こんにちは。ユーム 永野です。
今回は、注文住宅のよくある費用面についての失敗例と対策です。
先日相談受けた方の失敗例というか後悔したという例です。
その方の失敗例を簡単にまとめると、
気に入ったハウスメーカーに予算を伝えて、これ以上は本当に出せないと伝えていて、なんとかなると言われたので、何回もプランの打ち合わせしたが、1,000万円以上も予算オーバーの見積がでてきた!
驚きをとおり越してあきれたし、今までの打ち合わせは何だったのかと腹立たしい!
簡単に言うとそういう失敗例です。
相談としては、そのハウスメーカーは断ったので、ユームからおすすめのハウスメーカーと担当者を紹介して欲しいという内容でしたが、
今回は、その失敗例があまりにも多いので、その対策にフォーカスしてお伝えします。
家づくりを始める前か、なるべく早い段階で知っておけば、何故予算オーバーの提案となるのかの営業と設計士の実情を知ることができ、そうならないための対策もわかります。
その結果、予算の中でより良い提案を受けられるようになります。
・・・・・
まず簡単に自己紹介をします。
一分一秒を争う一流レストランなどの厨房の動線設計を経て、ハウスメーカー時代を入れると、少なくとも80億円以上の注文住宅をトータルサポートしてきたユーム 永野です。
今もU-hm株式会社を経営しており、建築会社選びの契約前のご相談や、契約後に最終決定する前のご相談に日々対応しています。
・・・・・
それでは、
予算と予防を伝えて大丈夫と言っていたのに、全然予算と違う提案と見積がでてきた!
何でそのような費用面で失敗するのか?
そうならないためにはどうすれば良いのか?
おさえていきましょう。
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|失敗実例と要因
最初にウチのスタッフが見つけたネットで紹介されている失敗談を紹介しておきます。
“「1 坪いくら」とうたっていたメーカーが、実際に頼んでみると倍くらいの金額がかかった。”
|
出典: 暮らしニスタ 「【施工会社別】注文住宅で家を建てた人の口コミ・体験談」
最初聞いていたのと2倍も見積が違ったというのは、私は聞いたことは無いので、これは極端な例だと思いますが、金額がかなり上がったという方はとても多いです。
私が大手と呼ばれるハウスメーカーの営業マン時代にそれが嫌で、なるべくあとで金額を上がらないようにしようと思っていたことは、私のお客さんならわかっていただいていると自負しています。
ただ、実際には約半分の方は金額は大なり小なり上がっています。
1億以上の計画の方では3,000万円ほど上がった方もいますが、一般的には数十万円上がったという方が多いです。
でも、これは業界的には少ない方です。
且つ、約半数の方は契約時よりも金額が下がりました。
下がったと言っても、多くの場合は数十万円という方が多いので、劇的に数百万円下がったという方はとても少なかったです。
ただ、契約後に半分近くの方の金額が下がったというのは、珍しいケースであることが実態だと感じています。
このことは、どこかの機会で詳細をお伝えしたいと思います。
今回は、最近私がご相談をいただいた方の例をお伝えします。
自分達で住宅展示場を回って、一番建てたいと思ったハウスメーカーの営業担当者に自分達がどういう家を建てたいのかの要望を伝えていて、トータル予算も4,000万円まで。それ以上は出せないと伝えていた方の例です。
“何回も打ち合わせをして、間取りも気に入り、こんな家がそのハウスメーカーで建てられるなら嬉しいとワクワクしていた。
なのに、最後に1,000万円以上も予算オーバーの見積が出てきて、驚いたを通りこしてあきれた!
とても無理だし、予算以上には出せないと伝えていたのに、今までの打ち合わせは何だったのか? 正直怒りも少しこみ上げたし、落胆した。”
|
という実例です。
この方は1,000万円も上がったということですが、数百万円上がったという方は本当によくいます。
もちろん、納得済みで、なんとか予算アップできるケースもありますが、予算と全然合わないと、途方にくれてしまいますよね。
こちらを読んでいる方の中には、
「どうせ金額が上がるなら、最初に予算を低く伝えておけばいいじゃん。」
と思われる方もいらっしゃるかもしれないですが、
それは、あまり得策ではないです。
どうしてかと言うと、あまり予算を低く伝えてしまうと、営業マンも設計士がこの予算でお客さんの要望入れるのは到底無理だからとやる気無くして、取り敢えずプランみたいな提案となりがちだからです。
なので、本当の予算よりも、あえて、低く伝えるのはあまりおすすめしません。
ではどうすれば、予算の中で良い提案をもらえるのでしょうか?
それを理解するためには、
まずは、どうして、予算よりもかなりオーバーな提案となってしまうのか?
その要因をおさえておくことが大事です。
こうなってしまう原因は、いくつかあります。
まず大きな原因は営業担当者です。
次のアポを取れとか、プラン依頼をもらえと、上司からプレッシャーを受けている営業マンも少なくありません。
私は若い時も、上司からそういうプレッシャーを受けたことは一回もありませんでした。
むしろ、言葉悪く聞こえるかもしれませんが、アポを取るお客様を選んでいる感じでした。
お手伝いをしたい。
この人にはベストな提案をしたい。
値引も目いっぱいしたい。
と思えるお客様を選んでいるという感じでした。
これは自慢したいということではなく、
実際に、私のような営業担当者は少ないということと、
ほとんどの営業マンは、契約する前に、次のアポを取りたい。プラン依頼をもらいたいと思っているということだけは、
まずは知っておいて欲しいので、お話をしました。
ですので、今回のように、まずはアポを取りたくて、要望は聞いていたけれど、最初にあえて安くかかりそうな費用を伝えてしまった可能性があるということです。
または、あまり実績がなくて、実際に聞いた要望がいくらぐらいでできるのかわからなく、安く伝えてしまった可能性もあります。
そして、こういうケースを良く散見してきましたが、営業マンの力不足が原因で、予算管理できないケースです。
より良い提案を、お客さまの予算に合わせてするのが、営業の仕事です。
ただ、設計士とうまく連携できなかったり、営業マンが自分よりも実績が多い設計士に、きちんと予算内での提案をするように言えずに、設計士が暴走気味に予算に関係なく自己満足できるプランを描いてしまったということが原因ということです。
これはよくあります。
特に実績が多い設計士に遠慮してしまう営業マンが多いです。
もちろん、設計士も、わざと金額が高くなるプランを書こうとしていません。
自分がプロの仕事として、納得できるプランを提案したいと思っています。
ただどうしても予算よりもかなりオーバーな見積となりがちです。
ハウスメーカーに入社して3年ぐらいの若手の時は、よくベテラン設計士とぶつかってました。
「予算に関係なければ、良いプランを描けるのは当たり前でしょう!」と。
今思うと、若造がめちゃくちゃ生意気に何人かのベテラン設計士と口論していました。
でもそのあとはとても良い仕事を継続できたものです。
本音でぶつかり合ったあとに、いろいろと教わることも多かったです。
どんなプランが本当に良いのか?
それを考えようとする設計士が私は大好きです。
施主様家族が、年を重ね、お子様が成長していく、将来のことも思って、より良いプランとは何か?を忙しい日々の中で、悩み絞り出す作業はとても重要で、そのような設計士を選んで、お客様に紹介してきました。
まずは、契約をもらうために営業マンと結託して、なるべく安くなるような図面を提案する設計士よりも全然いいです。
ただ、設計力・提案力があるが、予算管理力が弱い設計士は正直多いです。
だから、注文住宅というプロジェクトのリーダーである営業が重要です。
予算を管理して、その中でベストな提案をするのは、営業担当者の仕事です。
設計士がプラン二ングしたものを、予算内かなるべく予算に近づけるにはどうすれば良いのか?
自分のアイデアを提案しながら、設計士と喧々諤々つめるのがプロジェクトリーダーである営業担当者の仕事です。
それをできないまま、提案してしまうから、予算と全然合わない提案がでてきてがっかり!という大きな要因となっています。
もう一つの要因は、最初に金額の相談をする際の、自分達の要望の伝え方や、営業マンや設計士のヒアリングの仕方です。
当然みなさんの要望を聞かないと営業マンは概算を伝えられないのですが、営業マンや設計士がその要望のヒアリングの仕方が弱いことが多いです。
また、施主側が自分達で要望をまとめて来ましたというパターンも少なくないですが、十分に網羅していないことが私の経験上は100%でした。
もちろん、家づくりの素人なので、それを補うようにヒアリングするのが、営業担当や設計士の仕事ですが、それが甘いとあとからいろいろと追加変更となって、金額がどんどん上がっていきます。
つまり、施主の要望の伝え方とハウスメーカーの営業や設計士の要望の聞き方が弱いことが、原因とういことです。
これも少なくありません。
今までお伝えしたことが原因で、気に入ったハウスメーカーに相談したら、金額もなんとかなりそうと言われたので、プランと見積を依頼した。
打ち合わせも長時間かけたのに、もう全然無理な金額とプランを提案された!
となってしまうのです。
これは良くありがちなことです。
ではどうすれば、こういったことを防げるのでしょうか?
その対策をお伝えします。
要望と予算を伝えていて、
それで大丈夫だと聞いていたのに、
予算と全然違う提案と見積がでてきた!
とならないための対策です。
|対策➀
本当の予算を営業担当だけでなく、設計士にも伝えることです。
そして口頭+記録で、くれぐれも予算内の提案をしていただくように依頼することです。
営業担当と設計士の両方に伝えることが重要です。
営業担当から口頭で設計士に伝えた時に、その予算内で提案して欲しいという主旨が弱まってしまうことが多いからです。
できるだけ、(口頭) プラス (メール) プラス (打合せ議事録)という形で、自分達の本当の予算を伝え、
その予算内で提案して欲しい。
と、しっかりと依頼することです。
そして、もう一つより良い提案を受けるためのポイントをお伝えします。
それは、その「予算よりも上がるけれどもより良い提案があればそれも教えて欲しい」と聞くことです。
これによって、予算内の提案だけでなく、より良い提案も逃すことがなくなります。
もっと言うと、予算が3,000万円の方であれば、あと100万円だせたとしたらどんな提案があるか、予算が1億円の方であればあと700万円出せたらどんな提案があるのか?という感じで、具体的な金額を伝えてより良いアイディアを引出してみることです。
それを言うタイミングは最初の提案が出てきてからでよいと思います。
最初にそう聞くと、伝えていた予算がもっと出せるのだと思われるからです。
また予算の中に入れようと四苦八苦して、贅肉を削るではないですが、できるだけ余分な所を割愛してプランを作成しているので、プランを一回作った時に、もっと良い提案はありますか?と聞かれても、営業も設計士も、だいたいはすぐに、ここをもっとこうすればより良くなりますと、プラスαのアイディアを伝えられるものです。
その時は、営業担当と設計士の両方に聞くと良いです。
それぞれ違うアイディアが出てくることも少なくないからです。
予算内のプランと、プラスαの提案が出てきたら、
あとは、値引や要望の取捨選択をすれば良いわけです。
|対策②
実績があり、予算の中でより良い提案をしてくれそうな営業マンと出会うまで住宅展示場のモデルハウスなどで、アンケートを書いて個人情報を提供しないことです。
個人情報を提供した時に接客した営業マンがあなたの担当となるからです。
詳しくは、「住宅展示場でしない方が良い3つのことと対策」でわかります。
とは言っても、契約前はどの営業マンも一生懸命で、特に最初の方は、みんな接客マニュアルを練習していますので、良さそうに見えます。
ですので、今まで予算オーバーとなった理由と、その時にどんな提案をして解決したのかも聞いてみると良いです。
これは、メールではなく、直接聞くと良いです。
その答えや回答する時の表情で、なんとなくその人の実績や考え方がわかるものです。
答えが曖昧だったり、質問と回答がかみ合わない担当はやめておいた方が良いです。
今回は以上です。
ユーム 永野
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