こんにちは。ユーム永野です。
今回は、
土地を探して購入してから、平屋・2階を建てたい方におすすめの【用途地域】と注意点がわかります。
「土地は南向きが良いけど、用途地域ってよくわかならい」という方も多いと思います。
用途地域は重要です。
もし「周囲の環境も静かで良さそうだな」と購入した土地でも、家を建てた後にすぐ隣に風俗店が建ったとか、周りに背が高い建物が建って陽当たりが悪くなったとなると、後悔してしまうのではないでしょうか?
隣にラブホテルやパチンコ店が来ても全然OKという方もいるかと思いますが、多くの方はそれは困ると思われると思います。
この記事を2分ほど読めば、そうならないための、土地探しで失敗や後悔しないための知っておくべき用途地域がわかります。
途中で、土地探しや購入で覚えておきたい、建蔽率(建ぺい率)とプラス10%の緩和、日影規制などもわかります。
土地探し・購入 平屋・2階建て向けの【用途地域と注意点】 |
これらが、人気サービスのご案内のあとスグわかります。
1.平屋・2階の注文住宅を建てるのにおすすめの用途地域とは?
まず簡単に自己紹介をします。
一分一秒を争う一流レストランなどの厨房の動線設計を経て、ハウスメーカー時代を入れると、少なくとも80億円以上の注文住宅の計画をトータルサポートしてきたユーム 永野です。
はじめに「用途地域」に関しての結論です。
平屋、2階建てなら「一低層」か「二低層」が良いです。
平屋、2階建てなら第一種か第二種低層が良い |
今回は、その理由と注意事項をお伝えします。
また、希望エリアに「一低層」「二低層」が無い場合のおすすめの用途地域もお伝えします。
最後に、そこに住んでいる方には大事件とも言える、静かに暮らしていたエリアの用途が変更してしまって、急に夜にネオンきらめく騒がしい土地になってしまった!という実例があるので紹介します。
それでは、順番に説明します。
2.用途地域とは?
「用途地域」とは何でしょうか?
用途地域とは、その土地にどんな建て物を建てられるのか? どんな建物は建築できないのかを規定・制限した地域のことです。
一般的に、戸建て住宅に向いているのは8つの用途地域です。
一応お伝えしますが、これは全部を覚えなくて大丈夫です。
・第一種低層住居専用地域
・第二種低層住居専用地域
・第一種中高層住居専用地域
・第二種中高層住居専用地域
・第一種住居地域
・第二種住居地域
・準住居地域
・田園住居地域
まあ、「住居」とついているから当然ですよね。
実際には、次の用途地域でも家は建てられます。
これも覚えなくて良いです。
・近隣商業地域
・商業地域
・準工業地域
・工業地域
次にお伝えするポイントだけおさえておけば大丈夫です。
3.平屋・2階建てにおすすめの用途地域と注意点
平屋や2階建てを建てる方に一番おすすめは「第一種低層住居専用地域」です。
平屋・2階建てに一番おすすめは「第一種低層住居専用地域」 |
「一低層」と覚えておきましょう。
文字どおりなので、どんな地域かわかりますよね。
大きな建物は建たないエリアですので、陽当たりも確保できることが多いです。
基本的に物販のお店や飲食店も建たないです。
ただ、将来自宅の1部で、小さなサロンやフラワーアレンジ教室とか何か手づくりした作品の店舗も開きたいなとご相談を受けることも多いです。
「一低層」では、50㎡約15坪までであれば店舗併用住宅であれば可能です。
50㎡約15坪までと言っても30畳までなので、老後に地域に貢献しながら何か収入も得たいということもできるわけです。
ただ、店舗併用に関しては、地域の協定や将来規制がかわるかもしれませんので、良く確認しましょう。
周りに高い建物が無く、閑静な住宅地がお好みの方はこの「第一種低層住居専用地域」「一低層」が一番おすすめです。
平屋や2階建てを建てる方に、二番目のおすすめは「第二種低層住居専用地域」です。
平屋・二階建てに2番目におすすめは「第2種低層住居専用地域」 |
「二低層」と覚えておきましょう。
「一低層」の場合は、約15坪までの店舗や事務所併用住宅が可能でしたが、
「第二種低層住居専用地域」略して「二低層」は、もう少し大きな150㎡約45坪ほどの店舗等は単独で建てられます。
日用品とか、食堂、カフェ、パン屋さんやクリーニング店・・なんかパン屋さんだけ「さん」づけしてしまうのですが、
あとは英会話教室などに限定されます。
いわゆる良好な住環境です。
周りに高い建物が無く、閑静な住宅地がお好みの方に向いています。
この「一低層」「二低層」は大きな建物が建たないだけではなく、風俗関係とか、カラオケやパチンコ店もできないので、比較的静かに過ごせるという点でおすすめです。
ただし、「第一種低層住居専用地域」「第二種低層住居専用地域」、いわゆる「一低層」「二低層」でも注意点があります。
高い建物は建たないと言っても、理論上は3階建ても建ちます。
「ここは陽当たりがいいな」と土地を購入しても、
目の前や左右の建物が3階建に建替えとなる可能性はあります。
空き地に3階が建って、少し陽当たりが悪くなったとか、圧迫感があるとか、隣の上の窓から見下ろされている感じがするということもあるということです。
とは言っても、この「一低層」「二低層」の地域では、建物の高さが10mまたは12mまでと制限があります。
軒の高さが7mを超えるか、3階以上で条例が指定する区域の場合は、日影規制の適用を受けるので、他の用途地域よりも日陰になる時間は少ないと言えます。
日影規制という言葉はよく出てきます。
文字通り隣地、特に北や北東・北西側の隣地に日陰となる時間を抑えようというものです。
それが場所によっては3時間以上日陰になったら駄目とか、4時間や5時間以上は駄目と決まっています。
その為に3階を小さくしたり、斜め上に削らないといけないことが多いです。
それでも、平屋や2階建てを建てたくて、まわりが3階が建つと嫌だという方は、容積率が100%以下のエリアの土地を探すと良いです。
容積率とは、各階の面積の合計です。
通常は、延床面積と言います。
容積率が100%ということは、単純に言うと土地の面積の50%を1階、残りの50%を2階で設計すると、それで100%の面積となるので、もう3階は建てられないということです。
閑静な住宅街である「一低層」や「二低層」でも容積率が150%、200%の土地もありますので、そうなると周囲が3階建てとなる可能性が高くなります。
そうなりたく無い方は容積率100%以下の土地を探しましょう。
ただ先日ご相談いただいた方は、「二低層」でハウスメーカーから提案されたプランが、土地の大きさ的にご希望どおりの間取りが入らなかったので、3階をご提案して満足いただいています。
「一低層」「二低層」で予算内で、気に入った間取りができるなら3階でも良いかもという方は注意事項がありますので、「3階向けの用途地域の注意点」を参考にしてみてください。
3階向けの用途地域の注意点は コチラ
また、「一低層」「二低層」は、建蔽率(建ぺい率)も30%~MAX60%まで地域によって指定されています。
簡単に言うと、「建蔽率(建ぺい率)」とは敷地面積に対して、建てられる家の建築面積の割合のことです。
「建築面積」とは、建物を真上から見たときの外壁の柱と柱の中心で囲まれた面積です。
木造で2×4とか2×6などの枠組み壁工法の場合は、その外壁の枠組み材の中心で囲まれた面積です。
例えば、これが土地だとして、土地の坪数が40坪だとします。
この土地が、建ぺい率が50%の場合は、建築面積はその土地面積の半分までなので、20坪までの建物しか建てられないということです。
敷地が狭い方によく提案するのは、1階よりも2階を大きくして、その一階よりも張り出した2階の下に駐車スペースを設けるというものです。
この場合の建築面積は、あくまでも建物を真上から見た時の面積ですので、2階の面積となります。
バルコニーを大きくしたいという方も多いです。
特に最近はリビングの外のテラスの庇を延ばしたいという方が多いので、その場合も一応、お伝えしておきます。
バルコニーや庇を長く伸ばした場合は、付き出た部分が1m以下の場合は面積には含まれません。
1mから先の部分は面積に含まれます。
ただ、そのバルコニーや庇の両サイドに柱や壁がある場合は、その柱や壁で囲われた内側の部分は建築面積に含まれます。
話を戻しまして、
「一低層」「二低層」の用途地域では、その建ぺい率が30%、40%、50%、そして最大でも60%と決められています。
角地の場合は、特定行政庁の要件に見合えばプラス10%の建ぺい率緩和となる場合もあります。
いずれにしても、他の用途地域よりも、建物が密集していないので、風とおしも良く暮らしやすいエリアです。
特に隣の家が近いのは嫌だけど、大きな敷地は買えないと言う方は、この「一低層」や「二低層」では、建築基準法第54条により、隣地境界線より、建築物を基本的に1mか1.5m離さないといけないという「外壁の後退距離」が定められている場合が多いので、そのエリアを探すと良いでしょう。
因みに、民法第234条では、建物を築造する時は隣地より50㎝以上離すこととされていますので、1mの外壁の後退地域であれば、その倍は隣地や隣の建物と離れることになります。
よくご相談があるのは、1mや1.5m境界から離すのはいいけど、収納が足りないということです。
その場合は、その外壁後退ラインの緩和規定も使えます。
例えば先日ご提案したのは、ハウスメーカーから提示されたプランでキッチンの収納が足りないということだったので、建物の一部を隣地境界から1mの後退ラインから突き出してパントリーとしました。
突き出した部分の横や縦の外壁の長さが3m以下であれば、壁面後退の規制を受けずに建てることができるわけです。
また、他の方は玄関の収納も少ないということだったので、その玄関直ぐ近くに、外観デザインと合うおしゃれな断熱仕様の倉庫も提案しました。
床面積が5㎡以下で、軒の高さを2.3m以下の倉庫も壁面後退ラインから外側に設置できます。
ただし、人が中に入れる倉庫は建築面積に入るので注意は必要です。
また話を戻しまして、
「外壁の後退距離」が定められているエリアの場合は、隣の家と2mか、3mは離れることになるので、プライバシーを少しでも保ちたい方には向いています。
また、隣からのもらい火のリスクも密集地よりは少ないので、防災的にも望ましいエリアと言えます。
用途地域の話で言えば、この二低層に近いのが、田園住居地域です。
ただ、ビニールハウスなどがあることも多いので、農薬やニオイなどをあまり気にしない方には向いています。
4.一低層・二低層以外の平屋・2階向き用途地域
今までは「一低層」か「二低層」が良いですよとお伝えしてきましたが、
希望するエリアにそんな地域無いよという方もいると思います。
また、「一低層」や「二低層」で探しても、全然良い土地が出てこないという方も少なくないです。
ここからは、そういう向けにお伝えします。
最後に、今お話をしていることがひっくり返ったという事件とも言えることをお伝えします。
3階は嫌だけど、希望のエリアに「一低層」とか「二低層」の土地が無いという方は、「第一種中高層住居専用地域」「第二種中高層専用地域」「第一種住居地域」がおすすめです。
希望エリアに「一低層」「二低層」が無い場合は、「第一種中高層住居専用地域」「第二種中高層住居専用地域」「第一種住居地域」 |
「一中高」「二中高」「一種住居」と覚えても良いです。
理由は、「近隣商業地域」や「商業地域」と比べて、「第一種や第二種中高層」「第一種住居」であれば、カラオケやパチンコ、夜のお店、ラブホテルや風俗店などは建たないからです。
今建築中の方は、最初は2階建てを希望で、なかなか良い土地が出ないので、駅近くで土地を小さくして3階建てを提案して、気に入った土地を買えた方です。
そういう方にも「一中高」「二中高」「一種住居」は向いています。
ちなみに「第二種住居地域」はクラブや風俗店は建ちませんが、カラオケやパチンコは建ちます。
最後に、今までお伝えしてきたことがひっくり返るような実例があるのでお伝えします。
不動産業者から、ここは駅徒歩3分で、「第一種住居」だから、ラブホテルとか、カラオケボックスとかできないから、駅近くの中では住むのに最適ですよ。と言われても、確かにそのとおりなのですが、絶対そうとも言えないということです。
先日、妻が行ってきた京都の例でお伝えします。
2015年に京都駅の駅近くで「第一種住居地域」だったエリアが「商業地域」に用途変更となりました。
これは、いままでカラオケやパチンコ店、夜のお店、ラブホテルや性風俗関連のお店が建てられなかったエリアが急に何でもアリ的なエリアに変更となったわけです。
駅近くで資産価値も高いだろうと、将来何かあったらすぐに売れるだろうと思っていたら、ちょっと売りづらい、資産価値落ちた、みたいなこともあり得るので、特に駅すぐ近くのエリアはある程度覚悟が必要です。
今は、京都駅近くの実例をお伝えしましたが、これは特別なことなので、そんなに頻繁に用途地域が変わることはないでしょう。
今回お伝えしたように用途地域それぞれの特徴によって、住みやすさが変わってくるので、用途地域の区分は、必ずチェックしておきましょう。
まとめ
平屋や2階建てで、閑静な住宅地が希望であれば、まずは「第一種低層住居専用地域」「一低層」か、「第二種低層住居専用地域」「二低層」の土地を探しましょう。
周囲に3階建てが建つのが嫌であれば、容積率100%以下のエリアが良いです。
ビニールハウスや農業が近くにあってもよければ、「田園地域」も良いでしょう。
希望エリアに「一低層」「二低層」が無い場合は、「第一種中高層住居専用地域」「第二種中高層専用地域」「第一種住居地域」の土地も視野に入れましょう。
その「一中高」「二中高」「一種住居」地域であれば、カラオケやパチンコ、夜のお店、ラブホテルや風俗店などは建たないからです。
とは言っても、京都駅近の実例のように用途地域が変更する場合もありますから、駅近く希望と言う場合は、ある程度住環境の変化については覚悟が必要です。
最初は2階建てが良くても、駅近で土地を小さくして価格を抑え、3階建てにした方も少なくありません。
その可能性がある方はコチラもどうぞ。
設計の自由度を求める方向き、閑静な住宅街が良い方向きの、3階建てにおすすめの用途地域と注意事項
ユーム 永野
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