防火地域や防火地域では、建築基準法の基準に適合した準耐火構造や耐火構造でないといけません。




では住友林業と一条工務店の火災保険料についてもう少し詳しくみていきましょう。



両社とも標準仕様で省令準耐火構造のため、一般的な木造住宅よりも火災保険料が安くなります。



一般的に保険会社としては、防火性能が低い住宅に保険料を安く提供するのは当然リスクがありますよね。



つまり火災保険料がお得ということは、それだけ防火性能が高いと認められているということです。



省令準耐火構造であれば火災保険料は割引されるため、両社同等と言えます。



住友林業の火災保険料の参考金額はこちらです。


※上の画像出典:住友林業 カタログ ※画像外はユームの参考情報



具体的な金額は、建物保険金額3,000万とした場合、一般住宅461,170円に対して、半額以下の213,380円としています。



続いて一条工務店の参考金額はこちらです。


※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報


※上の画像出典:一条工務店カタログ ※画像外はユームの参考情報



建物保険金額2,200万とした場合、一般住宅約335,000円に対して、半額以下の約142,000円としています。

 

 

 

まとめ



 

住友林業

一条工務店

内部出火

ファイヤーストップ構造のため隣室へ延焼しにくい


石膏ボードに含む結晶水で温度上昇を抑制


標準仕様で石膏ボード12mmを壁に1枚、天井に2枚




ファイヤーストップ構造のため隣室へ延焼しにくい


石膏ボードに含む結晶水で温度上昇を抑制


詳細の公表無し




ウレタンフォームとビーズ法ポリスチレンフォームは可燃性のため燃えやすい

外部出火

防火構造(30分)が標準仕様


準耐火構造(45分および60分)はオプション仕様


外壁下地は防火構造、準耐火構造ともに大臣認定を取得


2021年に耐火構造(2,3時間)の大臣認定も取得

防火構造(30分)が標準仕様


準耐火構造(45分および60分)の高防火外壁がオプション仕様

加熱実験

■防火構造(30分

30分加熱を行い、加熱温度850℃に対して室内温度77℃


■準耐火構造(45分および60分

60分加熱を行い、加熱温度960℃に対して室内温度66℃

■防火構造(30分

45分加熱を行い、加熱温度約1000℃に対して室内温度100℃以下


■準耐火構造(45分および60分

公表無し

火災保険

省令準耐火構造のため一般住宅よりも安い


一般の木造住宅約46.1万に対して、住友林業は約21.3万円

省令準耐火構造のため一般住宅よりも安い


一般の木造住宅約33.5万に対して、一条工務店は約14.2万円



 

5.耐久性を比較

 

家の耐久性はハウスメーカー選びの決め手のひとつにされる方が多い重要なポイントです。

 

住友林業と一条工務店の耐久性はどうでしょうか?



先に結論です。



 

結論


基礎


両社とも詳細な公表無し


基礎の耐用年数の明示がある住友林業の方が安心


外壁


外壁・下地材のトータルでみた耐久性は住友林業の方が高い


標準外壁のメンテナンスコストは一条工務店の方が安い


防水


屋根・バルコニー防水は、耐用年数を明示している住友林業の方が安心


外壁・下地材の防水自体の耐用年数は、両社とも公表無し

ただし、住友林業は外壁下地の耐用年数が60年と明示しているので、信憑性が高い


壁の防水対策は、防水シートを貫通する釘穴シール性や壁内通気工法の位置などにより、住友林業の方が防水性は高い


壁内結露・湿気対策


両社結露になりにくい


湿気対策もとれている


防蟻


両社とも入念な防蟻対策ができている


住友林業は、建物周囲へのシロアリの巣への対策もしている


アフターメンテナンスのしやすさでは住友林業の方が優れている



もう少し具体的に下の枠でまとめました。

 

後ほど詳細をお伝えしていきますので、こちらは ざっと 見るだけで大丈夫です。



 

■住友林業の耐久性


基礎、構造躯体の耐用年数は75年以上


外壁下地(モルタル仕様)の耐用年数は60年以上


外壁・屋根の塗装の耐用年数は30年以上


屋根・バルコニーの防水の耐用年数は30年以上


防蟻処理は10年毎に必要

※独自の対策にて、部材だけでなく周囲のシロアリ忌避効果あり



■一条工務店の耐久性


基礎、構造躯体の耐用年数の公表無し


外壁下地の耐用年数の公表無し


外壁・屋根の塗装の公表無し


屋根・バルコニー防水の耐用年数の公表無し

※オプション仕様のハイドロテクトタイル再塗装不要。ただし30年目の目地交換が必要


防蟻処理の公表無し

 



耐久性というと、メンテナンス費用を気にされる方が多いのではないでしょうか?

 

たしかにメンテナンス費用はとても重要です。

 

住んで10年、20年経ってからものすごい金額のメンテナンス費用がかかってしまったという話も少なくありません。



では費用が高いメンテナンス工事とはどのようなものでしょうか?



これは主に外壁屋根の塗替え・張替え防水基礎補修工事が該当します。

 

外壁や屋根などの構造材は定期的なメンテナンスをしていないと、湿気の侵入や漏水など、構造躯体の劣化を早める原因となります。

 

そのために定期的なメンテナンスを行い、これらのトラブルを未然に防ぐのです。



これは後に紹介する保証にも関わってくる内容です。



しかしただ単にメンテナンス工事をしていれば、家が本当に長持ちするかどうかはわかりません。



 

そこで重要なのが構造躯体や外壁塗装、防水など主要構造材の耐用年数です。

 



耐用年数が長いということは、構造躯体の劣化を抑え耐震性能や断熱性能を維持できるということです。

 

また耐用年数が長い仕様を採用している住宅メーカーは、長期に渡る保証制度を取っていることが多いです。

 

そのためメンテナンス工事の頻度も少ないことが多いです。



ここでみなさんにお伝えしたいのは、定期的なメンテナンスと主要構造躯体の耐用年数は、新築時の耐震性能や断熱性能をどれだけ劣化せずに長持ちできるのかの重要な指標です。



では両社の耐久性を具体的に比較していきましょう。




5-1.基礎の耐久性

 

基礎の耐久性は、中性化による劣化対策が重要です。



まずは結論です。



 

両社とも基礎仕様の詳細な公表無し


耐用年数の明示がある住友林業の方が安心

 



両社の基礎耐久性の特徴はこちらです。



 

■住友林業の基礎耐久性


ベタ基礎を採用


基礎の耐用年数は75年以上 ※コンクリート強度の公表無し


鉄筋のかぶり厚(コンクリートの厚み)の公表無し


基礎全周に樹脂モルタルを塗り中性化を防止 ※詳細な公表無し

 


■一条工務店の基礎耐久性


布基礎を採用

※地盤調査によりベタ基礎の場合も有り


基礎の耐用年数の公表無し


鉄筋のかぶり厚の公表無し


基礎全周にアクリル樹脂を塗り中性化を防止 ※詳細な公表無し

 



中性化とは、アルカリ性であるコンクリートが雨や紫外線に曝されることにより、大気中の二酸化炭素と反応して徐々にアルカリ性を失っていく現象です。

 

つまり中性化が進行すると、コンクリートの強度が落ちます。

 

具体的にはコンクリート内部の鉄筋が錆びて膨張し、ひび割れを起こします。

 

そしてこの錆びが進行すると、コンクリート剥離を引き起こします。



ここで基礎の中性化防止(耐久性維持)に重要な4つの対策をお伝えします。

 

それは

 

・基礎の強度を上げる

 

・鉄筋のかぶり厚(鉄筋とコンクリートの間の厚み)を大きくする

 

・基礎の表面をコーティングする

 

・正しく施工する

 

です。

 

この4つについてもう少し詳しく解説します。



まず基礎の強度です。

 

先に結論です。



 

みなさんが各社の基礎強度を✔する際には、24N/m㎡(ニュートン・パー・ヘイホウミリメートル)以上かどうかを確認しましょう。

 



基礎は、

 

・コンクリートのセメント量を増やす

 

・コンクリートの密度を上げる

 

・鉄筋の太さや量を増やす

 

この方法で強度が上がります。



コンクリートは、主に水とセメント(実際には砂利や砂も含む)で構成されています。

 

この比率をセメント水比と呼び、下図のようにセメントの比率が大きくなるほど強度が上がります。


※上の画像出典:株式会社アールデザインHP ※画像外はユームの参考情報



コンクリートの密度は、骨材や砂・砂利の配分で変わります。

 

コンクリートの硬化には、水とセメントが必要です。

 

化学反応でできた水和物がセメント粒子の隙間を埋めることにより硬化します。(下図参照)



しかしこの水和物が隙間を全て埋めるわけではありません。

 

この隙間は骨材や砂・砂利で埋めます。



つまり骨材や砂・砂利の配合により、密度が高くなる(隙間が減る)=強度が増します。


※上の画像出典:日本大学 コンクリート工学研究室資料 ※画像外はユームの参考情報



日本建築学会では、これらの強度を耐久設計基準強度:N/m㎡(ニュートン・パー・ヘイホウミリメートル)で表し、その数値によって耐用年数を明示しています。


※上の画像出典:株式会社アールデザインHP ※画像外はユームの参考情報



一般的には中期(65年)の24N/m㎡以上あれば、強度があると言えます。



鉄筋の量や太さによっても基礎の強度は変わります。

 

鉄筋の太さや量は、なんとなくイメージしやすいのではないでしょうか?

 

下図のように鉄筋量が違うだけでどちらが強そうかは一目瞭然かと思います。


※上の画像出典:三井ホームHP ※画像外はユームの参考情報



鉄筋は、基礎の骨組みになる部分です。

 

量が増えれば骨密度が高くなる = 強固になります。

 

太さが厚くなればその分骨太になる = 強固になります。



2つ目に鉄筋のかぶり厚です。

 

まずは結論です。



 

かぶり厚は、設計上も現場施工上も、少なくとも40mm以上はあるか確認しましょう。

 



鉄筋のかぶり厚とは、下図のような基礎立上り部分の鉄筋に対するコンクリートの厚みを指します。


※上の画像出典:日経クロステック ※画像外はユームの参考情報



中性化すると、基礎の強度が落ちます。



その中性化の進行は、コンクリート表面から鉄筋内部に侵食していきます。

 

つまりコンクリートの厚み(鉄筋のかぶり厚)があるほど、鉄筋が侵食されるのを遅らせることができます。



このかぶり厚は少なくとも40mm以上、できればそれ以上あると良いです。



3つ目は基礎表面のコーティングです。

 

結論として、



 

同じかぶり厚なら、コーティング有りの方がが長持ちします

 



基礎の中性化は、コンクリートの表面から侵食していきます。

 

これを抑制する中性化防止塗料を塗布することにより劣化を抑えます。


※上の画像出典:住まいの外装リフォーム ガイソーHP ※画像外はユームの参考情報



このような対策をしているかどうかは是非✔してください。



4つ目は正しく施工するです。

 

これはわかりますよね?

 

当たり前ですが、基礎は建物を支える重要な部分です。

 

正しく施工されていないと、十分な強度が足りず、大きな地震による倒壊の原因になります。




以上の4つが重要な対策となります。



では両社の具体的な対策をみていきましょう。

 

ただし今回は正しく施工できている前提とし、上記3つを中心にみていきましょう。




5-1-1.住友林業の基礎耐久性

 

まずは結論です。



 

基礎耐用年数は業界トップレベル

 



住友林業の特徴を簡単にまとめたものははこちらです。

 

耐久性とは別に、独自の基礎設計という特徴もあるので、最後にお伝えします。



 

■住友林業の基礎耐久性


基礎の耐用年数は75年以上


鉄筋のかぶり厚(鉄筋に対するコンクリートの厚み)は公表無し


基礎表面のコーティングはモルタル樹脂を上塗り ※詳細な公表無し

 



何よりも特筆すべきは、基礎の耐用年数を75年以上と会社が公表していることです。

 

他社営業マンの口頭や提示物よりも、信頼性がトップレベルです。

 

この点から、基礎は一条工務店よりも安心であると言えます。


※上の画像出典:住友林業HP ※画像外はユームの参考情報



基礎は、建物構造と同じくらい重要ですよね。

 

なぜなら建物が損傷しなくても、基礎自体が崩壊してしまえば倒壊の危険性があるからです。



住友林業に限らずほとんどのハウスメーカーの実大耐震実験は基礎無しです。

 

そのため大きな地震を想定した実大建物の基礎強度はわかりません。



ここでは住友林業の基礎仕様を、3つの重要点と照らし合わせながら、その耐久性についておさえていきましょう。



はじめに住友林業が採用しているベタ基礎について簡単に解説します。



ベタ基礎とは、立ち上り部分と床一面を鉄筋コンクリートで覆い、一体化させた基礎工法です。

 

下図のように基礎全体大きな面で建物の荷重を支えます。

 

布基礎と比較して、建物の荷重を基礎全体に分散できるのが特徴です。


※上の画像出典:注文住宅の教科書HP ※画像外はユームの参考情報



では基礎の耐久性に重要な3点をみていきましょう。



1つ目は基礎の強度です。

 

住友林業の具体的な数値の公表はありません。

 

ただし、基礎の耐用年数75年以上と明示しています。

 

会社として公表しているので、信頼性が高いです。



日本建築学会による耐久設計基準強度にて、住友林業の基礎強度をみてましょう。。



耐久設計基準強度とは、簡単に言うとコンクリートがどれだけ圧縮に耐えられるかです。

 

基礎強度の一つの指標です。

 

例えば、9.8N/m㎡(ニュートン・パー・ヘイホウミリメートル)の場合は、1m㎡あたり9.8N(=1kg)の圧縮に耐えられるということになります。

 

24N/mm2であれば、1m㎡あたり2.4kg、1c㎡あたり240kgに耐えられます。



コンクリートの耐久設計基準強度24N/mm2で大規模補修不要期間は約65年です。



住友林業は、耐用年数75年以上としておりますので、コンクリート強度は24N/mm2以上であると予想されます。



この強度は、一般的な工務店や中堅メーカーと比較すると高い強度です。



鉄筋の量や太さについては残念ながら公表はありませんでした。

 

これは住友林業独自の基礎設計により、鉄筋の仕様が変わるからのようです。

 

こちらは最後の補足で詳しくお伝えします。



2つ目は鉄筋のかぶり厚です。



結論は一条工務店と同等かと思います。



かぶり厚とは、簡単にお伝えすると基礎の中の鉄筋とコンクリート表面までの距離です。



この厚みがあるほど、コンクリート表面から鉄筋まで距離があるため、錆びにくくなります。



こちらの仕様は、残念ながら詳細な公表はありませんでした。



ただし基礎幅(コンクリート立上り部分の厚み)は160mmとしており、大手他社も同等としているところが多いです。

 

そのため、かぶり厚は比較的普通レベルであることが予想されます。

 

もちろん、基礎の立ち上がり幅が150mmの住宅メーカーもまだ多いので、それよりは中性化対策ができていると言えます。。



3つ目は基礎表面のコーティングです。

 

住友林業はこちらも行っているようです。



中性化は、基礎の表面から内部へと侵食していきます。

 

そのため基礎表面に中性化を抑制する塗料でコーティングする施工方法も有効です。



住友林業では基礎全周樹脂モルタルを塗っているようです。

 

しかし詳細な公表はありませんでした。



樹脂モルタルにも種類がありますが、一般的には中性化防止の他に、防水性能も備わっていることが多いです。

 

住友林業はこのコーティングもあるため、耐用年数を75年以上と明示できているのだと思います。



最後に補足です。

 

本来、間取りや地盤によって基礎も最適な設計をするべきですよね。



住友林業はそれを設計士一人の経験値ではなく、システム的に可能としています。

 

間取りや地盤強度に合わせて、お住まいごとに最適な基礎の設計ができるシステムを構築しています。

 

それが、オリジナル構造計算システム「WiNX」です。


※上の画像出典:住友林業HP グランタウン広畑 ※画像外はユームの参考情報



このシステムにより、建物荷重がかかりやすい部分には鉄筋を増やすなど、建物全体でバランスよく荷重をかけて耐久性を維持する工夫をしています。



今までのノウハウを結集し、最適な基礎設計をしてくれるので、より安心ですよね。



住友林業に、基礎仕様の詳細な公表がない理由を聞きましたが、その理由は構造計算システム「WiNX」により、家ごとに違うからとの回答でした。



自分の家の基礎はどのような仕様になっているのか、事前に設計担当者に確認することをおすすめします。




5-1-2.一条工務店の基礎耐久性

 

一方で一条工務店の基礎の耐久性はどうでしょうか?

 

先に結論をお伝えします。



 

基礎耐用年数の公表無し


標準仕様の布基礎は同じ基礎採用の大手と比べると一般的と言わざるを得ない


オプションのベタ基礎の耐久性も公表無し

 



一条工務店の特徴はこちらです。



 

■一条工務店の基礎耐久性


基礎強度、耐用年数の詳細な公表無し

 

鉄筋のかぶり厚(鉄筋に対するコンクリートの厚み)は公表無し

 

基礎表面のコーティングはアクリル樹脂を上塗り ※詳細な公表無し

 



※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報


一条工務店は基礎の耐用年数の公表が無いのに対して、住友林業の基礎は75年以上と透明性をもって明示しています。

 

この点で、住友林業の方が基礎の耐久性の信憑性があると言えます。



一条工務店では、上図の通り標準仕様布基礎です。

 

地盤強度によってはオプション仕様ベタ基礎も用意されています。

 

ただし一部地域ではベタ基礎を標準仕様としているケースもあるようです。



まず一条工務店が標準採用している布基礎についておさえておいたほうが良いです。



布基礎とは、逆T型の断面形状をした鉄筋コンクリートを連続させる基礎工法です。

 

下図のような逆T型になっている鉄筋コンクリート部分で建物の荷重を支えます。

 

ベタ基礎のような表面も鉄筋コンクリートを打設し、広い範囲で建物の荷重を支えるのに対して、布基礎は逆T型部分で集中的に支えるのが特徴です。

 

※上の画像出典:注文住宅の教科書HP ※画像外はユームの参考情報



ここで一条工務店の基礎仕様に気になる点があるので先にお伝えします。



それは建物構造と基礎の力(荷重)のかかり方が違うことです。



一条工務店の建物はモノコック構造(箱のような6面体の面構造)です。

 

モノコック構造の特徴は、面全体で力を分散することです。

 

三井ホームなど木造のモノコック構造の会社は、基礎も面構造であるベタ基礎を標準仕様にすることが多いです。

 

つまり、構造も基礎もなるべく一体として、荷重や地震動を地盤面に分散させています。



住友林業が採用しているベタ基礎は布基礎に比べて面で支えているため、不同沈下にも強いとされています。

 

シロアリのアタックにも、ベタ基礎の方が強いとされています。



気になる方は、一条工務店のオプションであるベタ基礎を選ぶと良いかと思います。

 

コストアップとなっているようですが、モノコック工法との親和性が高いと言えます。



それでは一条工務店の布基礎の強度や中性化対策など、重要な3点をみていきましょう。



まずは基礎の強度です。

 

残念ながら具体的な強度の数値や耐用年数の公表はありませんでした。

 

住友林業はベタ基礎の耐用年数は75年以上と公表しているので、その点で信憑性があります。



もう少し深堀りしてみましょう。

 

同じ布基礎の積水ハウスの木造シャーウッド(SW)との比較の方がわかりやすいかと思います。

 

図のように基礎の主筋は16mmです。


※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報



積水ハウスSWの主筋は上下とも19mmです。

 

一条工務店よりも、厚い鉄筋を採用しています。


※上の画像出典積水ハウスHP ※画像外はユームの参考情報



主要な建物構造と基礎を緊結するアンカーボルトの太さは、強度及び耐久性に影響があるとされています。

 

一条工務店のアンカーボルトの太さは公表はありませんでしたが、積水SWはM24というとても太いものを採用しています。



基礎の底盤も一条工務店は一般的な布基礎ですが、積水SWは力を半円形で分散する構造となっています。



これらの点から、同じ布基礎でも積水の方が強度も高いと言えます。



基礎の耐久性において2つ目の重要事項、鉄筋のかぶり厚に関してです。



詳細な公表はありませんが、ベタ基礎の住友林業と比べると、ほぼ同等と言えます。

 

基礎の立ち上がり幅が同じ160mmだからです。



3つ目の重要事項、基礎表面のコーティングについても詳細な公表がありませんでした。

 

実際には基礎にアクリル樹脂塗装を施しているようです。

 

参照:建築ブログ「I-smart 平屋 50kw太陽光発電所の日々」



ただし、基本的に補修費は10年毎を見込んでおいたほうがよさそうです。



これらの点をみると、一条工務店の標準の基礎仕様は一般的であると言わざるを得ません。




5-2.外壁の耐久性

 

全国のみなさんから、よく外壁の汚れ対策の相談を受けます。

 

両社の外壁の耐久性を比較してみましょう。



最初に結論です。



 

外壁下地材を含めたトータルでみた耐久性は住友林業の方が高い


標準外壁のメンテナンスコストは一条工務店の方が安い

 



両社の外壁の特徴はこちらです。



 

■住友林業の外壁耐久性


外壁下地(モルタル仕様)の耐用年数60年以上


塗装の耐用年数30年以上


標準仕様は高級感ある吹付けと深堀りサイディング


オプション仕様のタイルも基本再塗装不要で人気


 

■一条工務店の外壁耐久性


外壁下地の耐用年数公表無し


標準仕様は商品によりサイディングとタイルがある


オプションだが、お得価格の耐久性が高いハイドロテクトタイルが人気


全面タイル全般は基本的に再塗装不要

※30年目の目地交換必要

 



外壁の耐久性というと、汚れを気にされる方が多いのではないでしょうか?

 

確かに塗り替えにはメンテナンス費用がかかりますよね。

 

外壁の塗り替えは、足場を組んで家全体の広範囲にわたる作業となります。

 

一般的に10年から20年ごとに100万円前後の費用がかかります。



ただ、タイルやサイディング、吹付けなどの表層の塗り替えだけで比べるのではなく、外壁の下地などトータルで耐久性を比較することも重要です。

 

なぜなら地震による大きな揺れでは、外壁下地の損傷リスクもあるからです。

 

一見外壁の表層に問題なくても、外壁下地が損傷、劣化していればいずれ表層にもその影響を及ぼします。



それでは、具体的に両社の外壁の耐久性をみてみましょう。




5-2-1.住友林業の外壁耐久性

 

住友林業は、モルタル吹付け仕上げとサイディングが標準仕様です。

 

オプション仕様にタイルもあり、こちらも人気があります。



まずは結論です。



 

外壁下地の耐用年数は業界トップレベル


塗装や目地交換のメンテナンス時期は、大手他社の中では普通レベル

 



外壁の特徴はこちらです。



 

■住友林業の外壁耐久性


標準仕様の外壁下地(モルタル)の耐用年数は60年以上


標準外壁は高級感ある吹付けと深堀りサイディング

 

標準塗装(吹付け)の耐用年数30年以上

 

目地(サイディング)の耐用年数公表無し

*30年目に目地交換が必要

 

オプション仕様のタイルは塗替え・目地交換不要

 



※上の画像出典:住友林業HP ※画像外はユームの参考情報



住友林業の外壁下地・外壁の標準仕様は、

 

・外壁下地にモルタルを使用した吹付け仕上げ

 

・外壁下地「耐力面材Dパネル」に通気用胴縁を使用したサイディング仕上げ

 

この2つです。

 

外壁下地材の詳細な公表はありませんでしたが、いずれも独自の下地材を使用しています。



まずは吹付け仕上げです。

 

吹付け仕上げの下地材で使わるれるモルタルは、スミリンモルタルACもしくはスミリンライトACと呼ばれる独自のものを使用しています。

 

このモルタル下地は、耐用年数60年以上です。


※上の画像出典:住友林業HP ※画像外はユームの参考情報



吹付け仕上げの標準塗装は、耐用年数30年以上としています。



吹付け仕上げは、一般的に汚れやすいというイメージを持たれる方が多いです。

 

たしかに一般的な住宅では約10年前後で塗替えが必要です。



この点から比較すると住友林業は耐用年数が長い※1と言えます。

 

※1参照:エスケー化研HP NFDシリーズ



ただし大手ハウスメーカーでは、同等の仕様が多いため決して特別ではありません。

 

また、耐候性なども普通の吹付けより優れていますが、30年間汚れないわけではありませんのでご注意ください。



続いてサイディング仕上げです。



外壁下地は、独自の耐力面材「Dパネル」を使用しています。

 

そしてその上に通気用の胴縁を設け、サイディングを施工しています。

 

施工方法は一般的なものです。



外壁下地Dパネルの耐用年数は、詳細な公表がありませんでした。



サイディングの場合、目地の耐久性も重要です。

 

一般的に10〜20年ごとの交換が必要です。



住友林業の目地は耐久性が高いので、30年目の交換としています。


※上の画像出典:住友林業HP ※画像外はユームの参考情報



住友林業では、オプション仕様のタイル仕上げも人気があります。

 

詳細な公表はされていませんが、モルタル仕上げの上から貼り付ける湿式工法※2を採用しています。

 

そのためタイルの種類によりますが、目地の交換塗り替え不要としています。

 

※2参照:住友林業 外壁キャンペーン



イニシャルコストは面積やタイルの種類により、数十万円から数百万円と高くなります。

 

とはいえ意匠性もあり、メンテナンス費を極力かけたくないという方は検討する価値があります。




5-2-2.一条工務店の外壁耐久性

 

一条工務店の外壁材は、サイディング仕上げとタイルの2種類が主流です。

 

商品によってサイディング仕上げかタイルか、標準仕様が異なります。



まず結論です。



 

オプションの「ハイドロテクトタイル」は他社タイルよりも費用が安いのでおすすめ


ただし外壁下地・外壁材の耐用年数の公表がないため、維持管理に不安が残る

 



一条工務店の特徴はこちらです。



 

■一条工務店の外壁耐久性

 

外壁下地の耐用年数の公表無し

 

標準仕様は商品によりサイディングとタイルがある

 

オプションのハイドロテクトタイルは坪約1.5万UPで変更できるためお得

※グラン・セゾンは標準仕様

 

全面タイルは基本的に再塗装不要

30年目の目地交換必要

 

 

 

残念ながら外壁下地材の詳細な公表はありませんでした。

 

標準仕様の外壁材(サイディングかタイル)も詳細な公表はありませんでした。



ここでは、近年、採用率が高いオプション仕様の「ハイドロテクトタイル」について紹介します。

(グラン・セゾンでは標準仕様になります。)

 

ハイドロテクトタイルとは、一条工務店独自の外壁タイルです。

 

オプションですが、標準仕様との差額は坪単価1~1.5万円ほどです。

 

他のタイルと比べて、とても安いので人気があります。



ハイドロテクトタイルの特徴は以下の2点です。

 

・自社のフィリピン工場で生産しているため一般的なタイル価格よりも安い

 

・TOTOの光触媒技術「ハイドロプロテクト」の「セルフクリーニング効果」を追加

 

もう少し詳しく紹介します。



1つ目に価格です。

 

みなさん周知かと思いますが、タイルは外壁材の中で一番高価と言って良いものです。



吹付仕上げやサイディング仕上げを標準仕様としている住宅メーカーと比較した場合、35坪前後で全面タイルに変更すると、100万円以上アップすることが多いです。



しかし一条工務店では、フィリピンの自社工場でタイルを生産しているため、現時点では初期費用をかなり抑えることができています。



いくつか建築事例をみると、サイディング仕上げからタイルへの変更差額は坪1~1.5万円ほどのです。

(時期やエリアによって価格が変わりますので、詳しくは営業担当者に確認をしてください。)

 

つまり同じ35坪でも約50万円程で全面タイルに変更が可能ということです。

 

他の住宅メーカーの半額程度で全面タイルにできます。



長い目をみると塗替え不要でメンテナンス費を抑えられるためおすすめです。



2つ目にセルフクリーニング効果です。

 

一条工務店のタイルには、TOTOの光触媒技術「ハイドロテクト」を採用しています。

 

ハイドロテクトとは、光触媒を利用し、光や水の力でセルフクリーニングをしてくれるTOTOの技術です。

 

一条工務店では、この技術をプラスすることにより、高耐久な外壁タイルとしています。



※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報


※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報



メンテナンス期間については、表面の塗り替えは不要です。

 

ただし、30年目にタイルの目地(下地パネル間のシーリング)の交換が必要です。

 

シミュレーションでは、約45坪の外壁メンテナンスは約68万円の目地交換と足場費用のみとしています。

 

外壁の表層部分だけで比較すると、一般的なメンテナンス費用よりかなり安く済みます。



たまに自分の家のタイルがハイドロテクトだと思っていた方もいるようです。

 

標準仕様のタイルとハイドロテクトタイルは違いますので注意してください。





とはいえタイルであれば他の外壁材よりも素材自体の耐久性が高いと言えます。

 

強いて言えば、一条工務店では外壁全体の耐用年数の公表が無いのが残念です。

 

住友林業は外壁の塗装部分は30年以上、外壁下地が60年以上、構造躯体は75年以上と耐用年数を明確に公表しています。

 

外壁表層部分の明示も無いですが、構造的に重要な外壁の下地などの明確な耐用年数も透明性をもって公表して欲しいです。



5-3.防水性能

 

家を長持ちさせるには防水性能だけでなく、壁内結露対策も重要ですよね。

 

住友林業と一条工務店の防水性能と壁内結露・湿気対策を比較していきましょう。



では、先に結論です。



 

結論


防水性能


屋根・バルコニーの防水は、耐用年数を明示している住友林業の方が防水の信憑性が高い


外壁・下地材の防水自体の耐用年数は、両社とも公表無し


ただし外壁下地の耐用年数の明示があり、防水シートの釘穴性に優れる住友林業の方が安心


壁内結露・湿気対策


両社とも壁内結露の心配は少ない


湿気対策もとれいている



両社の防水性の特徴はこちらです。



 

■住友林業の防水性能


(防水性能)


屋根・バルコニーの防水は耐用年数30年以上


外壁・下地材表層の防水対策は公表なし


標準のモルタルはつなぎ目が無い


防水性と関係する外壁下地の耐用年数は60年以上と明示


防水シートを固定する穴の止水性が高い


防水シートの固定穴から水分が侵入しても、内側の通気層で湿気を逃がせる



(壁内結露・湿気対策)


従来より断熱性を高めているため結露となる温度帯になりにくい


防水シートの内側に独自の通気層を採用


壁内結露と関係する構造躯体の耐用年数75年以上と公表




■一条工務店の防水性能


(防水性能)


屋根・バルコニーの防水は耐用年数の公表無し


外壁・下地材表層の防水対策は公表なし


防水シートを固定する穴の止水性は不明


防水シートの固定穴から水分が侵入した場合、その内側に通気層が無いので、湿気を逃がしずらい



(壁内結露・湿気対策)


断熱性がとても高いため、壁内が結露となる温度帯になりにくい


防水シートの外側に通気工法「エアーフローシステム」を採用


断熱材は、耐水性が高い硬質ウレタンフォームを採用


壁内結露と関係する構造躯体の耐用年数の公表無し

 



大手や有名なハウスメーカーであれば、どこも防水性能は一緒と思っている方も多いのではないでしょうか?

 

確かにどの会社も防水シートを採用して同じように見えます。

 

ただし、とても重要な違いがあります。

 

こちらではそれがわかります。



そして防水性能と同様に、重要なのは壁内結露対策です。



結露と言えば、冬の窓に水滴がたくさんつく現象をみなさんイメージされるかと思います。

 

壁内結露は、室内の水分を含んだ空気(水蒸気)が、外部の冷たい空気によって冷やされた素材に触れて、水滴(水分)となって現れる現象です。

 

今まで結露しなかった気体が壁の中の冷たい(露点温度に達した)素材に触れることで、結露するわけです。



一般的に、屋内と屋外を隔てる住宅の壁は、断熱材や構造材が入り混じり、結露となる温度帯(露点温度)となりやすいです。

 

壁内で結露が発生すれば

 

・構造材が劣化する

 

・断熱効果が落ちる

 

・カビの胞子が発生し、人体に悪影響となる

 

といったさまざまなマイナス面があります。



では両社の防水と壁内結露対策をみていきましょう。




5-3-1.住友林業の防水性能

 

まずは結論です。



 

(防水性能)


標準仕様の屋根・バルコニー防水は比較的大手では普通レベル


外壁・下地材の防水自体の耐用年数は詳細な公表がない

ただし、住友林業は外壁下地の耐用年数が60年と明示しているので、信憑性が高い

壁内の防水は、一条工務店よりディティール部分も工夫していて安心



(壁内結露・湿気対策)


結露となる露点温度になりにくいので安心


サイディング仕上げの通気工法に心配な点がある

 



住友林業の特徴はこちらです。



 

■住友林業の防水性能


(防水性能)


屋根の防水シート「スミリンルーフ」の耐用年数は30年以上

オプション仕様で60年以上もある


バルコニー防水は耐用年数30年以上 ※詳細な公表無し


外壁・下地材の防水対策の公表無し

ただし防水性と関係する外壁下地の耐用年数は60年以上と明示


半透明高分子防水シートは、固定する穴の止水性が高い


防水シートの固定穴から水分が侵入しても、内側の通気層で湿気を逃がせる



(壁内結露・湿気対策)


従来より断熱性を高めているため結露となる温度帯になりにくい


防水シートの内側独自の通気層を採用


壁内結露と関係する構造躯体の耐用年数75年以上と公表

 



それでは、防水性能と結露対策について具体的にみていきましょう。




■屋根・バルコニー防水

 

はじめに屋根・バルコニー防水です。

 

こちらではバルコニー防水の詳細な公表がありませんでしたので、主に屋根防水について紹介します。

 

まずは結論です。



 

屋根防水は、防水シート「スミリンルーフ」耐用年数30年以上

 ※オプション仕様で劣化防止層を追加した「LSルーフィング」は耐用年数60年以上


バルコニー防水の詳細な公表なし

 


※上の画像出典:住友林業HP ※画像外はユームの参考情報



防水シートは、詳細な公表はされていませんが、釘との密着性が高く漏水に強い改質アスファルトを使用したものを採用しています。

 

独立行政法人建築研究所によると一般的な改質アスファルトルーフィングは20年注1ほどです。



注1参照:「建築物の長期使用に対応した外装・防水の品質確保ならびに維持保全手法の開発に関する研究」2013年 独立行政法人建築研究所及び国土交通省研究員ほかまとめ



同じ改質アスファルトでも配合などにより、さらに耐久性が高いものを採用しているとのことで、より安心かと思います。



またオプション仕様で劣化防止層を追加した高耐久仕様の「LSルーフィング」もあります。

 

こちらは耐用年数60年以上としていますので、さらにメンテナンス費を抑えることが可能です。

※上の画像出典:住友林業カタログ ※画像外はユームの参考情報



ただし高耐久仕様にする際は、屋根は陶器瓦のみにしか使用できません。



逆に言うと陶器瓦のように30年以上長持ちする屋根材を使用しても、その下の防水シートの耐久性が30年以内ですと、屋根材を全面はがして防水シートを張り替えるなどの補修費が必要となります。

 

住友林業の耐用年数60年以上の「LSルーフィング」と陶器瓦の組み合わせはおすすめです。




■外壁防水

 

外壁の防水性についてもみておきましょう。

 

まずは結論です。



 

外壁・下地材の防水対策の公表無し

ただし防水性と関係する外壁下地の耐用年数は60年以上と明示


半透明高分子防水シートは、シートを固定する穴の止水性が高い


防水シートの固定穴から水分が侵入しても、内側の通気層で湿気を逃がせる

 



外壁も台風や大雨により、表層から下地材へ水滴が侵入するリスクがあります。

 

例えば外壁に小さな亀裂があったり、サイディングなどの目地がひび割れをしていると、その小さな隙間から水滴は侵入します。

 

そしてこの水滴が結露の原因のひとつになります。



住友林業の外壁・下地材の表層は、残念ながらこれらの防水対策の公表はありませんでした。

 

ただし防水性と関係する外壁下地の耐用年数は60年以上と明示しているため、一条工務店よりも安心であると言えます。



ここで、壁内の防水シートは特筆すべき点ですので紹介します。



外部から侵入した水分は、半透明高分子防水シートでカットします。

 

図の赤い矢印と注釈を見てもらったほうがわかりやすいかと思います

 



※上の画像出典:住友林業HP ※画像外はユームの参考情報



これがすぐれものです。

 

通常、防水シートはホチキスのようなタッカーというもので穴を空けて、木材に止めます。

 

その穴から水が侵入するわけです。

 

住友林業が2004年から採用しているこの高分子防水シートは、その小さな穴からの水の侵入も防ぐ機能がついています。


※上の画像出典:スリーエムジャパン資料 ※画像外はユームの参考情報



簡単に言うと、紙おむつのように穴から侵入した水をシートが吸収して膨らみ、穴を閉ざすというものです。



この防水シートが、水滴をカットしてくれるため、構造躯体の劣化を抑えてくれるため安心であると言えます。



また万が一水滴が侵入しても、防水シートの内側に通気層があるため、湿気を逃してくれるのでより安心です。

 

通気層は、すぐ下の壁内結露・湿気対策で詳しくお伝えします。




■壁内結露・湿気対策

 

住友林業は壁内結露・湿気対策にこだわりの工夫しています。



 

断熱性をUPしており、結露となりにくい


細部まで工夫し、防水シートの内側に通気層があるためより安心

 



住友林業独自の壁内結露・湿気対策はこちらです。



 

「きづれパネル」の通気層が内部の湿気を外に逃がす

 

外部から侵入した水分は「半透明高分子防水シート」が防ぐ

 

内部からの湿気は防湿気密フィルムがカット


断熱層の湿気は「透湿防水シート」で通気層へ逃がす

 



こちらを詳しく見ていく前に、まずはそもそも壁内結露対策に重要な断熱性をおさえておきましょう。

 

住友林業が使用している断熱材グラスウールは、一条工務店の硬質ウレタンフォームと比較して湿気に弱いから結露しやすいと言う設計士もいます。

 

それは間違った知識です。

 

結露は、壁の中の素材が冷え(露点温度となり)、そこに水蒸気量がある暖かい空気が触れると結露となり(露点温度となり)ます。

 

つまり、壁の中、特に重要な構造材付近を冷やさないことが重要となります。



住友林業の断熱性は業界TOPではありません。

 

ただし、断熱性を表すUA(ユーエー)値は、寒冷地仕様が標準となっています。

 

露点温度に達しにくく、壁内結露となりにくいと言えます。



強いて言えば、ビッグフレーム構法で使われるメタルタッチ金物が外側にあり、それが冷えることです。


※上の画像出典:住友林業HP ※画像外はユームの参考情報




ただし、そこで万が一結露したとしても、その金物はサビ対策はされており、そのスグ外は透湿防風シートと通気層があるため、湿気を逃せるようになっています。




それでは、住友林業の壁内結露・湿気対策を具体的にみていきましょう。



最初に、図の赤い矢印と注釈を見てもらったほうがわかりやすいかと思います。


※上の画像出典:住友林業HP ※画像外はユームの参考情報



外部の水分は、高分子防水シートでカットします。

 

そしてこれが重要なポイントです。

 

このシートを固定するためのタッカー穴への止水性が他の防水シートよりも優れています。



次もあまり言われてないのですが、重要なポイントです。

 

それは住友林業は、防水シートの内側に通気層を設けているということです。

 

一般的には、防水シートの外側に通気層があります。



これにより、万が一防水シート内部に水分や湿気が侵入しても、通気層の役割も果たすきづれパネルで、湿気をスムーズに排出できるように工夫しています。


※上の画像出典:住友林業HP ※画像外はユームの参考情報



きづれパネルは一枚の面材と比べて、その通気層に触れる表面積が多いです。

 

つまり、構造材が空気に触れる面積が多く、より湿気を逃しやすくなっているわけです。




これが、長年木造住宅を牽引してきた住友林業のこだわりです。




その他にも壁の中の結露・湿気対策もしています。

 

下の図を見てください。

 

室内側には防湿気密フィルム、断熱材の外側には透湿防風シートがあります。

 

※上の画像出典:住友林業HP ※画像外はユームの参考情報



まず室内からの湿気を防湿気密フィルムでカットします。



これでも万全とは言えません。

 

皆さんは、雨粒(あまつぶ)と比べて水蒸気の粒子はどれほどの大きさかご存知でしょうか?

 

やや小さめの雨粒直径2mmと比べて、水の粒子はその500万分の1です。



目に見えない水蒸気の粒子がちょっとした隙間から壁の中に入る可能性が十分にあるわけです。



住友林業では、気圧差や水蒸気の均衡などで、万が一水蒸気の粒子が断熱材に侵入した場合も、透湿防風シートが湿気を通気層へ排出します。



まさに外からも中からも、水分や湿気が侵入してきた時も、2重、3重の対策を施していると言えます。

 

てしまうリスクがあります。



ただし、注意点があります。

 

それはサイディング仕上げにした際の外部の湿気対策です。


※上の画像出典:住友林業HP ※画像外はユームの参考情報



サイディング仕上げの場合、きづれパネルから、上図のように耐力面材Dパネルに変わり、通気層は胴縁で確保する仕様になります。

 

これは通気層が、防水シートの外側なので、胴縁と防水シートのビス穴から水分が壁内内部に浸透するリスクがあります。

 

この場合、ビス穴を都度きちんとコーキング打つのも難しいので、通常はシーリングしません。

 

シーリングをしたとしても劣化します。

 

それをやり直すには、外装材を全て剥がさないといけなく、大きな補修費が必要となります。



震度3から5の地震は毎年のようにきています。

 

そのような揺れにより、ビス穴が少しづつでも広がる可能性も否めません。

 

防水層よりも内部に侵入した湿気を、そこで通気乾燥できないことは、心配な点ではあります。



これらのことから、防水・壁内結露・湿気対策ができている住友林業の標準モルタル仕様の方が、おすすめです。




5-3-2.一条工務店の防水性能

 

一条工務店の外壁の湿気対策は、胴縁で通気層を設けた一般的な通気工法です。

 

まずは結論です。

 

 

(防水性能)


屋根・バルコニー防水の耐用年数の公表がないため、不安が残る


外壁・下地材の防水対策も公表なし


防水層に不安



(壁内結露・湿気対策)


断熱性がとても高く、結露となる露点温度になりにくいので安心

 



これらの点から、トータルで比較すると、防水性能は住友林業の方が高いと言えます。



一条工務店の特徴はこちらです。



 

■一条工務店の防水性能

 

(防水性能)

 

屋根・バルコニー防水の耐用年数の公表無し

 

外壁・下地材の防水対策の公表無し

 

防水シートの釘穴止水性が不明

 

 

(結露結露・湿気対策)

 

断熱性がとても高いため、壁内が結露となる温度帯になりにくい

 

防水シートの外側に通気工法「エアーフローシステム」を採用

 

 

 



■屋根・バルコニーの防水

 

一条工務店の屋根の防水は、改質アスファルトルーフィングを使用しているため、一般的なものよりは防水性能があると言えます。

 

ただしこれは、大手では一般的なものです。

 

バルコニーの防水はFRP一体型とのみ記されており、詳細は不明です。



一条工務店の屋根・バルコニー防水は、残念ながら詳細な内容や、耐用年数の公表がありませんでした。



同防水性能は、住友林業では耐用年数30年以上と公表しています。

 

オプションで耐用年数60年以上と明示した防水シートも用意しています。

 

この点で住友林業の方が、屋根・バルコニーの防水性の信憑性が高いと言えます。



■外壁防水

 

外壁の防水性についてもみておきましょう。

 

まずは結論です。



 

外壁・下地材表層の防水対策の公表無し


外壁下地の耐用年数も公表無し


胴縁や防水シートを貫通するビス穴からの水分侵入リスクへの対策が弱い

 



一条工務店の外壁・下地材の表層は、残念ながらこれらの防水対策の詳細の公表はありませんでした。

 

タイルも下地であるサイディングに接着しています。 

 

外壁自体やサイディングの耐用年数の公表がありません。



住友林業も外壁・下地材表層の防水対策の詳細は公表がありませんでした。

 

ただし、防水と直接かかわる外壁下地の耐用年数は60年以上と公表しています。



その点で、外壁・下地部分の防水対策は住友林業の方が安心であると言えます。



外壁の防水対策としては、通気胴縁と防水透湿シートを使用した一般的な通気工法を採用しています。

 

画像は、アイ・スマートの外内ダブル断熱構法ですが、I-HEAD構法も同様の通気工法です。


※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報



この通気工法は、重要な注意点があります。



それは、胴縁と防水シートを止めるビスやタッカー穴から水が重要な構造用合板に染み込むリスクがあることです。



一条工務店の場合、外壁を支える胴縁と防水シートを構造用合板に止めるため、タッカーのような細い穴ではなく、太いビスを使用しているので、その釘穴がとても大きくなります。


※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報



つまり、サイディング、それを支える胴縁、防水シートだけでなく、構造用合板と重要な柱やスタッド木材にそのビス穴が貫通していることになります。




アイ・スマートの外内ダブル断熱工法の場合は、外側の断熱材も貫通しています。


※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報



その穴から水分が侵入するリスクがあります。



こういった点がしっかりと対策している会社とそうでない会社の違いが出てくるポイントです。



住友林業と一条工務店を比べながら、深堀りしてみましょう。



その釘穴からの水分の侵入対策には、2つの方法があります。

 

1つ目は、防水シートの釘穴シール性です。

 

住友林業の高分子防水シートは釘穴の止水性が優れていましたが、一条工務店の壁の防水シートにその機能が見当たりませんでした。

 

この釘穴の止水性が防水シートにあるかどうかは、重要なポイントです。



2つ目は、水分が侵入して来た際に、湿気を逃がす通気層です。

 

一条工務店の通気層は防水シートの外側にあります。

 

住友林業は通気層を釘穴止水性が高い防水シートの内側にあります。



ここが大きく違うポイントです。



つまり、一条工務店の場合、防水シートのビス穴から水分が侵入した場合、通気層で乾燥させることができないことになります。



防水シート下の重要な構造用面材、そして柱やスタッド木材に貫通した穴から水分が侵入してくるリスクがあると言わざるを得ません。

 

一方の住友林業は、まずは防水シート自体の釘穴シール性を高くして水分の侵入をカットします。

 

万が一水分が内側に入っても、通気層から、水分や湿気を外に逃がせる工夫をしています。

 

さらに、通気層にある面材のきづれパネルは通気層の空気に触れる面積が高いため、より湿気を逃せるわけです。



これらの点から、壁の防水に関して、住友林業の方が一条工務店よりも安心かと思います。




■壁内結露・湿気対策

 

次に重要な壁内結露・湿気対策に関してです。



一条工務店はこの点で対策ができていると言えます。



 

断熱性がとても高いため、結露となりにくい


耐水性が高い断熱材を採用している

 



一条工務店の特徴はこちらです。



 

断熱性(UA値) が高く(内外ダブル断熱 0.25、I-HEAD の公表無し)、結露となりにくい

 

壁内の結露対策は、全商品共通で防水シートと通気胴縁の「エアーフローシステム」を採用

 

耐水性が高い硬質ウレタンフォームやEPSを採用

 

 

 

壁の中でとても冷えた素材に暖かい空気が触れるとそこで結露となり(露点温度となり)やすいです。

 

一条工務店は、壁内結露となりにくいほど、断熱性が高いです。

 

断熱性を表すUA(ユーエー)値は、アイスマートの外内ダブル断熱構法で約0.2w/㎡•K

( ワット・パー・ 平方メートル ケルビン)と業界TOPレベルです。

 

夢の家I-HEAD構法の公表はありませんでしたが、外内ダブル断熱構法よりは低いものの、仕様から0.4以下ほどのUA値と推測します。




外部からの湿気対策は、全商品共通で防水シートと通気胴縁を使用した「エアーフローシステム」を採用しています。

 

これは他社でも採用されている一般的な通気工法です。

 

※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報



外部からの湿気は、外壁防水でもお伝えしたとおり、ビス穴などから侵入リスクがあります。

 

その場合、住友林業のように防水シートの内側に通気層が無いのは不安要素ではあります。



一方で一条工務店では、耐水性の高い断熱材も結露対策の一つとしています。

 

高性能ウレタンフォームやEPSは、湿気を通しにくい発泡プラスチック系断熱材です。

 

透湿率は一般的なグラスウールと比較して、高性能ウレタンフォームで約120倍、EPSで約68倍と、湿気を通しにくいです。



ただし断熱材の違いだけで、露点温度に達して結露したという事例は他社でも見受けられなかったのでそれほど大きな違いはないと予想されます。



一条工務店の場合、断熱材自体は湿気が通りにくいですが、ビス穴などからの侵入リスクがなくなるわけではありません。

 

通気層がなく、断熱材の透湿性が低い分、壁内のカビ発生リスクはあるので注意が必要です。


※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報


※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報




5-4.防蟻対策

 

防蟻対策は、木造の住宅メーカーを選ぶ上で、必ず抑えておきたいポイントです。



まずは結論です。



 

両社とも入念な防蟻対策ができている


住友林業は、建物周囲へのシロアリの巣への対策もしている


アフターメンテナンスのしやすさでは住友林業の方が優れている

 



両社の特徴はこちらです。



 

■住友林業の防蟻対策


建物外周部の地中に埋め込まれたパイプで防蟻処理をする「タームガード」を採用


10年毎の再防蟻処理が必要


柱・土台には防腐・防蟻処理をしている

 


■一条工務店の防蟻対策


1階の構造材すべてに防蟻処理


再防蟻処理時期の公表無し


構造材は、加圧注入により防蟻薬剤を内部まで浸透させている


断熱材の表層にも防蟻処理

 



木造、鉄骨に限らず、木を使っていれば、シロアリのリスクがあります。

 

特に主要な構造躯体が木造の場合はシロアリ対策は重要です。



では両社どのような対策をしているか見ていきましょう。




5-4-1.住友林業の防蟻対策

 

まずは結論です。



 

地中に埋設したパイプから薬剤を注入するタームガードを採用


防蟻メンテナンスがしやすく、コストもかかりにくい

 



住友林業の防蟻対策は、大きく分けて3つです。



 

■住友林業の防蟻対策

基礎下に防蟻防湿フィルムを施工

 

建物外周部の地中に埋め込まれたパイプで防蟻処理をする「タームガード」を採用

 

柱・土台に防腐・防蟻処理をしている

 



1つ目は、基礎部分です。



基礎下に防蟻防湿フィルムを覆い、地面からの侵入を防いでいます。

 

そしてベタ基礎が床下全面を継ぎ目なくコンクリートで覆うため、シロアリの侵入をカットします。

 

継ぎ目がない、基礎が一体となっていると言うところが、特に木造ではシロアリの侵入を防ぐ意味で重要となります。



ただしベタ基礎を採用しているメーカーでもよく行っている対策になりますので特別な仕様ではありません。



2つ目は、基礎より上の部分です。



土台や柱などの木材は、詳細な公表はされていませんが薬剤処理を施しています。

 

過去の建築ブログを参考にすると、基礎の天端から+1mの構造材部分に薬剤処理を施しているようです。

 

特に土台は、シロアリにとって構造躯体に侵入する入口とも言える場所のため、防蟻処理をして侵入路断つことはとても重要です。

 

ただし他のハウスメーカーでよく採用されている木材の内部にも薬剤を注入する加圧処理の公表はなかったため、この点は少し心配であります。



これらの薬剤処理も木造住宅メーカーではよく行っている対策のため、特別な仕様ではありません。



3つ目は、建物外周部の地中に埋め込んだパイプから防蟻処理をする「タームガード」です。


※上の画像出典:三井化学HP タームガードシステムとは? 

※画像外はユームの参考情報



タームガードとは、薬剤処理用のパイプを建物基礎外周の土壌中に埋設し、地表面に設置した薬剤注入口から防蟻薬剤を注入するシンプルな構造です。

 

パイプには一定間隔で小穴が開いており、注入した薬剤がこの小穴から噴出し土壌中に処理されます。

 

外周からシロアリの侵入を阻止します。



住友林業の防蟻対策で特筆すべきは、このタームガードと言えます。


※上の画像出典:住友林業HP ※画像外はユームの参考情報



10年毎の再防蟻処理が必要ですが、地表面の注入口から薬剤を注入するだけのため、費用を抑えてメンテナンスすることができます。

 

よく薬剤によるシックハウスを心配される方も多いですが、そのような心配がなく安全性の高い施工方法です。



またイエシロアリが飛来して、建物周辺に巣を作る可能性もあります。

 

タームガードで近くの巣の根絶も期待できる点はメリットです。



壁の中の木材に、新築時の時のように万遍なく再度防腐処理をするのは難しいです。

 

このタームガードであれば、新築時と同じように再度、周囲のシロアリ対策ができるのは大きなメリットと言えます。




5-4-2.一条工務店の防蟻対策

 

まずは結論です。



 

1階すべてに防蟻処理を施す広範囲の対策が取られているため安心である


また断熱材の表層にも防蟻処理を施すこだわりがある

 



防蟻対策は、大きく分けて2つの対策をしています。



 

■一条工務店の防蟻対策


1階の構造材すべてに防蟻処理

※構造材は、加圧注入により防蟻薬剤を内部まで浸透させている

 

断熱材の表層にも防蟻処理

 



※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報

 

1つ目は、基礎より上の部分です。

 

土台や柱などの木材は、加圧注入により防蟻薬剤を施しています。

 

これは、例えば真空パックされたおでんの具材にだしつゆが真空状態で染み込むように、木の中の方に防蟻剤を染み込ませる方法です。

 

これにより構造材の表面だけの防蟻処理ではなく、木材の内部にも防蟻薬剤を注入して侵入路断つように工夫しているのです。



防蟻処理の範囲もこだわりがあります。

 

一般的に、建築基準法上では地面から1.0mの高さまでに対して、一条工務店では1階全てに防蟻処理を行っています。



2つめは、断熱材にも防蟻処理を施していることです。

 

万が一、基礎や壁を超えてきても、断熱材もシロアリの侵入を防いでくれます。

 

一条工務店の布基礎は、地盤面は防蟻フィルムがないため、床面からのシロアリ侵入の心配があります。

 

しかし構造材だけでなく、断熱材も防蟻処理をしているため、蟻道を作るリスクがないよう工夫されています。



一条工務店の防蟻対策は、防蟻処理の範囲や断熱材の防蟻処理もされているため、一般的な仕様と比較すると優れていると言えます。



一方で地中から防蟻処理を施している住友林業と、広範囲の構造材の防蟻処理をしている一条工務店と、一概にどちらが優れているか比較することは難しいでしょう。

 

とは言え両社とも一般的な仕様以上はしっかり防蟻対策ができていると言えます。



まとめ



 

住友林業

一条工務店

基礎

ベタ基礎を採用


基礎の耐用年数は75年以上

*耐久設計基準強度の公表無し


鉄筋のかぶり厚の公表無し


基礎全周に樹脂モルタルを塗り中性化を防止 

*詳細な公表無し


オリジナル構造計算システム「WiNX」で、一邸毎にコンクリート強度、基礎形状、かぶり厚を設計

布基礎を採用


基礎の耐用年数の公表無し




鉄筋のかぶり厚の公表無し


基礎全周の中性化防止塗料の公表無し



建築基準法上よりも高い水準の基礎設計を標準仕様

外壁

外壁下地(モルタル仕様)の耐用年数60年以上


塗装の耐用年数30年以上


吹付け仕上げとサイディングが標準仕様


オプション仕様のタイルは塗替え・目地交換不要

外壁下地、目地の耐用年数公表無し







オプション仕様のハイドロテクトタイルは再塗装不要

*ただし30年目の目地交換が必要


自社工場で生産したタイルのため、高品質で価格も安い

防水性

■外壁の防水性

壁内の結露対策はきづれパネルツインシートの3層構造とした独自の通気工法を採用


タッカー穴による湿気の侵入は、内側に通気を設けているので安心である

*サイディング仕上げは異なる仕様のため注意が必要



■屋根の防水性

改質アスファルトを使用した「スミリンルーフ」標準仕様

耐用年数30年以上

 

オプション仕様で劣化防止層を追加「LSルーフィング」も用意

耐用年数60年以上

■外壁の防水性

壁内の結露対策は一般的な通気工法「エアーフローシステム」を採用



タッカー穴による湿気侵入リスクは、耐水性が高い硬質ウレタンフォームで対策





■屋根の防水性

詳細な公表無し

防蟻対策

柱・土台には防腐・防蟻処理をしている






基礎下に防蟻防湿フィルムを施工


建物外周部の地中に埋め込まれたパイプで防蟻処理をする「タームガード」を採用


10年毎の再防蟻処理が必要

1階の構造材すべてに防蟻処理


構造材は、加圧注入により防蟻薬剤を内部まで浸透させている





断熱材の表層にも防蟻処理





再防蟻の公表無し

 

 

 

6.省エネや断熱性の違い

 

ハウスメーカー選びの中で省エネや断熱性能の関心も高まっていますよね。

 

こちらでは、住友林業と一条工務店の断熱性能を比較をします。



 

結論


UA(ユーエー)値

※総合的な断熱性


一条工務店の方がUA値における断熱性が高い


またZEH採用率も高い


ただし住友林業も標準仕様でZEH基準を満たす断熱性能(UA値)がある



トリプル樹脂サッシを標準仕様としている一条工務店の方が窓の断熱性が高い


断熱材


断熱材の性能、厚みともに一条工務店の方が優れている


C(シー)値

気密性


一邸毎に気密性測定試験を実施している一条工務店の方が安心



断熱性能は、その指標となるUA値でみても、ディティール部分の窓や断熱材でみても、一条工務店の方が優れています。

 

一条工務店の断熱性能は、全大手ハウスメーカーと比較してもトップレベルです。



一方で住友林業も決して断熱性能が低いということではなく、標準仕様でZEH基準以上の断熱性があります。



それでは両者の特徴をもう少し具体的にみてみましょう。



 

■住友林業の省エネ・断熱性能


UA値:目安0.41w/㎡•K

※ビッグフレーム構法、マルチバランス構法とも同値

※省エネ4~7地域仕様


2020年ZEH採用率:約56%


標準窓:アルゴンガス入アルミ樹脂複合サッシ


断熱材:壁・天井に高性能グラスウール24K、床に押出法ポリスチレンフォーム3種


気密性:公表無し



■一条工務店の省エネ・断熱性能


UA値:目安0.25w/㎡•K

外内ダブル断熱構法(アイ・スマート)による数値

※2倍耐震、夢の家I-HEAD構法の詳細な公表無し


2020年ZEH採用率:約96%


標準窓:クリプトンガス入防犯トリプル樹脂サッシ

※企画商品(アイ・スマイル)は除く


断熱材:

外内ダブル断熱構法:床・壁・天井に高性能ウレタンフォーム

夢の家I-HEAD構法:床・壁・天井にビーズ法ポリスチレンフォーム1号相当


気密性:

外内ダブル断熱構法:目安0.59㎠/㎡

夢の家I-HEAD構法:目安0.61㎠/㎡

 



さらに具体的な内容をご興味ある方は、他社と比較する上でも参考になるので、この下の具体的な解説をご覧ください。

 

この結論だけで良いという方は、保証とサービスの比較も重要なので、そちらをどうぞ



上記結論の数値に関して先にお伝えしておきます。

 

断熱性は、各社公表しているUA(ユーエー)値を指標とするのが現在の主流です。

(これからは省エネ性の表示が主流になりますが、まだ各社その表示が出揃っていないです。)



UA(ユーエー)値とは、外皮熱貫流率と言い、家の内から外へ逃げ出す熱の割合を示す数値になります。

 

数値が小さいほど高い断熱性能があることを示しています。



ZEH(ゼッチ)とは、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略称です。

 

住まいの断熱性能や省エネ性能の向上と、太陽光発電などで生活に必要なエネルギーをつくり出すことにより、年間の一次消費エネルギー量(簡単に言うと光熱費)をおおむねゼロ以下にする住宅のことです。

 

ZEH支援事業として、基準を満たすと国から補助金がもらえます。



それでは両者の断熱性能や仕様を早速みていきましょう。




6-1.住友林業の省エネ・断熱性能

 

まずは住友林業の省エネ・断熱性能です。UA値は、0.41w/㎡•Kを公表しており、ZEH基準0.60w/㎡•Kは満たしています。

 

まずは結論です。



 

断熱性能の指標となるUA(ユーエー)値はやや高い水準


ZEH(ゼッチ)基準の数値は標準仕様でクリア

 



住友林業の具体的な特徴はこちらです。



 

■住友林業の省エネ・断熱性


UA値:目安0.41w/㎡•K

※ビッグフレーム構法、マルチバランス構法とも同値

省エネ4~7地域の仕様


窓:アルゴンガス入りアルミ樹脂複合サッシ


断熱材:壁・天井は高性能グラスウール24K、床は押出法ポリスチレンフォーム3種


気密性:詳細な公表無し

 



では各特徴をもう少し深堀りしていきましょう。




6-1-1.住友林業のUA値は目安0.41w/㎡•K

 

最初にUA(ユーエー)値についてです。



 

ZEH(ゼッチ)基準の数値は標準仕様でクリアしている


住友林業のUA値は特別な仕様ではない

 



具体的な数値や特徴はこちらです。



 

UA値は目安0.41w/㎡•K

※ビッグフレーム構法、マルチバランス構法ともに公表値は同じ

※省エネ4~7地域の仕様

※省エネ1〜2地域(北海道地域)で目安0.32w/㎡•K


ZEH基準0.60w/㎡•Kは満たしている


2020年の*ZEH採用率は約56%

*一般社団法人 環境共創イニシアチブの公表による

 



※上の画像出典:住友林業HP ※画像外はユームの参考情報



UA値は数値が小さいほど高い断熱性能があることを示しています。

 

住友林業のUA値は目安0.41w/㎡•Kを公表しています。

 

この仕様は、上図の「省エネ地域4~7」エリア(関東や中部、関西、九州)です。

 

住友林業のUA値はトップレベルではありませんが、比較的高水準です。



東京や大阪、福岡などのZEH基準はUA値0.6w/㎡•Kですので、ほぼ標準仕様でZEH基準以下(断熱性が良い)の数値と言えるでしょう。



ちなみに直近2020年の住友林業のZEH実績は約56%です。

 

ZEH実績だけでみると大手ハウスメーカーの中ではやや低い水準です。



ZEH実績だけが全てではないですが、断熱性能の高さを証明する重要な指標になりますので、今後さらに実績が増えることを期待したいですね。



具体的にZEHを検討する際には、間取りや仕様によって基準を満たせない場合もありますので、詳しくは営業担当に確認しましょう。


※上の画像出典:一般社団法人 環境共創イニシアチブ ※画像外はユームの参考情報



ここで注意しておきたいのが、UA値はあくまでも家全体の断熱性能の平均値だということです。

 

窓や断熱材などそれぞれのディティール部分も重要ですので、確認しておきましょう。




6-1-2.住友林業の窓はアルミ樹脂複合サッシ

 

まずは窓についてです。



 

標準窓は、他社でも多く採用されている比較的スタンダードな仕様

 



これが結論です。



標準窓の仕様は、一条工務店の方が高性能です。



住友林業の標準窓の特徴はコチラです。



 

標準窓はアルゴンガス入りのアルミ樹脂複合サッシ

 



もう少し具体的に、ガラス部分と窓枠の断熱性能の両方を確認しましょう。



住友林業の標準窓は、アルゴンガス入りのアルミ樹脂複合サッシです。


※上の画像出典:住友林業HP ※画像外はユームの参考情報



アルゴンガス入りのアルミ樹脂複合サッシは、内側に断熱性能の高い樹脂フレーム、外側に耐候生の高いアルミフレームを使用した二重サッシです。

 

サッシの間には、ガラスからの熱の透過を抑えるために遮熱効果のあるLow-E膜と真空のアルゴガス充填されています。



上図を見ると非常に断熱性の高い窓と思いがちですが、比較対象が一枚ガラスとかなり古い仕様なので、住友林業の窓が特別というわけではありません。

余談ですが、板硝子協会の調査による「大手ハウスメーカーの新築戸建の窓ガラス普及率」のデータがあります。

 

一般複層ガラスは2005年には約70%以上、2019年には約97%普及しています。

 

その内Low-E複層ガラスは約82%です。

 

参照:板硝子協会 複層ガラス/Low-E複層ガラス普及率推移



このデータから、Low-E複層ガラスは現在ではほぼ当たり前の仕様であることがわかります。

 

建売住宅でもアルミ樹脂複合サッシ(アルゴンガス無し)以上を標準仕様しているところが多いです。



住友林業では、このLow-E複層ガラスに断熱効果があるアルゴンガスを充填した仕様としています。

 

しかし他社でも標準仕様で採用が多いため、比較的普通レベルの窓仕様です。




6-1-3.住友林業の断熱材

 

断熱材は壁、天井に高性能グラスウール24K、床に押出法ポリスチレンフォーム3種を採用しています。

 

まずは結論です。



 

住友林業の採用している断熱材グラスウール24Kは、断熱性能においてグラスウールの中ではトップクラス


断熱材の厚みは、比較的普通レベル

 



壁、天井、床に使用している断熱材の特徴はコチラです。



 

グラスウールの中でも高い断熱性がある高性能グラスウール24Kを採用


壁に105mm、天井に210mm高性能グラスウール24Kを使用


床に100mm押出法ポリスチレンフォーム3種を使用

 



住友林業の壁、天井の断熱材は高性能グラスウール24Kを使用しています。

 

一般的なハウスメーカーは高性能グラスウール16Kを使用していることが多いので、住友林業の方が優れた断熱材を使用していると言えます。

 

ただし一条工務店の硬質ウレタンフォームの方が断熱性に優れており、ビーズ法ポリスチレンフォーム1号相当とは同等の仕様です。



どのくらいに違うのかもう少し詳しく紹介します。

 

ポイントは、16Kや24Kといった種別です。

 

下図は、住宅でよく使われる断熱材とその熱伝導率を比較した表です。



断熱材

種別

熱伝導率W/m・K)

高性能グラスウール

16K

0.038

24K

0.036

ロックウール

0.038

ビーズ法ポリスチレンフォーム

1号

0.036

2号

0.037

押出法ポリスチレンフォーム

2種

0.034

3種

0.028

硬質ウレタンフォーム

1種1~2号

0.024

2号1~2号

0.024



高性能グラスウールの数字が大きくなるほど熱伝導率が小さくなる、つまり断熱性能が高くなります。

 

この違いは繊維密度の濃さです。



下図を見てください。


※上の画像出典:住友林業HP ※画像外はユームの参考情報



グラスウールの繊維の細かさ(密度)に違いがあることがわかります。

 

この違いをジャケットで例えると、一般的なグラスウールを「フェザー」、高性能グラスウール24Kを「ダウン」といったところでしょう。

 

繊維の密度が高い分、保温能力が高い=断熱性能が高いと言えます。



ただし断熱性能は、熱伝導率だけでなく、断熱材の厚みも大きく影響します。

 

単に熱伝導率が優れているから住宅全体の断熱性が高いというわけではないので注意してください。




ここで補足です。

 

繊維密度の違いは断熱性以外にもあります。

 

住友林業の高性能グラスウール24Kは、一般的なグラスウールより耐水性も高いです。

 

これは繊維密度が高い分、中に水が染み込みにくいためです。



よく他社の営業マンから「グラスウールはロックウールといった他の断熱材よりも吸水性が高い」という声を耳にします。

 

たしかに一般的なグラスウールは繊維密度が低いため、その意見も否定できません。



しかし住友林業の高性能グラスウール24Kは、グラスウールの中でも繊維密度が高く、耐水性が高いため、安心であると言えるでしょう。




床下は、湿気に強い押出法ポリスチレンフォームを採用しています。

 

グラスウールと違い固形の断熱材のため、安定して固定できるのが特徴です。

 

発泡系素材は湿気に強い特徴がありますので、万が一基礎下に湿気や雨水が侵入しても、断熱材が収縮したり脱落の危険性といったリスクは少ないと言えます。




6-1-4.住友林業の気密性

 

気密性については具体的な数値の明示はありませんでした。

 

実際の建築事例をみると、0.60㎠/㎡〜はあるようです。

 

ただし住友林業では、施主様からの希望がない限り、気密測定試験はやっていません。

(おそらく測定試験の費用がかかると思いますので、気になる方は営業担当者にご確認ください)



参照1:Amebaブログ「住友林業の家の断熱・気密性!」

参照2:ブログ「住友林業で建てた家のC値は0.6でした」



一方で一条工務店は一邸毎に測定試験を実施しています。

 

その数値も具体的に公表しており、気密性の高さを実証しています。

 

この点から気密性は一条工務店の方が安心であると言えます。

 

後ほど詳しく紹介します。




6-2.一条工務店の省エネ・断熱性能

 

一条工務店のUA値は、0.25w/㎡•Kを公表しており、業界の中でもトップクラスです。

 

まずは結論です。



 

断熱性能の指標となるUA(ユーエー)値は業界トップレベル


ZEH(ゼッチ)基準の数値は標準仕様でクリア


一邸毎に気密測定試験を実施しているため、より安心

 



一条工務店の具体的な特徴はこちらです。



 

■一条工務店の省エネ・断熱性


UA値:目安0.25w/㎡•K

※外内ダブル断熱構法「アイ・スマート」の公表値

※夢の家I-HEAD構法の詳細な公表無し


窓:オリジナル仕様の防犯ツインLow-Eトリプル樹脂サッシ


断熱材:

内外ダブル断熱構法:床・壁・天井は高性能ウレタンフォーム

夢の家I-HEAD構法:床・壁・天井はビーズ法ポリスチレンフォーム1号相当


気密性:

外内ダブル断熱構法:目安0.59㎠/㎡

夢の家I-HEAD構法:目安0.61㎠/㎡

 



では各特徴をもう少し深堀りしていきましょう。




6-2-1.一条工務店のUA値は目安0.25w/㎡•K

 

外内ダブル断熱構法のみUA(ユーエー)値を公表しています。



 

一条工務店のUA値は業界トップレベル


アイ・スマートのUA値は全省エネ地域共通のため、断熱仕様の変更による価格UPの心配がなく安心


ZEH(ゼッチ)基準の数値は標準仕様でクリアしている

 



夢の家I-HEAD構法は、Q(キュー)値の公表をしていますのでこちらを紹介していきます。



具体的な数値や特徴はこちらです。



 

■外内ダブル断熱構法


UA値:

外内ダブル断熱構法は目安0.25w/㎡•K

※アイ・スマートによる目安値

※夢の家I-HEAD構法は公表なし


Q値:

外内ダブル断熱構法は目安0.51w/㎡•K

夢の家I-HEAD構法は目安0.98w/㎡•K


ZEH基準0.60w/㎡•Kは満たしている


2020年の*ZEH採用率は約96%

*一般社団法人 環境共創イニシアチブの公表による

 



※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報



UA値は、外内ダブル断熱構法のみ公表しています。

 

目安の数値はアイ・スマートで0.25w/㎡•Kです。

 

この数値は、全大手ハウスメーカーと比較してもトップレベルです。

 

住友林業よりも断熱性が高いと言えます。



さらに特筆すべき点は、上記数値を満たす断熱仕様が全国共通ということです。



住友林業や他のハウスメーカーは、一般的に地域によって断熱仕様が異なるケースが多いです。

 

特に地域によってZEH基準も変わるため、寒い地域になるとより高い断熱性を求められます。

 

断熱仕様が変わるということは当然価格も変わってきます。



一条工務店のアイ・スマートのUA値は、ZEH基準の一番厳しい北海道仕様よりも断熱性能が高いです。

 

この断熱仕様を全国共通としています。



そのため断熱仕様の変更による価格UPの心配がないため、より安心であると言えます。



直近2020年のZEH実績は、北海道地域で約99%、北海道以外の地域で約96%です。

 

特に大手ハウスメーカーと比較してみると、両地域で堂々の1位と高い実績を誇ります。

 

この点で高い断熱性能がある裏付けが取れていると言えるでしょう。


※上の画像出典:一般社団法人 環境共創イニシアチブ ※画像外はユームの参考情報



ここで補足注意点もあります。



まず補足です。

 

こちらは「2倍耐震」構造についてです。

 

2倍耐震のUA値の公表はありませんでした。

 

ただし2倍耐震にした場合でも、アイ・スマート公表値0.25w/㎡•Kと同等の断熱性能があると予想されます。

 

標準構造の外内ダブル断熱構法とオプション構造の2倍耐震、この2つの構造の違いは内壁です。

 

外壁側の断熱仕様は同じになります。



UA値は、主に外壁、床、屋根といった外皮の熱貫流率と各部位の表面積から算出します。

 

つまり内壁の仕様はUA値の計算にそれほど影響しないと言えます。



そのため、2倍耐震でも標準構造と同等の断熱性能があると言えるでしょう。




次に注意点です。

 

こちらは夢の家I-HEAD構法についてです。

 

同構法はUA値の公表がありません。



夢の家I-HEAD構法でZEHを検討する際には、営業担当者にUA値の確認をしましょう。



夢の家I-HEAD構法では、旧省エネ基準の断熱性の指標となっていたQ値(キュー)の公表はしています。

 

ここからは補足情報として、一条工務店のQ値について簡単に紹介します。



Q値(キュー)値とは、窓、床、外壁、天井、屋根からどれだけの熱が外へ逃げていくのかを数値化したものです。

 

もう少し具体的にお伝えすると、各部分の熱損失量と換気による熱損失量の合計を、延床面積で割った値がQ値です。

 

数値が小さいほど断熱性能が高いということになります。



UA値が登場する前は、Q値が断熱性の指標となっていました。

 

しかしQ値は、家の床面積の違いなどによって数値にバラツキが出て、家が小さいと数値が大きくなる(数値上、断熱性能が下がる)傾向がありました。

 

そのため、面積に関係なく断熱性能を平等に比較するため、平成25年に改正された次世代省エネ基準でUA値に変更されました。



では夢の家I-HEAD構法のQ値はいくつになるのでしょうか。



夢の家I-HEAD構法Q値は0.98w/㎡•Kです。



改正前の次世代省エネ基準は、関東地方で2.7w/㎡•Kでしたので、約2.5倍の断熱性能であると言えます。

 

ほとんどのハウスメーカーはUA値に変わって以降、Q値の公表をしていませんので、比較ができませんが、断熱性能は高いと言えるでしょう。



ちなみに外内ダブル断熱構法のQ値は、0.51w/㎡•Kです。

 

夢の家I-HEAD構法の約1.9倍断熱性能が良いです。




とはいえ一条工務店の全商品の内、外内ダブル断熱構法はアイ・スマートとアイ・キューブのみです。



商品数でみると、夢の家I-HEAD構法の多いので、今後はこちらのUA値も公表してもらいたいですね。




6-2-2.一条工務店の窓は防犯ツインLow-Eトリプル樹脂サッシ

 

続いて窓です。



 

標準窓は、大手他社よりも断熱性が高い自社製のトリプル樹脂サッシを採用

 



具体的な特徴はコチラです。



 

標準仕様はクリプトンガス入り防犯ツインLow-Eトリプル樹脂サッシ


Low-Eガラスをダブルにし遮熱性能をUP


窓枠の内外とも樹脂にし断熱性能をUP


ガラスに特殊樹脂膜を圧着させ防犯性をUP

 



※左の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報



窓は企画商品(アイ・スマイル)を除く全商品共通でトリプル樹脂サッシ標準仕様としています。

 

トリプル樹脂サッシ標準仕様は、大手ハウスメーカーのほとんどがオプション仕様のため、特筆すべき点と言えます。

 

当然、標準窓は住友林業よりも断熱性能が高いです。



一条工務店の標準窓は、自社で製造したオリジナル窓「クリプトンガス入り防犯ツインLow-Eトリプル樹脂サッシ」です。



窓のフレームは内外ともに断熱性の高い樹脂フレームを採用しています。

 

ガラスは3枚使用しており、その内2枚は遮熱効果のあるLow-E膜、1枚はガラスの破裂を防ぐ特殊樹脂膜が施されています。

 

またガラス同士の間には、アルゴンガスよりも断熱性が高いクリプトンガスが充填されています。



窓の断熱性能を表すU値は0.8w/㎡•Kを公表しています。

 

この数値は、大手窓メーカーのYKK APやLIXILのトリプル樹脂サッシと同等のレベルです。



一般的なアルミ樹脂複合サッシと比較すると約3倍の断熱性能があります。


※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報



また一般的なハウスメーカーがオプション仕様としている、防犯ガラスの役割を果たす特殊樹脂膜も標準仕様としています。



窓ガラスの耐久性も実験で実証しています。

 

一条工務店の標準窓は、耐風圧性の実験もしており、風速70m/秒にも耐えれる仕様になっています。

 

これは中高層ビルにも対応できる性能です。


※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報



より防犯性を高めたい方には、オプション仕様の世界初、強化ガラスを採用したトリプル樹脂サッシも用意されています。

 

※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報



その強度は一般的な3mmガラスの約7倍以上の強度をほこります。



最後に一条工務店の窓について2つ注意点も補足でお伝えします。

1つ目は、網戸はオプション仕様になることです。

 

この点は、「網戸も付いていると思っていた」もしくは「そこまで確認していなった」という方が多いので注意が必要です。

 

窓のサイズにより価格は変わりますが、1箇所あたり5,000〜10,000円(税抜)ほどのようです。

 

全箇所に付けないにしても、設置枚数によっては数十万円の金額UPになります。

 

とはいえ網戸は虫対策に重要です。



契約前の段階で、網戸の設置も検討の上予算取りをしておきましょう。



2つ目は、窓の開閉です。

 

これは一条工務店に限った話ではなく、トリプルサッシという点です。

 

窓はペアガラス、トリプルガラスと枚数が増えるとその分重量も増えます。

 

そのため窓の開け閉めの際に、使い勝手が良くないという意見もあります。



もちろんこれは個人差がありますので、事前に検討している方はこういった使い勝手の面もよく確認されることをおすすめします。




6-2-3.一条工務店の断熱材

 

一条工務店は、夢の家I-HEAD構法と外内ダブル断熱構法によって断熱材の種類が異なります。

 

まずは結論です。



 

一条工務店の採用している断熱材は、断熱性能においてトップクラス


断熱材の厚みも、業界トップクラス


ただし夢の家I-HEAD構法は比較的普通レベル

 



ここでは2つの構法の断熱材の違いをわかりやすく整理しました。



 

■外内ダブル断熱構法


壁内の外側と内側に断熱材を施工した外内二重断熱


壁に190mm、天井に235mm、床に140mm高性能ウレタンフォームを使用



■夢の家I-HEAD構法


構造躯体の内側に断熱材を施工した内断熱


壁に120mm、天井に145mm、床に90mmビーズ法ポリスチレンフォーム1種相当を使用

 



では2つの構法の特徴をみていきましょう。




■外内ダブル断熱構法

 

外内ダブル断熱構法は、壁内の外側と内側に断熱材を施工した独自の二重断熱を採用しています。



 

断熱材は、業界トップレベルの断熱性能を誇る「高性能ウレタンフォーム」を採用


床・壁・天井の断熱材の厚みから断熱性もトップレベルと言える

 



具体的な特徴はこちらです。



 

壁の外側と内側に断熱材を施工した外内二重断熱を採用


壁に190mm、天井に235mm、床に140mm高性能ウレタンフォームを使用

 



※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報



外内ダブル断熱構法の特筆すべき点は、高性能ウレタンフォームその厚みです。



一条工務店では、高性能ウレタンフォームも自社のグループ工場で生産しています。

 

この断熱材を、壁内の内側に140mm、外側に50mm施工した独自の外内二重断熱を採用しています。



この断熱仕様は大手住宅メーカーも含めてトップレベルの仕様です。



断熱材の仕様と厚みをみてもその差は明らかです。

 

よく使われる断熱材は、高性能グラスウール16Kやロックウールが多く、その熱伝導率は0.038W/m・Kです。

 

一方で高性能ウレタンフォームは0.024W/m・Kです。



さらに一条工務店では、一般的な2×6工法の柱の厚み分140mmだけでなく、外側にも50mmの断熱材を施工しています。



つまり他社よりも熱伝導率が低い(断熱性能が高い)断熱材を、他社よりも厚い仕様で施工しているのです。



床、壁についても同様です。

 

一般的な床断熱材の厚み80~100mmに対して140mm、天井断熱材200mm前後に対して235mmと厚い仕様で施工しています。



これらの仕様が、一条工務店の断熱性能がトップレベルと言われる所以です。




■夢の家I-HEAD構法

 

夢の家I-HEAD構法は、外内ダブル断熱構法と断熱材の仕様が変わります。

 

まずは結論です。



 

断熱材は、高性能グラスウース24Kと同等の押出法ポリスチレンフォーム1種相当を採用


断熱材の厚みは、比較的普通レベル

 



具体的な特徴はこちらです。



 

構造躯体の内側に断熱材を施工した内断熱


壁に120mm、天井に145mm、床に90mmビーズ法ポリスチレンフォーム1号を使用

 



※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報



夢の家I-HEAD構法の断熱材は自社グループで生産したビーズ法ポリスチレンフォーム1号相当を採用しています。



熱伝導率は0.036W/m・Kと、高性能ウレタンフォームよりも断熱性能が劣りますが、高性能グラスウール24Kと同等の断熱性能です。

 

また高性能グラスウール16Kやロックウールは熱伝導率が0.038W/m・Kのため、ビーズ法ポリスチレンフォーム1号相当の方が断熱性が高いです。



全体の断熱材の熱伝導率や厚みをみると、住友林業とそれほど変わらない断熱仕様のようにも感じます。



 

一条工務店

【夢の家I-HEAD構法】

住友林業

【ビッグフレーム構法】

ビーズ法ポリスチレンフォーム1号相当

120mm

高性能グラスウール24K


105mm

天井

ビーズ法ポリスチレンフォーム1号相当

145mm

高性能グラスウール24K


210mm

ビーズ法ポリスチレンフォーム1号相当

90mm

押出法ポリスチレンフォーム3種


100mm



もちろん断熱性は、断熱材の種類や厚みが大きく影響しますが、建物構造(木造or鉄骨)や工法、窓など総合的にみないと判断できません。

 

特に一条工務店の場合は、住友林業よりも断熱性が高いトリプル樹脂サッシが標準仕様です。



この点から、夢の家I-HEAD構法の断熱性能は、住友林業と同等程度はあると予想されます。



現時点で、夢の家I-HEAD構法はUA値の公表をしておりませんので、今後はこちらも自信をもって明示してもらいたいですね。




6-2-4.一条工務店の気密性

 

ハウスメーカー選びで関心が高いC(シー)値についても触れていきます。

 

まずは結論です。




 

C値は専門の気密性測定試験機を使って実施するため、計算値で算出するUA値よりも性能値の信憑性が高い


一条工務店は、一定毎に気密性測定試験を実施するため、より安心

 



具体的な数値と特徴はこちらです。



 

C値:

外内ダブル断熱構法:0.59㎠/㎡

夢の家I-HEAD構法:0.61㎠/㎡


全ての建物で気密測定試験を実施

 



C値とは簡単に言うと、家の隙間量です。

 

よく耳にする用語で「気密性」です。



C値が重要視されるポイントは実測値です。

 

どんなに計算上の断熱性能がよくても、実際の施工状況により隙間が多くなっては意味がありません。

 

それを調べて、具体的に可視化できるのがC値となります。



C値の測定は実際に建てられた建物で、専門の気密測定試験機を使って行います。

 

もう少し具体的にお伝えすると、換気扇など計画的にあけた穴を全部ふさいで、室内の空気をファンで強制的に外に吐き出します。

 

この時に生じる気圧差と風量を測定することにより、隙間面積を出します。



この隙間面積を床面積で割った数値がC値です。



これだけの試験を行いますので、たしかにコストはかかります。



しかし一条工務店では、一棟毎にC値の測定を行っています。



その結果、外内ダブル断熱構法は0.59㎠/㎡、夢の家I-HEAD構法は0.61㎠/㎡と明示しています。

 

これらの数値は、参考イメージでハガキ0.6枚分に留める隙間量です。


※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報



先ほどお伝えしたUA値は、実測値ではなく計算値です。

 

外壁、屋根(天井)や開口部、基礎を通過して外部へ逃げる熱量の合計を、家の外皮面積で割った数値です。



UA値ももちろん重要ですが、計算値ではなく実測値であるC値も知ることができるのは、自分の家の性能を知る上で安心できますよね。

 

この点では、一条工務店の断熱・気密性能の高さの証明ができていると言えるでしょう。



C値のような正確な実測値を公表しているハウスメーカーは少ないので、今後は他社でもぜひ公表してもらいたいものです。



まとめ

 

 

住友林業

一条工務店

UA値

■ビッグフレーム構法

目安0.41w/㎡•K




■マルチバランス構法

目安0.41w/㎡•K



ZEH採用率は約56%

■外内ダブル断熱構法

目安0.25w/㎡•K

*Q値の目安0.51w/㎡•K


■夢の家I-HEAD構法

詳細な公表無し

*Q値の目安0.98w/㎡•K


ZEH採用率は約96%

アルゴンガス入りアルミ樹脂複合サッシ



窓の断熱性能は特別でない

オリジナル仕様の防犯ツインLow-Eトリプル樹脂サッシ


業界トップクラスの窓仕様

断熱材

■ビッグフレーム構法

■マルチバラス構法

壁:高性能グラスウール24K 105mm


天井:高性能グラスウール24K 210mm


床:押出法ポリスチレンフォーム3種 100mm


高性能グラスウール16Kやロックウールよりも断熱性能が高い

■外内ダブル断熱構法


壁:高性能ウレタンフォーム 190mm


天井:高性能ウレタンフォーム 235mm


床:高性能ウレタンフォーム 140mm


外内二重断熱を採用




■夢の家I-HEAD構法

壁:ビーズ法ポリスチレンフォーム1種相当 120mm


天井:ビーズ法ポリスチレンフォーム1種相当 145mm


床:ビーズ法ポリスチレンフォーム1種相当 90mm


内断熱を採用

気密性

公表無し

■外内ダブル断熱構法

0.59㎠/㎡


■夢の家I-HEAD構法

0.61㎠/㎡

 

 

7.空調・換気を比較

 

近年、全館空調や床暖房といった室内を快適にする機器をおすすめする住宅メーカーが増えているように感じます。

 

ハウスメーカー選びをする上でこれらの設備はどこかで聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

 

ここでは住友林業と一条工務店の空調と換気についてみていきましょう。

 

先に両社の比較結論です。



 

結論


換気

 

一条工務店の方が第1種(熱交換)換気を標準仕様としている点で、より省エネ性が高い


ただし住友林業も3階建て第1種換気が標準仕様

 


空調

 

全館床暖房を標準仕様としている一条工務店の方が、冬は快適


夏の冷房は両社個別空調が標準仕様のため同等


両社の全館空調は機能性が異なるため注意が必要

電気代は両社とも公表無し

 



両社の具体的な特徴はコチラです。



 

■住友林業の空調・換気


(換気システム)


平屋・2階建ては第3種換気標準仕様


3階建て以上は第1種(熱交換)換気標準仕様


(空調システム)


標準仕様は個別空調


オプション仕様の全館空調「エアドリーム・ハイブリッド」もある



■一条工務店の空調・換気


(換気システム)


全商品共通で第1種(熱交換)換気「ロスガード90」標準仕様


(空調システム)


標準仕様は全館床暖房+個別空調


オプション仕様の「全館さらぽか空調」もある

 



先に換気システムの種類について簡単にお伝えします。



住宅の換気は、2003年に建築基準法が改正されて以降、24時間換気システム導入の義務化がされています。

 

もう少し具体的にお伝えすると、2時間に1回家全体の空気が入れ替わるように換気を設けなければいけないということです。



ではどのような換気方法があるのか?



住宅で採用される換気システムは大きく分けて2つあります。

 

それは第1種換気(機械給気・機械排気)と第3種換気(自然給気・機械排気)の2つです。



第1種換気とは、機械で空気を取り込み・排出する換気方法です。


※上の画像出典:不動産shopナカジツHP ※画像外はユームの参考情報



さらに近年では、「熱交換換気」と呼ばれる第1種換気を採用しているハウスメーカーが多いです。

 

熱交換換気とは、換気時に熱だけを回収して室内に戻すシステムです。

 

冬の例で説明すると、新しい空気(外の冷たい空気)と排出する室内の空気(暖かい空気)が間接的に触れる空間を作り、新しい空気を排出する室内の空気で暖めてから、取り込むという方法です。

 

その結果、換気による室内の温度変化の影響が受けにくくなり、エアコン効率が良くなります。

 

つまり節電効果もある省エネ効果が高い換気システムです。


※上の画像出典:パナソニックHP ※画像外はユームの参考情報



続いて第3種換気です。

 

第3種換気を一言でお伝えすると、みなさんの家にある換気システムです。


※上の画像出典:不動産shopナカジツHP ※画像外はユームの参考情報



もう少し具体的に紹介します。



給気は、窓を開けるか、各居室に設置された給気口から自然に取り込みます。

 

排気は、窓を開けるか、キッチンや洗面、トイレの換気扇から排出します。



つまり第3種換気給気を自然にする点が大きな違いとなります。



ただし熱交換換気のように給気の際に排気の熱を利用することはないので、エアコン効率は高くありません。



とはいえ、熱交換換気と比べて初期費用が安く、注文住宅や賃貸、マンションで使われている最も一般的な換気方法です。



ではこれらを踏まえて、両社の空調・換気の違いを具体的にみていきましょう。




7-1.住友林業の空調・換気

 

まずは結論です。



 

標準換気は、一般的な住宅仕様


オプション仕様の全館空調は、比較的一般的な仕様

ただし施工実績はそれほど多くない

 



換気・空調の仕様はコチラです。



 

(換気システム)


平屋・2階建ては第3種換気標準装備


3階建て以上は第1種(熱交換)換気標準装備



(空調システム)


標準仕様は個別空調


オプション仕様の全館空調「エアドリーム・ハイブリッド」もある

 



まずは換気システムです。



住友林業の標準換気は、第3種換気です。

 

こちらは特別な仕様ではなく一般的な住宅で採用される換気システムです。


※上の画像出典:住友林業HP ※画像外はユームの参考情報



ただし、過去建築された方のブログをみると3階建て以上は標準で第1種(熱交換)換気となるようです。

 

参照:Ameba ブログ「すみりんの注文住宅で狭小住宅を建てるブログ」



第1種換気と第3種換気では、当然工事費用も変わる内容ですので、3階建て以上の方は事前に営業担当者に確認するようにしましょう。



第1種換気の詳細な公表はありませんでしたので割愛させていただきます。




続いて空調システムです。

 

ここではオプション仕様の全館空調システム「エアドリーム・ハイブリッド」について紹介します。



先に全館空調を検討される方が気になるポイントをお伝えします。



・初期費用は約195万円(税別)

 

・基本性能は冷房・暖房・空気清浄・換気・除湿の5つ

*オプション仕様で加湿機能やVAV制御※1も有り

 

電気代の公表無し

*電力量料金の単価が安い低圧電力仕様



※1VAVとは、Variable Air Volume Controlの略で、部屋によって風量を調節し、室内の温度を調整するシステムです。

 

各部屋に設置された吹出口の中に、「電動ダンパー」と呼ばれる開閉式の羽を設置し、その開閉によって風量をコントロールできます。




全館空調のメリットは、

 

・季節を問わずに24時間どこにいても安定した温度環境で快適に過ごせる

 

・書斎や家事コーナー、ファミリークローゼットなど通常よりも空間分けが多い間取りプランと相性が良い

 

・吹き抜け・大空間の間取りプランでもエアコン効率が良い

 

・花粉やアレルギー症状を抑える



体調的に家の中の温度差に気を使いたい方にはおすすめです。

 

空気清浄機能もあり、埃や花粉、PM2.5など細かい粒子も捕集してくれるため、家全体の空気環境も良くなります。



またすっきりとした空間・インテリアを好まれる方も多く採用しています。

 

個別空調のように、エアコン機器が露出することはなく、すっきりしたインテリアも実現することができます。



一方で全館空調のデメリットは以下のとおりです。

 

・初期費用が高い

 

・年間の電気代がかかる傾向にある

 

・乾燥しやすい(加湿タイプもある)

 

・個別エアコンの性能が進化すると時代遅れの性能になる可能性がある

 

・室内の機械室や配管スペースが必要

 

このようなマイナス面もあります。



では住友林業の全館空調をみていきましょう。

 

住友林業のエアドリーム・ハイブリッドは、アズビル製の全館空調です。

 

実績トップの三井ホームや三菱地所ホームほどではないものの、近年装着率が上がってきています。



基本性能は冷房・暖房・空気清浄・換気・除湿の5つです。


※上の画像出典:住友林業HP ※画像外はユームの参考情報



この機能は一般的な全館空調とそれほど変わりはありません。



特筆すべき点は、「外気冷房」という機能です。

 

外気冷房とは、一般的にビルなどの大型建築物に採用されてきた環境に配慮したシステムです。

 

例えば「外は涼しいけど部屋は暑いから冷房を付けたい」というときに、自動で外気の涼しい空気を取り入れ、冷房機能を最小限に抑えて部屋を涼しくするシステムです。

 

これにより冷房費を抑えて省エネルギー化を図っています。


※上の画像出典:住友林業HP ※画像外はユームの参考情報



全館空調を採用すると、換気は熱交換換気が標準仕様となります。



エアドリーム・ハイブリッドの熱交換換気は、排気熱の約90%再利用ができる省エネ性が高い換気システムです。

 

空気清浄機能は、0.1μm〜2.5μmの粒子を99%除去してくれる「電子式エアクリーナー」が採用されいます。

 

これは一般的なフィルター式と異なり、集塵ユニットと呼ばれる静電気の力で細かい粒子を除去する方法です。

 

最大で1時間に3〜5回家全体の空気をクリーニングし、ほこりや花粉、PM2.5を除去してくれます。


※上の画像出典:住友林業カタログ ※画像外はユームの参考情報



気になる電気代は、詳細な公表はありませんでした。

 

電気・ガス料金を含めた年間の光熱費は、35坪の建物で個別エアコン5台分+ガス式床暖房と同等と明示しています。


※上の画像出典:住友林業HP ※画像外はユームの参考情報



住友林業の全館空調は低圧電力の仕様(三相電源仕様)となっています。

 

簡単に言うと、住友林業のエアドリーム・ハイブリッドは低圧電力の仕様で、月の電気代を抑える工夫をしています。



もう少し具体的に説明します。



低圧電力は一般的な従量電灯契約と違い、カフェなど小型の商業施設で使われる電力契約です。

 

では従量電灯と低圧電力の違いはなにか?

 

これは基本料金と電力量料金(「使った電気量×単価」の金額)の単価の違いです。

 

簡単にお伝えすると、

 

従量電灯は基本料金が低く、電力量の単価が高め

低圧電力は基本料金が高く、電力量の単価が低い

 

という特徴があります。

 

つまり電気をたくさん使う場合は低圧電力の方が電気代が安く、逆の場合は従量電灯が安くなるということです。

 

一般的な住宅であればほとんどが従量電灯です。

 

しかし全館空調の場合、24時間常時運転するため一定以上の電気量を必要とします。

 

そのため全館空調は低圧電力の仕様としているのです。

 

ただしこの仕様は他社でも採用されているため特別なものではありません。



また低圧電力にはデメリットもあります。

 

それは電気使用量が少なくても電気料金がそれなりに高いということです。

 

前述にお伝えしたとおり、基本料金が高いため冷暖房を使わない春や秋といった涼しい季節でも、ある程度の電気料金になることが予想されます。

 

残念ながらエアドリーム・ハイブリッドの電気料金の詳細な公表がありませんでしたが、過去の建築ブログを見ると、空調のみの電気代で13,000円前後のようです。




住友林業の全館空調を検討する際は重要な注意点もあります。

 

それは天井裏のダクトの結露対策です。

 

全館空調の冷暖房の空気は、「ダクト」を天井裏に這わせて、各部屋に設置された吹出口から届けます。



しかしみなさんもご存知かと思いますが、屋根裏は夏は暑く、冬は寒くなりやすい場所です。



つまり天井裏の室温とダクト内の冷暖房による結露のリスクがあるということです。

 

このような結露対策は、

 

・屋根裏(野地板)に断熱材を施工し屋根裏空間の温度環境を一定にする

 

ダクトのまわりを断熱材で覆う

 

このいずれかで結露のリスクに対応する住宅メーカーが多いです。

 

この場合、屋根裏(野地板)に断熱材を施工するのは非常に難しいため、施工実績が十分であるかよく確認した方が良いです。

 

ダクトのまわりを断熱材で覆う場合、その断熱材が湿気や結露に強いものであるかよく確認した方が良いです。



残念ながら住友林業のダクトの結露対策の詳細な公表はありませんでした。

 

ですので、全館空腸を検討される際はダクトの結露対策がどのようになっているかよく確認するようにしましょう。



7-2.一条工務店の空調・換気

 

まずは結論です。



 

省エネ性が高い第1種(熱交換)換気を標準仕様としている点で安心


冬は全館床暖房が標準仕様のため快適に過ごすことができる


オプション仕様の全館さらぽか空調は、一般的な全館空調とは違うので注意が必要

 



換気・空調の仕様はコチラです。



 

(換気システム)


第1種(熱交換)換気標準装備



(空調システム)


個別空調・全館床暖房標準仕様


オプション仕様の全館「さらぽか」空調もある

 



まずは換気システムです。



一条工務店の標準換気は、第1種(熱交換)換気です。

 

全商品モデルに標準対応している、熱交換換気システム「ロスガード90」を採用しています。


※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報



熱交換換気を標準仕様としている点は、断熱・気密性能にこだわる一条工務店ならではと言えます。



では具体的な特徴をみていきましょう。

 

ロスガード90は、温度交換率90%以上(冬季暖房時)、湿度交換率80%以上(夏季冷房時)の機能を備えています。



例えば、冬季暖房時の温度交換についてです。

 

室温20℃の部屋にロスガードを通して外気0℃を換気した際、室温が18℃(熱交換率90%)となります。

 

※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報



夏季冷房時の湿度交換については、給気から入った湿気を、排気する空気が回収して屋外に排出して快適な室内環境をキープします。



一条工務店では、ロスガードと断熱・気密性の高さから、年間の暖房費を1/3以下にセーブできることを明示しています。

 

シミュレーションでは、45坪で24時間全館床暖房約を利用して、6ヶ月で1.9万円(月々約3,200円)としています。

 

住友林業の全館空調と比較すると、かなり費用が抑えられていると言えます。

 

※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報



ロスガードには、空気清浄機能も付いています。

 

花粉の除去率は99%、PM2.5にも対応している高性能フィルターが使われています。



さらにオプション仕様で加湿機能付き熱交換換気システム「ロスガード90ウルケア」も用意されています。

 

これはパナソニックと共同開発された換気システムで、ロスガードに加湿ユニットを付けたものになります。

 

※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報



加湿機能はお手入れが非常に楽で、給水・排水を1日1回自動でしてくれます。

 

排水後は、換気による空気の流れで内部を乾燥し、雑菌の繁殖を抑えます。


※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報



さらに加湿だけの電気代は毎月300円(43インチの液晶TV3時間運転分と同等)のため非常にエコです。



続いて床暖房についてです。


※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報



一番の特徴は温水式全館床暖房を標準仕様としていることです。

 

一般的にはLDKや居室と、個別で床暖房を設置することが多いです。

 

一条工務店では廊下や洗面、トイレにも床暖房が付きますので家全体が暖かくなります。



ここで床暖房のメリットを簡単にお伝えします。

 

それは足元から温めてくれるため冷え性の方にはとても効果的で、しかも上下の温度差が少ないため快適に過ごせるということです。

 

足元から温めてくれるのはみなさんイメージしやすいですよね。

 

一般的には、暖気は上に溜まりやすく足元が寒くなりやすいというイメージの方が多いと思います。

 

床暖房の場合、足元から温めてくれるだけでなく、床・壁・天井でじんわり温めて放出される輻射熱を利用することにより、室内の温度環境を均一にしています。


※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報



気になる電気代は、外内ダブル断熱構法の約45坪の建物を冬のシーズン約6ヶ月間、24時間付けた状態で約1.9万円(月々約3,170円)のシミュレーションも公表しています。

 

電気代だけで言うと、住友林業の全館空調よりもかなり安いと言えます。


※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報



さらに一条工務店は、床暖房の設計・製造・施工まで自社グループで行っています。

 

そのため、低コストで一邸ずつ設計するカスタムメイドを実現しています。

 

温水を流す配管は耐熱性・耐衝撃性に優れ、50年以上の耐久性評価を得ています。

 

一般的な床暖房の配管は耐用年数30年以上のため、一条工務店の方が耐久性が優れていると言えます。



ただし注意点もあります。

 

それは一条工務店の配管が一般的なものより太いことです。

 

一般的なものは内径7mm程度ですが、一条工務店は内径10mmを採用しています。

 

内径が大きい分、温度が下がりにくいメリットがありますが、一方で作動時に温度が上がりにくいデメリットもあります。

 

実際の使用事例をみると、設定温度になるまで数日かかったという声もあります。



他にも少し変わった事例で、2階にWi-Fi電波が届きにくくなったという例もあります。

 

これは1階にWi-Fiルーターを設置した場合です。

 

これは床暖房のアルミパネルが電波を減衰させる要因となっているようです。

 

とはいえこの事象は一条工務店に限った話ではなく、一般的に断熱材や木材なども電波を減衰させる要因となります。

 

そのためWi-Fi利用時は、中継機を設置して対策をしましょう。




続いてオプション仕様の「全館さらぽか空調」です。

 

先にお伝えすると、全館さらぽか空調は、一般的な全館空調とは性能が違うため注意が必要です。

 

まずは全館空調を検討される方が気になるポイントです。



・初期費用は坪1.5~2.0万円(税別) ※30坪なら45~60万円

 

・基本性能は全館床冷房・床暖房・空気清浄・換気・除湿の5つ

 

電気代

夏:除湿運転+床暖パイプに通水(床冷房)で約11,000円/月

※公表値 37.8坪の試算

 

冬;床暖房で約3,170円

※公表値 約45坪の試算



全館さらぽか空調は、床暖房・床冷房、熱交換換気、サーキュレーターを組み合わせた空調システムです。



一般的な全館空調は室内機1台で全ての機能を果たしますが、全館さらぽか空調は3つの機器を使います。

 

まずはこの3つの機器の特徴をお伝えします。



1つ目は、床暖房・床冷房です。

 

床暖房は先ほどお伝えした通りです。

 

夏は床暖房を床冷房として使用することができます。

 

もう少し具体的にお伝えすると、床暖房パネルに敷かれたパイプに水を通すことによって家中の余分な熱を吸収してくれます。

 

例えば、夏の熱いアスファルトに水をかけて冷やすイメージです。



ここで抑えていただきたいことがあります。

 

それは、床冷房は個別エアコンや全館空調ほどの冷房性能はないということです。

 

なぜかというと室内を涼しくする仕組みが違うからです。

 

全館空調やエアコンは、設定温度の冷たい空気(風)を直接出して室内の空気を冷やして(涼しくして)います。



しかし床冷房の温度設定は、あくまでパイプに通水した水の温度のため、冷たい空気を出しているわけではなく、室内の熱を吸収して空気を冷やしています。



ちなみに暖房時も同様です。

 

ただ床暖房の場合は、暖気(床暖房によって温められた床付近の空気)は上に上昇しやすいという性質があるため、部屋が温まりやすいです。



一方で床冷房となると、寒気は下に溜まりやすいという性質があります。



そこで重要となるのが、2つ目のサーキュレーターです。

 

サーキュレーターとは、風を起こし室内の空気を循環させる機器です。



扇風機となにが違うの?と思った方に違いを簡単に補足します。

 

大きな違いは風を起こす目的です。

 

扇風機は、近い距離で広範囲に風を起こし、人が涼を取ることを目的にしています。

 

一方で、サーキュレーターは直線的で遠くまで風を起こすことで空気を循環させる目的としています。



つまり床冷房では、室内の熱を吸収して空気を冷やし、サーキュレーターで熱を循環させて部屋を涼しくしています。

 

※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報


※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報



3つ目は熱交換換気です。

 

熱交換換気は、一条工務店オリジナルの小型デシカント技術が大きな特徴です。

 

一般的にデシカントとは、乾燥剤もしくは除湿剤という意味です。

 

つまりデシカント技術とは、乾燥剤により空気中の水分を直接除去して除湿する方法です。



一条工務店の熱交換換気は、このデシカントローターと顕熱ローターの2つで効率的な温度・湿度交換をしています。

 

例えば夏のジメジメした時期です。

 

顕熱ローターでは、新鮮な外気(温かい空気)を排出する内気(涼しい空気)で冷やすことにより、熱効率の高い換気を行います。

 

この仕組みは一般的な熱交換換気と一緒です。

 

そこにデシカントローターで、新鮮な外気(ジメジメした空気)の水分を吸着、つまり除湿することにより、すっきりした空気を取り込むことができます。


※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報



冬の場合はこの逆になります。

 

顕熱ローターでは、新鮮な外気(冷たい空気)を排出する内気(温かい空気)で温めることにより、熱効率の高い換気を行います。

 

そこにデシカントローターで、水分を含んだ内気を吸着して、新鮮な外気と一緒に室内に取り込みます。

 

※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報



ただし注意点もあります。

 

それは冬場の乾燥リスクです。

 

デシカントローラーは室内の湿気を新鮮な外気に乗せて室内に戻す特徴があります。

 

しかしこれは加湿ではなく、あくまで保湿に近い機能です。

 

そもそも冬は乾燥しやすい時期なので、保湿だけでは乾燥を解消できない可能性があります。

 

実際の事例でも加湿器を置いている方も多いようです、




全館さらぽか空調では、特に夏の時期に、床冷房、熱交換換気(デシカントローラー)、サーキュレーターの組み合わせをフルに活用していると言えます。



中でも一条工務店では、デシカントローラーによる除湿機能がある熱交換換気が重要ポイントとしています。

 

月々の電気代は、公表値で除湿運転+床冷房で月々約11,000円としています。


※上の画像出典:一条工務店カタログ ※画像外はユームの参考情報



ここでおさえておくべき注意点が3つあります。

 

1つ目は、夏場に床冷房を使用した際の結露のリスクです。

 

結論は、問題ないかと思います。

 

よく他のハウスメーカーの営業担当者から、「床冷房はフローリングが結露しますよ」という声を聞きます。

 

たしかに夏の湿度が高い環境で床冷房を使って床面に冷水を流すと、その表面だけではなく、床内部に結露を発生させるリスクがあります。

 

しかしこの対策はデシカントローラーの除湿機能があるため、結露を発生させる湿度にはならないように工夫されているようです。



2つ目は、エアコンの設置です。

 

これは夏の床冷房と除湿機能だけでは暑いという意見もあるためです。

 

先程お伝えしたように、エアコンの冷房のように冷たい空気を出すわけではないので体感の違いがあるようです。

 

実際の設置事例もみると、エアコンを設置している方も多いです。

 

ただし一条工務店の標準で1台設置されるRAYエアコンとの併用はできないため、別途追加費用でエアコンの設置が必要となります。



3つ目は電気代です。

 

一条工務店の公表値は、除湿運転と床冷房の電気代です。

 

比較対象のエアコンは、「再熱除湿」の場合です。



再熱除湿とは、簡単に言うと温度を下げずに除湿だけしてくれる機能です。

 

除湿運転をしても温度は多少下がります。

 

再熱除湿は梅雨の時期など低温多湿の状態の時に使用すると良い運転モードです。



しかし一般的なエアコンの再熱除湿は冷房よりも電気代が高いです。



電気代も高いし夏の暑い時期に再熱除湿は使用する事は少ないです。

 

夏メインで使用するのは「冷房」です。



一条工務店では全館冷房の電気代は公表がないため、この点は少し心配です。

 

2つ目のエアコン設置によってもさらに電気代がかかる可能性もあります。



とはいえ個別エアコンと比較して、家中が快適な空間になるメリットは大きいので、この点は実際に体感しながら比較検討しましょう。




まとめ

 

 

住友林業

一条工務店

換気方式

■平屋・2階建て

3種換気が標準仕様


■3階建て以上

1種(熱交換)換気が標準仕様

■全商品共通

1種(熱交換)換気「ロスガード90」が標準仕様

空調方式

個別空調が標準仕様


オプション仕様の全館空調「エアドリームハイブリッド」

全館床暖房が標準仕様


オプション仕様の全館空調「全館さらぽか空調」

初期費用

全館空調「エアドリーム・ハイブリッド」:

約200万円(税別)


第1種(熱交換)換気:公表無し


第3種換気:標準仕様

全館さらぽか空調:公表無し



第1種(熱交換)換気:標準仕様

ランニングコスト

全館空調「エアドリーム・ハイブリッド」:13,000円前後



第1種(熱交換)換気:公表無し


第3種換気:公表無し

全館さらぽか空調:公表無し


全館床暖房:3,200円前後


第1種(熱交換)換気:公表無し

特徴

冷房・暖房・空気清浄・換気・除湿機能





オプション仕様で加湿機能やVAV制御も有り



冷房機能を最小限に抑える外気冷房機能付き







排気熱の90%を再利用できる熱交換換気機能付き




0.1μm〜2.5μmの粒子を99%除去してくれる「電子式エアクリーナー」



低圧電力仕様

基本料金が高いが、電気量単価が安い


ダクトの結露対策の公表無し

3つの機器を組み合わせた空調システム

・床暖房・床冷房

・熱交換換気ロスガード90・サーキュレーター


オプション仕様でロスガード90ウルケア(加湿機能)も有り


床暖房パネルで冷房・暖房を担う


サーキュレーターは主に夏に使用

床冷房の冷たい空気を循環させる


熱交換換気に使われるオリジナルの小型デシカント技術を使った除湿機能



ロスガード90に空気清浄機能が付いている

花粉や黄砂は99%除去

PM2.5にも対応





 

8.保証・アフターメンテナンスを比較

 

次に耐久性の裏付けの1つである保証についてです。

 

保証だけでなく、震災時などに即時対応してくれるアフターメンテナンスも重要なポイントです。



 

結論


保証


初期保証、最長保証ともに住友林業の方が長いため安心感がある


無料の定期点検期間も住友林業の方が長い


アフターメンテナンス


両社とも全国に直営部隊を展開していることから、アフターメンテナンスも同等の規模と予想される

ただしアフターメンテナンスの活動拠点を明示している住友林業の方が透明性が高い


地域にまたがる連携の面で一条工務店はやや心配



両社の具体的な保証内容はコチラです。



 

住友林業

一条工務店


基礎


初期保証30年
最長保証60年

※30年目以降は10年毎の有償メンテナンス工事が必須


初期保証10年
最長保証30年

※10年目以降は10年毎の有償メンテナンス工事が必須


構造躯体


防水


初期(最長)保証10年


防蟻


初期保証10年

最長最長60年

※10年目以降10年毎の有償メンテナンス工事が必須


初期(最長)保証10年


点検


60年間無料


20年間無料



それでは、具体的に比較していきましょう。




8-1.住友林業の保証制度

 

住友林業では、2020年4月1日から60年保証としています。

 

まずは結論です。



 

保証・メンテナンス期間ともに業界トップクラスのため安心

 



具体的な期間はコチラです。



 

(保証)


基礎、構造躯体、防水の初期保証は30年最長60年保証

※30年目以降は定期点検、有償メンテナンスを実施すると都度10年保証を継続


防蟻処理は初期保証10年、最長60年保証

※10年目以降は都度10年の再防蟻処理を実施、保証を継続



(メンテナンス)


定期点検は60年間無料

 



基礎、構造躯体、防水は初期保証30年、30年目以降に有償のメンテナンス工事を実施することで保証を10年継続することができます。

 

保証期間は最長60年です。

 

定期点検は、3ヶ月、1年、2年、5年、10年、15年…30年(5年毎)に実施します。

 

30年目以降10年毎、最長60年目まで実施します。

 

すべて無料点検です。

 

上記保証・点検内容は、2020年4月の請負契約以降の方が対象です。



保証について誤解しがちな点がありますので、もう少し詳しくお伝えします。



住友林業初期保証30年は、5年毎の定期点検10年毎の防蟻処理を実施することにより保証されます。

 

そして30年目以降は内容が変わります。

 

30年目以降の保証は、10年毎の定期点検有償メンテナンスを実施することにより、都度保証を10年延長することができます。

 

延長後の最長期間は60年目までです。

 

つまり保証を延長するには、30年後に有償メンテナンス(有料補修工事)の費用がかかるということです。

 

40年、50年目にも、保証延長のために有償メンテナンスが必要になる可能性があります。



住友林業の保証は、長期保証であるものの、大手他社も同等の条件であることが多いです。

 

みなさんが実際にハウスメーカー選びする際は、トータルのメンテナンス費用だけでも確認するようにしましょう

 

できれば営業マンの口頭や営業が作成したような資料だけでなく、会社が作成している資料で確認することをおすすめします。




8-2.住友林業のアフターメンテナンス

 

では次にアフターサポート体制についてみてみましょう。

 

住友林業のアフターサポート体制は、24時間365日受付対応をしてくれる「住友林業コールセンター」とグループ会社の住友林業ホームテックが対応しています。




 

全国に直営店を展開し、被災地外からの迅速なフォローも見込めるため安心できる



アフターサポート体制の特徴はコチラです。



 

24時間365日受付対応の「住友林業コールセンター」が窓口


アフターメンテナンスはグループ会社の住友林業ホームテックが対応

※営業拠点は約69箇所


拠点は北海道から鹿児島まで全国展開している

 



住友林業のアフターサポートは、グループ会社の住友林業ホームテックが対応します。

 

住友林業の100%完全子会社で、北海道から鹿児島まで全国展開しております。

 

住友林業ホームテックは、アフターメンテナンス以外にもリフォーム全般も事業展開しています。



アフターメンテナンス担当がいる詳細な拠点数の公表はありませんでしたが、参考までに支店数で数えたところ約69箇所ほどあるようです。



受付窓口は24時間365日対応している住友林業コールセンターが対応しています。

 

基本はコールセンターが受付対応をし、各拠点のアフターメンテナンスのスタッフが派遣される流れです。

 

アフターサポート体制のシステムは他社でも実施されており、突出したものではありません。



実はここが重要です。



何故かと言うと、被災エリア外から迅速にフォローできるのかどうかも、真に地震に強いハウスメーカーと言えるからです。



震災後はとても普通の精神状況ではいられません。



今までに経験した事の無い様な恐ろしく巨大な力による揺れに突然襲われ、建物が倒れていなくても周囲は惨状と化している中で、大きな余震は夜中も関係なく何度も襲ってくるのです。

 

ハウスメーカーの耐震性を語る際に、単に建物が地震に強いだけでは駄目なのです。

 

被災地では、ハウスメーカーの社員やご家族も被災者となります。

 

その様な時に、被災エリア外から迅速にフォローできるのかどうかはとても重要です。

 

その点で、住友林業はフランチャイズでは無く、本社直営のグループ会社が全国に広がってリスク分散しており、被災地外エリアからの支援が見込めるという点では、有事の対応組織力は高いと言えます。




8-3.一条工務店の保証制度

 

一条工務店は、30年保証になっています。



 

保証に関する詳細な公表が少ないため、心配な点が多い


「2倍耐震」構造限定の「30年耐震補償」は他社にはないメリットがあり安心できる

 



具体的な特徴はコチラです。



 

(保証)


基礎、構造躯体の初期保証10年最長30年保証

10,15,20年目の定期点検、有償メンテナンスを実施すると都度保証を継続


防水・防蟻は初期・最長保証10年



(メンテナンス)


定期点検は20年目まで無料



(地震補償)


「2倍耐震」構30年耐震補償も付与

 



では具体的な内容をみていきましょう。

 

基礎、構造躯体は初期保証10年、10年目以降に有償のメンテナンス工事を実施することで保証を都度継続することができます。



保証期間は最長30年です。

 

防水・防蟻は10年保証です。

 

定期点検は、2ヶ月、2年、10年、15年、20年に実施します。

 

点検はすべて無料です。

 

ただし20年目以降の点検については詳細な公表がありませんでした。

 

最長30年保証ですので、もしかしたら20年目以降は点検がない可能性が高いです。



一条工務店の保証内容は、大手他社と比較すると短く、詳細の公表もないため、不安な点が多いです。

 

メンテナンス費用の詳細な公表もありませんでしたが、実際の建築ブログをみると、10年目のメンテナンスで100~150万費用がかかり保証延長を断念したという方もいました。



住宅の不具合は10年を過ぎてから徐々に出てくると言われています。

 

そのため10年目に高額なメンテナンス費用がかかり保証の延長を断念せざるを得ないというのは、非常に不安な点です。

 

メンテナンス費用や保証体制はあくまで会社が決めた基準があるので仕方のない部分もありますので、今後は会社が作成した資料としてしっかり明示してもらいたいですね。




一条工務店では、「2倍耐震」構造に限り30年耐震補償が適用されます。

 

ただしこちらはおさえておくべきポイントもありますので後ほど紹介します。



まず補償制度の概要です。

 

30年耐震補償は、地震による全壊、半壊をした場合に適用されます。

 

全壊であれば建替、半壊であれば補修、により原状回復が補償されます。

 

補償内容は以下となります。



<補償の適用範囲>

 

・地震による建物直下の地盤の地割れ、または不同沈下により全・半壊

 

・上限金額は、建築時の建築請負工事金額まで

 

・補償期間は30年まで



<補償の適用外>

 

・地震により、当該地盤を含む周辺の広範囲の地盤に、地盤変形が生じて建物が損壊した場合

 

・倒木や飛来物、地盤からの噴出物、津波や火災によって建物が損壊した場合



標準的な地震保険は、建築請負工事金額の半額までが満額となり、5年ごとに更新をしないといけません。

 

保険金額を考えると、万が一のときにこの補償も付いていると安心感が違うでしょう。



ただしここでおさえておくべきポイントがあります。

 

それは補償の条件です。

 

この補償期間中は、30年間の長期保証の継続が必須となります。

 

つまり10年目以降、都度必要と判断された有償メンテナンス工事が必要ということです。



一条工務店では、このメンテナンス費用を公表しておりません。

 

実際の建築事例では、10年目点検で100~150万のメンテナンス費の提示があった事例もあります。



もちろん点検結果によってメンテナンス費は異なります。

 

長期保証の更新時に、このメンテナンス費用のハードルが高くなる可能性もあるので十分留意しておきましょう。



とはいえ地震による免責も対象としているハウスメーカーは、一条工務店とパナソニックホームズのみです。

 

一条工務店の耐震補償は、標準的な地震保険と比較して、ほぼ満額が適用されます。

 

これらの点からメリットも大きい補償制度であると言えます。




8-4.一条工務店のアフターメンテナンス

 

アフターサポート体制についてみてみましょう。

 

まずは結論です。



 

直営店を全国展開しているものの、地域間の連携に不安が残る

 



アフターメンテナンスの具体的な特徴はコチラです。



 

24時間受付対応の「メンテナンス事業部」が窓口


拠点数の公表無し



一条工務店はアフターメンテナンスや営業事業部の拠点数の公表はありませんでした。

 

受付窓口は24時間365日対応しているメンテナンス事業部が対応しています。

 

基本はメンテナンス事業部が受付対応をし、各拠点のアフターメンテナンスのスタッフが派遣される流れです。



一条工務店は、大手他社以上に直営部隊が各地域に広がっています。

 

メジャーのイメージを持ってない方もいらっしゃいますが、販売会社を含めると全国に拠点が広がっています。

 

ただし、計画地が住んでいるエリアと違うユーザーさんからの報告においては、地域にまたがる連携が上手くいっていないというケースが散見されています。

 

 

震災時のリスク分散面や被災地エリア外からの支援体制において、この点は非常に不安であると言えます。

 

何故かと言うと、被災エリア外から迅速にフォローできるのかどうかも、真に地震に強いハウスメーカーと言えるからです。



震災後はとても普通の精神状況ではいられません。



今までに経験した事の無い様な恐ろしく巨大な力による揺れに突然襲われ、建物が倒れていなくても周囲は惨状と化している中で、大きな余震は夜中も関係なく何度も襲ってくるのです。

 

ハウスメーカーの耐震性を語る際に、単に建物が地震に強いだけでは駄目なのです。

 

被災地では、ハウスメーカーの社員やご家族も被災者となります。

 

その様な時に、被災エリア外から迅速にフォローできるのかどうかはとても重要です。



その点では、全国に広がってリスク分散しているものの、迅速なフォロー体制ができるかどうかはやや疑問が残ります。




まとめ

 

 

住友林業

一条工務店

保証・点検

基礎、構造躯体、防水の初期保証30年、最長60年


30年目以降は定期点検、有償メンテナンスを実施すると都度10年保証を継続



防蟻は初期10年保証、最長60年

*10年毎の再防蟻処理で都度10年継続


定期点検は60年間無料



基礎、構造躯体の初期保証10年、最長30年


10,15,20年目の定期点検、有償メンテナンスを実施すると都度保証を継続



防水・防蟻は10年保証




定期点検は20年目まで無料

*20年目以降の公表無し

アフターメンテンナンス

24時間365日受付対応の「住友林業コールセンター」が窓口


アフターメンテナンスが住友林業ホームテックが対応

※営業拠点は約69箇所


拠点は北海道から鹿児島まで全国展開している


本社直営のグループ会社が全国に広がってリスク分散しており、被災地外エリアからの支援が見込めるという点では、有事の対応組織力は高い

24時間受付対応の

「メンテナンス事業部」が窓口


拠点数の公表無し




モデルハウスは全国展開している



全国展開しているものの、地域にまたがる連携が上手くいっていないケースが散見


全国に広がってリスク分散しているものの、迅速なフォロー体制ができるかどうかはやや疑問が残る

 

 

 

9.設計・デザイン力を比較

 

デザインの違いについても確認していきましょう。

 

デザインと言うと、外観が決まる上でポイントとなる外壁の仕上げや、大空間や天井高、3階建以上の建物などの設計も関連していきます。



 

結論


設計


ワイドサッシやコーナー開口など設計自由度は住友林業の方が高い


住友林業は設計満足度が高い


一条工務店は他社より設計ルールに厳しい傾向があり、注意が必要


デザイン


木の質感を生かしたインテリアは住友林業の方が得意


一条工務店は自社製造した設備機器が充実しておりコスパが良い



両社の設計、デザインの特徴はコチラです。



 

■住友林業


最大天井高2.8m最大開口7.1mが可能


コーナー開口やワイドサッシに対応


最大1.8mの張り出しでカーポートやゆとりあるテラスや玄関が可能


床、壁、天井に木を使ったインテリアが得意


3,4階建ての建築実績もある

 

 

■一条工務店


天井高は、

外内ダブル断熱構法:標準仕様2.4m(オプション仕様2.6m)

夢の家I-HEAD構法:標準仕様2.65m

*グランセゾン、セゾン、ブリアールが対象、百年は不明


最大開口は約3.6mのパノラマウィンドウ。ただし部屋の広さによって窓の数に制限がある


インテリア打合せ設計士が実施


仕様設備は基本的に自社製品から選択

 



では両社の設計・デザイン力を比較していきましょう。



9-1.住友林業の設計・デザイン力

 

住友林業の大きな特徴はビッグフレーム構法による大開口な空間です。



 

ビッグフレーム構法の特徴を生かした大開口の空間が得意


木質感のデザイン=住友林業と言えるほど実績が多い

 



住友林業の設計、デザインの特徴はコチラです。



 

天井高は2250㎜、2400㎜、2600㎜、2800㎜の4種類のラインナップ


最大7.1mの大開口が可能


コーナー開口やワイドサッシに対応


最大1.8mの張り出しでカーポートやゆとりあるテラスや玄関が可能


床、壁、天井に木を使ったインテリアが得意

 



住友林業のデザインの特徴は、なんといってもビッグフレーム構法による開放的な空間が取りやすい点と、自社で扱う木のインテリア部材の豊富さです。

 

特にインテリアの木質感は、素材の多さや提案力が非常に高いと言えます。

 

「住友林業=木」というイメージはまさにこれらの実績があるからこそでしょう。



まずは天井高です。

 

天井高は、2,400㎜、2,600㎜、2,800㎜、3,100mmの4種類のラインナップがあります。

 

また床下げを利用した最大約3520mmの天井高や、2階屋根の傾斜を利用した勾配天井にも対応しています。


※上の画像出典:住友林業HP ※画像外はユームの参考情報



標準仕様は、2,400mmです。

 

オプション仕様で他3種類のラインナップから選ぶことができます。

 

天井高の違いは感覚的にも全然違いますので、ぜひモデルハウスなどを見に行った際は気にかけて見てみてください。



補足ですが、一般的には天井高の変更は数十万円のオプション仕様としてるハウスメーカーが多いです。

 

しかし契約前で天井高まできちんと説明してくれる営業担当者は正直少ないです。

 

契約後、他の追加変更との積み重ねで100万近く増えてしまって仕方なく諦めてしまった、

ということがないように事前に金額だけでも把握しておきましょう。



ビッグフレーム構法は、ラーメン構造の特徴を生かした大開口の空間を得意としています。

 

ビッグコラム(大断面集成柱)による最大7.1mの大開口を実現することができます。

 

この最大長さは車2台+αに対応しているので、ビッグフレーム構法はビルトインガレージ

との相性も良いです。


※上の画像出典:住友林業HP ※画像外はユームの参考情報



特に木造住宅でここまでの開口幅を実現しようとすると、オプション仕様や自社独自の構法に変わり、大幅な金額UPとなるケースが多いです。

 

ビッグフレーム構法は標準構造で最大7.1mの開口幅に対応しているため、他社と比べると大開口や大空間を実現しやすいと言えるでしょう。

 

また四隅に開口を設けたコーナー開口にも対応しています。


※上の画像出典:住友林業カタログ ※画像外はユームの参考情報



2階の張り出し部分を有効活用することもできます。


※上の画像出典:住友林業カタログ ※画像外はユームの参考情報



上図のように一般住宅では2階の張り出し部分は0.9mまでに対して、ビッグフレーム構法では1.8mまで広げることができます。

 

これによりカーポートとして活用したり、テラスの庇や玄関ポーチといった外部空間の有効活用も可能です。



ビッグフレーム構法は家具のレイアウトもしやすいようにディティール部分にも工夫がされています。

 

それは鉄骨造のような柱が出ず、すっきりした室内空間で家具の配置ができることです。


※上の画像出典:住友林業カタログ ※画像外はユームの参考情報



上図のように鉄骨造になるとどうしても四隅に柱が出てしまい、ソファなど大きな家具の配置がうまくできないケースがあります。

 

しかしビッグフレーム構法のビッグコラムは長方形柱のため、室柱を気にすることなく家具のレイアウトができます。



施工実績では、3,4階建て対応の「PROUDIO」が用意されています。

 

ビッグフレーム構法の特徴である大開口は、3,4階建てでも実現することができます。

 

特に都市部は狭小住宅が多いため、限られた敷地の中でも大開口を取るのは嬉しいです。

 

※上の画像出典:住友林業HP ※画像外はユームの参考情報



続いてデザインです、

 

住友林業と言えばなんといっても「木の質感」が一番の特徴です。

 

2018年1月〜2019年12月に9,510名を対象にした自社調査でも、65.4%の方が木の質感を理由に住友林業で建築しています。


※上の画像出典:住友林業HP ※画像外はユームの参考情報



床材にはウォルナット、マホガニー、チークの世界三大銘木ははじめさまざまなバリエーションを揃えています。

 

またオリジナル内装部材「プライムウッド」には、インテリアのアクセントになるウッドタイルや木目調天井もあります。



ただこれらの建材は他社でも採用されていることが多く、決して住友林業でしか使えないものではありません。



それでも「住友林業=木」のイメージが強いのは、木を使ったデザインのノウハウや社員の知識が他社よりも浸透しており、実績も豊富だからと言えるでしょう。

 

木質感のデザインが好きな方は、住友林業をぜひ検討してみても良いでしょう。



それでは住友林業の商品をいくつかご紹介します。

 

平屋、2階建て、3,4階建ての3種類で商品が分かれています。

 

HPで掲載されている商品は、すべてビッグフレーム構法のため基本的な構造や仕様が変わることはほとんどありません。



ただしマルチバランス構法の建物商品やデザインの詳細な公表はありませんでしたので、この構法で検討される際には、事前に営業担当者に確認をしましょう。



各商品とも木を使った木質感のデザインが特徴です。

 

■My-Forest BF

※上の画像出典:住友林業HP ※画像外はユームの参考情報

 

■GRAND LIFE

※上の画像出典:住友林業HP ※画像外はユームの参考情報

 

■PROUDIO

※上の画像出典:住友林業HP ※画像外はユームの参考情報



最後に打合せの形式です。

 

営業・設計・インテリアコーディネーター・エクステリアプランナーの専任チームで家づくりが進められます。



設計などメインの打合せは主に営業・設計・インテリアコーディネーターが担当します。

 

特に設計については、2018年1月〜2019年12月に9,510名を対象にした自社調査で、設計満足度97.9%と非常に高い実績もあります。


※上の画像出典:住友林業HP ※画像外はユームの参考情報




住友林業の打合せでは、積極的に3DCGプレゼンテーションも提案しています。

 

そのため打合せの中で間取りや外観、インテリアのシミュレーションができるため、「打合せで決めた内容がイメージと違っていた」ということが少ないのが設計満足度の高い理由と言えるでしょう。



ただし、注意点もあります。

 

例えば、3者でしっかりと報連相ができておらず意見が食い違ってしまいトラブルにつながる、または営業のことは気に入っているが設計士とはタイプが合わないなどです。

 

家づくりのスタッフは、営業担当を通して社内でアテンドすることが多いので、自分の要望を思いつく限り伝えて、それを叶えてくれるスタッフをアテンドしてもらえるようにお願いしましょう。




9-2.一条工務店の設計・デザイン力

 

一条工務店の設計、デザインをみていきましょう。



 

一条工務店は他社より設計ルールに厳しい傾向があり、注意が必要


一条工務店は自社製造した設備機器が充実しておりコスパが良い

 




 

天井高は、

外内ダブル断熱構法:標準仕様2400mm(オプション仕様2600mm)

夢の家I-HEAD構法:標準仕様2650mm

*グランセゾン、セゾン、ブリアールが対象、百年は不明


最大開口は約3.6mのパノラマウィンドウ。ただし部屋の広さによって窓の数に制限がある


インテリアの打合せは設計士が行う


仕様設備は基本的に自社製品から選択

 



一条工務店は住宅メーカーの中だと比較的間取りの制限が厳しい傾向があります。

 

特にオプション構造である「2倍耐震」は、許容応力度計算が必要なため、標準構造以上に厳しい可能性があります。



これが結論です。

 

しかしこれには理由があり、断熱性能や気密性能、耐震性能を確保するために自社で厳しい設計基準を設けているからです。

 

6.省エネや断熱性能の違いでお伝えしたとおり、一条工務店はハウスメーカーの中でトップクラスの断熱・気密性能を誇ります。

 

この性能を確保するために厳しい設計基準を設けています。

 

そのため、性能重視で、かつ提案された間取りに大きな不満がなければ一条工務店は良いと言えるでしょう。

 

一方で住友林業のような開放的な間取りを希望している方には一条工務店は不向きかもしれません。



ではもう少し具体的にみていきましょう。



まずは天井高です。

 

天井高は構法によって標準仕様が変わります。

 

・外内ダブル断熱構法:標準仕様2400mm、オプション仕様で2600mm

 

・夢の家I-HEAD構法:標準仕様2650mm

*グランセゾン、セゾン、ブリアールが対象、百年は不明

 

に分かれます。



住友林業と比較すると天井高のバリエーションは少ないです。

 

天井高の違いは感覚的にも全然違いますので、ぜひモデルハウスなどを見に行った際は気にかけて見てみてください。



ちなみに外内ダブル断熱構法で天井高2600mmを採用する場合、過去の建築ブログを見ると、1階の坪数×約20,000円程度の追加金額がかかるようです。

 

参照:一条工務店で建てた ふわふわ☆わんこのお・う・ち

 

ですが正式な公表はありませんでしたので、検討される際には事前に営業担当者に確認をしてみてください。



続いて大開口です。

 

大開口は、後にお伝えする一条工務店の設計ルール上、あまり得意でないと言えます。

 

過去の建築事例やHPを参照すると、パノラマウィンドウという約3.6mの3枚ガラスの窓が最大幅のようです。

 

住友林業の最大開口幅と比較すると半分程度です。

 

とは言え一般的な掃き出し窓が約1.6mのため、2倍以上の大きな窓の採用が可能です。



ここからは一条工務店の設計ルールについてお伝えしていきます。

 

抑えておいたほうよい注意点もあります。

 

設計ルールは、よく建築ブログなどでは「一条工ルール」と呼ばれているようです。

 

これは耐震性能や断熱性能を確保するために厳しい基準が設けられているからです。



今回は、窓も含めた3つの事例を紹介します。



1つ目は窓です。

 

一条工務店では部屋の広さによって窓の数が決められています。

 

例えば、8畳以下なら2つ8~12畳なら3つ、12畳以上なら4つといった例です。

 

ただし同一サイズの窓を連続で採用するときは1つの窓としてカウントできるといった例もあるようです。

 

一方でパノラマウィンドウを採用すると、上の基準の例外で他の箇所で窓が取れないケースや大幅な間取り変更をしないといけないといったケースもあります。

 

また窓の上下サイズは天井高2400mmを前提に作られているものが多く、天井高2600mmに合わせた大きい窓はありません。



2つ目は細かい設計変更が難しいです。

 

先に結論を言うと、一条工務店は壁の移動は最小455mm間隔までです。

 

これは設計基準でよく使われる尺モジュールの基本単位である910mmの1/2にあたります。



尺モジュールとは、910mmを基本単位とする設計基準のことです。

 

910mmは柱と柱の中心の距離を指しており、実際には柱や壁の厚さの分だけやや狭くなります。

 

よく正方形の碁盤目状に図面が引かれている間取り図を見ることがあると思いますが、この1マスが910mmです。



他のハウスメーカーでは910mmの1/4(約225mm)や1/8(約114mm)まで対応していることが多いため、一条工務店では他社と比較すると微調整が難しいと言えます。



3つ目はフローリングです

 

一条工務店のフローリングはワンフロア1色のみを基本としています。

 

ただしオプション仕様で、1階と2階の変更は可能です。

 

フローリングはインテリアカラーの大部分をしめる箇所になります。

 

例えば2階の寝室は落ち着いた雰囲気でダーク色のフローリングにしたい、子ども部屋は明るい雰囲気にしたいからナチュラル色のフローリングにしたい、といったことができません。

 

部屋ごとにインテリアを変えたいという方は個別にフローリングの色を変えれないのが難点になりそうですね。



紹介した3つの事例は、細かい内容かもしれませんが、どのハウスメーカーでも打合せで必ず決めていく内容です。

 

特に注意していただきたいのは、これらの事例は契約後に打合せすることがほとんどということです。

 

契約前の時点で、お施主様から要望がない限り、細かいインテリアの色や窓のサイズまで打合せすることはありませんし、そこまで説明してくれる営業担当はほとんどいません。



これは一条工務店に限った話ではありませんが、後から細かいルールを知って理想の間取りにならなかったというケースは少なくありません。

 

一条工務店に限らず住友林業にも設計ルールがあります。

 

あくまで住友林業よりも一条工務店の方が設計ルールが多いということです。

 

この点については、契約前に事前によく設計士に確認をして、本当に理想の間取りプランができるか、気になる箇所は早めに相談、確認をしておきましょう。



施工実績では、3階建てまで対応しています。

 

ただし詳細な実績はありませんでしたので割愛させていただきます。



続いてデザインです。

 

商品によって、夢の家I-HEAD構法か外内ダブル断熱構法かで構法が変わります。

 

まず外内ダブル断熱構法です。



■i-cube(アイ・キューブ)

※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報



キューブ型の外観デザインに、白を基調とした明るくスマートなインテリアが映えるシンプルモダンな住宅です。



■i-smart(アイ・スマート)

※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報



外壁や窓などのエクステリアから、キッチンなどの設備、ドアやフローリングなどのインテリアまで、住まいの隅々まで美しさと機能性の両立にこだわった住宅です。



ここからは夢の家I-HEAD構法です。



■GRAND SAISON(グラン・セゾン)

※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報



4つのインテリアスタイルを選ぶことができる商品です。

 

全面タイル外壁にアクセントを添えるパラペットルーフやルーバーなど外観のディティールにこだわった住宅です。

 

一条工務店の性能と上質なデザインが融合した、“ここに住む喜び”を存分に感じられる邸宅です。



■SAISON(セゾン)

※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報



無垢材をふんだんに使った上質な室内空間と、レンガタイル貼りの落ち着いた佇まいの住宅です。

 

一条工務店の洋館「セゾン」は、格調高いヨーロピアンスタイルのデザインと素材にこだわった、本物志向の本格木造注文住宅です。



■SAISON Atype(セゾン Aタイプ)

※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報

 

スタイリッシュなのに、どこか温かさが感じられる「セゾンA」の住まいは、明るくカジュアルなヨーロピアンデザインが魅力的な住宅です。

ナチュラル感のある素材でコーディネイトされたインテリアが特徴です。



■Brillart(ブリアール)

※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報

 

ブラウン色のオールドテラコッタの瓦屋根に、白・黄色・ベージュ・オレンジなどの組み合わせでデザインされたプロバンスを思わせる南欧風の住宅です。



■百年(ひゃくねん)

※上の画像出典:一条工務店HP ※画像外はユームの参考情報

 

床の間や雪見障子などのある本格的な和風住宅から、現代風にアレンジした和モダン住宅まで、日本の伝統美を活かした和の住まいを実現する住宅です。

 

伝統的なデザインと先進的なテクノロジーが融合して、風格ある佇まいの中に高い機能性を持たせています。



最後は、打合せの形式です。

 

一条工務店は、営業と設計で打合せを担当します。

 

ただしここで大きな注意点があります。

 

それは契約前の打合せです。

 

契約前は、基本的に営業担当者が間取りプランを提案します。

 

設計士の提案は、契約後、改めて要望をヒアリングしてからです。



参照:一条工務店で建てた ふわふわ☆わんこのお・う・ち

 

参照:家づくりの応援サイト イツキのブログ



また一条工務店では、間取りに関わらず建築面積×坪単価で建築費を提案しており、オプションについても予め価格が設定されています。

 

つまりお施主様の要望に対して、ある程度の家の大きさと採用したいオプションを決めておけば大きく金額が変わることがないということです。



契約前の間取りプランの作成やその打合せ時間を大幅にカットできることを考えると効率的な方法ですよね。



しかしユームの見解としては、心配な点が2つあります。



1つ目は、契約前は営業担当者が間取りプランを提案しているということです。

 

営業担当者は設計士ではありません。

 

建築士の資格をもっている担当者や実績豊富な担当者であれば良いかもしれませんが、設計のプロではありません。

 

特に間取りプランは、高低差などの敷地の条件や住宅街の周辺環境によっても変わります。

 

本来であれば、設計士がこれらを事前に確認し、建築費に関わるリスクがないかなどを確認して、要望に沿った間取りプランを提案します。

 

しかし営業担当者がここまで細かい部分を網羅できているかどうかは疑問であります。

 

また本来であれば設計士とお施主様が打合せをすることで、プロの目線から間取りに対する気付きや新しい要望が生まれることも多々あります。



設計士は契約前の打合せは参加せず、かつ間取りプランは営業担当者が提案すると言われると、今後の打合せでのトラブルの可能性に不安が大きいように考えます。



2つ目に、設計のルールが厳しいということです。

 

冒頭お伝えした通り、一条工務店は断熱・気密性能を満たすため設計ルールが厳しいことをお伝えしました。

 

つまりルールが厳しいと言われている中で、営業担当者が提案した間取りプランで契約を決めて良いのか疑問であるということです。

 

比較的設計ルールが自由であれば、あとでいろいろ変えれるから大丈夫と思います。

 

しかしルールが厳しいと言われていて、その担当者がどこまで設計ルールを網羅しているのかはやや不安です。

 

特に設計ルールは、一条工務店に限らず他社でも、契約前に説明することはほとんどありませんので、注意が必要です。



契約後の打合せでも気になる点があります。

 

それはインテリアコーディネーターがいないことです。

 

インテリアの打合せは設計士が行います。

 

これは営業担当者が間取りプランを提案するのと一緒で、設計士はインテリアのプロではありません。

 

インテリアも住宅の満足度に繋がる重要な打合せなので不安が残ります。

 

特にフローリングはワンフロア1色のみなど、インテリアについてもルールが決まっています。

 

限られたルールの中で、設計士だけで、満足のいくインテリア打合せになるのかは疑問であります。

 

もちろん一条工務店の打合せに満足している方も大勢いますので、一概に悪いとは言えませんが、ユームの見解としては、打合せ体制に不安が多いため注意が必要だと考えます。

 

 

 

まとめ

 

 

住友林業

一条工務店

天井高

■ビッグフレーム構法

標準天井高:2400mm



天井高2250㎜、2400㎜、2600㎜、2800㎜の4種類がある


折上げ・折下げ天井にも対応

*3100mmや最大約3520mmも可

■外内ダブル断熱構法

標準仕様:2400mm

(オプション:2600mm)


■夢の家I-HEAD構法

標準仕様:2650mm

建物実績

3,4階建て

3階建て

設計・大空間

ビッグフレーム構法は最大7.1mの大開口が可能


コーナー開口が可能


張り出し部分1.8mまで拡大できる


自社調査で65.4%が木の質感を理由に契約


世界の銘木からオリジナル内装部材まで多数の木質材を用意



パノラマウィンドウ約3.6mの開口が可能


設計ルールが厳しい

・窓

8畳・・・2箇所

8~12畳・・・3箇所

12畳・・・4箇所


・設計

壁の移動は最小455mmまで


・床

ワンフロア1色のみ


*オプションで1,2階の色変更は可

打合せ形式

営業・設計・インテリアコーディネーターがチームとなって提案




設計満足度97.9%の高い実績がある


3DCGプレゼンテーションを積極的に提案

営業・設計が提案



契約前は営業が間取りプランを提案


設計は契約後に参加



契約前から設計士がいない、契約後にインテリアコーディネーターがいない形式に不安な点が多い

 

 

 

10.会社状況を比較

 

ここでは住友林業と一条工務店の企業体制と経営状況について比較していきます。



 

■住友林業


国内No.1の木材・建材商社


日本国土の1/800の社有林を保有


国内・国外に幅広く住宅事業を展開している



■一条工務店


直営店とフランチャイズグループで全国展開している


自社のフィリピン工場との関係性の詳細な公表は無し


住宅展示場出店数、戸建住宅販売戸数全国No.1

 



 

10-1.住友林業

出典:住友林業HP

 

 

 

国内No.1の木材・建材商社


日本国土の1/800の社有林を保有


国内・国外に幅広く住宅事業を展開している

 



住友林業は、その名の通りさまざまな木に関する事業を展開しています。

 

主軸となるのは、国内山林の経営や木材の製造・流通といった木材建材事業と住宅・不動産事業です。

 

特に木材建材事業と住宅・不動産事業で、グループ全体の過半数以上の売上げを担っています。

 

中でも住宅・不動産事業では、注文住宅が主軸となっていますが、最近では中規模以上の木造建築のも事業を広げています。

 

例えば、ゼネコン会社の熊谷組と業務・資本提携を結んで、中規模木造建築のトータルコンサルティングブランド「with tree」を立ち上げています。

 

また2041年を目標にした、地上70階建て・高さ350mの木造超高層建築物の計画も打ち出しています。

 

このように戸建住宅以外にも新たに事業を展開しています。

 

さらに住宅・不動産事業は国外にも幅広く展開しています。

 

主にアメリカとオーストラリア、アジアに拠点を構えており、今一番業績が上がっている事業です。

 

年々売上げを伸ばしており、直近2020年の決算報告では木材建材事業や住宅・建築事業に並ぶ売上げを上げています。



今後、日本の住宅着工戸数が減っていくと言われている時代の中で、自社の強みである木を生かしたさまざまな事業展開をしているのが住友林業です。



10-2.一条工務店

 

一条工務店は、元々静岡県浜松市から発展してきた会社です。



 

一条工務店と直営店とフランチャイズグループで全国展開している


自社のフィリピン工場との関係性の詳細な公表は無し


住宅展示場出店数、戸建住宅販売戸数全国No.1

 



一条工務店は東京と浜松に本社を置く直営店と東北から山陰にかけてフランチャイズグループで全国展開しています。

 

「性能」と「省エネ」に力を入れており、高性能住宅の販売を通じて平成27年度 省エネ大賞では経済産業大臣賞を受賞したり、第4回ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジーの大賞受賞などの、数多くの受賞をはたしています。

 

出典:一条工務店HP



また一条工務店は、2020年現在では大手ハウスメーカーの中での販売戸数でナンバー1、住宅展示場棟数でもナンバー1、となっています。

商品別でみても、「i‐smart」が9,000棟を超えており、大ヒット商品となっています。

 

以前は、積水ハウスが長らくトップに君臨していましたが、一条工務店が抜き1位を独占しています。

 

一方で一条工務店は非上場企業のため、詳細な経営状況を公表していません。



ちなみに一条工務店が自社生産をしているフィリピン工場は、HRDという本社がシンガポールにある企業が運営していています。

 

ただしこちらも詳細な公表はありませんでした

 

参照:HRD HP




そのフィリピンの工場で約8割ほどの建築資材を製造しているようです。

 

こちらに関しては不安要素とも言えます。



JETROによると、フィリピンの国民一人あたり名目GDPはインドネシアよりは少し低くて、ベトナムよりは高いです。

 

経済成長率はほとんど6%台をキープしていて、この数年間インドネシアよりも高い成長率です。

 

ただ、製造業のワーカーの方の人件費は、ベトナムより安くて、インドネシアよりも約34%も安いのが現状です。



フィリピンの消費者物価指数も2019年度も2.48%と上昇しているなかで、製造業のワーカーに限っての人件費は2014年よりほとんど変わっていません(直近ではやや低下)。

※参照「フィリピンの経済動向」日本貿易振興機構(JETRO) 2020年9月

 

同じくJETROの調査では、日系企業が労働争議や訴訟という問題を抱えているとする率が、フィリピンはマレーシアの2倍以上、ベトナムの4.85倍としています。

※参照 「ジェトロ 2019年度 アジア・オセアニア進出日系企業実態調査」

 

これも賃金を含めた働き手不満が溜まっているのが原因なのではないかとも見て取れます。

 

実際に2011年から2015年までと比べると、ストとなった件数は数倍に増えています。



これだけ一般の方が世界の情報を簡単に入手できるなかで、はたして今後も同じASEANでも賃金が安いまま働いてくれるのかが気になるところです。



補足ですが、一条工務店の80%の建築資材を製造しているこの工場ではこの10年で2度も火災事故が起きています。

 

現地の若い作業員の死亡者も出てしまっています。



一事が万事ではありませんが、働く方の志気や管理体制に不安が残ると言わざるを得ません。



実は、現政権が法人税の優遇を2027年までは、外資誘致の施策としていて、多くの日系企業がフィリピンで事業を行っています。

 

ただ、それらの大企業は他の国にも拠点を持ちリスク分散はできていますが、一条工務店はフィリピンで80%の建築資材を製造しています。

 

フィリピンの経済・賃金・政治情勢が会社の命運を握っていると言っても過言ではない点が心配ではあります。



また、もう一点不安な要素は、フィリピンの海上運賃です。

 

2020年11月の前年比の海上コンテナ運賃は4倍超です。

 

主な原因はアメリカの住宅建築需要や巣篭もり需要が上向いたことなどによるものですが、この海上運賃の高騰は2021年に入ってからも続いています。

 

いずれにしても、フィリピンの工場に資材を運搬し、そこで加工した建築資材を日本に運搬するにしても、この海上運賃の影響をダイレクトに受ける点が懸念材料と言えます。




10-3.経営状況

 

IR情報(2020年3月期)

*一条工務店は公表無し

住友林業

一条工務店


設立


1948年2月2日

*創業1691年

*注文住宅事業設立1975年


1978年9月


資本金


327.86億円


5.446億円


売上高


4,740億円(住宅・建築事業)


4,670億円


経常利益


225.7億円(住宅建築事業)


377億円


経常利益率


4.8%(住宅建築事業合算)

*事業部全体は5.32%


8.1%


受注棟数


8,132棟


注文住宅:7,427棟

戸建分譲住宅:311棟

賃貸住宅:959棟


約14,000棟


i-smartが9,000棟以上

 

参考サイト⇒住友林業HP 2020年3月決算短信ファクトブック決算概要説明資料

参考サイト⇒一条工務店HP

 

2020年3月期の決算を見ると、受注棟数は一条工務店の方が1.7倍多いという結果でした。

 

売上高はほぼ同等ですが、これは棟単価が住友林業の方が高いからです。

 

経常利益・利益率をみると、一条工務店の方が1.7倍高い8.1%を水準しています。

 

この利益率は木造大手ハウスメーカーと比較するとトップクラスの利益率で、鉄骨大手ハウスメーカーと遜色ない数字です。

 

2020年6月25日の住宅産業新聞で、戸建住宅販売戸数、住宅展示場数ともに全国1位と、会社が非常に好調であるのが大きな理由でしょう。



一方で住友林業はどうでしょうか。

 

住友林業の住宅・建築事業の経常利益率約4.8%、事業全体では約5.32%です。

 

決して高い数字ではないものの比較的に安定した利益率を確保できていると言えます。



また住友林業では、2020年度より決算期を3月から12月に変更しています。

 

そのため2020年12月期決算(2020年4月1日〜12月31日)も公表しています。

 

事業全体では約6.11%と、新型コロナウイルスの影響があるにも関わらず、前年比(約5.32%)から+0.79%に推移しています。

 

特に好調なのが海外事業です。

 

住友林業はアメリカやオーストラリアを中心に海外事業も手掛けており、2015年以降毎年売上げが上がっています。

 

国内の安定基盤を基にして、海外事業においても既に成果(全売上の約27.8%)をだしており、さらに躍進も望めリスク分散も進んでいます。

 

2020年度の売上高は、前年比25.8%増です。

 

売上高でみると、住友林業が約3,523億円に対して積水ハウスは約3,707億円と、積水ハウスに迫る勢いをみせています。



一方で、国内の注文住宅を含めた住宅・建築事業は、新型コロナウイルスの影響を大きく受けています。

 

ただその中において、注文住宅では当社の家づくりをWEB上で体験することができる「MYHOME PARK(マイホームパーク)」を展開するなどWEBを用いた営業活動に注力しています。

 

また設計力を活かし、在宅勤務の広がりによる働き方の変化など新しいライフスタイルに対応したプランの提案に注力し、受注は前年同一期間(2019年4月1日〜12月31日)を上回る水準に回復しました。



2021年以降は、2020年11月に総合建設会社のコーナン建設を新たにグループ傘下に迎えたため、中大規模の木造建築の事業拡大が期待されています。




しかし住友林業も一条工務店も、経営状況において決して安心できるというわけではありません。

 

住宅業界では年間の新築着工棟数があと数年で数十万戸減少することが確実視されています。

 

そのため今後淘汰されていく住宅会社が多いとも言われています。



今までも、外断熱の雄である野村ホームや高品質の在来工法を提供していた三井ハウスも、親会社が野村不動産や三井物産と大手でしたがすでに撤退をしています。

 

建てた会社や住宅部門が撤退してしまうと、家の長期保証やアフターフォロー面に影響するだけでなく、信頼性が損なわれマイホームの資産価値も落ちてしまいます。



つまり大手トップクラスの売上げを残している住友林業や一条工務店とはいえ、十数年後にどうなっているかはわからないということです。



特に一条工務店は、非上場企業のため詳細な経営状況を公表しておらず、今後の見通しや会社状況が不透明な点はやや心配な点です。

 

住友林業は、国内では中大規模建築の事業拡大や海外事業拡大によるリスク分散と、将来を見越した経営という点で、さまざまな施策を打っています。



ただし注文住宅において、両社とも自社の強みを効果的に宣伝できていると思います。

 

住友林業ではビッグフレーム構法と木の質感という強みを、一条工務店は性能の強みを、持っています。

 

今後両社がどうなるのかは断言できませんが、みなさんには失敗後悔して欲しくないです。

 

今後生き残り長期保証が継続できるような、独自の強みがある会社を選んでいただければと思います。

 

 

まとめ

 

今回は住友林業と一条工務店の違いを徹底比較しました。

 

両者とも各比較項目で、メリット・デメリットがありましたが、はっきりとした自社の強みを生かした販売戦略を行っているように感じました。

 

もちろんメリット・デメリットは、ユーザーのみなさまそれぞれ感じ方は違うはずです。

 

ここまで読んでいただき、今後のハウスメーカー選びの参考にしていただけたらと思います。

 

 

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